2020/08/27 - 2020/08/27
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xiaomaiさん
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台湾では旧暦7月は鬼月と呼ばれ、死んだ人がこの世に戻ってくるとされている。日本でも、きゅうりやナスで牛馬を作り、ご先祖様を送り迎えする風習があるが、台湾では縁のない人をも「好兄弟(仲がいい友人)」として扱いもてなす。そして、中元(旧暦7月15日)には台湾各地で普渡(死者へのもてなし)行事が行われる。参考までに、お世話になっている人に贈り物をするという日本式の中元習慣は台湾にはない。
基隆の中元祭は特に有名で、特に放水燈当日(2020年には新暦9月1日)は町全体が大きな活気に包まれる。その中元祭の由来がある基隆開基老大公廟を訪れた。
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旧型の区間車(各駅停車)に久しぶりに乗車。
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15時過ぎに基隆到着。左のが乗車した旧型区間車(各駅停車)で、右のが新型区間車。
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基隆に着くなり、「雨都」の言葉に違わず、雨が降ってきた。
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中国福建省の泉州出身台湾移民者と漳州出身移民者との争いで命を失った人々を祀る、1851年創建の基隆開基老大公廟。
元々は基隆港に近いところにあったけれど、1900年に嘉仁東宮(後の大正天皇)がご成婚されたことを記念して、高砂公園を造営するため、今廟がある嘉仁里に移った。
高砂公園は現在の孝四路、孝二路、忠二路、忠三路に囲まれた地域に造営され、その地域は高砂町と改名されている。テニスコートや野球場があり、のちに昭和天皇のご即位を記念して劇場も建てられ、市民の憩いの場となっていた。戦後は中山公園と改名されたが、現存はしていない。 -
龍門や虎門はなく、中央部分から入ってすぐ階段を上る。
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中元普渡の時期だけれど、雨天の平日午後であったためか、参拝者はこの女性のみだった。普渡というのは、この世に戻ってきた死者の霊をもてなし、供養することで、道教では、誰にも弔われることのない死者の魂を「厲鬼」と呼び、その「厲鬼」をももてなしの対象にしている。
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基隆地区は漳州人が先に入植し、現在の基隆港付近に住んだ。のちに泉州安溪人もやってきて、七堵や暖暖などの川辺や山間部に居を構えた。その後、土地境界線と水利灌漑の問題で戦いが数度起こり、1853年には特に多くの人が命を落とした。和解した双方は死者を合葬し、「老大公墓」とした。「老大公」というのは、「老死」「先死為大」「男性」を意味する。1855年から11の姓氏の人々が交代で祭祀を執り行っている(現在は11の姓だけではない)。移民社会である台湾で、出身地の異なる者同士が争い、その後の和解方法となった儀式(中元普渡)が、日本植民地時代も途絶えることなく今でも続いている点に大きな意義がある。
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台湾各地で中元に普渡が行われ、基隆のは特に有名。政府交通部(郵政、電信、運輸、気象及び観光に関する業務全般を担当)の下部組織である観光局により「台灣十二大地方慶節」とされている。ところが、この雞籠(基隆の旧名)中元祭の由来が老大公廟にあることは、意外と知られていなく、生粋の基隆人である友人ですら、耳にしたことがないと言っていた。
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雞籠中元祭は旧暦7月1日に基隆開基老大公廟の龕門が開かれることから始まり、旧暦8月1日に閉じられることで終了となる。画像がその龕門(俗に言う鬼門)。
龕門というのは、仏像、神像、神位、祖先の靈位などを祀る信仰対象あるいは神聖なものを安置するところの門。老大公廟の場合は、泉州と漳州からやってきた移民の戦いで死去した人々の霊。 -
旧暦7月1日に代表布施主(2020年は童氏と白氏)がお供え物を捧げ、焼香と祈祷をし、老大公廟の代表委員が名簿と鍵が入っている「錦箱」を基隆市長に差し出す。市長はそれを代表布施主に手渡し、その代表布施主が「錦箱」の中の名簿に龕門を開く人の氏名と時間を記したあと、鍵を取り出して「龕門」を開き、死者(好兄弟)の魂を現世にお迎えする。旧暦8月1日に「龕門」が閉じられ、一連の儀式は終了する。
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養天地正気 法古今完人
「天地の正気を養い,古今の完全なる人を手本とする」という意味の『菜根譚』の一節。 -
2階にある薪火相傳。
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中元普渡をいつまでも続けていくという精神を表した「薪火相傳」。
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先賢堂
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老大公廟歴代の先賢功徳禄を記念する碑。
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1階入り口の門の屋根。右前脚が非常に大きい。後に付け直されたものか?
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中元普渡のぼんぼり
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金爐。環境保全のため、信者から供えられた金紙は、旧暦の毎月2日と16日にまとめて燃やされる。ただ、参拝客の多い中元は除外されているため、金爐が開けられている。
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老大公廟参拝後は、主普壇へ行こうと思っていたけれど、雨足の激しさが増してきたため、バスで駅へ向かい、16時40分発の区間車(各駅停車)で基隆を後にした。
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汐止駅停車中に見えた景観。雲が低く棚引き、美しさを感じた。
基隆滞在時間は1時間強という短い時間だったけれど、以前から気になっていた老大公廟の龕門が開かれている状態が見られた。参考までに、一般的に台湾人は死者の魂などに取り憑かれるとして、開いた龕門を見たがらない。それにもかかわらず、あの世から現世に戻ってくる死者を「好兄弟(仲がいい友人)」などと呼ぶのは興味深い。
主普壇へは後日行ったので、改めて旅行記にまとめる。
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