２０２２年秋、「どこかにマイル」と全国旅行支援で東北の旅　６．東照宮から地震の傷跡が残る仙台城を散策

2022/10/31 - 2022/10/31

今回の旅の最終日。あまり遠くへ行けないので、仙台市内の電車で行ける所に行くことにした。仙台で最近起こった地震の影響の大きさを感じさせられた。
１０月３１（月）ホテルで朝食を済ませて、仙台駅から東照宮駅へ行き仙台東照宮を見学。仙台駅に戻って、地下鉄東西線で薬師堂駅も行き、陸奥国分寺跡を散策。地下鉄東西線で国際センター駅に行き、青葉山公園から仙台城跡を巡る。以前来た時に見た仙台城本丸跡の伊達政宗騎馬像が地震で損傷しシートがかけられた状態にあり、残月亭も破損し「センサーが作動しておりますので中に入らないください」と張り紙がしてあって被害の大きさを痛感した。見学の後、仙台駅に戻って昼食をとって、仙台空港に行き午後の日本航空の便で大阪は帰る。

エリア 仙台(宮城)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JALグループ JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

１０月３１（月）宿泊したホテル・モンテ エルマーナ仙台で朝食を済ませてチェックアウト。ホテルに荷物を預けて仙台駅に行く。JR仙山線で午前８時３０分過ぎに東照宮駅に到着。「仙台東照宮」へは駅から北に歩いて２分ほどの距離。仙台東照宮は二代藩主伊達忠宗が１６５４（永応３）年に創建した神社。

仙台東照宮 寺・神社・教会

境内入り口には写真の石鳥居がある。伊達忠宗が奉納した石造の明神鳥居である。県内最古の鳥居で、柱には「承応三年午甲四月十七日」の刻銘がある。伊達忠宗夫人の振姫の郷里の備前国の犬島から海路で運ばれた。石鳥居は国の重要文化財に指定されている。

仙台東照宮 寺・神社・教会

天気も良く、爽やかな気分で境内を歩くと表参道の石段が見えてくる。石段の左右に石灯篭が建っている。伊達家一族家臣より３８基が奉納され、伊達騒動に関係した家臣の石灯篭は取り除かれた。後に奉納され現在３８基になっている。石鳥居と同じ岡山県犬島の花崗岩が使われている。石灯篭は国の重要文化財に指定されている。

仙台東照宮 寺・神社・教会

石段を上がって行くと左右に２体の随身像を据えた２階建ての「随身門」がある。欅の素木造、屋根は入母屋造り銅板葺。当初は銅瓦葺で要所に錺金具が付けられていたが、戊辰戦争の際に官軍により剥ぎ取られた。妙法院宮尭然親王筆の「東照宮」の扁額が掲げられている。随身門は国の重要文化財に指定されている。

仙台東照宮 寺・神社・教会

随身門の奥には拝殿がある。１９３５（昭和１０）年に放火により炎上、１９６４（昭和３９）年に再建された。屋根は入母屋造、銅瓦葺。内部は畳敷、天井は折上格天井。２代藩主・伊達忠宗が東照大権現を伊達家の守護神として祀るため、３代将軍徳川家光の許しを得て造営した。

仙台東照宮 寺・神社・教会

写真左に拝殿、右に石灯篭と唐門、透塀があり、その奥に本殿がある。中央の石の間と呼ばれる幣殿が拝殿と本殿を結んでいる。日光東照宮のような権現造ではなく、本殿と拝殿が別棟で、その間に唐門を配置した瑞宝殿と同じ形式になっている。本殿は非公開で、徳川家康を祭神として祀る最も重要な建物。本殿や唐門、透塀は国の重要文化財に指定されている。

仙台東照宮 寺・神社・教会

唐門は写真のように弓形に中央が高く、左右に流れる曲線状にした唐破風が施された門。要所に飾り金具を取り付け、彫刻に金箔を施した豪華な印象を引き立てている。両開きの扉の板にも金箔を押し、円形の浮彫が施され鳳凰、唐獅子、麒麟が彫られている。透塀が本殿を取り囲み、世俗と分離している。本殿は総欅造。屋根に付けられている千木・鰹木が見える。

仙台東照宮 寺・神社・教会

午前９時過ぎに仙台東照宮を出て、JR仙山線で仙台駅に戻る。地下鉄東西線で薬師堂駅に午前１０時過ぎに到着。

薬師堂駅 駅

駅から西に少し歩いて陸奥国分寺跡に行く。陸奥国分寺は奈良時代に創建された。写真は「陸奥国分寺薬師堂仁王門」で、１６０７（慶長１２）年の薬師堂創建時に建立された。２００７（平成１９）年に修復され、市内では珍しくなった萱葺屋根の八脚門で、建立当初の姿に近づけて修復された。宮城県指定有形文化財になっている。

仁王門の近くに写真の陸奥国分寺跡の石碑がある。７４１（天平１３）年聖武天皇の勅願により建立された国分寺のうちで最も北にある。１９５５（昭和３０）年から発掘調査が行われ、周囲を築地塀で囲み、内部は南大門、中門、金堂、講堂、僧坊が南北中軸線上に並び、中門と金堂は複廊式の回廊で結ばれ、鐘楼、経楼、七重塔等を配した大規模な伽藍であったことが分かった。。国指定史跡になっている。

境内を歩くと、写真の優美な袴腰を履いた重層の「鐘撞き堂」がある。伊達政宗が１６２９（寛永６）年に鋳造させた梵鐘が納められてたが、太平洋戦争で軍に供出されたため残っていない。現在の梵鐘は、１９６７（昭和４２）年に新鋳されたもので、除夜の鐘の時だけ鳴らされている。

さらに進むと、写真の「薬師堂」がある。１６０３（慶長８）年、岩出山から青葉城へ居を移した伊達政宗は、１６０７（慶長１２）年に旧陸奥国分寺講堂跡に薬師堂を再建した。薬師堂は桃山時代様式の方五間、向拝をつけ勾欄をまわした単層入母屋造り、本瓦葺の仙台最古の建造物であり、国指定有形重要文化財になっている。

陸奥国分寺跡陸奥国分寺薬師堂 寺・神社・教会

薬師堂の西にある木ノ下公園に写真の「准胝観音堂」がある。１７４５（延享２）年に第６代藩主伊達宗村は、母の長松院殿が准胝観音を寄付したことを受けて建立された。朱色に塗られた御堂が特徴的。準胝観音は五穀成就・子宝・安産の御利益があるとして信仰されている。

仁王門の近くには写真の天平廻廊。「陸奥国分寺が創建された奈良時代の雰囲気を感じながら休息できる施設です。かつて南大門（現在の仁王門）の北側には中門と金堂をつなぐ廻廊がありましたが、廻廊跡の発掘成果をもとに、伝統工法と現代広報を融合させた建築として廻廊（天平廻廊）を再現しました」と説明されている。

史跡陸奥国分寺・尼寺跡 ガイダンス施設 名所・史跡

天平廻廊の横に２０１７（平成２９）年に史跡陸奥国分寺跡地内に史跡陸奥国分寺・尼寺ガイダンス施設がつくられた。史跡を通して地域の歴史や文化に親しみ、学びや体験ができる場として整備された。国分寺と国分尼寺の創建や、平安時代に起きた貞観地震を経て、寺やこの地域が復興するまでの歴史をパネルや発掘調査の出土品を展示して紹介している。

史跡陸奥国分寺・尼寺跡 ガイダンス施設 名所・史跡

午前１０時過ぎに陸奥国分寺跡を出て、仙台城跡に向かう。写真の地下鉄東西線の国際センター駅に午前１０時30分頃に到着。駅前には仙台出身のフィギュアスケートの羽生結弦選手のモニュメントが飾られていた。

国際センター駅 駅

駅から南に少し歩くと、青葉山公園がある。その一角に写真の五色沼があり、 日本フィギュアスケート発祥の地と書かれた説明板には「明治中期、外国人たちがこの場所でスケートを始め、明治４２年（１９０９）頃に第二高等学校生がドイツ語教師ウィルヘルムからフィギュアスケートの指導を受けたという。後に彼等や後輩たちが全国各地で普及に努めた」と記されている。

日本フィギュアスケート発祥の地碑 名所・史跡

仙台市博物館の前に写真の藤原吉志子作の彫刻「逓　-昨日・今日・明日-」が設置されている。仙台城三の丸跡「仙台市彫刻のあるまちづくり」事業の「杜の都の彫刻」として設置されたもの。仙台市博物館は現在の建物となって35年以上が経過し、施設設備の改修が急務となっており、この日も全館を休館していた。

仙台市博物館 美術館・博物館

仙台市博物館の敷地内には旧姉歯家茶室がある。初代仙台区長松倉恂の家の庭に営まれた茶室を２０００（平成１２）年に移築・復元した。「残月亭」の名前は由緒ある伊達家の茶室の名を受けつぐもので、仙台市指定有形文化財。地震の影響で臨時休館し、立入禁止になっていた。残月亭は仙臺緑彩館の南に移築されている。

青葉山公園 公園・植物園

仙台市博物館の周りには写真の「魯迅の像」が設置されている。碑文には「この銅像は、中国の文豪魯迅生誕の地である紹興市人民政府より、生誕１２０年を記念して寄贈された。銅像の製作にあたって、紹興市民や浙江上風実業股份有限公司の協力があった。魯迅の功績を称えるとともに、両市の友好の証とする」記されている。

青葉山公園 公園・植物園

魯迅の像の隣に写真の「魯迅の碑」がある。碑文には「中国の文豪魯迅は１９０４年秋から１９０６年春まで仙台に留まり、東北大学医学部の前身である仙台医学専門学校に学んだ。しかし　故国の危機に心をいため、民族の魂を救うことが急務であるのを知り、文学を志すようになった。仙台は転機をもたらした土地である」と記されている。レリーフは晩年の魯迅の横顔を表したもので翁朝盛作。

青葉山公園 公園・植物園

仙台城沢門跡を通って進んで行くと、写真の 本丸北壁石垣が見える。仙台城は１６００（慶長５）年に築城が始まった伊達家の居城。本丸北壁石垣は、きれいな長方形に加工された切石を積み上げた布積の石垣になっている。美しい反りを持つ石垣で、最も高いところは約１７mの高さがある。

仙台城跡 名所・史跡

仙台城本丸跡の護国神社の表参道に写真の大鳥居がある。護国神社は１９０４（明治３７）年に招魂社として仙台城本丸城址に創建された。
現在は、石垣や復元された大手門脇櫓も見られる。敷地内には、刀剣や甲冑などを展示する青葉城資料館もある。

仙台城跡 名所・史跡

大鳥居から仙台城に入ると、写真の本丸大広間跡がある。本丸跡の北部に大広間があり、本丸御殿の主要な建物で藩主と家臣が対面する場であり、１６１０（慶長１５）年に完成した。畳敷き部分が２６０畳、拭縁部を含めると約４３０畳にも及ぶ大規模な建物であったと伝えられている。

仙台城跡 名所・史跡

発掘調査で大広間の礎石や雨落ち溝跡、大広間の西側に位置する御成門跡などを発見された。発掘成果は写真のように「仙台城見聞館」で展示している。館内では、仙台藩の儀式や政務を執り行った本丸大広間に関連した展示を中心に、「地震と仙台城」というテーマで発掘で明らかになった地震との関わりが説明されている。

仙台城見聞館 美術館・博物館

城跡一帯は青葉山公園となっており、本丸跡からは仙台市内、太平洋を一望できる。伊達６２万石の居城、仙台城は標高約１３０m、東と南を断崖が固める天然の要害に築かれている。将軍家康の警戒を避けるために、 あえて天守閣は設けなかったといわれている。残念ながら今では城は消失し、石垣と再建された脇櫓が往時をしのばせます。本丸大広間の遺構を礎石で表示。その規模を実感できる。

仙台城跡 名所・史跡

「伊達政宗騎馬像」は写真のようにシートに覆われ、見ることはできなかった。説明板には「令和４年3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震により、騎馬像が傾くなどの被害が発生したため、現在、修復作業を行っております」と記されていた。伊達政宗３００忌を記念して１９３５（昭和１０）年に建立されたが、戦時中の金属供出で撤去され、１９６４（昭和３９）年に復元された。

仙台城跡 名所・史跡

昭忠碑は１８７４（明治７）年佐賀の乱以来、西南戦争、日清戦争などに従軍した陸軍第２師団所属の戦没者に対する慰霊顕彰碑として１９０２（明治３５）年昭忠会により建立された。塔頂部に据えられたブロンズ像は、日本書紀において神武天皇の軍を勝利に導いたとされる金の鵄（トビ）をモチーフとしている。

仙台城跡 名所・史跡

伊達政宗の騎馬像近くに、土井晩翠銅像と『荒城の月』の歌碑がある。滝廉太郎の作曲で有名な荒城の月は仙台出身の詩人、土井晩翠の作詞である。午前９時から午後６時までの30分ごとに自動演奏で曲が流れまる。

仙台城跡 名所・史跡

仙台城本丸跡を出て、違う道で仙台市博物館の方に戻って来たので、写真の「遣欧使節支倉常長の碑」を見つけることができた。伊達政宗の命で、スペイン・ローマに渡った支倉常長。上のレリーフについて「１６１５年１２月サン・ピエトロ宮ニ於テローマ法王パオロ５世ニ伊達政宗卿書状ヲ奉呈スル支倉常長」と説明されている。謁見の様子を表したものである。

青葉山公園 公園・植物園

近くに「伊達政宗胸像」があった。宮城県青年団が仙台城跡の本丸跡に設置した伊達政宗騎馬像は戦時中の金属供出のため撤去され、胸から上の部分のみ残った。戦後、宮城県出身の作者小室達が制作した同じ型から現在本丸跡にある像は鋳造された。２０２１（令和３）年2月13日に発生した地震で兜の前立てが折れてしまったという。

青葉山公園 公園・植物園

「林子平記念碑」もあった。林子平は江戸時代後期に「海国兵談」や「三国通覧図説」を著し、外国の事情と日本の海防の必要性をいち早く説いた。三国通覧図説では１７８５（天明５）年に小笠原群島の発見が記されている。１９６８（昭和４３）年小笠原群島の日本返還に因んで建立された。阿部正基の作品。

青葉山公園 公園・植物園

「東東洋の筆塚」が建っている。説明板には「江戸時代後期の仙台を代表する画家東東洋の筆塚の碑。『恭封廃筆』（恭しく廃筆を封ず）の語と、東洋の号「白鹿園」が刻まれる。この碑はもと良覚院丁（仙台市青葉区）にあったが、郷土史家故三原良吉が譲り受け、平成１１年、ご遺族から仙台市に寄贈された」と記されている。

青葉山公園 公園・植物園

青葉山公園を出て、地下鉄東西線国際センター駅から仙台駅に戻る。午後１２時頃に仙台駅に到着。駅の中にある「牛たん炭焼利久仙台駅店」で昼食。牛たんハンバーグ地色を注文。サラダ、麦飯、ミニテールスープが付いている。

牛たん炭焼き 利久 仙台駅店 グルメ・レストラン

食事を済まして、ホテルに預けた荷物を受け取って再び仙台駅に行く。仙台駅を午後１時１０分発の電車に乗車。この電車は東北本線から仙台空港アクセス線に入って仙台空港に向かう。

仙台駅 (JR) 駅

仙台空港駅に午後１時３７分に到着。空港に入ってチェックイン。午後２時１５分発の日本航空機で大阪に向かう。午後３時２８分に伊丹空港に到着。

仙台空港 空港