初めての山代温泉

2020/06/05 - 2020/06/07

コロナで容易に旅行できない中ではありますが、コロナ前に予定していた旅行で、何とかできないことはなさそうだったのと、第二波の前、行けるうちにと出かけました。
当初は違う旅館に一泊ずつの予定でしたが、泊まるつもりの一つの旅館はまだ6月は開けないと予約したのち連絡があり、移動するより2連泊のほうがゆっくりできるしリスクが少ないだろうと、のんびり2泊させてもらうことになりました。

エリア 山代温泉(石川)

• 旅行の満足度: 4.0
• ホテル: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: JR特急
• 旅行の手配内容: 個別手配

2泊3日で山代温泉に行ってきました。コロナ騒ぎになる前の1月に予約していました。本当は4月か5月かにと思っていたのですが、宿の都合とこっちの都合が合わず、ちょっと暑いか‥と思いながらこの日に予約したのでした。
かねていきたいと言っていた宿の宿泊券をふるさと納税でゲットしたと夫が言い、楽しみにしていました。当初、一泊はここでもう一泊は近くのほかの宿を予約したのですが、そこは6月も休館すると連絡が入り、結局2連泊することにしました。リスクもそのほうが少ないか・・。

車でも行けなくはないけど、行ってから移動の予定はないので、少々不安を感じながら電車で行きました。私にとっては4か月ぶりくらいの電車でした。

10時半ころ家を出て、もより駅へ。
予定より一つ二つ早い快速がちょうどやってきて空いていたので乗車。快速は二人掛けで隣に人が座ることはないし、半分乗っていたかどうかで空いていてよかったです。
大阪からはサンダーバード。こちらも行きはぱらぱらで、近くの人とも2mくらい離れていたのでマスクを外してリラックス。ここでも夫は乗車してすぐに消毒を出してシュッシュッとやってくれました。

そろそろトイレに行きたくなりました。本当はいかずに済めばよかったのだけど、そうもいきません。ほかの乗客もトイレに行く人がいました。行く人が途切れたところで出かけたらかぎがかかっていて一駅待っても空きません。ちょうど車掌が通りかかりまた折り返してきたので事情を話したら、ノックして返事がなかったためかぎを開けようとしたら、人がいたようでした。もう一両先のデッキに行くよう言われて行って帰ってきたのですが、帰りにも閉まったまま。降りるときに数人車掌が集まりちょっと聞こえた話し声ではちゃんとした切符を持っていなかったみたい・・。下車したのでどうなったかわかりませんが、変なことに遭遇してしまいました・・。

サンダーバードは、京都の次は敦賀。滋賀は通り抜けます。行きは山側の席だったのですが、帰りは琵琶湖が見えました。水田が見えて、近江米、近江牛などおいしいものがあるところだと再認識。帰りにクルーザーがおかしな格好で見えると不思議に思っていたら、帰ってきてからのニュースでクルーザー転覆が報じられていました。時間的にも場所もちょうどそのくらいだったので、そのクルーザーだったかもしれません。京都と滋賀の間にもトンネルがありますが、滋賀の後半から先もトンネルがたくさんあります。敦賀の後は、武生、鯖江、福井、芦原温泉と数分おきに停車します。

ホームから目立つ観音像が見えました。後で聞くとバブルのころにどこかが造った宗教テーマパークだとか・・。

駅は工事中で、小さい駅なのに出るまで100m近く歩きました。
新幹線の延伸工事をしているようでしたが、新幹線が通るようになったらこの駅は止まりそうにない・・加賀温泉にとっては逆風になるかも‥。

チェックインの時間、迎えに来てもらう時間の都合で、本当はもう30分ほど後の切符を買おうとしたのですが、コロナの影響でキャンセルされて一本前のこれになりました。宿の迎えを頼んでいたので30分近く待つことになりました。
お昼を食べなかったので、おむすびやちょっとしたつまみ、お菓子などを買って待ちました。

同じマイクロバスにもう一組乗り、宿へ。10分ちょっとで到着。

宿、べにや無何有の入り口は緑があふれていました。この宿は山の中腹にあり、木々がいっぱいで、落ち着きます。無何有とは、何もないこと、無為であることで、荘子が好んだ言葉だそうです。
何年も前に評判を聞きいつかはいきたいと思っていた宿でした。

出かける4～5日前に電話があり、食事の食べられないものはないかという

出かける4～5日前に電話があり、食事の食べられないものはないかという確認とともに、入館時体温測定があり38度以上あったら入れないこと、手の消毒を行うこと、大浴場は密にならないように貸切になることが伝えられました。その通り、入館時体温測定、手の消毒。問題はありませんし安心できます。

ロビーでチェックインの手続きをしたときリンゴジュースをいただきましたが、そのフレッシュでおいしいこと。作ってくれたのは外国人の女性でした。
思ったよりお客がいるようで、一緒にバスで来た人のほかにも何組かいました。
この宿はルレ・エ・シャトーのグループに入っています。フランスが拠点のホテルグループで日本にも何軒かあります。そのためか今はともかく海外のお客さんが結構多いみたいです。

私たちは、チェックインした3時に大浴場を予約していたので、部屋に入れてもらってすぐに出かけました。一番風呂です。

ざっと体を洗ってから露天風呂へ。光が入り、緑が見えるのが美しい。
山代温泉は、開湯1300年の歴史があり、カルシウム・ナトリウム硫酸塩温泉で美肌効果化があるそうです。確かに癖がない無味無臭のお湯で、肌によさそう。

脱衣場に、温泉のお水と白山の湧水が置かれていましたが、どちらがどちらかわからない味わい。

この宿、古くからあるそうですが、スタイリッシュに改修し、部屋数を減らし、コンセプトも変えたようです。おしゃれにできていました。16室の部屋にはすべて露天風呂がついています。このお風呂がいいので、チェックインの時に大浴場を3回予約したのですが、2回だけにして後はキャンセルし、部屋のお風呂に何度も出たり入ったりしました。

広縁の床は竹で椅子も竹で時折ギシギシ・・ソファのほうが楽だった気がする・・。

そこここにさりげなくいけられている庭でとってきたらしい花がいい。

アメニティは、ここで独自に開発したもの。ボディシャンプーとボディローションの香りが特に好きでした。

コンビニで買ってきたおむすびとお部屋のお菓子をいただき腹ごしらえ。お菓子は上質などら焼きという感じで中に牛皮と餡子が入っていておいしかった。

夕食は、6時から。確か6時、6時半、7時だったから、選択肢がやや少ない。それでも。6時前から食べているらしき人がいたから、特別に頼んだらしてもらえるのだろうか・・。
テーブルはそれぞれ離れて配置していますが、結構埋まっていたので、思ったより人が来ているということでしょう。

一献の常山酒造、常山純米吟醸ひとつ火、霞から始まりました。

ここには、女性のソムリエがいて、薦められたのは黒龍の『火いら寿』。この時期ならではの珍しい生酒と言います。4合瓶で一泊なら飲みきれないところだけど、二泊なので飲めるとこれにしました。そう重くなく、飲み口がよく、おいしかった。
半分ちょっと飲んだところで、夫はシャルドネ、私はロゼを一杯ずつもらいました。

前肴は、加賀の里山と里海の幸で、片葉、白玉くち子、岩蛸、温泉玉子と雲丹、ハタハタ、一寸豆艶煮、とろ湯葉、穴子笹寿司、ぜんまい白和え

椀替わりは加賀太胡瓜のスープで蛤、海老、銀耳、クコの実、蓮根餅が入っている。

向付は、加賀橋立漁港上がりの毛蟹、あら、梅貝、甘海老、赤烏賊

焼き物は、庄川峡の若鮎炭火焼きたで酢

煮物は、加賀野菜焼きびたしで茄子、蓮根、かぼちゃ、アスパラ、五郎島金時で五郎島金時が味が濃くことにおいしかった。

鍋は、能登牛と岩水雲の鍋。もずくの歯ごたえがいい。

お食事は、新生姜ごはんでおいしかった。

食後には、能登塩ジェラート、焼き最中

一味違う素材を使いいい出汁を使った料理でおいしかったです。
ユニークな盛り付けやいい器でした。

おなかいっぱいになったのに、夜食の海苔巻きが届いていました。一口もらって後は翌朝食べました。海苔がおいしかった。

部屋に戻ってから、一風呂、あとはバタンキューでした。

朝食は8時から9時で時間はあらかじめ伝えます。私たちは9時。

ジュースから始まりました。3種類のジュースと牛乳の中からいくつでも（全部でもいい）選べます。私は大葉のジュース（大葉とリンゴ）とビタミンCスペシャルというグレープフルーツとオレンジのジュースにしました。大葉、さわやかでおいしかったです。夫のキャロットを翌日飲んでみたらリンゴ味でニンジンの味はあまりせず、これでもよかったと思いました。

カレイの一夜干し、玉子焼き、たっぷりのサラダなどがありました。最後にコーヒーか紅茶が出るのがありがたい。

食事の後、10時に予約した大浴場までの時間、図書館に行きました。新書がたくさんあるのが珍しかった。

庭歩きができるようですが、足元がちょっと悪そうでパスし、ロビーから眺めました。青モミジがきれいでした。

この日は、温泉街を少しお散歩。どうやって行こうかと思っていたら、車で送ってくれるとのことで助かりました。

山代温泉には北大路魯山人が滞在した寓居跡であるいろは草庵が開館していることを確認してくださったので、まずそこへ。GWに島根の足立美術館に開館した魯山人の展示館を見に行くつもりだったのですが、行けずに終わったのが残念で、小さいリベンジ。
山代温泉の大正期の旦那衆は美術談義や茶会、謡を楽しむために自宅や宿の離れに別荘を建てる人が多く、「吉野屋」の主人は、無名の魯山人を温かく自らの別荘に迎え入れたそうです。べんがらの壁でした。旦那衆は、魯山人を訪ね、書や美術、骨董について語らい、以来山代の文化サロンになりました。1915年～16年ころのことでした。

入館に際しては、検温、アルコール消毒、住所など連絡先の記入と、完全な対策がされていました。もちろんマスク着用です。私たちのほかに一組のカップルがいただけで空いていました。

温泉街の中心の総湯あたりもほとんど人がいない。ここを通り越して、宿の人に勧められた蕎麦屋に向かったのですが、マスクが暑い・・ほとんど人に会わないのをいいことに途中で外しました。コロナ以来あまり歩いていなかったのでちょっと歩くだけでしたが、暑さも手伝いくたびれました。犬が暑いときに口を開けてハーハーする必要性がわかる気がしました。

蕎麦屋はおそらく地元の人たちだと思いますが、よくはやっていました。
私はふたみそば。女性に人気だと書いてありました。辛味大根のおろしと山芋のとろろそばの二つにてんぷらがついてボリュームたっぷり。夫は天ざるそば。それに橋立港直送の甘えびのてんぷらを追加。おいしかったです。夫はそば味噌しゃもじ焼きも追加。少し食べたけどからかった。店にはつるし雛などが飾られていました。

宿に電話して迎えに来てもらいました。

宿に戻ったらまずお風呂で汗を流しました。

そのあと、散歩の途中で買った和菓子。いくつか和菓子の店がありました。

山代温泉は少し前にしょうぶ湯祭りがあったはずなのですが、それも残念ながらコロナで中止になりました。

二日目も6時に夕食をお願いしていました。

お酒は、とりあえず前日の残りの火いら寿。

この日の一献は、加賀梅酒。

前肴は、鮑の柔らか煮。

椀替わりは、このわたとろろ。

向付は、橋立漁港よりの、のど黒、カマス、石鯛、白虎海老、赤西貝。どれもおいしかったけど、白虎海老の甘さに驚きました。

焼き物は、赤鰈の若狭焼。

煮物は、丸茄子と鰊の旨煮。

お酒がなくなってから、赤ワインをそれぞれグラスで一杯ずつもらいました。夫はボルドー、私は甲州ワイン。日本のワインもいいものが出てきておいしかったです。

強肴は、能登牛の山椒焼き。

夕食中、夕焼けがとてもきれいで、テラスに出てみる人もいました。

食事は、胡麻鯵丼。私は前夜の新生姜ご飯もさっぱりして好きでしたが、夫はこちらがお気に入りでした。赤出汁がついていました。

食後は、季節の果物の塩サイダージュレ。

この日もおいしくいただき満足。

帰ってきたら、巻きずしが用意されていましたが、おなかいっぱいで夜はお試しに糸切れ食べただけ。この夜はかんぴょうが入っていました。

この夜も部屋の露天風呂に入ってバタンキューでした。

山代温泉の朝は、前日同様、9時に食事に行きました。
食事処の入り口も素敵。

前日同様のジュースと牛乳をいただきました。
お給仕してくれたのは3日とも同じおばさん。

サラダ、大きい鮭、温泉玉子、漬物、湯豆腐、焼きのり、フルーツ。

旅行中は、梅雨入り前で天気に恵まれたのはラッキーでした。緑がきれいでした。

チェックアウトまで部屋のお風呂にもう一度入り片付けをしました。
この日も駅まで送ってもらうことにしていました。列車の時間には1時間近くありました。駅にお弁当があったら買おうと思っていて、あるにはあったけど、おいしそうに思えず、新大阪で乗り換えるときに買うことにしました。

ぶらぶら出かけていた夫が「大変！」と叫んで戻ってきました。宿の部屋の鍵を持ってきてしまったらしい。宿に電話して、観光案内所に預けることになり一件落着。
どこだったか海外のホテルの金属のしっかりしたキーに住所とホテル名が書いてあり、ポストに入れたら届く話を聞いたのを思い出しました。

帰りの列車のほうが日曜日だからか少し人が多かった気がしますが、それでもソーシャルディスタンスは取れていました。

新大阪も空いていて、どれにするか迷って買ったのは神戸のお肉おお弁当。夫はローストビーフ、私は勧められたリブロースのお弁当。柔らかくておいしかった。

新大阪からのほうがそのあとの電車も座れるし、この日はまだいっぱいまでいかず、6～7割の乗客でした。