最高気温50度以上最低気温10度以下のサハラ砂漠を、10kgのバックパックを背負いながら、7日間で約230km走破した物語<br /><br /><br />２００７／３／２４　サハラマラソンレース前日<br /><br />サハラ砂漠での本格的な生活の開始。朝食を終えると各自荷物の整理をし、荷物検査へ。<br />７日分の生活物資をここで決断せねばならない。午後は自由時間で、夕方には前日祭が行われた。<br /><br />３／２５　サハラマラソン１ｓｔステージ<br /><br />早朝からベルベル人にテントから追い出され、地べたでの自給自足が始まる。<br />初日の目標は景色を楽しむこと、怪我をしないこと、なにより無難に終わること。<br />明日につなげることが大事。<br />こまめな水分補給を心掛けたが、ＣＰ１までで水が５００ｍｌも減ってない。<br />体調がいいのでさほど気にも留めずＣＰ２も通過して、小高い丘に立つとＢＰ（ゴール）が見えた。<br />一気に行ってしまおうと走り続けたが、なかなか近づかない。これがサハラマジック・・・<br />最後は欧米人と手をつないで笑顔でゴール。<br /><br />３／２６　サハラマラソン２ｎｄステージ<br /><br />昨日よりもペースを上げた。<br />ただ水分補給は同じペースで行っていたので、それが仇となりフラフラでＣＰ２到着。<br />即刻メディカルに連行され、１時間休憩したあと、「君は脱水症状にかかっている。血圧が低すぎるので点滴をするがいいか？」と聞かれた。<br />ペナルティとのことなので断り続けたが、周囲から説得され、受け入れざるを得なくなった。<br />再スタートするころにはビリになっていた。<br />でも体が復活したので、ドクターにお礼を言って、元気に走り始めた。<br />ＣＰ３過ぎにとてつもない絶壁の山越えがあり、途中動けなくなっていた怪我人を発見し、救助を手伝ったりしながらも、なんとか制限時間内にゴール。<br /><br />３／２７　サハラマラソン３ｒｄステージ<br /><br />昨日のこともありとても慎重に歩き中心でレースを進める。<br />でも歩き慣れてないせいか、マメの影響もあって足が極限状態まで痛む。<br />特にＣＰ２のあとの砂丘→山越えエリアはひたすら無言で耐えて前進。<br />ゴール後には足のマメは記念すべき１０個を突破。<br /><br />３／２８－２９　サハラマラソン４ｔｈステージ<br /><br />７０ｋｍ以上のロングステージだが、開始２～３ｋｍで早くも足が痛み出し、走るのをやめて歩き出す。<br />ＣＰ１過ぎで限界に達し、前に進めなくなる。<br />そこへ３時間遅れでスタートしたトップ集団が次から次へとガゼルのように駆け抜ける。<br />彼らの走りに元気をもらい、休みながらＣＰ３まで耐え抜いた。<br />ここで蛍光スティックが渡され、じきに日が暮れた。<br />ここから１０ｋｍ近く続く砂丘はまさに地獄。<br />足は極限状態、砂嵐もやってきて、目印を見失い迷いかける。<br />孤独になると暗黒世界に恐怖さえ覚える。<br />２０時過ぎ、ＣＰ４で寝ることにし、目覚めると朝６時近く。完全に寝すぎた。<br />選手もほとんどおらず、３０ｋｍ先のＢＰで昼食をとることを目標に走り、１３時頃無事生還。<br /><br />３／３０　サハラマラソン５ｔｈステージ<br /><br />フルマラソンデー。<br />両太ももに巨大な水ぶくれを作りながらもＣＰ３まで頑張って走る。<br />しかしゴール手前約８ｋｍのところで足に激痛が走り、異常なほど巨大なマメが両足にいらっしゃるのに気付く。<br />とりあえずゴールを優先し、そのまま足を引きずり歩いた。<br />抜き去っていく外国人に優しく励まされると、無様な自分が悔しくて、情けなくて何度も涙が出た。<br />ゴールしたときには立っているのも精一杯で、とめどなく泣き続けた。<br /><br />３／３１　サハラマラソン６ｔｈステージ<br /><br />最終日ともあってスタート前はお祭り騒ぎ。<br />ゴールはワルザザード。<br />長い砂丘地帯では歩きを入れつつも最後は涙を流しながら猛ダッシュ。<br />完走メダルを首からかけてもらったときには、この雄大な大地にすべてを解き放つように涙が溢れ出た。

モロッコ・サハラマラソン7日間230km完走記−世界の果てで世界一過酷なレース−

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2007/03/23 - 2007/04/02

104位(同エリア247件中)

この旅行記のスケジュール

2007/03/23

この旅行記スケジュールを元に

最高気温50度以上最低気温10度以下のサハラ砂漠を、10kgのバックパックを背負いながら、7日間で約230km走破した物語

２００７／３／２４　サハラマラソンレース前日

サハラ砂漠での本格的な生活の開始。朝食を終えると各自荷物の整理をし、荷物検査へ。
７日分の生活物資をここで決断せねばならない。午後は自由時間で、夕方には前日祭が行われた。

３／２５　サハラマラソン１ｓｔステージ

早朝からベルベル人にテントから追い出され、地べたでの自給自足が始まる。
初日の目標は景色を楽しむこと、怪我をしないこと、なにより無難に終わること。
明日につなげることが大事。
こまめな水分補給を心掛けたが、ＣＰ１までで水が５００ｍｌも減ってない。
体調がいいのでさほど気にも留めずＣＰ２も通過して、小高い丘に立つとＢＰ（ゴール）が見えた。
一気に行ってしまおうと走り続けたが、なかなか近づかない。これがサハラマジック・・・
最後は欧米人と手をつないで笑顔でゴール。

３／２６　サハラマラソン２ｎｄステージ

昨日よりもペースを上げた。
ただ水分補給は同じペースで行っていたので、それが仇となりフラフラでＣＰ２到着。
即刻メディカルに連行され、１時間休憩したあと、「君は脱水症状にかかっている。血圧が低すぎるので点滴をするがいいか？」と聞かれた。
ペナルティとのことなので断り続けたが、周囲から説得され、受け入れざるを得なくなった。
再スタートするころにはビリになっていた。
でも体が復活したので、ドクターにお礼を言って、元気に走り始めた。
ＣＰ３過ぎにとてつもない絶壁の山越えがあり、途中動けなくなっていた怪我人を発見し、救助を手伝ったりしながらも、なんとか制限時間内にゴール。

３／２７　サハラマラソン３ｒｄステージ

昨日のこともありとても慎重に歩き中心でレースを進める。
でも歩き慣れてないせいか、マメの影響もあって足が極限状態まで痛む。
特にＣＰ２のあとの砂丘→山越えエリアはひたすら無言で耐えて前進。
ゴール後には足のマメは記念すべき１０個を突破。

３／２８－２９　サハラマラソン４ｔｈステージ

７０ｋｍ以上のロングステージだが、開始２～３ｋｍで早くも足が痛み出し、走るのをやめて歩き出す。
ＣＰ１過ぎで限界に達し、前に進めなくなる。
そこへ３時間遅れでスタートしたトップ集団が次から次へとガゼルのように駆け抜ける。
彼らの走りに元気をもらい、休みながらＣＰ３まで耐え抜いた。
ここで蛍光スティックが渡され、じきに日が暮れた。
ここから１０ｋｍ近く続く砂丘はまさに地獄。
足は極限状態、砂嵐もやってきて、目印を見失い迷いかける。
孤独になると暗黒世界に恐怖さえ覚える。
２０時過ぎ、ＣＰ４で寝ることにし、目覚めると朝６時近く。完全に寝すぎた。
選手もほとんどおらず、３０ｋｍ先のＢＰで昼食をとることを目標に走り、１３時頃無事生還。

３／３０　サハラマラソン５ｔｈステージ

フルマラソンデー。
両太ももに巨大な水ぶくれを作りながらもＣＰ３まで頑張って走る。
しかしゴール手前約８ｋｍのところで足に激痛が走り、異常なほど巨大なマメが両足にいらっしゃるのに気付く。
とりあえずゴールを優先し、そのまま足を引きずり歩いた。
抜き去っていく外国人に優しく励まされると、無様な自分が悔しくて、情けなくて何度も涙が出た。
ゴールしたときには立っているのも精一杯で、とめどなく泣き続けた。

３／３１　サハラマラソン６ｔｈステージ

最終日ともあってスタート前はお祭り騒ぎ。
ゴールはワルザザード。
長い砂丘地帯では歩きを入れつつも最後は涙を流しながら猛ダッシュ。
完走メダルを首からかけてもらったときには、この雄大な大地にすべてを解き放つように涙が溢れ出た。