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四国八十八ケ所の内、善通寺には5ケ寺の霊場がある。人口3万人足らずの町で、これだけの数の霊場を有しているのはひとえにこの町が弘法大師の生まれ故郷であり、総本山善通寺とそれに連なる関係寺が多いからに違いない。ちなみに数の多い市は松山市の8ケ寺、今治の6ケ寺があるが、他に徳島、西条、高松は善通寺と同じ5ケ寺だ。尤も、善通寺以外の市では元々は市外の周辺町村が昭和、平成の町村大合併で市域に組み込まれた結果であり、善通寺のように、元々の市域にあった霊場とは異なる。<br /><br />さてお腹いっぱいに朝食を食べ終え、ホテル八千代を後にする。昨日の最後の霊場、出釈迦寺からホテルに戻って来た道路を再び善通寺に向かって折り返す。まだ8時前。今日最初の霊場、第七十四番甲山寺(こうやまじ)までは20分程度だ。次の霊場善通寺とは殆ど隣り合わせのような場所にあり、第七十五番総本山善通寺の大きな標識看板の下にこの寺の名前が控えめに書かれている。<br /><br />善通寺市内に入って総本山善通寺と甲山寺は左右に分かれ、甲山寺は左側の川沿いの道を進む。何故かその道路を塞ぐように石材工場があって、道路はその工場内を突っ切るようにして進む。この工場の先、との標識が出ていなければ、道に迷う処だった。工場敷地を出た先に大きな駐車場があり、この寺は川の畔の平地に建っている。川の名前は不明だが、1-2キロ先の上流には総本山善通寺がある。<br /><br />甲山寺(こうやまじ)とは後ろに控える高さ80m程の甲山(かぶとやま)の麓に建っていて、その山は山頂が丸みを帯びていて、甲(兜)のように見え、こうした名前が付けられたようだが、弘法大師が幼少の頃、この山の周辺でよく遊んだとのことである。又後年大師が嵯峨天皇から満濃池の造築師に任命された時、この場所で薬師如来を刻み、数万の人を集めて池を完成させ、その功績に対し朝廷から報償が与えられ、その一部でこの地に堂宇を建築したとのいわれがある。境内は本堂、大師堂、その一段上に多聞天堂とコンパクトに纏められているが、以前の大伽藍等々の多くの堂宇は戦国時代の戦果で荒廃し、これ等は皆江戸時代中期以降に再建されたものである。<br /><br />甲山山頂までは80mそこそこで、多聞天堂の横から山頂までの遊歩道が付いていて、山頂には石舞台があったり、室町時代の出城の跡があったりと、ほんの僅かな高さ、時間と足が元気だったら、駆け足ででも登りたい処だが、矢張り、身体は気持ちに付いては行けない。この次に取っておこう。と言っても、この寺に関しては、もう二度はないかも知れないが・・。さて、次の本命、総本山善通寺に向かおう。<br /><br />

四国霊場最後の巡礼(27)本日最初の霊場・甲山寺へ。

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2020/11/09 - 2020/11/14

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ちゃお

ちゃおさん

四国八十八ケ所の内、善通寺には5ケ寺の霊場がある。人口3万人足らずの町で、これだけの数の霊場を有しているのはひとえにこの町が弘法大師の生まれ故郷であり、総本山善通寺とそれに連なる関係寺が多いからに違いない。ちなみに数の多い市は松山市の8ケ寺、今治の6ケ寺があるが、他に徳島、西条、高松は善通寺と同じ5ケ寺だ。尤も、善通寺以外の市では元々は市外の周辺町村が昭和、平成の町村大合併で市域に組み込まれた結果であり、善通寺のように、元々の市域にあった霊場とは異なる。

さてお腹いっぱいに朝食を食べ終え、ホテル八千代を後にする。昨日の最後の霊場、出釈迦寺からホテルに戻って来た道路を再び善通寺に向かって折り返す。まだ8時前。今日最初の霊場、第七十四番甲山寺(こうやまじ)までは20分程度だ。次の霊場善通寺とは殆ど隣り合わせのような場所にあり、第七十五番総本山善通寺の大きな標識看板の下にこの寺の名前が控えめに書かれている。

善通寺市内に入って総本山善通寺と甲山寺は左右に分かれ、甲山寺は左側の川沿いの道を進む。何故かその道路を塞ぐように石材工場があって、道路はその工場内を突っ切るようにして進む。この工場の先、との標識が出ていなければ、道に迷う処だった。工場敷地を出た先に大きな駐車場があり、この寺は川の畔の平地に建っている。川の名前は不明だが、1-2キロ先の上流には総本山善通寺がある。

甲山寺(こうやまじ)とは後ろに控える高さ80m程の甲山(かぶとやま)の麓に建っていて、その山は山頂が丸みを帯びていて、甲(兜)のように見え、こうした名前が付けられたようだが、弘法大師が幼少の頃、この山の周辺でよく遊んだとのことである。又後年大師が嵯峨天皇から満濃池の造築師に任命された時、この場所で薬師如来を刻み、数万の人を集めて池を完成させ、その功績に対し朝廷から報償が与えられ、その一部でこの地に堂宇を建築したとのいわれがある。境内は本堂、大師堂、その一段上に多聞天堂とコンパクトに纏められているが、以前の大伽藍等々の多くの堂宇は戦国時代の戦果で荒廃し、これ等は皆江戸時代中期以降に再建されたものである。

甲山山頂までは80mそこそこで、多聞天堂の横から山頂までの遊歩道が付いていて、山頂には石舞台があったり、室町時代の出城の跡があったりと、ほんの僅かな高さ、時間と足が元気だったら、駆け足ででも登りたい処だが、矢張り、身体は気持ちに付いては行けない。この次に取っておこう。と言っても、この寺に関しては、もう二度はないかも知れないが・・。さて、次の本命、総本山善通寺に向かおう。

旅行の満足度
5.0
同行者
一人旅
交通手段
レンタカー

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  • 今日最初の霊場、甲山寺山門。寺は川の畔にあり、山門前には大きな駐車場がある。

    今日最初の霊場、甲山寺山門。寺は川の畔にあり、山門前には大きな駐車場がある。

  • こちらは以前のお遍路道時代の山門。

    こちらは以前のお遍路道時代の山門。

  • 境内はコンパクトに纏められている。奥が本堂、手前が大師堂。

    境内はコンパクトに纏められている。奥が本堂、手前が大師堂。

  • 甲山の際に建つ毘沙門堂。

    甲山の際に建つ毘沙門堂。

  • 大師堂。

    大師堂。

  • 本堂。御本尊は薬師如来。

    本堂。御本尊は薬師如来。

  • 真言は、「おんころころ せんだりまとうぎ そわか」、であるが、梵字は「バイ」である。<br /><br />

    真言は、「おんころころ せんだりまとうぎ そわか」、であるが、梵字は「バイ」である。

  • 子安地蔵?

    子安地蔵?

  • この後ろの山が甲山。

    この後ろの山が甲山。

  • 甲山寺を辞し、次の善通寺に向かう。

    甲山寺を辞し、次の善通寺に向かう。

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