コロナ騒動ど真ん中モロッコ一人旅①～メジャースポットからアジア人がいないスポットまで～カサブランカ編

2020/02/28 - 2020/03/19

今年２０２０年２月末から３月にかけて、モロッコ旅行に行ってきました。

住んでいるオーストラリア・パースからカタール航空でドーハ経由にてカサブランカに入り、そこから３週間モロッコを旅しました。

ルートは、
カサブランカ２泊→マラケシュ２泊→アイトベンハッドゥ１泊→ワルザザートからメルズーガに移動して砂漠で２泊→バスでメルズーガからワルザザート、そこからアガディールを経由して（車中一泊）タフロウト（Tafraoute)３泊→タガズー(Taghazout)３泊→エッサウィラ４泊→カサブランカ２泊（１泊は予期せぬ突然の空港閉鎖＆フライトキャンセルにより余分にやむを得ず）

帰りはカタール航空のキャンセルにより、急遽カサブランカから唯一飛んでいた翌日のエール・フランスのパリ行きチケットを奇跡的に入手し、そこからバンコク経由のタイ航空にてパースに帰還。

モロッコ自体は行く前の想像通り観光資源に溢れていて、どこを取ってもフォトジェニックだという印象でした。雑貨も色とりどりで、メディナもイスラム文化らしい雰囲気が強いので、この国が観光客に人気なのもうなずけます。
但し個人的には過去の旅でたくさん経験してきたような驚くような、ひっくり返るようなインパクトのある出来事や面白いエピソードや特別印象に残る出会いなどは今回の旅では全く無かったので、割と淡々と移動＆観光をしてただ綺麗な物を見てきただけ、という感じだったので、正直印象度はかなり薄い旅でした。
しかし一方時期が時期だっただけにモロッコ人全体のアジア人に対する差別的な偏見や無知さなどがコロナにより浮き彫りになり、そして最後に”空港閉鎖＆ギリギリで旅行難民になるのを免れた”というドラマがあったので、別の意味では印象に残る旅でもあったかな。。

ただこの騒動が落ち着けば普段通りにもっと居心地良く旅出来るだろうし、また自分のような”奥地などに行ってひっくり返るようなインパクトのある旅”を皆が求めているわけではないので、キレイなフォトジェニックな観光地を普通に旅したいという人にはお勧めの旅行先ではないかな。

あとネットや本で多くの人が言うような、”モロッコ人のうざさ・しつこさ”というのはあまり感じなかったです。観光地ではまーこれくらいあるかな、、程度のしつこさやうざさで、正直９０年代の東南アジアとかの方が数倍しつこく強引でボッタくりも激しかったので、かなり大げさにモロッコに関して言われているな、と思いました。
むしろレストラン・カフェ・ホテル他のツーリズムに関わる人達はかなり物腰柔らかいというか、ジェントルで丁寧な人が多かったので、その辺も全て良かったこと・悪かったこと・退屈だったことも含めて正直な感想を書きたいと思います。

第一弾はカサブランカ編

エリア カサブランカ(モロッコ)

• 旅行の満足度: 2.0
• 観光: 1.5
• ホテル: 2.0
• グルメ: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: カタール航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

出発直前のパースではコロナの件について勿論ニュースとしての扱いは大きかったが、実生活にまだ影響が全然無い状況だったし、行き先のモロッコもまだほぼ影響ゼロ、という感じだったので３週間はあまり状況が変わらないかな、と思い予定通り旅行を決行した。。。

が、、その見込みがかなり甘かったことを後で思い知らされることになるとは。。。


オーストラリア・パースを出発して、カタールのドーハを経由して長かった飛行機の旅も終わり、カサブランカ空港に到着。

ちなみにマスクは持っていたがパースからカタールへのフライトではマスクをしている乗客は皆無だった。（基本オーストラリアでは通常マスクをしているような病人は外へ出るべきではない、という文化だ）
カタールからは日本人などアジア系も多く乗っており、半分近くがマスクをしていた。

出発した２月２７日の時点では、コロナ感染者の数はパースのある西オーストラリア州でまだ２名、モロッコも１名、経由地のカタールでは数名、といった具合だった。


思ったより秩序だって皆入国審査の列に並んでおり、スムーズに入国が出来た。この時点ではまだ中国からの旅行客も受け入れていた。


＊写真：カサブランカ空港で入国を終え、電車を待つ間の隣接したカフェで一息。

空港で両替やSIMカード確保を済ませたが、Orangeという会社のカウンターでシムカードを買ったのだが、ここの店員は空港の店にも関わらず、また大したこともしていないくせにセットアップしたからチップ頂戴と抜かしてきやがった。

勿論アホかとそんなものは払わないが、空港の店がそういう事をやる愚かさというか、それをすればこのご時世悪い評判がたって逆効果だと分からないのだろうか？？

事実ここに書くが、街中でもこのオレンジという会社の店の対応は良くなかった。ので、、、（ネットのコネクションとかも良くない）

皆オレンジのSIMはやめときましょう!!
決してお勧めしません!!

、、、とこうゆう事になるのである。。


カサブランカ空港から町まで出ている電車は一時間に一本。ちょうど逃したので、一時間後の電車に乗車してCASA PORTという終点の駅に到着。

途中の景色は広い空間が広がっていて、時折古いピンクやオレンジの建物が見えてモロッコらしい絵が広がっていた。

CASA PORT駅で降り、そこからホテルに徒歩で向かう。

最初のカサブランカでの２泊の宿はブッキングドットコムで予約してあった。

駅を抜けて少しゴチャゴチャした感じの通りを歩き続けて行く。
思ったより西洋人などの観光客はいなくて、皆カサブランカの街中には止まらないのかな、と思った。

そしてここモロッコもアジアなどの国同様信号もへったくれもないので、皆車が行き来する中縫うように横切って道を渡る。

そして迷いながら新市街のHotel Astridに到着。

ホテルはこじんまりした感じで、古びたビジネスホテルって感じ。
モロッコらしい内装も何もなく、ドアのデザインがほんのりとモロッコを感じさせてくれるくらいだ。

宿で一休みをし、荷物など一旦整理してから１８：３０頃街へと出てみた。

近くの通りには沢山のレストランやカフェが開いており、結構便利そうだ。

中でも目を引いたのは、全てのカフェの席が全て表通りに向かって一方向に並んでいるのである。

これは自分が入ってみて分かったことだが、基本カフェの客は男ばかりで、夜になると何らかのサッカーの試合が中継されているので、皆テレビに向いて席がセットアップされているのである。。

しかし最初は違和感ありまくりだった。。道を歩いているとカフェから男たちの視線が浴びせられるようで。。

そして早速夕食前にカフェでコーヒーを頼んでみた。

やはりここも通りに向かって皆席が向いており、俺も男達に交じってカフェオレをすすりながらサッカーの試合を眺めてみた。

コーヒーはまあまあかな。。クセはない。

ただやはりホテルを一歩出たら英語は一切通用しそうにない。
メニューもフランス語一点張り。

モロッコ最初のまともな食事はガラガラのレストランでタジン鍋を頼んでみた。

そしてモロッコと言えば、特徴的なティーポットに入ったミントティー。

タジンピルピルという小エビのタジン鍋（適当に頼んだ）をオーダーしたのだが、基本味付けはシンプル。
この後もどこも似たような味だったが、どこでもモロッコ料理は塩・胡椒への依存がアジアより断然低く、代わりに圧倒的にクミン・パクチーがどこでも強烈に使われていた。

タジン鍋自体量は少ないのだが、含まれている付け合わせのオリーブとパンで結構腹いっぱいになるのである。

その後その辺をブラっとして、長旅の疲れもあって早めに宿に帰った。

翌朝は前日のカフェに行きコーヒーとクロワッサンで朝食を済ませ、宿近くのハッサン５世広場から観光を始めた。

＊写真：夕方以降市民の憩いの場となる、ハッサン５世広場。

そしてそのあとメディナに行ってみた。

＊写真：メディナへの入り口。

メディナの中に入るが、まだ午前中だからか店も閉まっている所が多い。
モロッコ人の朝は遅いのだろうか。。？

入り口から入ると最初は竹のような気のデザインの店構えが目立つ。

さらに奥へ進んで行くと、ガラッと色合いが変わってきた。
一気に白一色の世界になり、来る前に描いていたカサブランカのメディナのイメージが目の前に広がってきた。。

更に奥へ奥へ路地を行ったり来たりしながら進んで行くと、庶民の生活のにおいが感じられるようになってきた。

住人たちの大切な給水所かな。

徐々に青が混じるようになってきた。。

やっと空いている店というか、少し活気のある場所に入ってきた。。

この後進んで行くと、道の上で魚なども威勢の良い掛け声とともに売られていてそこそこ活気があった。

路地はピンクも交じってきてカラフルになってきた。

そして彷徨うようにそこら中をうろつき周って、その後もう一つのカサブランカの中心的存在のハッサン２世モスクに向かう事にした。

カサブランカの象徴的存在のハッサン２世モスク。
近くによると、、、デカい!!

ここに来たら、どこにそんなに観光客がいたのかと思う程今まで全然見かけなかった各国の観光客が現れた。

ヨーロッパ系が主な観光客だが、モロッコ人も勿論、中国系もまだこの時点ではチラホラと姿が見えた。

ここのところまだコロナの影響は少なかった。。

近寄ると詳細なデザインが施されている事が分かる。。

が、、俺は気分が乗らずここに入場料を払って中に入る事はしなかった。。

こういう所は気分が乗った時、興味がそそられた時だけ入ればいい事を俺は過去の旅から学んでいた。。

せっかく来たから、、とかここは有名だから、、とかの理由で観光するとだいたい失敗する。。

要するにそこが世界遺産だろうが超有名スポットだろうが、自分のフィーリング次第で行ったり行かなかったりする方が絶対に自分にとって良い旅になるのである。

そろそろランチを食べようと新市街に戻って中央市場に行ってみた。

ここはシーフードがメインの食堂が多く、市場の店で買った物を調理してもらう事も出来る。

結局何となくまずパエリアを頼んだのだが、相変わらずドンっと付け合わせのパンやオリーブがやって来るので、この後トライしてみようと思っていた生ガキを入れるスペースが胃の中に残っておらず断念したのだが、それでよかったのかもしれない。。

後で耳にしたのは、ここで生ガキを食べて病気になったと言う話を聞いたりしたのだ。。

生ガキにチャレンジしたいなら、エッサウィラの方が良いんじゃないかと。。

＊写真：件のパエリア。量は多いが、味は、、、あんまり。。

その後国連広場の方に行ってみると、何やらものすごく騒がしい。。

そこへ警察車両が次々とやって来て、大型バスが止まってあたりが騒然としている!!

どうやら何かサッカーのサポーターが警官達と揉めているらしく、一部の暴徒化したサポーターがバスのドアにぶら下がったり大声でわめていたりして、止めに入る警官達ともみ合っている。

そして更にどんどん警察車両がやって来ては中から警官達が飛び出して来て、サポーターを収めたり俺達野次馬をどけようとしたりして、辺りは一層と騒然としてきた。

後から分かったことだがこの日はアフリカンチャンピオンズカップ（アフリカチャンピオンを決め、それがクラブワールドカップに繋がる大会）のカサブランカのホームゲームがあるらしく、どうやらこれからスタジアムに向かうサポーター用のシャトルバスに乗り切れなかったサポーター達が無理やり乗ろうとして騒動になったらしい。。

結局最終的に全てのバスは発車をし、乗れずに暴動を起こしていたサポーター達は広場でそのまま応援歌を歌いながら集まり行進して行った。。

いや、熱いな。。サッカーに、この国は。。皆カフェでもサッカー見てるし。

この広場では色んな人が夕方になると集まり、大道芸や弾き語り、または賭け事など様々な事に同時に起こっていて、何気にカサブランカで唯一少しテンションが上がった一場面だった。

広場近くの地元民のマーケット。

様々な雑貨や日用品、キラキラの装飾品などが売られている。

宿に戻り一旦休憩してから、前日の夜ブラブラしてて気になっていた肉料理の食堂に入ってディナーを食べてみた。

そこではやはりフランス語のメニューのみで英語も通じないのだが、いちいちスマホで翻訳するのも面倒くさいのでお勧めを指さしで聞いてそれをそのまま頼んだら、そのひき肉のケバブが大当たりだった。

ここでも付け合わせのボリュームがすごく、腹いっぱいになった。

何気にこの一品が今回のモロッコ旅行で１，２位を争う当たりの食事だった。

こうしてカサブランカでのモロッコでの最初の２泊は淡々と過ぎていったのであった。

翌日はモロッコ随一の観光都市・マラケシュだ!!