大阪ミナミの村野藤吾作品を訪ねて。あのカー〇おじさんのビルも村野藤吾設計だったんだ。

2021/03/03 - 2021/03/03

１９２０年代から１９８０年代まで、多くの建物を造った村野藤吾ですが、

現在、大阪ミナミに残る村野藤吾作品は三つ。

浪花組と、中華料理の大成閣、そして、道頓堀川に面して建つコムラードドウ

トンビルです。

浪花組は以前「生きた建築フェスティバル」で中も見学させてもらいましたの

で、今回訪れたのは大成閣さんとコムラードドウトンビルです。

ゴージャスなインテリアで有名な純喫茶アメリカンにもお邪魔しました。

エリア ミナミ（難波・天王寺）(大阪)

• 旅行の満足度: 4.5

心斎橋にある中華料理の大成閣は、同じミナミにある村野藤吾設計の浪花組本社の外観にちょっと似ていますが、浪花組本社ほどはぶっ飛んでいなくて、柔らかい印象です。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

アルミの六角形の成形型がリズミカルに並んでいます。このカバーがあるおかげで、今では、ベランダに設置してある室外機の目隠しもなっているようです。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

この建物は昭和３９年の作品です。

内装はある程度リノベーション・修理などがされているのかもしれませんが、
４本ずつ並んだ柱、仕切り壁などはオリジナルでしょうか。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

金色の線が斜めに入っている床が面白い。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

一階レストランの横には、宴会場に上がるエレベーターホールがあります。

入口はレストランと別にありますが、中でレストランとつながっていました。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

大成閣さんのホームページによれば、昭和５５年に新館を増築したとありますが、

建物のファサードを見ている限りは、増築したような形跡は見られないのですが、詳しくは不明。調べてもよくわかりませんでした。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

カウンターのデザインもなかなかよいですね。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

大成閣さんは建物もよいですが、お料理もおいしい！そして、リーズナブル。

特に酢豚のお肉がおいしかったです～。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

しかも、コーヒーと粥がセルフでいただけます。

お茶もポットで持って来てくれます。サービスも◎。

中国料理 大成閣 グルメ・レストラン

食事を終えて、心斎橋から道頓堀にやってきました。

インバウンドはいませんが、春休みの学生さんでしょうか、若い人でミナミは

思ったより賑わっていました。

道頓堀 名所・史跡

定番のグリコの看板を見て、記念撮影。

グリコのネオン 名所・史跡

芝居の街と言われた道頓堀で唯一残った劇場・松竹座では、関西ジャニーズの

公演が行われていました。

大阪松竹座 名所・史跡

華やかな装飾のファサード。

大阪松竹座 名所・史跡

そして、もう一つの村野藤吾作品がこちら、コムラードドウトンビルです。

道頓堀の真ん中も真ん中、あの動くカニさんのすぐ横にあるビルです。

実はこのビル、カー〇おじさんのビルとしか、認識していなくて、村野藤吾の作品だ

とは露知らず・・。

しかし、あらためてよく見ると、タイル模様が半端ないです。

タイルを縦に張ったり、横に張ったり、斜めに張ったり、大きさを変えたり、そうして壁に様々な模様ができています。

塔屋のこの覆いは先ほど見てきた大成閣のファサードと通じるところがありますね。

アクセントになってる、白と赤の三角形は何でしょう？

ところどころに茶色いレンガ（？）が突起物のように埋め込まれています。

飲食店ビルなので、中にも入れます。
居酒屋が多いので、昼間は上階のお店はほとんど閉まっていました。

階段もオリジナルでしょうか。てすりは村野藤吾らしいですが、

こちらのビルは１９５５年の建築で、築６５年以上になるんですね。

この照明も（たぶん）オリジナルなのでは？

階段の金属製のパネルの模様も四つ葉のクローバーみたいで、照明器具とそろえてあります。

階段と照明器具。

一階のパンケーキ屋さんで道頓堀を眺めながらお茶でもしようかなと思いましたが、今回は「純喫茶アメリカン」行くつもりにしていたので、こちらはまたの機会に。

コムラードドウトンビルは、ほぼ窓がなく一面タイルの南側に対して、道頓堀に向かった側は全面窓ガラスになっています。
シンプルな窓がリズミカルに並んでいます。

ドウトンビルを後にして、狭い狭い浮世小路を通って法善寺横丁へ。

浮世小路 名所・史跡

水掛不動にお参りします。

法善寺は私は昔、なんだか地名のように思っていましたが、、れっきとした浄土宗のお寺です。ただ、戦争で伽藍が焼失し、焼け残ったのが不動明王で、本堂は再建されないまま現在に至っているようです。

水掛不動 （法善寺） 名所・史跡

飲食店が並ぶ法善寺横丁は元々江戸時代、法善寺の境内に合った飲食店がルーツだそうです
本堂もないし、塀もないし、法善寺の境内がどこからどこまでなのかよくわかりません。この写真の門が三門ということでしょうか。
もしかしたら、現在の多くの飲食店も実は法善寺の境内なのかもしれませんね。
神社仏閣がお店に境内を貸すのは、ままあることみたいで、寺社の周囲には結構飲食街・繁華街が広がっているところもよく見かけます。

法善寺 寺・神社・教会

お寺にありがちな塀もないので、２４時間、通りすがりにでも気軽にお参りができるのでそれはそれでよいのかも。普通のお寺さんは壁と三門でがっちり囲まれているので、なかなか入りづらいですからね。

お不動さんがこんなに苔だらけになったのも、それだけお参りする人が多いからでしょうね。

水掛不動 （法善寺） 名所・史跡

最後に昭和な喫茶店アメリカンにお邪魔しました。

外観からして、キラキラ。

純喫茶 アメリカン グルメ・レストラン

アメリカンといえば、この螺旋階段と壁のオブジェと豪奢なシャンデリアです。

純喫茶 アメリカン グルメ・レストラン

訪問時は２階客席は閉鎖されていて、残念ながら、上ることはできませんでした。

お店の創業は昭和２１年といいいますから、戦後すぐだったんですね。

純喫茶 アメリカン グルメ・レストラン

一階の天井部分。
はなびらのような照明器具が印象的です。

純喫茶 アメリカン グルメ・レストラン

職人技が光るゆるやかにカーブする木の壁も目を引きました。

インテリアはすべて特注品で、唯一無二のものばかり。

天井ばかり写真を撮っているのは、さすが人気店、満員で写りこむので、下のほうの写真は遠慮しましたが、貝殻で作られたパーテーションもありました。

純喫茶 アメリカン グルメ・レストラン

クラシカルなガラスの器に入ったみつ豆をいただきました。

生のフルーツと缶詰のフルーツがほどよくまざって、あっさりとした甘さでした。

純喫茶 アメリカン グルメ・レストラン