2022/04/12 - 2022/04/12
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出たとこ勝負師さん
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哲学堂公園は僧侶にして哲学者且つ東洋大学創立者の井上円了(1858-1919)が1904年(明治37年)東京府豊多摩郡野方村(現在は中野区)に思索と精神修養の場として開いた哲学堂がその起源で、以後井上が私財を投じ規模を広げるとともに堂宇、見所を増やしていき、哲学世界を視覚的に表現した公園として整備したものである。
井上の死後1944年に東京都に寄贈され都立公園となっていたが1975年中野区へ移管され以後中野区立公園として今日に至っている。
私が初めて訪れたのは一昨年秋のことだが、一般的な区立公園のイメージとはかけ離れた霊場思わせる独特の佇まいに目を見張ったものだ。
ただ私は哲理の探求には縁がなく精神修養も今さらと諦めている人間なので此処で何か糧になるものを得ようという気は起きなかった。
ただこうは思った「読書するのにいいところだな」と。
私はこれでも本好きで、特に公園へ行って冬は日向ぼっこしながら夏は木陰で涼しい風に吹かれて読むのが好きなのだ。哲学堂公園は静かで緑濃くまさしく読書するにうってつけだった。
以後本を携えかなりの回数訪れている。近くはないがどうせコロナ禍で仕事が途絶えて暇はあるし、シルバーパスのお陰で交通費も掛からない。気分転換兼ねた哲学堂公園での読書は思った通り気持ちいいものだった。
ただ冬場は陽当たりのいいベンチが少なく、ふるえながらの読書も頂けないので足が遠のいた。寒い季節はお休みで春になると登場と言うのがこの1年半の出没パターンとなっている。
従って去年の11月以降ご無沙汰していたのだが、先週野川公園訪れた(東京シルバーパス漂流記4野川公園を歩く参照)帰りに中野を通った時不意に哲学堂公園が浮かんできた。
「暖かくなってきたからまた哲学堂公園で本を読むのもいいな」と
これもこれまで哲学堂公園で読書のあと中野経由で帰ることが多かったので脳の回線繋がったと見える。
で、一週間後のこの日本を抱えてのこのことやって来たのだが、暖かいというより初夏を思わせる陽気で、読書して園内散策と久しぶりの哲学堂公園堪能した。
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都バスと都営大江戸線で落合南長崎駅へ
哲学堂公園へはバスもあるがそれ程の距離でもないので歩いていく -
新青梅街道を少し行って左斜め方向へと入って行く
車もあまり通らず歩き易い道だ -
社屋の前に電車を飾った企業がある
鉄道模型メーカーのKATOさん -
哲学堂通りを渡った遊園口から哲学堂公園へと入って行く
因みに哲学堂通りまでが新宿区で、越えて中野区になる -
坂を上ると遊具もある児童公園
遊園口の名は此処から来たか -
児童公園にトイレがあるのだが、これが写真で分かるように男子トイレの中が丸見えの代物で、今時こんなトイレ造るのかよとあきれてしまう。私のようなオッサンでも恥ずかしくて使う気にはならないし、若い子ならなおさらだろう。また見る(目に入ってしまう)方も嫌だろう。
これまでこの前を7、8回は通っているが利用者見たことがない。ひょっとして中野区の公共施設で最も利用されないトイレかもしれないな -
児童公園を抜けて左へ回り込むと本来の哲学堂公園の入り口がある
本来のと注釈つけたのは戦後隣接地に野球場など運動施設が造られ、現在はそれらもひっくるめ全体が哲学堂公園と呼ばれているから
右の柱に哲学關、左の柱には真理界と刻まれている -
哲理門
哲学世界への入り口とのことである
門の向こうが時空岡(じくうこう)で哲学堂公園の要のエリアとされている
ただ案内パンフに依ればこの門は潜らず右手にある通用口である常識門から入り、ぐるりと回って時空岡に至る順路が示されている -
こちらが常識門
哲理門と違い重々しさはない
肩ひじ張らずに入ってこいということか -
時空岡
哲学の時空間を表現――と説明されるが
よく判らん
とにかく哲学堂公園を表象するエリア -
四聖堂
哲理門の正面にあり、言わば本堂で、釈迦、孔子、ソクラ
テス、カントの4聖人を祀っている
当初は哲学堂と呼ばれこの公園の起源と名前の元となった
堂宇である -
六賢台
聖徳太子、菅原道真、荘子、朱子、竜樹、迦毘羅という東洋の賢人が祀られている -
宇宙館
講義、講習などに使われていたという
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絶対城
図書館だが万物の書を読み尽くせば絶対の境地に達するとの考えから名付けられたとか
かつては本が並び来訪者の利用も出来たと言うが、現在蔵書は東洋大学に移され、建物だけが残っている
これら古建築物だけでなく園内には至る所に見るべきポイントが配置され77場と称している。この77場を散策することにより、哲学を理解するうえで必要な概念を学ぶことができると案内文にはあるが、どうだろう -
さて今日は時空岡に置かれたこのベンチで読書しよう
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持って来たのは
周防柳著「身もこがれつつ―小倉山の百人一首」
中央公論新社21年7月刊
藤原定家、藤原家隆、後鳥羽上皇が絡み合い百人一首成立の謎に迫る小説で和歌に興味ある人に薦めたい
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ついでにこの作者の和歌に纏わる本をもう1冊紹介
「逢坂の六人」集英社2014年刊
上掲の作品世界より300年ほど前の話で紀貫之、在原業平、小野小町といった六歌仙の面々が登場し、古今集編纂の内実も綴られている -
久しぶりだったので忘れていたのだが、この公園のベンチなぜか背板の一番上が写真のように寝かせた形で取り付けられていて、その角が背中にゴリゴリ当たって痛い
同じ向きに付ければいいものを(それが普通だろう)何でこんなおかしなことをするのか。中野区の担当者座れば背中が痛くなるベンチだということを判っているんだろうか
それとも長居させないためわざとかな
いずれにせよ碌なもんじゃなくこの公園の大いなるマイナスで
はある -
暫し読書のあと緑濃い園内散策していこう
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これは演繹観の辺りのよう
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どこだったか忘れたが鬱蒼とした木々の感じがいい
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坂を下って行くと池があり、日本庭園風のエリアに出る
ただし後から整備されたかこの池は77場には入っていない -
池の畔には桜も咲く
葉も大分目立って来ていて最後の艶姿か -
公園の傍らには妙正寺川が流れる
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妙正寺川を越えると哲学の庭と呼ばれるエリア
2009年に開かれ世界の偉人聖人の彫刻が並ぶが井上円了が目指した世界とは合わな いと思うな -
再び妙正寺川を越えて本来の哲学堂公園へ
川沿いを少し歩くと桜の広場で、此処の門
から退出する -
出たところが中野通り
今日は中野へ出て帰ることにする
バスもあるが久し振りだし歩こう -
回り道して新井薬師駅前商店街を通過
初めてではないが、久し振りだけに新鮮味はある -
新井薬師の門を横目に通り過ぎる
その後再び中野通りへ出て中野へ。サブカルの聖地と呼ばれる中野ブロードウェイ を通り抜け(ただ通っただけ)商店街へと出る -
ブロードウェイ近くの昭和感漂う路地を進むと
-
そこに待つのは中野ワールド会館で、人呼んで中野の九龍城
妖しさ溢れる古い雑居ビルだが、その妖しさに魅かれ中野へ来るといつも見に来る
だいぶ前から解体の噂も聞くが、しぶとく残っている
結構人気があるようで、この時も私以外にも2人写真を撮りに来ていた
因みにいつも外から見るだけで怖くて中には入れない -
東中野まで歩くことにして、繁華街を抜け住宅街を通り東へと歩くと何時しか道は中央線と肩を並べている
-
すぐ横を中央線の列車が走る
これは東京行き特別快速かな -
中央線から総武線に入る各駅停車もやって来た
これは千葉行だった -
中央線に沿って延びる道
実は此処は好きな道で昔から時折り歩きに来ている
中央線の車内から見上げて
「歩いたら気持ちよさそうな道だな」と
思ったのが最初だが、真っ直ぐ延びる道は好きだ
もう少しで東中野、大江戸線で帰ろう
< 了 >
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