1979/11/16 - 1979/11/16
301位(同エリア942件中)
ころたさん
さぁ難しいぞ。これまでのウン十年の人生で遭遇したLiveの中からBestを選べというミッションだ。できれば3つに絞り込めと。
ざっと数えてみた。これまでにいくつのコンサート、フェス、ライブに出会ったのか?寂しい事にこの10年はその機会がガクッと減ったが、合計してみるとざっと500! あんたも好きねぇ。。。
- 旅行の満足度
- 5.0
-
ライブの感動って「天・地・人」だと思う(何ヲ言ッテイルンダ、コイツハ・・・)
つまりどんな状況でどこで誰が何を演じてくれたかによって、感動の深さが異なってくる。「心・技・体」でも「5W1H」でもいいか。まぁそうだね。。。
じゃあウン十年の最高傑作は何だったか?これだけは選べる。
1980年の芝郵便貯金ホール(現 メルパルク東京)でのスーパーギタートリオ。
スーパーギタートリオは、Al Di Meola, John McLaughlin, Paco De Luciaによるアコースティックギタートリオ。ライブアルバム、Friday Night in San Franciscoがベストセラーになり有名だが、実は1981年発売のこのアルバムより前に、John McLaughlin, Paco De Lucia, Larry Corielというトリオでプレーしていた。ホテル メルパルク東京 宿・ホテル
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その元祖スーパーギタートリオによる日本公演が実現したのが1980年12月23日だ。かのアルバム収録の2週間後だった。
会場は超満員。壁を取り囲むように立ち見客が並び、おれは右の壁の最前列だった。後にも先にもあんなにギューギュー詰めのホールコンサートにお目に掛ったことはない。PAの真ん前だが、それよりもプレーヤー達の神業が手に取るように分かるのが嬉しかった。
写真は同メンバーによるスペイン公演時のもの。
YoutubeはFridai Night当日のフル動画だ。なのでメンバーはLarryからAlに代わっている。
https://www.youtube.com/watch?v=cFlDf7Ck-N4
プログラムはそれぞれのソロから2人でのデュオと続き、後半の1時間は怒涛のトリオだ。そして白眉はPacoとLarryによる「地中海の舞踏:Mediterranean Sundance 」。50分あたりからの白熱を聴け!
この曲はAlの作曲なので、ここだけは彼の不在が惜しまれた。Larryもすばらしいギタリストで、この日もラヴェルのボレロをギター1本で聞かせてくれた。彼のアルバム「ストラビンスキーの火の鳥」はお気に入りの一枚だ。しかしスパニッシュのこの曲とは少しそりが合わなかった。
だが、それを補って余りあるPacoの出来!すごかった。神業と言うよりも悪魔の技と言うべきだ。Mediterranean SundanceでのバトルではLarryを圧倒し疾走する。
その時、客席には熱狂とは少し違う雰囲気が漂っていた。何かとんでもないものを目撃しているのだと言う「臨場感」ともいうべきもの。演奏後は爆発するような歓声と共に、ざわめきに近いものが広がる。あれも稀有な経験だった。
そして後半のトリオではPacoがギターに噛みついているのを俺は目撃した。5本の指ではこと足らず、Pacoは歯で弦を押えたのだ。あまり広まっていない事だが、最前列の俺にははっきりと見えた!
音楽のためなら魂も差し出す。Pacoの覚悟を見たような気がした。 -
その後、32年を経て彼らは再びコラボした。貴重な映像がこれ。
再びPacoとAlによるMediterranean Sundanceだ。
https://www.youtube.com/watch?v=v35YhhzCrYk
Friday Night in San Francisco当時、Alは26歳、Pacoは32歳だった。この時の二人は58歳と64歳。円熟した技の中にも情熱が迸る。
Pacoとはこの後も2回(1982年の昭和女子大でのチック・コリアとのセッションと、1998年の自身のSextet公演)遭遇し、俺は何れも腑抜けになって帰っていった。。。
そしてこのスーパーギタートリオ再結成の2年後、Pacoは他界した。彼の生涯は映画「パコ・デ・ルシア灼熱のギタリスト」にもなっている。伝説とも天才とも呼ばれたPacoに映画で触れてみてはいかが? -
あとは難しいぞ。甲乙つけがたいライブが目白押しだ。でもあえて2つを選ぼう。
一つは何度も登場して恐縮だが、伝説の雨の田園コロシアムだなぁ。田園調布にある田コロで1979年7月26日に繰り広げられた Live Under the Sky でのV.S.O.P.公演。メンバーは
Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds), Wayne Shorter(Ts), Freddie Haverd(Tp)
https://4travel.jp/travelogue/11620430
何度も言うが、これはやはり奇跡のライブだった。天地人が一体となったのだよ。田園調布駅 駅
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こっちは1986年、Mt. Fuji Jazz FesでのV.S.O.P.だ。Eye Of The Hurricane でSaxを吹くのはWayne Shorterではなく、Joe Henderson。彼も素晴らしいプレーヤーだ。俺の好みはWayneだけどね。
https://www.youtube.com/watch?v=hb54a3zihxY
曲の中盤、Herbieのピアノの袖で Michel Petrucciani が覗いているのが映っている。Mt.Fujiではよくこういう場面に出くわした。客席からでも見えたもん。 -
3つ目は大阪Blue NoteでのManhattan Transferのライブ。
Manhattan Transferは4人組のヴォーカルグループ。NYテイストのしゃれたコーラスにやられた。
サントリーブランデーのこのCMをご記憶の中高年も多いはず。もう40年前だよ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=RRr6qJfQrT8
Janis Siegel (alto), Alan Paul (tenor), Cheryl Bentyne (soprano) and Tim Hauser(bass) という不動の4人が醸し出すハーモニーを、今はなき大阪Blue Note (いまはビルボード大阪に代わった)で堪能したのは1998年のクリスマス直前。ライブハウスなので席もステージに近く、彼らのブレスまで感じ取れる。
数々のヒット曲を立て続けに歌い、最後はBird Landで締めて一旦メンバーはステージを降りた。そしてアンコール。Twilight Tone, Body and Soulと来て最後がTuxedo Junction。これでバンドメンバーも下がり、Manhattan Transferも下がった。
しかし鳴りやまない拍手に彼らは4人で再度ステージに上がり、静かにアカペラで歌い始める。A Nightingale Sang In Berkeley Square
(ライブ映像ではないが)
https://www.youtube.com/watch?v=xcYAqfH38kc&list=RDQ1nj6Yla_Vg&index=3
どうです。真っ暗なステージでピンスポットを浴びた4人にこれを歌われたら、まるで自分だけに語り掛けられているように感じるでしょ。もう涙腺崩壊しちゃったよ。
1982年の Playboy Jazz Festivalではなんと、Bird LandをオリジナルのWether Reportと共演で歌っていた。超貴重映像だ。場所はLAの Hollywood Bowl。
https://www.youtube.com/watch?v=TFt4WZA5YRQ&list=RDQ1nj6Yla_Vg&index=4
Hollywood BowlにはUS在住時に2回ほど行った。1度目は確かChick Corea。もう1回はLAフィル オーケストラ(俺だってたまにはクラッシックも聞く)。
ここで驚いたのは、当時はここには駐車場がなかったのだ。Hollywood BlvdからHollywood Bowlに行く道路はぐるっと回って戻ってくるのだが、来場者の車はその道にビッシリと路上駐車しちゃうのだ。来た順に最奥まで有無を言わせず案内されて、そこに車を置く。すれ違いなんてできない。
そしてコンサートが終わると先頭の車からお行儀よく出ていくのだ。どこかのドライバーが帰って来なければ、そこは大渋滞となる。でもほとんどの人はちゃんと帰って来ていた。
びっくりしたなぁ。そしてアメリカ車社会の成熟ぶりに2度驚かされた。ビルボードライブ大阪 グルメ・レストラン
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2014年、Manhattan TransferはリーダーのTim Hauserを亡くす。彼らは代わりのBass Vocalistを迎えて活動中だが、歌唱だけでなく音楽的にもリーダーだったTimの抜けた穴は埋まらないだろう。
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その他にもたくさんの素晴らしいJazzに巡り合っている。
日本武道館でのKeith Jarrett Piano SoloはなんとPAなしの生音だった。
同じく武道館でのRay Charles。最上段列までノリノリだぁ。
六本木PitInnでの松岡直哉Gr.。この時はライブレコーディングをやっていて1983年のWelcomeとして発売された。聞いてみたら俺の叫び声が録音されていてビックリした。 -
そして1981年のArt Pepper、芝郵便貯金ホールだ。日本を愛してくれた彼だが、長年麻薬に苦しみ、刑務所にも入った。
この時のPepperは何というか、、、死臭が漂っていた。元々プレーも健康的な、と言うより退廃的、情緒的な音を出すPepperだが、それが日本では愛され、俺も大好きだった。この日も相方のGeorge Cablesのピアノと共に、じっくりとスタンダードを聞かせてくれたのだが、その音の湿り具合が忘れられない。
そして翌年に57歳にして夭逝。あぁやっぱり、と言うのが俺の偽らざる感情だった。ホテル メルパルク東京 宿・ホテル
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まだまだあるよ。
1979年の六本木PitInnでのKYLYN。渡辺香津美、坂本龍一、矢野顕子、村上ポンタ、本田俊之、清水靖晃、向井滋春etc.。当時の日本Fusion界のトップを集めたセッションバンドだった。龍一と顕子はこれでくっついた。
1983年の日本武道館でのAll Star Jazz Messengersと銘打ったAurex Jazz Fes.での公演。Art BrakeyArt Brakey, Benny Golson, Curtise Furrer, Terence Branchardと来て、ゲストにWynton Marsalisだ。NYで出会ったBranchardが果敢に天才Marsalisに臨むバトルが素晴らしかった。
動画はNYのVillage Vanguard でのMarsalis 兄弟を従えたFuller Love。
https://www.youtube.com/watch?v=e5RDNt52Dz8&list=RDe5RDNt52Dz8&start_radio=1&t=40
なんと言ってもJazzは生! Liveだよ。
一合一会の音楽だからこそ数々のLiveで奇跡が生まれる。
俺は1枚の名盤よりは1回のLiveを選ぶな。
これからも。。。
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