チョイ不良オヤジの欧州世界遺産攻略日誌♪PART15-50

2016/07/29 - 2016/08/07

2017年までに登録されたイタリア本土（シチリア島を除く）の全ての世界遺産を4回に分けてレンタカーで周遊しました。
今回の旅行記は、その3回目となります。旅行期間は、往復の国際線を合わせて、10日間でした。

訪れた世界遺産は、チェコが9カ所、オーストリアが6か所、イタリアが2カ所の合計17世界遺産です。
1つの世界遺産で複数の登録リストがあるため、実際に訪問した世界遺産リストの数は、20か所を越えています。
今回の旅行記は、7日目のイタリア観光を、3回目のイタリア訪問として抜粋しました。

旅のスケジュールは、以下の通りです。

　1日目：成田→ウィーン（オーストリア航空直行便）/オーストリア→チェコに移動
　2日目：■レドニツェとヴァルティツェの文化的景観（ヴァルチツェ城/ヴァルチツェの聖マリア教区教会/Kolonáda na Reistn?・/Rendezvous - Dianin chrám/Kaple sv. Huberta→レドニツェ城/レドニツェ城の温室）→■ブルノのトゥーゲントハット邸→■オロモウツの聖三位一体柱
　3日目：■クロムニェジーシュの庭園と城→■リトミシュル城→■クトナー・ホラの聖バルボラ教会のある歴史地区とセドレツの聖母マリア大聖堂
　4日目：■ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会→■トシェビーチのユダヤ人地区と聖プロコピウス教会→■ホラショヴィツェ歴史地区
　5日目：チェコ→オーストリアに移動■ヴァッハウ渓谷の文化的景観（メルク修道院）→■ザルツブルク市街の歴史地区
　6日目：■ハルシュタット-ダッハシュタイン・ザルツカンマーグートの文化的景観
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★7日目：オーストリア→イタリアに移動 ★アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカ
　　　　 アクイレイア→Cividale del Friuliに移動 ■イタリアのランゴバルド王国、権力の諸地域
　　　　 →イタリア(フリウリ)からオーストリア(グラーツ)に移動
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　8日目：■グラーツ市歴史地区→■ゼメリング鉄道（ゼメリング駅）
　9日目：ゼメリング駅→イルミッツへ移動 ■フェルテ－湖/ノイジ－ドラ－湖の文化的景観→ウィーン
10日目：ウィーン→成田（オーストリア航空直行便）

なお、今までに投稿済みのイタリアの世界遺産は、以下の22か所です。
（1か所の世界遺産に複数リストがあって複数リストを訪問しても、1カウントとしている）。
今回は、以下の通り、イタリアの23か所目の世界遺産となります。

1.ヴァルカモニカの岩絵群 - (1979年、文化遺産)
2.レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院 - (1980年、文化遺産)
3.ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂 - (1980年、文化遺産) バチカン市国共通
4.フィレンツェ歴史地区 - (1982年、文化遺産)
5.ヴェネツィアとその潟 - (1987年、文化遺産)
6.ピサのドゥオモ広場 - (1987年、文化遺産)
7.マテーラの洞窟住居 - (1993年、文化遺産)
8.ナポリ歴史地区 - (1995年、文化遺産)
9.デル・モンテ城 - (1996年、文化遺産)
10.アルベロベッロのトゥルッリ - (1996年、文化遺産)
11.カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸宅群 - (1997年、文化遺産)
12.モデナの大聖堂、トッレ・チヴィカとグランデ広場 - (1997年、文化遺産)
13.ポンペイ、エルコラーノおよびトッレ・アヌンツィアータの遺跡地域 - (1997年、文化遺産)
14.アマルフィ海岸 - (1997年、文化遺産)
15.パエストゥムとヴェリアの古代遺跡群を含むチレントとディアノ渓谷国立公園とパドゥーラのカルトジオ修道院 - (1998年、文化遺産)
16.ヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ) - (1999年、文化遺産)
17.ティヴォリのエステ家別荘 - (2001年、文化遺産)
18.チェルヴェテリとタルクィニアのエトルリア墓地遺跡群 - (2004年、文化遺産)
19.ジェノヴァ：レ・ストラーデ・ヌオーヴェ とパラッツィ・デイ・ロッリ制度 - (2006年、文化遺産)
20.レーティシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観 - (2008年、文化遺産) スイス共通
21.ドロミテ - (2009年、自然遺産)
22.サン・ジョルジョ山 - （イタリア国内に2010年拡大）

今回は、以下の登録済み世界遺産2か所を訪問しました。
23.アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカ - (1998年、文化遺産)
24.イタリアのランゴバルド王国、権力の諸地域（西暦568年 - 774年） - （2011年、文化遺産）

この2か所の世界遺産は、イタリアの中でも最東部に位置し、オーストリアに隣接する世界遺産のため、今回は、オーストリアからクルマでの訪問となりました。
これらの世界遺産のいずれかを訪問するツアーは、念入りに調べましたが、残念ながらありませんでした。

しかし、今回行ってみて、「アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカ」は、特に素晴らしく、世界遺産好きの方にもそうでない方にも、手放しでおススメします！
本当に、素晴らしい世界遺産でした。

ちなみに、この旅行が2回目となるチェコとオーストリアの世界遺産は、全て攻略済みとなりました。（注）旅行記以前に登録の世界遺産リスト）
旅行記は、別途投稿させていただきます。

なお、イタリアの世界遺産は上記以外19か所の世界遺産を攻略済みなので、こちらも今後継続投稿させていただきます。

エリア ウーディネ(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: オーストリア航空
• 利用旅行会社: エクスペディア

アクイレイア観光のために宿泊したホテルは、アクイレイアから約12Km離れたトリエステ= ロンキ・デイ レジョナーリ空港(Aeroporto Friuli Venezia Giulia)近くのホテル マジョール(Hotel Major)に宿泊しました。
ビジネスマン向けなので、電源も使いやすいところに設置されていて、本当に居心地の良いホテルでした。

何故、12Kmも離れたホテルにしたのかと申しますと、歴史地区に近いホテルは、凡そ駐車場がなかったり、あっても高額(駐車場代だけで5,000円/泊)な場合が多いからなんです。

逆に、空港近くは、現地のビジネスマンが多く利用するため、駐車場が無料かつリーズナブルなホテルが多いと長年の勘で感じていました。
朝食の開始時間も他に比べて早いのも特長の１つです。

空港近くの、国際ブランド5つ星は、完全に観光客向けなのでパスするとして、おススメは、ローカルブランドの4つ星ホテルです。駐車場が無料のホテルが多く、部屋が洗練されたホテルが他のエリアに比べ圧倒的に多いと思います。

写真の通り、バスタブもあり、とても広いのが良いですね♪

写真の通り、洗練された使い勝手の良いホテルで、約1万円(2人だと5,000円/人)でした。外観も悪くなかったと思います。

※ちなみに鉄道駅近くも、安くて良いホテルが多いのですが、駐車場が無料というホテルは見たことがありません。また、最大の欠点は、治安が頗る悪いところです。なので、国有鉄道系の駅周辺は、欧州に限らず世界中で、やめた方が良いというのが私のアドバイスです（朝昼着、夜の外出なしの方は、OKですが・・・）。

ホテルから12Kmしか離れていないので、15分ほどでアクイレイアに到着です。
ここは、「アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バジリカ」という名称で1998年に世界遺産に登録されました。
先ほどの説明通り、トリエステ= ロンキ・デイ レジョナーリ空港から12Kmと近く、トリエステの街から西に45Kmに位置します。

写真は、見どころの1つ、「アクイレイア大聖堂」です。
中世、アクイレイアはこの地方の中心都市としての地位を保ち続け、553年にアクイレイア大司教は総大司教に昇格しています。

アクイレイア総大司教は、分裂や移転などの曲折を経ながらも高い宗教的権威を得て、現在のイタリア北東部に広大なアクイレイア大司教領を所有していました。
世俗の領土は1445年にヴェネツィア共和国によって没収されたましたが、アクイレイア総大司教は、なんと1751年に正式に廃止されるまで続きました。
総大司教の座所として建設されたのが総大司教座聖堂でした。

現在のアクイレイア大聖堂は1031年、総大司教ポッポ(ポッポーネ)によって、もとの聖堂跡地に再建されたものです。
その後、1379年頃に総大司教マルカドによってゴシック様式に改修されました。

大聖堂は、陸屋根を持つバシリカ式聖堂で、ロマネスク様式とゴシック様式のファサードは、柱廊玄関で、「異教徒の聖堂」や5世紀の洗礼堂の遺跡と繋がっています。
内部は1つの身廊と2つの側廊からなり、4世紀以来のモザイクの敷石は、特に素晴らしく、目を惹きます。
この大聖堂の床は全て、緻密なモザイクで造られており、この規模のモザイク床は、世界最大級だと思います。

天井は1526年に改修された木造で、後陣の区画にある聖ペトロ礼拝堂(4世紀)、後陣(11世紀)、クリプト(12世紀)など、様々な時代のフレスコ画を見る事ができます。

本当に素晴らしいモザイク画を、床一面見ることができるのは、素敵な体験でした。

あらゆるところに、敷き詰められているので、ため息がでるほどでした。

あり得ない大きさです。また、保存状態も、すこぶる良かったです。感動!!

この長さをご覧ください。全て、モザイクで造られています。
少なくとも数百の大聖堂を見てきましたが、この規模は片手に満たない上に、保存状態から見ても世界最大級だと思います。

至る所に、年代の異なるフレスコ画が描かれています。

クリプトは「フレスコ画のクリプト」とも呼ばれ、アクイレイアにおけるキリスト教共同体の起源や、アクイレイア初代主教ヘルマゴラスの物語が、ぐるっと取り巻くように描かれています。

このフレスコ画の完成度＆量の多さは、圧巻です！

アクイレイア大聖堂の見どころを纏めると、以下の通りです。
・モザイクの敷石
・様々な時代のフレスコ画(特に、クリプト)
・木造の天井

モザイクの敷石は、おそらく世界最大級だと思います。
また、「フレスコ画のクリプト」とも呼ばれる部分のフレスコ画も、世界有数のレベルです。

アクイレイアは、紀元前181年に建設された古代ローマの植民都市が起源とされています。

ローマ帝政初期(1世紀～4世紀)には、大司教座も置かれたローマ帝国第四の豊かな交易都市として繁栄し、最盛期には10万人を超える人口を擁した世界有数の都市でした。

しかし、5世紀以降、西ゴート族やフン族のアッティラなどの侵攻を受けてたびたび破壊され、再建のたびに都市は規模を縮小していくことになります。

このため地上には古代ローマ時代の建造物は一つも残っていませんでした。現在のところ、発掘により一筋の街路と、市壁の北西部が発見されるに留まっています。
それでいて、これだけの素晴らしいモザイクや地下に眠る建造物を見ることができるのは、ローマ遺跡ファンには、是非ご覧いただきたい遺跡と断言できます。

また、総主教聖堂バジリカの床下から発見された床一面を覆う4世紀のモザイクは壮観そのもので、アクイレイアが東方・中央ヨーロッパへの中継地として、キリスト教伝導という宗教的にも重要な役割を担っていたことがわかります。

大聖堂横の塔にも上ることができます。

金網が張ってあるのが残念でしたが、アクイレイアの景色を360度楽しむことができます。

遺跡の多くは未発掘のまま地下に眠っています。発掘調査はまだ終わっておらず、その全貌は明らかになっていないため、古代ローマ最大の都市ではないかとされています。

本当に大聖堂だけでも、お腹いっぱいになっていましたが、アクイレイアの凄さは、ここからさらに始まります。

市内の国立考古学博物館には、2000点以上の貴重な碑文、像、その他地元で生産されたガラスなどの遺物や、貨幣などが収蔵されています。

この博物館の収蔵量の凄さは、本当に百聞は一見に如かずです♪
もう、説明の言葉が見つからないくらい素晴らしいものでした。

この遺跡が特に、厳重に管理されていました。
以下、※マークを付けたものが、とても貴重だと感じました。

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博物館の外観ですが、この博物館は野外にも多く展示されているため、広大です。
量・質ともに必ず、古代ローマ遺跡ファンを唸らせてくれること請け合いです。

ハッキリ言って、歩き疲れるほどの量でした。

その疲れを吹っ飛ばしてくれるほどの、完成度の高いモザイク画がこれだけの量が展示されているのは、先日ご紹介したナポリの考古学博物館と比較しても、全く引けを取らないどころか、私は越えているように感じました。

モザイク画の質もナポリの考古学博物館レベルだと思います。

もう疲れは完全に吹っ飛び、ただただ見とれるだけでした。

もう、最後に1人で拍手してしまいました♪
ローマ遺跡ファンの方、必見です!!

そして、ここから始まるのが、ローマ神殿関連の遺跡です。

私が観光した時期が真夏だったので、遮るものが1つもなく、少々この時点で、体力が残り少なくなってきていましたが、大聖堂→博物館→遺跡と異なる体験だったため、疲れてはいるものの楽しくて仕方がない野外遺跡散歩となりました。

ここは、クルマで通った時に気になっていた遺跡でしたが、その時は鉄柵が閉ざされていたように感じました。
でも、行ってみると係員がちゃんといて、中を見学できるようになっています。

写真の建物の中には、大聖堂の床同様のモザイク画が展示されていました。

大聖堂だけでもげゲップが出るほど堪能したのに、素晴らしいものを見るとまた、食べられる(観光できる)ということがわかりました。

何度見ても、素晴らしいものは素晴らしいんです♪

野外にもこれだけのモザイク画が残されています。

外から見たら、こんな素晴らしい遺跡が残されていることに気が付きませんが、中に入ってちゃんと見ると、やはり素晴らしものでした。

きっと、この辺りは一般的な住居跡だったように感じました。

古代ローマの遺跡は、そのほとんどが発掘途中のため、まだ地下に埋もれているものが多く、際立った建造物はありませんが、いくつかの神殿の柱が発掘されています。

これもクルマで通るときに、発見していましたが、鉄柵の中に入って見ることができるとは、思いませんでした。
勿論、大聖堂から歩けます。

この神殿跡を抜けると、木陰のある狭い未舗装の歩道に出ます。

こんな感じです。

大聖堂に向かって歩く感じですが、左側に川があり、至る所に発掘された、数々の発掘物が展示されています。

こんな凄い遺跡が、散歩中に自由に触れるように配置されていることに、良い意味で少々面喰いました。

散歩を続けているとその通すがら、様々な発掘物が無造作に置かれているほど、大量に見ることができます。

周りの景色にも癒されました。

これで遺跡巡り散歩は終了ですが、アクイレイア最高でした。
※今回は、大聖堂や博物館や遺跡だけの旅行記でしたが、実は多くのローカルの学生や街の人との会話もありました。説明が難しいのですが、とても良い意味で、素朴でシャイな人が多かったように思います。という意味でも、若い人にも是非来てもらいたい、マンボウのお城、超おススメの世界遺産＆観光地でした。