2021/12/16 - 2021/12/16
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SamShinobuさん
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新型コロナウイルスの感染者が激減している今、次の第六波襲来やオミクロン株拡大の前に、その間隙を突いて出かけている。そんな12月の平日、かねてから行きたかった旧岩崎邸庭園を訪れた。
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真ん中のアメ横センタービルを挟むようにして右側が「上中(うえちゅん)」こと上野中通商店街、左側が「アメ横」ことアメヤ横丁だ。アメ横センタービルの2階テラス(大モニターの下)は無料撮影スポットになっており、スマホ登録すればリモートで写真撮影をしてくれる。
お気に入りの「天天楽」で朝食をとろう。オーナー始め全員が中国人のガチ中華だ。開店時間の9時にあわせて9時10分くらいに到着するも、まだオープンの準備中だった。そんなアバウトなところが中国らしくてよろしい。そう、ここは上野にしてまさに中国、わくわくしてきたぞ笑。 -
それならば先にアメ横の守り神、摩利支天徳大寺をお参りしようではないか。
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江戸初期に創建されたこのお寺、参詣する者に「気力・体力・財力」をもたらす神様「摩利支天」が安置されている。摩利支天(マリシテン)と聞くとなんかお寺っぽくないし、そもそも神様って言っちゃってると思われるかもしれないが、仏教を守護する神様なのでお寺でいいのだ。元はインドの神様だったが後に仏教に取り入れられ、開運・必勝などご利益が半端ないらしい。
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そして摩利支天徳大寺は日蓮宗のお寺だという。えっ、どういうこと?フランス料理店と中華料理店を一緒にやってる感じ?なので、境内には日蓮聖人の立像がある。
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商売繁盛を祈願してか、商店街の地元民の参拝が続く。
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今日は長い一日になりそうなので、気力・体力・財力の充実を祈願して「オンマリシエイソワカ」(摩利支天のご真言。映画「伊賀忍法帖」の真田広之でお馴染みのセリフだ。ちと古いか)、そして続けざまに「南無妙法蓮華経」と唱えておいた。因みにお寺の人によると、どちらを唱えてもいいそうだ。そんなユルさが日本の寺院っぽくて好き。
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「天天楽」に戻ると、時刻は9時30分。店は開いていたがまだ客はいない。
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店員は片言の日本語だが愛想は悪くない。「お好きなとこ、どーぞー」と言われ、着席。
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相変わらずのメニューの豊富さに目移りするが、今日は寒いのでとりあえず鹹豆漿(豆乳スープ)300円を頼む。
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またメニューから烤冷面(焼き冷麺)500円を見つけて、前から食べたいと思っていたので迷わず注文。
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鴨の爪、鴨の首、鴨の血、鶏の頭、ザリガニなどザ・中国料理も充実。
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通りを挟んだ店も天天楽なので、そちらに並んだ食材を見に行く。「写真撮らせてー」と言って、両方の店を行ったり来たりしながらパチパチやっているとお姉さんに笑われる。
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店頭に食材が並ぶ。
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豚足や様々な部位。
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鶏の首、脚もある。
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出たー、豚の頭。中国人の客が朝食を買いにどんどんやってくる。四方から聞こえる中国語の洪水に溺れそうだ。まさに中国で朝飯を食べているようで思わず楽しくなる。
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中国の酢、香醋。お酢の原料は米だが、黒酢の原料は玄米である。そして中国の香醋はもち米から出来ている。やはり中国の料理にはこの香醋が一番合う。
油辣椒(ユーラージャオ)は中国のラー油だが、日本のラー油と違って具だくさんだ。めちゃくちゃ辛い食べるラー油と言ってもいい。香醋も油辣椒も中国の食堂では定番の調味料なので懐かしい! -
豆乳スープが出来上がる。豆乳はほんのりとした甘さがあり、それに小えび、小ねぎ、ザーサイ等の具材の塩味がほどよく合わさった絶品だ。ちぎった油条(ヨウテォアオ)という揚げパンも入っていて、嬉しいことに100%中国の味である。
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一口ごとに体がぽかぽかと暖まって、冬の朝食に大正解だった。
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烤冷面(焼き冷麺)は黒竜江省のローカルフードで大人気の屋台料理だが、冷麺の生地を薄くのばして卵を塗り、玉ねぎ、パクチー、ソーセージをのせて巻く。ピリ辛な特製ソースがいい味を出している。これも実に美味しくて中国へのショートトリップを堪能した。
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せっかくなのでアメ横を散策してみよう。「命名おめでとう シャオシャオちゃん、レイレイちゃん」の横断幕がいいね。
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韓国の店でチーズハットグを発見。韓国にはホットクという、おやきに似た屋台おやつがあるが、それとは別物。チーズハットグとはアメリカンドッグのソーセージの代わりにチーズを入れたもの。思いのほかビヨーンと伸びるのでインスタ映えすると、流行っているらしい。
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アメ横といえば、二木の菓子。初代林家三平が「にきにきにきにき、二木の菓子。菓子現金問屋、二木の菓子バンザーイ!」のCMを思い出す。
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アジア食材の京和商店。中国の調味料も数多く取り揃えている。
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ピータンもこんなに種類があるんだ。
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「串串香屋」からは辛そうな麻辣の香りが漂ってくる。
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アメ横センタービルの地下はアジアの市場そのもので実に楽しいが、いつの間にか撮影禁止になっていた。
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そこで過去の画像を何枚かアップしよう。これは2年前に撮った上海蟹(2019.9.28)
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ザリガニ
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豚の足
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見たこともないアジアの食材や調味料が並んでおり、客の国籍も多様で楽しい。
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アメ横センタービルの2階テラスに設置された無料撮影で遊んでみた。スマホでQRコードを読み取って登録すればリモート撮影してくれて、その画像はスマホに送られてくる。
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不忍池のほとりを歩いて、都立旧岩崎邸庭園に向かう。
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枯れたハスの不忍池も美しい。
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無縁坂。
ここに来ると、1975年にリリースされたグレープの「無縁坂」が自然と頭の中に流れてくる。当時からさだファンだった僕にとっては、グレープとしてリリースした「精霊流し」、「追伸」、「フレディもしくは三教街-ロシア租界-」、そしてこの「無縁坂」は忘れ難い。
さだまさしといえば、彼が監督した映画「長江」について少し述べてみよう。1980年から撮影された「長江」は、さだまさしが長江の源流を辿りながらそこに暮らす人々や町並みを紹介していくドキュメンタリーだ。素人が映画製作に手を出すと有りがちだが、この作品も途中から制作費が莫大に膨れ上がり、その結果さだまさしは35億円の借金を負うことになった。当時は中国に何の関心もなかった僕は、そのニュースを見て「何やってんだよ、さださん!」と思ったが、今想像すると分からなくもない気がする。初めての映画で中国に渡った彼は、強力な中毒性のある「映画」と「中国」という二つの沼にずっぽり嵌まってしまったんじゃないかな。彼はその借金を年間100回を超えるコンサートで30年かけて完済した。そういえば前述の「フレディもしくは三教街-ロシア租界-」も租界時代の武漢が舞台だ。実は武漢ウイルスさえなかったら、「フレディもしくは三教街〜」に登場する街巡りをしようと画策していたのに。 -
無縁坂に沿って広大な敷地を有する旧岩崎邸庭園。
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初訪問に胸が高まる。入園料400円。
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美しすぎる洋館は建築マニアにとっては垂涎ものだろう。ジョサイア・コンドルによって1896年に建てられた岩崎彌太郎の長男、岩崎久彌の本邸だった。1896年といえば、まだ明治29年である。三菱の第三代社長の邸宅とはいえ、こんな豪華で瀟洒な家に住むとは金にもの言わすにもほどがある!しかも当時はこの3倍の敷地面積があり、建物も20棟あったというのだから、恐れ入谷の鬼子母神だ。
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中に入るのが勿体なくてしばし見とれていた。
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木材をふんだんに使った正面玄関は、訪れる者を温かく迎え入れてくれる。因みに館内の撮影は平日に限りOKだ。
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ここが建てられたのは辰野が43歳の年だ。学生時代コンドルに建築を教わった辰野が師匠の傑作を目の当たりにして、惚れ惚れしたに違いない。辰野はこの年より、日本銀行本店を皮切りに奈良ホテルや東京駅など精力的に日本の建築史に残る名建築を創っていく。
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見事な暖炉。当然だが暖炉は各部屋に設置されており、それぞれに意匠が異なっていて面白い。
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スチーム暖房もお洒落。
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壁付け照明の優しい灯り。
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赤い大食堂。
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1階客室にはピアノが置かれており、旧岩崎邸庭園の催しとしてピアノコンサートも行われている。
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ベランダのタイルが実に素晴らしい。解説を読むと、ミントンという1856年から英国王室ご用達の陶磁器メーカー製のタイルらしい。どうりで100年以上たってもその美しさは見る者を釘付けにさせる。
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さらに調べてみると、なんとこのタイル、2000年代になってミントン製だと判明したそうだ。たまたま庭から出た同じタイルの裏にミントンの刻印があったというが、これほど見事なタイルなんだから、ここが重要文化財に指定された時点(1961年)できちんと調べておくべきでしょう、東京都さん。
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1階婦人客室の天井。なんとシルクの刺繍の布張りだそうだ。デティールの凝り方が半端ないぞ。
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サンルーム
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現在はこの洋館と撞球室(ビリヤード場)、和館の3棟のみが残っている。そして洋館と撞球室は地下道で繋がっており、窓の外に見える井戸のような穴は地下道の通気孔だ。
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1階書斎。立派なキャビネットがある。
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2階に続く階段と、その前のペアコラム(双柱)。
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見事な装飾はジャコビアン様式と言うらしい。
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2階を見上げると更なる期待に胸が弾む。
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2階婦人客室はイスラム風の可愛いデザインになっている。
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コロニアル様式のベランダは採光まで計算されているようで実に美しい。ここから庭園を眺めよう。
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って、庭園は全面工事中だった!
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気を取り直して、洋館から続いている和館に進む。こちらは岩崎家の居住空間だった。
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岩崎久彌も生活するのは和室のほうが良かったんだろうな。
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ここの「和館お抹茶席」で休憩しよう。
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感じのいい店員さんに案内されて、テーブル席へ。
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お抹茶セット(上生菓子とお抹茶 850円)でしばし寛ぐ。抹茶のまろやかな旨味とほのかな甘味に癒された〜。
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書院造りを基調とした和室は調和がとれていて心が和む。正面は橋本雅邦の富士山の絵だ。
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庭から和館を見る。
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庭から見た洋館。
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スイスの山小屋風な撞球室。
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アメリカの木造ゴシックということで、西部劇に出てきそう。
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柱にもたれ掛かってウヰスキーでも飲みたいね。
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それにしても125年前にビリヤード専用の建物って、カッケー。
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銀杏が綺麗。
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旧岩崎邸庭園、楽しかったー!
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鈴本演芸場の前を通る。
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昼席は誰が出てるかな。好きなところでは古今亭菊之丞師匠、落語協会会長の柳亭市馬師匠、林家彦いち師匠、トリの入船亭扇辰師匠と、結構豪華だ。後ろ髪を引かれながら、とりあえず昼メシを食べに行かなきゃ。
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何鮮○(ホーシェング)*○は草冠に姑
上野広小路駅近くのビルの3階にある。大連に本店があるキノコ鍋屋だ。大連では何度か行かせてもらったが、日本では見たこともないような珍しいキノコが廉価で食べられるので、大変お気に入りの店だった。その何鮮○が日本に進出したと聞き、ずっと気になっていたのだ。 -
名刺のデザインが大連で貰ったものと一緒だ。何だか嬉しい。
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店は鰻の寝床のように細長いので、この奥にも部屋が続いている。まだ新しいので店内も綺麗だ。
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QRコードでメニューを読み込んで、スマホで注文。このシステム、何年も前から中国ではよく見かけたが、実際自分が使うのは初めてだった。平日限定きのこ鍋ランチ(980円)と青島ビールを注文。
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タレを自分で作りに行く。これも中国スタイルだ。タレは4種あり、右上から時計回りに、海鮮味噌、麻辣、胡麻、海鮮醤油となっている。それ以外に日本風に食べたい人の為に、ポン酢醤油も用意されていた。僕は麻辣、胡麻、ポン酢醤油の3種類にそれぞれパクチーやニンニク、ねぎ等の薬味を入れてカスタマイズしたものを準備した。
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青島さん、こんにちは!出来たての青島ビールを飲みに、中国山東省の青島ビール工場まで行ったのは、2016年の夏だったなあ。
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ランチが運ばれてきた。980円のランチなのでそれほど期待はしていなかったが、それにしても残念な感じだ。まずキノコが椎茸、えのき、舞茸の3種のみでこんなのどこでも買えるじゃん。それに牛肉が5切れって、ショボすぎやしませんか。これに2種類の麺がつく。
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肉が足りないので、968円の羊肉を追加注文。キノコに関して言えば、もう少し希少なのを食べさせて欲しかった。大連の本店では30種類以上のキノコがあったので、このメニューには正直がっかりだった。(なんでも予約すると6,578円できのこ15種盛りという単品があるらしい。これには珍しいキノコが6〜7種類入っているようだが、それでこの値段はコスパ悪すぎじゃないかな)
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それでも羊肉や野菜を中国独特のタレで食べる火鍋は、美味しさと共に懐かしさが込み上げてきて、胃袋は喜んでいた。中国だから珍しいキノコが安く入手できる訳で、それを日本でやるのはどう考えても無理があるよね。今日は羊肉の火鍋を食べたと思って良しとしよう。
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午後は新橋にやってきた。
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SL広場。
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ちょうど15時の汽笛を鳴らした。
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ニュー新橋ビルSL広場側正面入口。
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ニュー新橋ビル1階をパトロールしよう。
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健康食品、金券ショップ、生ジュース屋が並ぶ。
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創業明治十八年の「むさしや」。早い、安い、量が多い!
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一番お世話になった「アーチ」。
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薬局が並ぶ。
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金券ショップ「アクセス」と紳士服の青山。
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アクセスの自動販売機には、昔から50円の缶コーヒーがある。
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ニュー新橋ビルは年に6回点検デーというのがあって、奇数月の第2日曜日は入館できない。その日に合わせて飲食店では害虫駆除するところもある。古いビルなのでG退治しないと大変なことになるからね。
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後でまた来まーす。烏森口側の出入口を出よう。
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烏森神社。
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新橋で飲む時はまずここをお参りすることにしている。
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コロナ退散と今日も美味しいお酒が飲めますようにと、お祈りさせてもらった。
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何度となく通った路地裏。格安の赤札屋は開いていた。
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旨いビールを飲むために向かった先は、まだ酒場ではない。
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銀座8丁目にある銭湯「金春湯」だ。文久3年(1863年)に開業したという江戸時代から続く銭湯で温まろう。大人480円。
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営業中を示す、板に「わ」で「わいた」。閉店を示すのは、板に「ぬ」で湯を「ぬいた」。この板を初めて見たのは確か上野の燕湯だったと思うが、その時は江戸・明治からの粋な風習かと感心してしまった。しかし調べてみると、銭湯芸術家(何それ?初めて聞いた)のウエハラヨシハルという人が、1998年に横浜の末広湯で考案発表した作品だそうだ。さすが銭湯芸術家を名乗るだけあって、銭湯文化にマッチした面白い物を思い付くものだ。
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大好きな錦鯉のタイル絵を見ながら湯に浸かる。また赤富士のペンキ絵が綺麗になっていたので、番台の女性に尋ねてみた。最近塗り替えたそうだ。現在3人しかいない銭湯絵師のひとり、中島盛夫氏の作品である。
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喉が渇いたので、そろそろビールを飲もうではないか。
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「ビアホール ライオン銀座七丁目店」銀座で美味しいビールといえば、ここ。
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現存する日本最古のビアホールは1934年創建だ。たたずまいは創建以来全く変わっていないそう。贅を尽くした内装は、歴史を塗り込めた時間という装飾に、漆黒の光を解き放っている。
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正面の巨大ガラスモザイク壁画が美し過ぎる。ビール大麦を収穫する女性たちが描かれている。
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柱もランプも何もかもが見事で溜息が出る。
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期間限定、銀座ライオンビアホールSPECIALがオススメと言うので、中ジョッキ(803円)を注文。
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風呂上がりにビアホールで最高のビール、これ以上の幸せがあるだろうか笑。
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ビール一杯だけ飲んで外に出ると、もう暗くなっていた。
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では新橋に戻るとするか。
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ニュー新橋ビルの烏森口の入口。
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地下1階のフロアガイド。
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階段を下りて、まずトイレを済ませる。ニュー新橋ビルのトイレはどこもチップ制になっている。しかしニュー新に通い始めて20年以上経つが、いまだかつてチップを入れている人を見たことはない。さあ、まずは地下フロアを一周冷やかして回ろう。この「ぞめき」が楽しい。
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「一齋(いっさい)」は数えきれないくらい行った。料理人の店長は昔からの顔なじみで、中国人の割に和食が上手い。「牛肉朴葉みそ焼き」「イカとキノコのわた炒め」などオススメだ。
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「かに地獄」。10年くらい前この店が開業して以来、このあたりが蟹臭くなってしまった。ここは外食産業大手企業が運営しており、そういう意味ではニュー新には似つかわしくない。
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「龍龍(ロンロン)」はその名の通り中国人の店。女性店長は「一齋(いっさい)」の店長の奥さんと姉妹なので、言ってみれば同族経営だ。そのため「一齋」のメニューとかぶっており、注文が入ると「一齋」に連絡して作って貰っている。ニュー新地下はそんな店が多い。料理人の中国人女性とも古いなじみなので、店選びに悩むと、「もう、ここでいいや」と入ってしまう。
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中国人マッサージ「愛さんさん」と串揚げの「串かしく」を結んで、地下1階の真ん中を東西に走る通路。ニュー新地下では数年前からドリンクの価格競争が始まり、オール280円や飲み放題1時間980円等の店が増えた。お酒の値段で誘っているが、その実お通しが高かったり、大した料理でもないのに結構いい料金を取っている。まあ、生き残りに必死なのはどこも同じだ。またいかにも和風居酒屋を気取った店であっても、中国人がやっているところは「水餃子」や「空芯菜炒め」等の中華メニューが豊富だ。そして間違いなく中華料理のほうが美味しい。
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ニュー新地下唯一のスナック「バラード」は、中国人ママの店だ。
韓国料理が食べたければ「韓流館」、その奥は昔からある「志ん橋ひでや」。ニュー新には珍しい割烹料理店だが、ここはまだ入ったことはない。
また「バラード」の並びの「日吉」の店長は王さんと言って、かつては銀座にあった高級中華料理店の支配人だった。その中華料理店は、僕が前の会社に勤めていた時に、社長に連れていって貰ったことがある。「日吉」がオープンしたばかりの頃、王さんにそのことを言うと、そこの支配人時代にうちの会社がよく使っていたという。そして彼が出してきた名刺ホルダーを見たら、当社のお偉いさんたちの名刺がずらりと並んでいたので驚いた。 -
「和」は一時よく行ったな。ホールは中国人の女の子だが、厨房は日本人のおばさんで魚料理が美味しかった。ランチもよくここで食べた。しばらく行ってないが、今はどうなんだろう。
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「餃子や」と「翠園」は、ともに中国人の店。「餃子や」は種類の多い餃子が売りで和風メニューも揃っており、いつも繁盛している。「翠園」は逆にメニューにあえて和食を取り入れないで、中華料理で真っ向勝負しているところがいい。
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「酒蔵ダイヤ菊」はニュー新の最古参店で、松竹の小津安二郎監督が愛した日本酒「ダイヤ菊」が飲める貴重な居酒屋だ。料理の味は普通だが、日本人経営なのでクオリティは安定している。小津監督はシナリオを書く時、脚本家の野田高悟と蓼科の別荘にこもって、毎回共同で執筆していた。その際必ず茅野の「ダイヤ菊」を飲んだそうだが、監督の「蓼科日記」には野田との会話で、「ダイヤ菊100本飲みましたが、まだ映画が完成しませんね」とある。かつて僕はよく松竹の人をここに連れてきて、そんなウンチクをひけらかしたものだ。
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「破天荒」がオープンした時は、ニュー新初の立ち飲み屋だったので、どうなることかと思ったが、いつも結構入っている。日本人の店で、料理の評判もいい。
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福盈門(ふくえいもん)。15年ほど前だろうか、オープン当時ここは川崎日航ホテルにも店舗があるというのを売りにしていた。日航ホテルと聞くと、なんだか健全な匂いがして逆に食指が動かなかった。評判は悪くない。
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「田はら」もよく行った。その時は中国人の女の子がホールで、日本人のおばちゃんが厨房を担当する中国人の店だったが、そういえば最近は行っていないな。
「田はら」の隣りの「串かしく」は、コの字カウンターの串揚げ屋だ。ニュー新にしてはちゃんとしている日本人経営店。雰囲気もいいし安くて普通に美味しい。 -
「せせらぎ」は数えきれないくらい通った中国人の店。ちなみに中国人の店の場合、料理のクオリティはその時にいる料理人で大分変わるので、オススメが難しい。
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目の前のゲームセンターの音がうるさいのが玉に瑕だ。
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「ひょっとこ」は日本人の店で悪くはないが一度しか入ったことがなく、今ひとつ特徴の記憶がないのが残念だ。
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「ニューニコニコ」は、日本人経営の店で、ニュー新の良心と言ってもいい。まさに昭和の酒場といった感じで、好感度は高い。中国人の店が生ビール280円でしのぎを削っている中、我関せずと670円も取っているところもいい。でも魚は美味いし、おばちゃんの接客もいい。
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「まつり」「たんぽぽ」「ゆらり」の3店舗は「一齋(いっさい)」と同じ中国人の系列店だ。特に「まつり」は行きつけの店だった。以前の店長とは一緒に飲みに行くくらい親しかったし、僕が中国で「ビャンビャン麺」という幅広の麺が美味しかったと話すと、「それなら出来ますよ」と特別に作ってくれる料理人もいた。
「たんぽぽ」の中国人店長は、ニュー新の他の店を転々としていたが、先日ついに店長になった。彼がまだ10代のアルバイトの頃から数えると15年以上の知り合いだ。 -
「秩父」の名物女将さんは、ニュー新の住居階の10階に住むこのビルの生き字引のような女性だ。御歳85歳の彼女の客引きは、「うちは日本人の店ですよ」が定番笑。まわりの店の中国人の女の子たちからはうるさがられているが、気にするそぶりもない。秩父の郷土料理を出す珍しい店で、芸能人の色紙も多く飾っている。
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「喫茶フジ」は、フリーの映画プロデューサーと打ち合わせをする際に、よく使った。レトロなショーケースに入った食品サンプルがいいね。
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「じゅらく」のオーナーは日本人だが、ずっと中国人従業員に店を任せてきた。オーナーはニュー新地下に「さんま」「あかり」と計3店舗持っており、彼の弟もまたここで「橙(だいだい)」「喜代」「百菜」の3店舗を経営している。そしてどこも中国人従業員を使っているが、コロナでその多くが帰国してしまった。そのせいかどうか分からないが、緊急事態宣言解除後も「さんま」「あかり」は閉まったままだ。
「じゅらく」はこの前まで美味しい魚を売りにしていたが、今は何故か焼き鳥屋になっている。そしていつの間にか、3人いる女性従業員は全員ベトナム人になっていた。 -
さて、今宵はどの店で飲もうか。悩んだ末、今日の気分は○○だった。どこへ入ったって?それはあえて内緒にしておこう。だし巻き卵で一杯やって、本日のパトロール終了。今日もまた知らない店が増えていた。ニュー新地下は老舗も多いが、入れ替わりの激しい店もある。試しに今度入ってみようかと思っていたら、いつの間にか潰れていたなんてしょっちゅうだ。
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ニュー新を出ると、ライトアップされたSLのサンタが笑っていた。
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今宵のメインイベントはこれからだ。
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「月光荘サロン 月のはなれ」
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素敵な隠れ家へは、階段で5階まで上がらなければならない。酔った足に喝を入れて頑張った先には、月の世界のような桃源郷が待っている。
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先月も来たが、好き過ぎて本当は教えたくないかも笑。
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店の雰囲気は抜群だが気取ってない感じがいい。ひとりでもカップルでも使い勝手もよく、銀座にしてはリーズナブルだ。昼は喫茶営業もしているようだが、日中に来たことはない。
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毎回頼む日本酒「月の井」。大洗海岸で慶応元年から酒造りをしている月の井酒造の銘酒だ。
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19時になると、目の前でジャズギタリストの石井信義さんの演奏が始まる。
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ボーカルのKaoRi iToさん登場。最近ジャズバー界隈でよく名前を聞くので、生歌を聴いてみたかったのだ。
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ルイ・アームストロングがベトナム戦争の悲惨さを逆説的に歌った「What a wonderful world」は、コロナによって全世界が疲弊しきった今に、まさにマッチしていて心に響いた。また12月はどうしてもクリスマスソングをジャズアレンジしたものが多くなりがちだが、やはりスタンダードも聴きたい。もちろんこの時期しか聴くことが出来ないクリスマスソングにも名曲がある。そういう意味では、KaoRi iToさんはラストに一曲だけ楽しいクリスマスソングを歌ってくれたり、セットリストもなかなか良かった。彼女はミュージシャンとしての活動歴はまだ短いが、天賦の才が感じられる心地好い歌声で、他のお客さんも魅了していた。
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朝から盛り沢山な一日だったが、コロナ故にまだ明日の行方も知らぬままなので、今日は目一杯楽しんだ。
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