横浜散歩~山手の根岸へ。旧柳下邸と横浜競馬場 一等馬見所（観覧席）跡。

2020/01/10 - 2020/01/10

横浜でも、今回は高台にある根岸へ足を延ばしました。

お目当ては、旧柳下邸と根岸競馬場 一等馬見所です。

旧柳下邸はずいぶん昔にに写真で見て印象に残っていたんですが、

ふと「あの建物はどうなってるのかな？」と思って、名前もわからないけど、

調べてみると根岸なつかし公園として、ちゃんと保存されているということを

知りました。

根岸競馬場 一等馬見所も昔に見に行ったことがあって、それもまだ残ってい

るということで、今回は港横浜ではなく、山手の根岸に行ってみることにしま

した。

エリア 本牧・根岸・磯子(神奈川)

• 旅行の満足度: 5.0

• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩

JR根岸駅から歩いて根岸なつかし公園旧柳下邸に向かいます。

途中、旧柳下邸のすぐ近くにある根岸八幡神社に参拝しました。

根岸八幡神社 寺・神社・教会

何人かの方がお参りに来られていました。

地元の氏神様といったところでしょうか。

根岸八幡神社 寺・神社・教会

こちらが旧柳下邸です。丘の中腹にあります。

現在は手前側が公園として整備されていて、全体として根岸なつかし公園となっています。

高台にある背の高い洋館は当時、ランドマーク的な存在だったとも。高台から眺める海の景色もよかったでしょうね。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

建物は和館である西館と東館、洋館、蔵から成り立っています。和館は平屋、洋館は２階建てで、洋館部分はその高さがひときわ目立っています。

西館は居間や風呂など、生活の場、渡り廊下で西館と結ばれた東館は、客間や茶室など、接客用に使われていました。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

洋館の後ろには蔵が建っていますが、入口は室内にあります。

和館、洋館、蔵がすべてオリジナルで残っていて貴重ですね。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

和館の東館の屋根はけっこう複雑。

横浜の有力な商人だった柳下家が、別荘地・住宅地として人気があった根岸の高台に大正時代に建てた住宅です。当時は海も見えたのでしょうね。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

西館入口を入ってすぐ左側にあるのがお風呂です。五右衛門風呂になっていましたが、新しいようなので、公開にあたり修復されたものかもしれません。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

風呂の天井は折り上げ格天井になっていました。お風呂での折り上げ格天井は、天井を一段上げて換気口とするための実用的なもののようで、横板には透かし彫りが施されていました。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

脱衣所への入り口の襖障子は松葉の細やかな細工になっています。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

脱衣所は畳敷きで、天井は化粧垂木が放射状に張り巡らされていました。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

畳の部屋とお風呂の間の板敷きの間には、鏡台が造りつけてあり、お風呂場・脱衣

所は全体としてとても広く、なかなか贅沢な空間です。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

茶の間には、掘りごたつが。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

そして、作り付けの箪笥もあって、便利で、居心地のよさそうな空間でした。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

他の部屋でもいくつか造り付けの箪笥や棚が見られました。とても機能的。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

こんなユニークなデザインも（居間）。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

渡り廊下を通って、西館から東館へ行ってみましょう。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

西館、東館、渡り廊下、三方をガラス戸の廊下に囲まれた中庭。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

東館は接客用のパブリックな空間で、この部屋は
炉か切ってあり、茶室として使われた部屋ですが、仏間としても使われていたということです。仏間と茶室を兼ねるなんてことがあるんですねー。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

邸内で一番格式が高い、床の間のある客間です。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

繊細な細工の客間の書院。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

遊び心のある意匠ですね。床柱は何の木でしょうか？

床板は黒松の一枚板という贅沢な造り。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

洋館一階部分。

造りは洋風だけど、床だけは畳になっていました。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

洋室のも造り付けの飾り棚がありました。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

二階は書斎として使われていたということですが、残念ながら上がることはできませんでした。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

接客用の洋館・東館のために表玄関が別にあります。

三和土はタイル張りでした。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

蔵は室内からつながっています。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

蔵の手前にあった昔の金庫。分厚い扉です。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

蔵の中には様々な昔の日用品などが展示されていました。

写真は冷蔵庫です。

根岸なつかし公園 旧柳下邸 名所・史跡

一旦徒歩でJR根岸駅へ戻ってから市バスで根岸森林公園へ。

公園に隣接してある、根岸競馬記念公苑・馬の博物館を見学しました。

なぜここに馬の博物館があるかというと、明治時代に日本初の競馬場が造られて１９４２年まで使われていたからなんですね。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

競馬だけでなく、馬に関するあらゆる展示がなされていました。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

これは、明治天皇の御料馬車です。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

競馬が趣味で、根岸の別荘に馬場．厩舎を造った三井一本松町家の三井高信とその息子で彫刻家の三井高義に関する展示が行われていました。三井高義は馬の彫像作品が多かったようです。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

東北の曲家をそのまま移築した展示もありました。

再現したものではなく、本物なのがすごい。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

刀装具に描かれた「馬のおはなし」という特別展も開かれていました。

この特別展も含めて入場料は１００円！展示も充実しています。
馬に興味のある人もない人も一度行ってみてはいかがでしょう！？

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

馬の彫刻の施された鍔や目貫、小柄、こうがいなどが展示されていました。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

馬の形をした目貫。

ほんとに細かい細工です。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

日本在来馬に関する展示。

昔はもっとたくさんの日本在来馬がいたんですね。写真が残っているから、これらの馬が消滅したのは近代になってからということですね。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

儀装馬車。

外国大使が信任状信任状捧呈式のために皇居に向かう時の乗る馬車です。
これは現在実際に使われているものではないですが、型はまったくいっしょだそうです。

馬の博物館(根岸競馬記念公苑) 美術館・博物館

馬のデザインのゲートをくぐって、森林公園へ。

根岸森林公園 公園・植物園

根岸森林公園は元々競馬場だったので、航空写真で見ると、今でも敷地は競馬場の楕円形になっています。
周囲を歩けばそれを実感できるのかもしれませんが、時間がないので公園を突っ切って根岸競馬場一等馬見所跡に向かいます。

根岸森林公園 公園・植物園

根岸競馬場一等馬見所跡です。

こちらは後ろ側で、観客席は反対側にありますが、そちら側は米軍住宅があるので、よく見えません。

根岸競馬場一等観覧席跡 名所・史跡

横から見ると斜めになった観覧席が一部だけ見えました。

根岸競馬場一等観覧席跡 名所・史跡

昭和に入ってからの建物ですが、クラシカルな装飾も見られます。

根岸競馬場一等観覧席跡 名所・史跡

近代化遺産にも認定されていて立派な説明書きも複数設置されているんですが、肝心な建物のほうは、フェンスに囲われて修理されたようすもなく、荒れ放題な感じで
いったいどうなっているのでしょう？

根岸競馬場一等観覧席跡 名所・史跡

根岸競馬場一等馬見所跡のある場所から一つ向こうの高台にも米軍住宅らしい建物が見えました。
返還されたそうですが、現在はどのようになっているのでしょうね。

根岸競馬場一等馬見所跡には随分昔に来たことがあって、その時小さなお子さんを連れたアメリカ人とおしゃべりをしましたが、今考えると米軍関係の方だったのでしょうね。その時は米軍住宅が根岸にあるとも知らず・・。