2021/04/24 - 2021/04/24
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Weiwojingさん
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東京世田谷区にある「静嘉堂文庫美術館」が来年度中央区丸の内へ移転するということで、ここでは最後の美術展が開催されていた。以前、一度静嘉堂には行ったことはあったが、美術館の方には訪ねたことがなかった。
そこで今回、最後の展覧会「度立ちの美術」が開催中ということで、見学に出掛てみた。静嘉堂は元々は三菱財閥創設者の岩崎彌太郎の弟・彌之助(1851~1908)とその子小彌太(1879~1945)が親子2代にわたって収集した美術品を収めた美術館であった。しかし、その後1992年に文庫創設百周年記念事業で新たに静嘉堂文庫美術館が開館し、美術館の機能がすべて移動した。
訪れたのは4月24日である。次の日から東京では緊急事態宣言が発令されるために美術館は当分閉館されるとのことで、その前にかろうじて見学する機会を得ることが出来た。そのためであろうか、この日は見学者の数が多いような気がした。
静嘉堂文庫美術館を見学した後、隣接している「岡本公園民家園」に立ち寄り、江戸時代後期の旧長崎家住宅見て、家に戻った。正に充実した一日だったと言ってよいだろう。
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これが今回開催中の「旅立の美術」の展覧会のチラシである。丸の内へ移転ということで、それに掛けた最後の展覧会を表したものである。
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静嘉堂とは、岩崎家代々の当主が収集してきた和漢の古文書や美術品を収めていた東京駿河台や高輪にあった邸宅から1924年(大正13)に、世田谷区岡本(当時は北多摩郡砧村岡本)に移したのが始まりである。関東大震災のあった翌年である。あちこちの邸宅がかなりの被害を受けた。
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静嘉堂はこの2人の人物が関わった。左が岩崎彌之助(1851~1908)、右がその子岩崎小彌太(1879~1945)である。彌之助は三菱財閥初代の岩崎彌太郎(1808~1885)の弟で2代目、小彌太は3代目にあたる。
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今後ここを訪れることあまりないと考え、展覧会を見る前に周囲を少し見て回った。この洋館は元の静華堂文庫展示館で、元三菱地所部技師の建築家桜井小太郎(1870~1953)の設計によるイギリスのカントリーハウス風の建物である。
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ここが正面入り口である。現在は入ることは出来ないが、不定期で館内を見学できる機会があるそうである。
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大変立派な洋館であるが、鉄筋コンクリート造二階建で、いかにもどっしりとした造りである。
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少し歩いてみた。建物の外壁は腰に相州の堅石を積み、そこから上はスクラッチタイル貼で仕上げている。
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突然かわったオブジェに出会った。石で出来た蛙の置物である。最近のものか古いものかはよく分からないが、見たところ古そうである。
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蛙の置物の近くにもうひとつ古そうな甕が置かれていた。
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こちらの建物が「静嘉堂文庫博物館」で、現在「旅立ちの美術」展が開催されている。今回の展覧会を以って美術館は封鎖され、丸の内に移転することになっている。そのためか見学者の数が多いような気がした。しかも、翌日から政府の緊急事態宣言でしばらく閉館となるようなので、見に来ているのかもしれない。
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美術館で公開されている作品の中で小生が気に入ったものをいくつか見てみたい。
谷文晁筆「八仙人図」(江戸時代・享和3年 / 1803年)
3本足の蛙が吐き出す煙を8人の仙人が取り囲む図であるが、これは何らかの吉祥的な中国絵画や版画を下敷きにした可能性があるものと思われる。 -
重要美術品「地蔵菩薩十王図」(高麗時代・14世紀)
頭巾をかぶり、手に宝珠を持ち、大円相内に半跏して坐す地蔵菩薩。 -
國宝 因陀羅筆・楚石梵琦題「禅機図断簡 智常禅師図」(元時代・14世紀)
樹下に座す老僧を高士が訪ねて来た。両手を合わせ、神妙な面持ちで問いかける高士に、老僧は笑みを湛えながら、右手の人差し指をたてて進むべき道を指さしている。 -
重要文化財 倪元璐筆「秋景山水図」(明時代・17世紀)
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重要美術品 陳賢筆「老子過関図」(明~清時代・17世紀)
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重要文化財 九淵龍賝題「万里橋図」(室町時代・応仁元年 / 1467年)
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天隠龍沢題「山水図」(室町時代・明応2年 / 1493年)
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中山高揚筆「渓山清興図」(江戸時代・明和9年 / 1772年)
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重要美術品 賢江祥啓筆・王隠英與序・竺雲顕謄等第「巣雪斎図」
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『伊勢物語』(江戸時代・承応3年 / 1654年)
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木米筆「重嶂飛泉図」(江戸時代・19世紀)
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逢坂文雍筆「文王猟渭陽図」(江戸時代・嘉永3年 / 1850年)
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国宝 伝馬遠筆「風雨山水図」(南宋時代・13世紀)
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鈴木鵞湖筆「武陵桃源図」(江戸時代・万延元年 / 1860年)
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国宝 俵谷宗達筆「源氏物語関屋澪標図廟屏風」(江戸時代・寛永8年 / 1631年〈部分、 其の1〉
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国宝 俵谷宗達筆「源氏物語関屋澪標屏風」〈部分、 其の2〉
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「十二霊獣図巻」(室町時代・16世紀)〈部分〉
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国宝 「曜変天目」(南宋時代・12~13世紀)〈建窯〉
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「白字鉄絵紅緑彩人物図壺」(元~明時代・14世紀)〈磁州窯系〉
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美術館の歩みを示すチラシが1977年(昭和52)から今回の「旅立ちの美術」まですべて紹介されていた。
先ず、これは1977年(昭和52)から1988年(昭和63)までの展覧会のチラシである(1)。 -
1977年(昭和52)から1988年(昭和63)までのチラシ(2)。
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1992年(平成4)から2021年(令和3)までのチラシ(1)。
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1992年(平成4)から2021年(令和3)までのチラシ(2)。
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1992年(平成4)から2021年(令和3)までのチラシ(3)。
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1992年(平成4)から2021年(令和3)までのチラシ(4)。
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1992年(平成4)から2021年(令和3)までのチラシ(5)。
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1992年(平成4)から2021年(令和3)までのチラシ(6)。
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この写真は、明治末期建設中のニコライ堂の足場から見た神田・御茶ノ水周辺の街並みであるが、左下に3つ並んだ洋館が見える。これが岩崎家の駿河台邸宅であった。
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ここはかつて東京港区高輪にあった「岩崎家高輪邸」で、このような邸宅が神田のニコライ堂の側にもあった(上記の写真を参照)。しかし、どちらも関東大震災で大きな被害を受けた。
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美術館の新たな移転先となる丸の内にある明治生命館の建物である。この建物は重要文化財に指定されて、これまで何度も訪ねたことがあり、これからも訪ねてみたいと思う。
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美術館の見学を終え、外に出てその周囲を歩いてみた。美術館の外には隣接して庭園と展望台があり、周囲の景色をぐるっと見ることが出来る。
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展望台から見た風景は素晴らしかった。ここが東京都内だとはとても思えない。天気が良い日には遠く富士山も見えると言う。
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敷地内にはイギリス人建築家ジョサイア・コンドル設計の「岩崎家玉川霊廟」1910年(明治43)がある。
岩崎家初代当主の彌太郎が2年前に亡くなると、その子小彌太は3回忌に合わせてこの玉川の地に霊を弔うために本家の染井墓地とは別にこの霊廟を建立した。 -
入り口両側には1962年(昭和37)小彌太17回忌に際し奉献された唐獅子一体が置かれ、廟を守っている。彼は1945年(昭和20)に亡くなった。
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霊廟はラテン十字形の平面を持つ、日本では珍しい様式の納骨堂である。ここには岩崎家当主彌之助と小彌太が眠っている。
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正面の青銅製の扉は鋳金師岡崎雪聲によるもので、表裏共に中国の故事・24孝の図が鋳込まれ、東西文化の混合が見られる。
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霊廟前にはこのような石塔が建っている。
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松方正義による撰文と書の「岩崎彌之助墓碑」。
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静嘉堂からすぐ近くにある「岡本八幡神社」と「岡本公園民家園」を訪ねるために移動した。
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鬱蒼とした木立の中に岡本八幡神社があった。小さな社と社務所があるだけの神社で、参拝する人の姿は全くない。
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社殿の前には一対の狛犬が置かれている。
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神社を出ると、竹藪があり、その中に一本伸びきった竹の子が生えていた。
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竹林を抜けると、岡本公園民家園があり、江戸時代後期の典型的な農家の家屋敷が保存されていた。
見学者は当方一人で静寂そのものであった。ただ、敷地内ではボランティアの方々が何人かいて、作業をしていたが、このような施設があまり知られていなのは少々残念な気がした。 -
この旧長崎家住宅は区内の瀬田にあったもので、元々村の民政を行っていた村方三役のひとつ、百姓代をつとめていた家だったそうである。
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5月の端午の節句が近づいてきたので、5月人形が飾られていた。
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室内の様子。今の中央には囲炉裏があり、現在ボランティアの方々が毎日火を焚いているそうである。
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台所回り。
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草鞋がいくつもぶら下げられていて、往時の生活振りを知ることが出来た。
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周囲をぐるっと回って、表側だけでなく裏側の方も見て回った。
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かつて使われていた農機具が置かれていて、もう今では使われていない器具ばかりである。どんなことに使われたのか皆目分からなかった。
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