よりみちバス「コスモス号」で行く久留米・北野の名湯の旅

2019/08/23 - 2019/08/23

　田園地帯に、意外な名湯が点在する久留米市。城島の「あおき温泉」と北野の「ぽっかぽかの湯」は交通の便に恵まれず、鉄旅・バス旅派には縁遠い温泉でしたが、2015年度からはコミュニティバス「よりみちバス」で行くことができるようになりました。
　前回のあおき温泉（https://bit.ly/2ZfGVl0）に続き、今回はぽっかぽかの湯を訪ねる３時間の旅へ。ぽっかぽかの湯は経営者が変わるとのことで、値段や食事処は大きな変化があるかもしれません。訪ねる際は、再度最新の情報に当たって下さい。

エリア 久留米(福岡)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 高速・路線バス 私鉄

　まずは我が家最寄りの西鉄天神大牟田線・櫛原駅へ。本線上にありながら、待合室は木造で、ホームは３両分の長さしかないのどかな駅です。
　大牟田線の電車は４両以上なので、一部ドアが締め切られますが、甘木線の電車は２両しかないので特段の扱いはありません。

櫛原駅 駅

　最も原始的なバリアフリー、構内踏切も現役です。

　宮ノ陣からは甘木線に分かれます。単線の線路を行く、のどかな２両のワンマン電車。午後イチの時間、補修授業の帰りなのか高校生の姿が目立ちました。
　近年、乗客が急減しているという甘木線にも、まだまだバスでは運びきれないだけの需要があります。

　約20分で、久留米市北野町の大城駅に到着。ここで、よりみちバスの「コスモス号」に乗り換えです。接続時間はわずか２分、改札を出ると北からバスが近づいていました。少し焦るけど、タイムロスがゼロに近いのはありがたいです。
　ぽっかぽかの湯、善導寺方面のバス停は、踏切を渡ってすぐ南の場所になります。降りた電車の踏切り待ちでバスと並ぶことになるので、運転士さんへ乗る意志を伝えておきましょう。

大城駅 駅

　よりみちバスは、１回乗車200円、１日乗車券だと300円なので、２回以上乗るなら１日乗車券がお得。北野町内の西鉄バス（といっても１路線だけですが）でも使用できます。
　ちなみに１ヶ月定期はたったの1,000円。週１以上で温泉に行くなら、町外の人にもお得ですね。

　10人乗りのジャンボタクシー車両で、他にお客さんもいないので、貸切りタクシーに乗っている贅沢感があります。
　タクシーとの違いは、とにかくいろんな場所を経由していくこと。カーブが連続して、乗り物酔いに弱い人にはちょっと辛いかもしれません。

　「コスモス号」は曜日別で、町内全域をくまなく回るような路線になっているので、全容はかなり複雑。そこで運転席の後ろには、地区ごとに抜粋した時刻表が置いてありました。これなら分かりやすい。

　そこで僕も見習って、天神方面からぽっかぽかの湯・善導寺までの乗り継ぎ時刻表を作成してみました。西鉄電車沿線から甘木線経由で温泉に行く際には、ご活用下さい。
　ただ年１回はダイヤ改定が行われているので、2020年の4月頃にはまたダイヤが変わっているとは思います。また間違いがあるかもしれないので、あくまでご参考まで。正確な最新情報はホームページでご確認ください⇒https://bit.ly/2jY948A

　大城の集落を抜けると、筑後川の土手に駆け上がります。背景には、田主丸の耳納連山。久大本線の特急「ゆふいんの森」の車窓案内で流れる耳納連山は、筑後川を挟んで平行する甘木線沿線からの風景でもあります。

筑後川 自然・景勝地

　川を渡れば日比生の集落へ。大城駅から10分で、ぽっかぽかの湯に到着しました。

　入れ替わりに、乗客１名。

　もちろん訪れる人のほぼ100％はクルマでのアクセスで、巨大な駐車場は平日午後にも関わらず車で埋まっていました。僕自身もクルマを持っていた頃は、ドライブや買い物がてら月１回ペースで来てたもんです。

　趣きたっぷりの木造建築は…

　前のオーナーさんのこだわり。解放感たっぷりで、のんびりくつろげます。
　温泉はわずかに緑かかり、爽やかな匂いがする良質な湯です。広々した露天風呂もいいけど、内湯の「熱い湯」の浴槽が一番特徴を感じられると思います。

　中洲のような田園地帯に沸く温泉。実は歴史ある湯で、前身の北野温泉はどんと丸い浴槽が並ぶ、湯治場のような温泉でした。写真は2004年当時のもの。知る人ぞ知る秘湯って雰囲気のあの頃も、よかったなあ。

　食事処も大きく、一通りの定食メニューから、焼き立てピザや本格的な石焼ビビンバまで揃ってます。こちらも午後３時前だというのに、店員さんもてんてこまいの忙しさでした。

　ビール半額の日とかで、ありがたく湯上りの一杯をいただきます。

　ところが「ぽっかぽかの湯」、週明けの月曜日（2019年8月26日）から９月まで（日付未定）の間、お休みになるんだとか。理由は経営者交代のため。これまでの回数券は払い戻しになり、ポイントカードもリセットされるようです。営業時間や入浴料、食事処の内容も変わりそう。
　ぽっかぽかの湯の公式ページはYahoo！ジオシティーズだったので、サービス終了とともに見られなくなっており(笑)、今回行って休業のことを初めて知りました。

　イベントカレンダーには26日以降のイベントも書かれていて、急な経営交代だったのかも。
　以前にも一度経営が変わっていて、今回２度目。今度も、温泉を愛する経営者さんだといいな。

　というわけでコスモス号も、休業中は温泉を経由しないとのことです。
　月・水・金のみ運行の地元向けバスにしては、立派なバス停の看板。帰路は善導寺方面に抜けてみます。

　船端の集落をくまなく回り、川を渡って善導寺町へ。買い物支援が目的の善導寺乗り入れなので、JRの善導寺駅や、西鉄の善導寺バス停までは乗り入れません。スーパーのサニー善導寺店が終着になります。

　ただ駅、バス停とも徒歩７分くらいの距離なので、乗り継げないわけではありません。国道210号線をプラプラと西に歩き、立派な善導寺バス停からバスで久留米市内へ戻って、３時間の休日旅行は終わりました。

　今回は忙しくて立ち寄れなかったけど、旅行で来るなら、徒歩８分の善導寺へ参拝に行くのもいいコースになるかと思います（写真は2009年撮影）。重要文化財にも指定されている本堂や、手入れされた境内は必見です。

大本山 善導寺 寺・神社・教会