2017/04/16 - 2017/04/16
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わになのかさん
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「オランダの昔の街並みを再現した、いわゆる野外博物館ってとこらしいんだ。」
「オランダのオランダ村ってこと?」
「そそ。ザーンス地方に存在していた伝統的な家屋や風車を、ここに移設したんだ。そう考えると、本物じゃない感じがしてさ、わざわざ行くのはためらうんだよなあ。」
「そう?近くまで来たんだし、いいんじゃない?行ったことないし」
「うーん、同じ風車群ならキンデルダイクが凄かったしなあ。それにスキポール空港の近くだから、団体観光客が最後の立ち寄りに来たりするんじゃないかな。なんか好きくないんだよなあ。」
「1960年代に10年ほどかけて移設した歴史的事業っぽいよ。単なるテーマパークってわけじゃないんじゃないかしら。ちゃんと人が住んでいるみたいだし。」
「でもなあ」
「あなたって、いつも最初はためらうよね」
「そう?」
「そう。別に行ってみればいいじゃん」
「まあ。。」
「木靴作りの実演とかもあるって。へ~、あのスーパーマーケットのアルバート・ハイン1号店のレプリカもあるんだって。ここが創業だったのね。」
「ふーん」
「あ、チーズ販売店もあるって」
「ん?」
「試食もいっぱいあるって。へー、色んな種類のチーズ、スモークやスパイシーチーズなんかも。」
「よし!行ってみるか」
「ほんと現金ね」
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
カーナビに従って現地に向かうと、駐車場に行きついた。大型観光バスなども入る駐車場だが、一般車のスペースはそれほど大きくない。その向こうには湿地帯が広がり、風車や家屋が点々と見えた。駐車場は有料だが、エリアへの入場には特に料金は要らないようである。
-
小雨がぱらついていたので、まずは調べておいたカフェへ向かう。今回も妻が探しておいてくれた。カフェは、いわゆる伝統家屋が立ち並ぶエリアから橋を渡った先にあった。
橋からザーンセセカンスを眺める。 -
De SMUIGER
ここもザーンス風家屋のかわいい建物。 -
中はロッジ風の落ち着く雰囲気だった。まだ午前中だったこともあり、食事は出してないとのこと。コーヒー紅茶などの飲み物と、軽食しか出せないと、申し訳なさそうに言われた。これはヨーロッパではよくあること。通しで営業しているレストランやカフェは多くない。早めに開けているお店も、コーヒー軽食のみ、というところがほとんどである。
-
残念だが、しょうがない。
軽食をいくつか頼んでシェアすることにした。
「まあ、不便といえば不便だけど、いいよな、こういうの」
「うん、シェフの勤務時間や休憩時間も考えていて、フードロスも少ないんじゃないかな。日本の24時間営業とかびっくりするね、きっと。」
「働きすぎなんだよ、日本は」
「というか、働かせすぎね」
「ニッチなところにビジネスチャンスを見つけようとするから、必須じゃない需要に供給が過多ってとこだね」
これでもかってくらいミントを入れたハーブティーの香りが心に沁みる。 -
「ビタボーレンは最初にオランダを旅したときにも食べたよね」
「ユトレヒトね」
「何かと言えばクロケット(オランダ風コロッケ)のオランダだけど、意外に飽きないんだよな、これ」
「マスタードがまたいいのよね」
「ケビン流はさ、こうやってパンを手で開いて、『ちょっとばかりのマヨ。そしてケチャップとマスタードを少々?』って言いながら、こう。。」
「それ、ちょっとじゃないじゃん!」
「そうそう、こうドバーっと」
「---ジャンクフードにジャンクを重ねるとは。やるわね、オランダ人」 -
「ハーヘルスラーハ(チョコレートスプレー)も同じだよ。そのままだと、パンからポロポロこぼれるから、まずピンダーカース(ピーナッツバター)をたっぷり塗ってから、ハーヘルスラーハをかけるんだ。あとね、レーズンパンにはバターを塗って、シュガーをかけて。。」
「すごいカロリーね。」
「その割に、みんな食事の脂肪分が気になるーーとか言うんだよなあ」
「ま、まあ、日本みたいな菓子パンがないかわりに、色々と工夫して楽しめるのは良いよね。」
「おっと、ケーキがきた」
「わあ、素敵なケーキ!ちょっと失礼だけど、オランダらしくないわね」
「それ、だいぶ失礼だね」
(※Hagelslag:オランダのチョコレートスプレー。Hagelは雹(Hail)の意。Hagelslag = Hail Stroke ) -
レストランを出ると、雨も概ねあがっていた。ザーンセセカンスをふらふらと散歩する。ザーンス地方から移設したという家屋は、皆、緑色の木組みのファサードが印象的。さわやかな景観だ。木組みなのでペイントは必須、という機能的な面からカラーリングがなされたそうだ。
これらの家々には今でもちゃんと人が住んでおり、博物館として入って見られるようにしてあるのは、ほんの数件だそうだ。 -
ん?あの風車のところ、誰かが作業をしている。
-
何をしているのかと見ていると、なんと風車の羽根の向きを変えている。頭の部分だけ回転できるようになっているようで、風向きによって調整しているのだ。
あんな巨大な構造物なのに、シンプルなカラクリで構成されていて、それがしっかりと機能していて驚きだ。あのおじさんがしっかりとメンテナンスしているのだろう。DIYの精神を感じる。 -
チーズ販売店へ。こちらは予想通り、団体観光客でいっぱいだった。
風情はない。
すごく風情はない。
風情はないのだが、色々試食できる。
この試食できる、というのは結構貴重。
ヨーロッパのチーズ屋さんは、スーパーマーケットでさえ、凄い種類が並んでいるが、どれがどんな味かは運だめしだ。あまり匂いの強いチーズが得意でない我が家にはなかなか勇気が出ないのだ(一つ一つがでかいし)。
我が家も団体客に混じって、たくさん試食し、気に入ったチーズをたくさん買って帰った。 -
木靴の実演もおもしろかった。元々は湿地帯を歩くための長靴的な役割だったそうだ。それが今では工芸品となって、表面の彫刻などが凝られるようになったという。しかし、結構良い値がする。工芸品好きの僕も手が出なかった。飾っておくだけにしては、ちょっと、ね。キーホルダーくらいでいいかな。
小雨だったのもあって、どこも空いていたのは良かった(お店の中は別)。でも、やっぱりテーマパーク感は否めない。一まわりして引き上げることにした。 -
イチオシ
曇り空の下、風車と緑壁の可愛い家屋。元々、天気の良い日が少ないオランダだ。16世紀から17世紀、海に近い低地の景色はきっとこんな感じだったに違いない。
ザーンセセカンスと聞くと、今でも思い出す。
ーーーあそこで買ったスモークチーズは美味しかったなあ。
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