2019/09/06 - 2019/09/08
210位(同エリア305件中)
8893さん
2019年9月。
北京から新幹線で移動し(9月6日)、瀋陽市内で滞在ののちに帰国(9月8日)。
明治以降に日本との間の縁が深まったこの街ですが、
南の武漢で新型コロナ肺炎が明らかになる少し前の時期の日常を記録に留めておきたいと思いながらまとめてみました。
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2019年9月の旅程概要。
6日:北京南駅 → 瀋陽北駅 → 皇姑屯事件博物館
7日:北陵公園 → ”九・一八”歴史博物館
8日:桃仙空港 → 成田空港
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■ 瀋陽北駅の地下道:
北京から新幹線で約4時間半(鉄道距離786 km)。
東京~岡山(733 km)の「のぞみ」での約3時間半と比べるとややゆっくりでした。
写真のように、彼方の人の姿がけし粒のようにみえるほどの巨大地下道。
この幅が必要になるくらいの人の流れは物凄いものでしょう。
タクシーで中山路の遼寧賓館へ向かう。 -
■ 昼食 / 「美国加州牛肉面大王」:
入宿した遼寧賓館(和平区中山路)近く、南京北街の中国医科大学付属第一病院の対面。
(その後、地図でみると店名から「美国」が消えて「李先生牛肉面大王」へと更新。)
牛肉面以外にも幅広い品書きのなかから、きゅうりの線切りで涼感のある手軽な麺を選択。加熱していない野菜は東北地方では普通にありました。 -
■ 皇姑屯事件博物館 (天山路211号):
中山路からはタクシーで移動。
運転手さんが博物館を知らなかったので、この博物館近くにあるはずの鉄道の皇姑屯駅を目指し、ようやく到着。
1928年6月4日、張作霖(民国北洋政府の陸軍大元帥) が爆殺された現場は近い。
そしてその3年後、ここから遠くない柳条湖でも事件が起きた。 -
■ 皇姑屯事件博物館 / 爆破された列車の再現模型:
博物館内に絵画もあるが、これは迫力があった。
浅田次郎の小説「マンチュリアン・リポート」によれば、列車の蒸気機関車は龍鳳号と呼ばれ、もともとは、李鴻章が西太后に献上した英国製、というから当時としては相当に豪華なものだったのでしょう。
その列車に乗る張作霖がそれほどの実力者だったんということか。 -
■ 皇姑屯事件博物館 / 爆破現場の再現絵画:
博物館内にありました。 -
■ 夕刻の街の風景 / 南寧北街:
雨上がり。目当ての焼き餃子の店をめざしての移動の途中。
宿泊したホテル(遼寧賓館)のある中山広場から瀋陽駅側に少し歩いたところの、ビルの谷間の平穏な、生活を感じる一角。 -
■ 羽根つき餃子?/ 「三盛源餃子」(南寧街店):
20個。ひとつひとつがやや大きいのか、ビール瓶と比べてみてください。
繁盛しているようです。
ただ、煙草の吸殻は床にポイ捨てするシステムで、大都会に似合わず、ひと昔前に戻った感あり。 -
■ 遼寧賓館:
入口の回転式ドアを抜けたところ。
旧奉天ヤマトホテル(大和旅館)らしく博物館のような雰囲気で、このホテルゆかりの歴史を紹介した多くのパネルがエントランスの柱に展示されていました。
日本、内戦、解放・・・一枚ずつ読んでゆくとたいへんなので、何枚かだけ写真に収めておきました。
100年は経とうという(1929年開業)のに、ほんの20年前までは街のなかに違和感なく溶け込んでいたと感じますが、それからの急激な経済発展にあわせたのか、2013年に「全国重点文者保護単位」に指定されたとのことです。
それゆえ、泊まり心地の方は忍耐が必要でした。 -
■ 遼寧賓館 / 遼寧晩報の古い記事:
李香蘭、蒋介石らもここと接点があったそうです。
説明にあったホールは、以前に朝食で利用したことがありましたが、高い天井、200人くらい(?)のテーブル席が設えそうな広さがあったのを思い出しました。 -
■ 遼寧賓館 / 朝のホール:
現代の感覚からすれば、こじんまりとしています。 -
■ 遼寧賓館:
朝食のテーブルにあったもの。中央テレビの報道では食料生産の情況を頻繁に伝えていますが、改めて本気度が伝わってきました。(同じような問題に直面している日本も参考になりますね。) -
■ 遼寧賓館:
早朝。ホテル正門前の中山広場。
左手に1kmほどすすむと瀋陽駅、正面やや右手方向に瀋陽北駅ですから、ホテルは北、ロシアへと向かう鉄路の先を見据えている構えです。
そして、円形の広場をとりまくように、左手前から旧横浜正金銀行支店、旧警察署、旧興業銀行支店、軍司令部・・・と保存されています。 -
■ 地下鉄「北陵公園」駅 / 構内:
地下鉄で、太原街 (1号線) → 青年大街 (1号線から2号線へ乗換) → 北陵公园 (2号線)、という経路で移動。
この町の地下鉄の歴史は新しく、2000年に入ってから。 -
■ 北陵公園 / 地下鉄「北陵公園」駅前の泰山路:
地下鉄のE出口から出て泰山路を東へ、前方左手の公園入口をめざす。
その向かいの遼寧省政府の建物も見えます。 -
■ 北陵公園 / 参道の注意書き:
囲いの注意標識には ”文物の上での鍛煉を厳禁” とあります。
(注:「鍛煉」は辞書によれば「(体を)鍛える,鍛練する.」。)
ここで鍛煉した人がいたんでしょうね。 -
■ 北陵公園 /
少し進んだところの、こちらの石畳には囲いがない。 -
■ 北陵公園 / 白馬:
更に奥の神道の両側にはたくさんの墓守の動物の塑像があるが、これはそのうちのひとつ。ほかのラクダなどの動物たちも皆、柔らかな表情にしていると感じたのは私だけかな?
このあたりまで来ると、公園内を楽しむ市民の喧噪も遠くなって静かになり、瀋陽で一番広いとされる公園の大きさを感じる。 -
■ 北陵公園 / 月牙城の照壁:
城壁高さ6m、城壁北側の中央には彩色された瑠璃(土着の製法によって作ったガラス) の照壁(目隠し塀、彫刻を施した壁)が設えてある。
ここは北側に隣接する宝城(お墓)と南の方城との間の独特の空間となっていて、両側の石段で南北を行き来するようになっています。 -
■ 北陵公園 / 月牙城の城壁:
成程、ここから見ると壁の内側の空間の形が月のように見えなくもないですね。
左手の宝城にはホンタイジが眠っているそうです。 -
■ 北陵公園 / 明楼:
昭陵で最も高い(23.6m)1665年の建造物。
説明表示によれば1937年の焼失後、1939年とあるから丁度80年前に修復されている。
なかの石柱には三種類(満州、蒙古、漢)の文字で「昭陵」、「太宗文皇」と刻まれ、清という国の協和性の一面を感じさせられる。
かってアフリカ東海岸までをも覇権にいれた漢民族の明朝を一瞬にして席巻した熱量の源、のような想いがよぎった。 -
■ 瀋陽”九・一八”歴史博物館 / 外観:
北陵公園からは東南東方向3kmの、鉄道線路を超えた場所。タクシーで移動。
(参考:地下鉄駅最寄り駅は10号線の「合作街」駅で、博物館の東南約1kmの北海街沿い。)
地図でみると、すぐ南に隣接して「柳条橋」という地名もあるが、柳条湖事件の現場は博物館によれば北西側に隣接する場所。
更には、東1kmに「北大営」という地名が今でも残っている。
918事変を記憶に留めるための博物館の立地はこの辺りでなくてはならなかったはずだ。
今回参観したのは 9月18日のカレンダーの形をした正面の建物(1991年開館。1989年6月の事件の直後にあたる。)の奥の方、敷地の北側にある新館(1999年開館。江沢民時代。)で、広場とあわせ、人影が疎らにみえるほどに広壮な構え。
9月18日を前にしたこの日は雨模様。 -
■ 瀋陽”九・一八”歴史博物館 / 広場沿いの屋外展示物:
建物入口の手前の道路側に沿って、最初の展示ともいえる陳列が目に入る。
日本時代に残された石やコンクリートの記念碑、供養碑などが約10点ほどで、それぞれ立派な説明銘板が併置されている。
市内各地で発見され、あるいは放置されていたものがここに集められ、歴史を記憶する役割を担っているのでしょう。 -
■ 瀋陽”九・一八”歴史博物館 / プレリュードホール(序庁):
中国東北地方の国土の「白山黒水」という壮麗な景象、その中での人民の屈服しない闘争精神、を表現、とある。
冬はこの寒冷地の人々にとってもたいへんな挑戦であったようです。
このあとの大量の展示物の多くは実物(写真、新聞記事、日用品、兵器・・・)が中心で、十分に貴重なものだと思います。
年間100万人の来場者があるらしい。
が、この日は、施設が巨大であるが故にか、参観者があまりにも少ないのが際立った。
多くの展示の最後には、
「・・・なぜ、日本帝国主義は大胆にも堂々たる大国であるわが国に対して (敢?我泱泱大中?) 凶刃を向けたか?・・・」
で始まるまとめ(結束語)、が配されていました。 -
■ 「喜家徳」 / 和平区北二馬路店:
水餃子のファストフードチェーン店。
夕刻の5時に入ると、全20席くらいがほぼ埋まっていて、人気があるようです。
”水餃子は作りたてが美味しい”、というのが店の売りなので、その作業をビデオ撮影していたら若い店員がニコリとしてくれました。
機会あればまた利用したいですね。 -
■ 「絆居酒屋」 /日本風の店構え:
中山路から和平区天津北街7号のビル1階。
日本人駐在員相手のお店のようですが、5時過ぎ、扉を開けたときには、早や中国の方らしい客が数人。 -
■ 「絆居酒屋」 /日本風の料理:
瀋陽という土地柄か、朝鮮族のキムチがメニューにありました。
久しぶりの”和食”と日本式焼酎とで、帰国の前準備完了。
お店の繁盛をお祈りします。
今回も、近くて一衣帯水!、されど遠くて雲煙万里!、という深い印象が刻まれた旅路でした。
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