2022/03/25 - 2022/03/28
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ちいちゃんさん
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食事中心の旅だったけど少しだけ観光も楽しんで、大宰府、柳川でもうすぐ四月へ移ろうかという麗らかなひと時を堪能しました。
大宰府、その歴史は古く、日本史が嫌いじゃない私は妄想も交えつつ、つい語ってしまいます。菅原道真をめぐるいざこざは韓流ドラマ顔負け。どろどろはおばさんの大好物。かなりうざい旅行記になりそうな予感。お暇と温かい目がある方向けの旅行記です。
柳川藩は私が愛読する「日本全史」にぜんぜん名前が出てこない。これって大きな争いもいざこざもなく、平和に時を重ねた証拠なんでしょうね。歴史書に名前が刻まれない名誉。あちこちで争いが絶えない今、柳川の水の流れのように、あるがままを受け入れゆったりと時を刻む賢さは地味だけどすごい。
- 交通手段
- JALグループ
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明治通りに面して建つJALシティホテル、その並びに黒田家家老飯田兵衛屋敷跡があり、そこに残る大銀杏の説明。
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市の保存樹として大切にされています。
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ここら辺には大正通、昭和通りもあって、歩きながらタイムスリップ。
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翌日は大宰府へ。大宰府と聞くと今なら太宰府天満宮ですが、ここは古くからの防衛の要所。
時はさかのぼり663年、日本百済の連合軍対唐新羅連合軍の白村江の戦いは、唐新羅連合軍の圧勝。日本は400隻の軍船を焼失させた。これにより大和政権は防衛の強化のため大宰府政庁を築く。 -
664年には新羅唐連合軍の攻撃に備えて大宰府に水城(防衛のための堤と水をたたえた堀)を築き、翌年には大野城の築城も始まる。
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時は飛んで901年に菅原道真が大宰府に流され軟禁される。当時「遠の朝廷」とも呼ばれていた大宰府政庁。都の雅とは縁遠い生活。
菅原道真、学問の家出身で文学的才能も併せ持ち、財政困難を理由に遣唐使の廃止という大胆な政策も謹言した。
隆盛を極める藤原氏をけん制するためもあり宇多天皇に取り立てられ右大臣に抜擢されたが、娘婿の斉世親王(天皇の弟)を擁立して「天皇の座を狙っている」という嫌疑をかけられて太宰府に左遷。斉世親王は仏門へ、嫌だ出家なんてしたくないなんて抵抗しても無駄。その後の夫婦仲はどうだったのか、「お前の実家のせいでこんな扱いだぞ」とか諍いが絶えなかったら悲劇ですが。それでも一族が命を長らえたのは良かったですね。ちなみに、ときよ親王とお呼びするようです。 -
菅原道真引きずりおろし作戦は、藤原氏からだけでなく、学者の家系というもともとの身分が高くないのに右大臣まで登ったという出世が、他の貴族の反感を買ったと言われています。男の嫉妬って女より怖いって本当みたい。妬み嫉みで嫉妬。女偏が付いているけど女の嫉妬なんてかわいい。女はね、手が届くものにしか嫉妬しないの。
大宰府での軟禁生活で道真公は病勝ちになり、903年59歳で生涯を閉じる。道真のお墓の上に社殿を築いたのが919年。
時は流れ930年、天皇の住まい清涼殿に雷が落ち二人が亡くなる。
そのうちの一人、大納言藤原清貫は胸を裂かれ焼かれて死んだというから恐ろしい。その後も飢饉や天変地異、疫病が続き、いつの間にはこれは菅原道真の呪いじゃなかろうかという噂が独り歩きする。 -
罪の意識というのは恐ろしいもので、時空を超えちゃうんですね。
道真公の名誉回復(なんたって最高の官位太政大臣まで与えるんだから)はもとより、990年には道真公を祭った社は「天満宮」と呼ばれることになったということです。 -
雨降りの中、スタバから、ご利益を求めて歩く善男善女を見ながら、医療体制も貧しい、夜になると漆黒の闇の中で暮らしていた当時の人たち、そういう時代の「祟り」や「畏れ」を想像してみたりする。
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場所は変わって柳川、北原白秋記念館。
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生家はかなり裕福。
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3月末だったので、お雛様に因んださげもんが飾られていて、目を楽しませてくれました。私の周りでは吊るしびなと言います。
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一つ一つ丁寧な仕上がり、手仕事のあたたかさ。
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女の子の初節句に無病息災、良縁を願って鶴亀、海老、三番叟など縁起の良いものを作って下げていたんだとか。古くなったものはどうするのかしらね。三番叟は能楽で翁の舞の後に続く縁起が良い舞。お正月にNHK教育テレビで放送されることもあるんだけど、視聴率が1%あるのかしらといつも気になる。
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白壁が春の日差しに映えて美しい。
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柳川藩は久留米藩、佐賀藩、熊本藩に囲まれた小さな藩。
秀吉の時代には13万2千石という大藩だったが、関ヶ原で藩主立花宗重が西軍に付き、しばらく浪々の生活のあと今の福島県白河あたりの小さな藩の大名になります。もちろん戦いの前に徳川方から、こっちに付いたほうがいいよというお誘いはあったんでしょうが、秀吉との長い付き合いを裏切らなかった柳川藩。ちなみに黒田藩は東軍に付きました。
立花氏庭園、左に申し訳程度に映っている建物が料理旅館御花。私がウナギを食べたところです。 -
浪々の生活を経験したあと小さな藩の大名になったことが、質素を好み、地に足が付いた生活を重んじる(あくまでも私の感想ですが)立花家のありように影響しているような気がします。
ところで関ヶ原で手柄を立てて柳川に入った田中家にお世継ぎがなく改易。お殿様の大事な仕事は子供を作ること。 -
1620年、立花宗茂に縮小した柳川藩に戻ってきたらという嬉しいお知らせが届く。与えられた境遇でしっかり勤め上げる態度を幕府だって見ています。
1871年廃藩置県により柳川県となリその後福岡県に編入。
庭園の近くを流れる堀跡に川下りの船が行きかう。 -
1869年立花家は華族となり、1884年に伯爵となった。1910年に産まれた伯爵家の娘文子。
洋館の前の庭先に巨大なソテツ。 -
洋館と庭園は1910年に完成。立花家の娘が生まれた年。
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質素です。鹿鳴館風の華やかさとは無縁。
戦後、華族制度が廃止されると、文子は夫とともに屋敷を生かし料理旅館「御花」を始めます。税金も維持費も払えなくて切り売り生活をする元華族と違って、まさに細腕繁盛記。 -
華美な装飾とは無縁なこちらの内装に、立花家が長く続いている秘訣がありそう。
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柳川に来たら外せない川下り。
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水の流れを楽しみつつ妄想モード全開。豊臣方についたがためにお家没収のあと不本意な国替えを受け入れ、領地を治めた立花氏。関ヶ原で勝敗を見定めたら徳川方につく計算もあっただろうけど、福岡の発展に尽くした秀吉への忠義の心。幕府だって立花氏の立場は十分わかっていたんでしょうね。
嫉妬をたぎらせたり、計算抜きに仕えた人に変わらず忠誠を尽くしたりと、頭の中で歴史の中の人が入れ替わり出たり入ったり。 -
そこに見る心の闇や潔い生きざまに、私はぞっとしたりうるっとしたりと忙しい川下りです。
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咲き誇る桜を愛でながら楽しく妄想三昧。
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今回の旅で、流れに逆らわずに一途に努めていると良いこともあると教えていただきました。
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1時間ほどの船旅でしたが、ほぼ妄想タイム。
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帰りのJAL福岡空港ラウンジへのアプローチ、いつもワクワクします。好きな国内線ラウンジの一つ。
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初日以外はいいお天気。
メールをチェックしたら、強風のため場合によっては花巻空港ではなく仙台空港へ着陸しますというJALからのお知らせに気が付く。 -
強風の中、機長が良い仕事をしてくれました。CAさんに「スムーズなランディングでしたね」と言ったら「機長に伝えておきます」だって。クレームじゃないからいいよね。
旅をする前に下調べをするタイプじゃないので、帰ってから受験生並みに本を読みます。ボケ防止になるかしら。
家族からも、活字が多くて読みにくいと言われている私の旅行記、読んでくださった時間が十分にある方、お礼を申し上げます。
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この旅行記へのコメント (12)
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- yae☆八重さん 2022/04/29 08:06:23
- おはようございます!
- 男の嫉妬。。。
興味深く読ませていただきました。
>藤原清貫は胸を裂かれ焼かれて死んだ
想像してしまった。怖すぎます。
>どろどろはおばさんの大好物 だとか
>女は手が届くものにしか嫉妬しない とか 名言ですね!
思わすくすっと笑い、大きくうなずいてしまいました(笑
ちいちゃんさんをフォローさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします(^^)
yae☆八重
- ちいちゃんさん からの返信 2022/04/30 14:02:09
- Re: おはようございます!
- yae☆八重さん、コメントありがとうございます。
旅先から帰ってきてから基本的な知識を入れるタイプなので、自宅に帰りついた後が実は本番で(ほぼ変人?)しっかり妄想を楽しんでいます。
人の動きも活発になってきているけど、コロナ以前のように、もっと呼吸をするように自由に旅ができるようになる日を心待ちにしています。
フォローしていただいてありがとうございます。私はyae☆八重さんの旅行記
に訪問するのが楽しみで、早く後編をお願いします。
ちいちゃん
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- 164-165さん 2022/04/13 17:36:16
- 旅行に行く予定だったのでしょうか?
- ちいちゃんさんこんにちは。ようやく回復したようです。
処で、オフ会で、福岡旅行の話は出ていたのでしょうか?なかったような?
ポポさんも旅行はしばらく自粛のような話だったのではなかったですか?
旅行記を見て驚きでした。
歴史には興味はありましたが、深く掘り下げて読書することはなく、上っ面を見るだけでした。広く浅くがモットーでした。改めて感心しています。
【164ー165】
- ちいちゃんさん からの返信 2022/04/14 15:50:15
- Re: 旅行に行く予定だったのでしょうか?
- 164-165さん、さすがに山登りで鍛えただけあって入院することなく済んだご様子で安心いたしました。
あら、オフ会で福岡リベンジはお話したような気がするのですが、トラベラーが三人集まるとそれぞれの旅の思惑があるから、一致するのはハワイの話題だけかもしれません(笑)
多感な頃に梅原猛の「隠された十字架」という本を読み、それ以来書かれていない歴史や、わらべ歌などの伝承歌に興味を持つようになりました。語らせるとうざいのでお気を付けください。
ちいちゃん
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- salsaladyさん 2022/04/08 13:03:52
- 活字が多くて楽しいわ~
- ☆家族からのコメントをもらえるだけでも幸せ!我が家は写真だけ見てるらしい~
☆幾つになっても妄想旅行は楽しいよね。他人に迷惑もかけないし。。。
☆いじわる嫁さんでもないけど「コメント書いて誤解されても困るから書きません¿」と言われると。。。誤解を解くためにも書いて欲しいと思う吾❣
☆写真技術が無いので、どちらかと云えばお喋りを楽しむ派です。よろしく~
- ちいちゃんさん からの返信 2022/04/09 10:56:10
- Re: 活字が多くて楽しいわ~
- salsaladyさん、おはようございます。お住まいのあたりは梨の花のつぼみも膨らんだ頃ではないでしょうか。
写真技術がないとは、私も同じです。理由は我先にと踏み込めない性格にあるようです。なんでも好き勝手を言っているように見られるんですが、案外忖度をしたり人を不愉快にしないように心がけているんです。salsaladyさんにも同じものを勝手に感じて親近感を持っていますが。
妄想は元手いらず、誰にも迷惑をかけるわけじゃないのでこれからも「妄想天国」を大いに楽しみましょう!
ちいちゃん
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- ぽぽさん 2022/04/07 21:08:23
- 黒田藩に続き…
- ちいちゃんさん
こんばんは
去年の福岡旅行は黒田藩のことでした。
今回は菅原道真、柳川藩のこと。
深いです…分厚い本、ググって出てくる内容より、分かりやすいちいちゃんさんの旅行。
私なんて景色みて美味しい物食べて、御朱印もらって満足してる。予習はするけど復習しない。予習と言っても食べ物、観光地だし… 勉強になりました(^^)
話変わりまして…
カムカム最終回ですね。るいとアニー(安子)再会、「I hate you」から時が過ぎ「I love you 」に涙してしまいました(T_T)
ひなたはアメリカに行ってジョージと結婚?それとも五十嵐? どうなる?最終回(๑˃̵ᴗ˂̵)
旅行記から脱線してすみません。
ぽぽ
- ちいちゃんさん からの返信 2022/04/08 12:03:25
- Re: 黒田藩に続き…
- ぽぽさん、私は御簾の中で数人が、すぼめた扇で口元を覆い「麻呂は~」とか「おじゃりまするなあ~」なんて言い合っているのが聞こえちゃう妄想体質なんです。
カムカム、初めて朝ドラに夢中になり半年間、物語を堪能させていただきました。私が社会人になろうかという時代も英語力は必要だったのですが、子育てが終わってからのやり直し英語のスタートはラジオ英会話でした。安子が稔さんから手渡された辞書、きっとコンサイズですよ。1923年に初版が発行だとか、これも100年の物語ですね。
ひなたの結婚は、恋愛評論家(?)として言わせていただければ、60歳近い女の結婚事情は、お相手になる独身男性が極めて少ないし、それに死別より生き別れの方のほうが多いでしょうから、ここは慎重に見極める必要があります。その年齢まで一人で生活した女性が新たにパートナーと暮らすのはかなり窮屈そう。
私は稔さんの、昭和の風が吹いて来そうないでたちにすっかり取り込まれてしまいました。あの海軍の夏服姿、私の棺にぜひあの写真をいれてほしい!演じた俳優さんには興味がないので、あくまでも稔さんです。
ちいちゃん
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- ねんきん老人さん 2022/04/06 16:20:51
- 韓流ドラマのテイストとは!
- ちいちゃんさん、初めまして。 千葉県に住むモウロクジジイです。
久しぶりに噛み応えのある健康食を食べたような、内容の濃い旅行記を拝読しました。
昔勉強して今はすっかり忘れている歴史、これまでまったく知らなかった歴史への言及にしばし時間を忘れました。
菅原道真を巡る宮廷官僚たちの相関を韓流ドラマ顔負けと評された慧眼に、思わず膝を打つ思いでした。そう言えばそういうテイストですね。
歴史書に名前が刻まれない名誉、という捉え方も見事です。
白村江での敗戦から九州の防備強化が急がれたこと、学者出身の政治家の新しい着眼と限界という、現代にも通じる問題、関ヶ原の戦いに際しての両軍の陰での綱引き、等々、歴史の大波小波にも触れていらっしゃることなど、たっぷり勉強させていただきました。
また文章もお上手で、御花の建物がチラッと写っているところで「私がウナギを食べたところ」などとさりげなくユーモアを散らしていることなど、読んでいる当方もとても勉強になりました。
活字が多くて読みにくいと酷評されているご家族にお伝えください。
ただ食べた物の写真を並べただけの旅行記に辟易している読者が久しぶりに腹にたまる食事をした気分で喜んでいると。
余韻が消えたころ、また別の旅行記を読ませていただきます。 楽しみです。
ねんきん老人
- ちいちゃんさん からの返信 2022/04/07 11:24:14
- Re: 韓流ドラマのテイストとは!
- ねんきん老人さん、初めましてちいちゃんと申します。まずは過分なお褒めのお言葉をいただき恐縮しております。文字通り小さな体を折り曲げて気恥ずかしさに耐えてお返事を書いています。自分の名前にちゃんを付ける面映ゆさもありますが。
歴史を学ぶ楽しみは、どんな時代の人も自分と変わらぬ感情を持っていたと実感できること、権力を持つ人は犯罪行為に等しいことが正当化されるけど、正当化されたその裏を想像する醍醐味に尽きると思っています。妄想モードに入った私を誰も止められません(笑)
千葉にお住まいとのことですが、私は梨の妖精が出没するあたりが実家です。ねんきん老人さんの旅行記を読ませていただくのが楽しみです。
年金老女のちいちゃんより
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- fuzzさん 2022/04/06 15:29:45
- 女は手が届くものにしか嫉妬しない・・・深いなー
- ちいちゃんさん、こんにちは。
最近やっと春みたいな暖かさになりましたね。
つい先週まではダウンジャケットを着てたのに。
今週から花粉症の症状が酷くて、週末は眼科へ行きます。
目がかゆいのなんのって・・・
と、近況の愚痴はここまで。
ちいちゃんさん、歴女なんですね。
私は日本史も世界史も不得意。
大河ドラマでなんとか理解してるくらいです。
岩手の桜、いつになりますかね。
フォートラで桜のお花見旅行記が増えている中、羨ましくて。
旅行の後、旅行記を作成するために本を読むって私も同じ。
だからあまり歴史的建造物の観光に行きたくないー
だってチンプンカンプンのところから始めるんですもん。
お疲れさまでした。
fuzz
- ちいちゃんさん からの返信 2022/04/07 10:50:12
- Re: 女は手が届くものにしか嫉妬しない・・・深いなー
- fuzzさん、コメントありがとうございます。
花粉症ですか。今年はひどいらしく、ヨーカドーでばったり会った友人の顔が垂れパンダになっていて爆笑しあったところです。こうなったら笑いに替えちゃうと強気の発言をしていました。
歴女というほどではありませんが、嫌いじゃありません。もともとが引きこもり大好きな性格なので、本を読みながら妄想するのが合っているんでしょうね。今はグーグルで何でも検索できますが、筋道を通して理解するにはやはり歴史書は欠かせません。活字離れが進んでいるから、私たちって逆に貴重ですよね。
ちいちゃん
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