Once Upon a Time in 上海

2005/09/23 - 2005/09/26

1951年にドリス・デイがリリースし、1953年に美空ひばりがカバーしたジャズの『上海』という曲がある。この2曲を聴き比べると、美空ひばりがドリス・デイを完コピしているのがよく分かる。それも英語が出来なかったひばりは、この名曲を耳コピでマスターしたに違いない。英語の発音もさることながらスウィンギーでご機嫌な歌声は、本家のドリス・デイにも引けを取っていない。そして驚くべきはこのレコードが吹き込まれた時、ひばりはまだ16歳だったということだ。かつて野毛にあった横浜国際劇場で本格デビューしたひばりは演歌の女王の名を欲しいままにしたが、実はジャズを歌わせたら卓越した歌唱力で他に類を見ない才能を発揮している。ジャズ全盛期に当時のジャズシーンを牽引していた横浜出身のひばりには、ジャズが全身に染み付いていたのだろう。
さて、話を『上海』に戻そう。この曲、実は上海のことを歌っているのではなく、彼の気を引こうとして「私、上海に行こうと思っているの」と言ってしまう女性の歌で、原題を「Why Did I Tell You I Was Going To SHANGHAI」という。どうして私が上海に行くと言ったのか、それはあなたに引き止めて欲しかったからといった内容だが、彼と離れても行きたいと思わせる魅力が上海にあったからこそ、この歌詞は成立していると思う。

エリア 上海(中国)

2005.9.23
上海香港広場酒店服務式公寓（Hong Kong Plaza Service Apartment）。我が定宿。
8時9分渋谷発の成田エクスプレス11号は、9時26分に成田空港第2ターミナルに着いた。そして、11時25分成田空港発中国東方航空ＭＵ8301便は、3時間の空の旅を終え13時25分に上海浦東国際空港に到着した。1元＝約14円。

まずは豫園から始めよう。

湖心亭。

長い歴史のある茶館だ。湖心亭を訪れたのはこの時が初めてだった気がする。

湖心亭からの眺め。観光客で溢れている。

湖心亭の一階。ガイドのTさん。

ジグザグに曲がった九曲橋の上から。

夕食は申粤軒。「丁香花園」という庭園内にある広東料理の名店だ。丁香花園は旧フランス租界のお洒落な華山路にあり、李鴻章の7番目の愛人宅だったそうだ。

アワビの姿煮、帆立の野菜炒め、フカヒレあんかけご飯等、高級海鮮料理を堪能した。

2005.9.24
朝食はホテルの並びにあった永和大王。メニューを見ると、油条3元（42円）、小籠包6ケ8元（112円）、バドワイザー8元（112円）と、格安だ。

上海影視楽園。いつもの撮影所。

レトロな路面電車。

撮影のトレーラーハウスがたくさん停まっている。

「The Painted Veil」（北米公開2006年12月）の撮影だった。ナオミ・ワッツやエドワード・ノートンが主演しているにも関わらず、何故か日本未公開の作品だ。日本語字幕の入ったDVDは出ているようなので、いつか観たいと思っている。

路面電車と馬車。

西洋人のエキストラが大勢いた。

彼女もエキストラ。自前のサンダルを持っている笑。

この日は至るところで撮影していた。

上海市内にあるマーラー邸を再現している。

こちらの撮影は、違う作品のようだ。

照明機材やレフ板が準備されていく。

エキストラのチャイナドレスがいいなあ。

役者が出てきてリハーサルが始まった。

撮影がまさに始まろうとしている。

暑いのでここで一休みしよう。中は喫茶店になっている。

市内に戻る。バスに乗って最寄の地下鉄駅へ。自転車で発泡スチロールを運ぶ人。中国でよく見る過積載の図。

このバスに乗って来た。

地下鉄1号線に乗る。

地下鉄といってもこのあたりは地上を走っていた。

車内。

地下鉄2号線の「石門一路駅」で下車。ここは呉江路歩行街。そういえば「石門一路駅」はいつの間にか「南京西路駅」と駅名変更していた。

呉江路歩行街には所狭しと露店が出ていた。

リヤカーでフルーツを売るおばさん。

臭豆腐の屋台。辺りには凄い臭いが漂っていた。

「小楊生煎館」。焼き小籠包の名店だ。

店頭で焼いているが、実に旨そう。

2階で食べよう。

焼き小籠包。4個で3元（45円）。

カレー味の牛肉湯3元（45円）。

タクシーの車窓から。

襄陽路市場。
上海最大のニセモノ市場だが、2006年6月に閉鎖になってしまった。中国に知的財産権などないと思っていたが、中国政府のニセモノ撲滅への強い決意が感じられる出来事だった。

約2000店の偽ブランド商店が並んでいた。

日本人はカモらしく、日本人とみると怪しい日本語が飛び交っていた。

金茂大厦。

「Cloud 9」
87階にあるグランドハイアット上海のバーラウンジ。米国「フォーブス」誌で、世界で最も素晴らしいバーに選ばれたこともある。ガイドのTさん。

「Cloud 9」からの眺め。

黄浦江の流れのように、青島ビールでまったりと過ごす。

西洋人もカクテルでまどろんでいた。

だんだん日がくれてきた。

タクシーで新天地へ。

ここは「夜上海」。新天地の名店だ。テーブル横で調理してくれる。

大きな北京ダック。

北京ダックを切り分けて貰う。

小籠包も外せない。

ガイドのTさんはここまで。

新天地のバー「Latina」で飲んだ。

2005.9.25
まだ誰もいない新天地をぶらぶら。

前の晩に遅くまで飲んでいても、朝の散歩の時間は好きだった。

昨夜の喧騒が嘘のように静まり返っている。

新天地は深夜まで営業しているので、どの店も11時開店が多い。

2000年に開業した新天地には2004年から通い詰めたが、店の入れ替わりが目まぐるしいほどで、訪れる度に新しい発見があった。

ホテルのモーニングブュッフェ。

車をチャーターして、ガイドのCさんと周荘に行った。

周荘名物、万三蹄。豚の脚の醤油煮込み。

水郷古鎮。

のんびりした時間が流れる。

迷路のように張り巡らせた水路をあてもなく歩く。

観光客が出てきた。

運河沿いの店は風情があっていい。

舟に乗る。

舟遊びをする観光客も多い。

至るところに橋が架かっている。

川沿いに並ぶ柳が美しい。

川面に揺られてくつろげば、ここはもうこの世の楽園だ。

どこを切り取っても絵になる。

船頭さん、お疲れ様でした。

舟でリラックスした後は、もう少し歩いてみよう。

映画のセットのようだが、実際映画やドラマの撮影も多い。

ガイドのCさんは上海っ子の美人さんだが、結構気が強い。ある日、タクシーの運転手がほんの少し遠回りしたら、大喧嘩してタクシー代をタダにさせたツワモノだ。

キノコ鍋の「林海」。

日本では見たこともないような珍しい茸が30種類近くあり、松茸も格安で食べられる。水城路の和平広場2階にあったが、いつの間にか閉業していた。

もちろんお肉も注文します。

ここのキノコ鍋は本当に美味しかったなあ。

南京東路。

南京東路でも一際目を引くクラシックホテル「東亜飯店」。1917年創業だが、2013年にエコノミーホテルチェーンの「錦江之星酒店」になっている。

相変わらず人が多い。

東亜飯店の向かいは「永安百貨」という1918年創業の老舗デパート。建物は当時のままだ。

成龍行蟹王府。

何はなくとも、上海蟹。

海老の塩炒めがシンプルだが美味しい。

蟹肉入りフカヒレスープ。

待ってました！

上海蟹、剥いてください。

生演奏の二胡がビールを更に美味しくさせる。

お代わりどうぞ。

焼き小籠包でお腹いっぱい。ごちそうさまでした。

新天地に飲みに行った。この奥にある「老第坊Rendezvous」に入る。フィリピン女性のボーカルバンドが入っていて、若者たちは皆踊っていた。

2005.9.26
朝の散歩。この後、新天地の西側にある大平橋公園に行った。新天地と同じ2000年に作られた人工の池を有する美しい公園だ。

魯迅公園。タクシーで虹口にある公園へ。100年以上の歴史ある公園だ。

至るところでウエディングフォトを撮っていた。

魯迅像。その後ろは魯迅の墓だ。

多倫路文化名人街。

1階はお店が並んでいるが、2、3階はアパートになっている。

多倫路は全長550mのL字型の通りだが、かつては日本人が多く住んでいた。

香港旺角茶餐庁。定宿の上海香港広場酒店服務式公寓の斜め前にあったので、よく利用していた。

水槽には大量の金魚が泳いでる。

チェックアウト前に昼食。

この店、安くて美味しかったので、いつも混んでいた。

ホテルをチェックアウト。

タクシーで上海浦東国際空港へ。

上海浦東国際空港第一ターミナルの3階出発ロビーにあるレストラン「Chalon（シャロン） 沙龍餐庁」。青島ビールで喉を潤す。
15時55分上海浦東国際空港を発った中国東方航空ＭＵ8302便は、19時45分に成田空港に到着した。