古き山の家がなくなる前に

2019/03/27 - 2019/03/28

3月も下旬、雪もだいぶ溶けてきて上越のスキー場も冬の営業を終えた頃になって、さいたま市に住む友人から「六日町の温泉に行こう」と連絡がありました。まあ温泉は良いけど、今の時期ではスキーも出来ないのに何故と思ったのですが。市が保養所としている山の家が来年には閉鎖されるので、都合のつく時に行って見たいそうなのです。

六日町まで行けば八海山は飲めるだろうし、お米も美味しいはずではと期待して車に同乗させてもらい出発したのでした。着いたところは六日町温泉でも街をはずれた山沿い辺り。近くには公園、民家、畑？などがあって、保養できるような環境とは思えない街はずれ的な場所でした。

建物は大きめなのですが、だいぶ昔のスキーロッジがこんな雰囲気だったでしょうか。入り口は長い階段の上、冬の積雪への対応でしょう。中はスキップフロアになっていて、階段ばかりでエレベーターは無し。長い廊下の片側に、部屋のドアが続く。運動部の夏の合宿は、こんな宿だったかなあと言う懐かしさを感じました。

しかし、何でこんな場所に市民の保養所があるのか不思議だったのですが、合併前は与野市民だった友人。もともとは与野市の山の家だったため、目の前の山の斜面に小さなスキー場があり、子どもの頃はよく来ていたそうです。そのスキー場が閉鎖されたため、一気に利用者が減ってしまったようでした。

平日の宿泊客はほとんどいないのか、誰とも会いません。温泉の大浴場へ行くと誰もいなくて、貸し切りで入れました。無色透明、肌に柔らかく感じる湯でのんびりつかれました。夕食は「塩沢コシヒカリ」と生産者が書かれていました。おかずの方は保養所なりですが、地元の業者に委託しているようで、その分寂しくなっているのかも知れません。でも、ご飯とお酒が美味しいのがなによりでした。

翌朝は、すぐ近くに銭渕公園があったので散歩しましたが、まだ雪が残っていて一部しか歩けませんでした。桜の咲く頃は綺麗な公園だそうです。

宿を出てから近くに塩沢宿として都市の景観を整備している地区があると聞いたので、「牧之通り」を経由して帰ることにしました。通りに近くに駐車場があり、整備された街路をゆっくりと散歩できます。家の前の歩道には雁木が作られ、外観や色彩が整えられて昔の雪国の趣が感じられました。

温泉に入るだけの旅でしたが、コシヒカリとお酒が美味しかった旅でした。

エリア 塩沢・上越国際(新潟)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5
• ホテル: 2.5

• 同行者: 友人
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

インターを降りて、街から離れた所に山の家がありました。古ーい昔の好きロッジ風な建物。

入口の前は長い階段が。積雪対策なのだろうけど、高齢の方には大変なのではないかな。建設当時はバリアフリーとか、あまり考えられなかったのだろうか。

廊下の横に部屋が並ぶ。昔だったら団体客を迎える様な旅館スタイルに思えました。

和室にテーブル、昭和な時代に戻ってきたような印象でした。

館内はエレベーターが無く、各階がスキップフロアになっています。高齢の方には移動が大変そう。こんなところも利用者が減り閉鎖する理由の一つだろうか。

まずは温泉が目的で来たのですから、明るいうちからお風呂です。

タイルを貼った大浴場。お湯はかけ流しなのか、ずっと流れていました。

湯上りに塩沢の街を見ると、ポツポツとライトがつき始めていました。

夕食の時間になったので、食堂へ向かいます。平日のためかガラガラ、広々と感じてしまいました。

ちょっと寂し気な夕食ですが、何しろ市民の保養所ですから。宿泊代もお安いのです。

カウンターには味噌汁やご飯が並んでいました。

期待通り、ご飯はコシヒカリでした。

保養所ですから、布団も自分たちで敷いて寝ました。場所と言い、人の少なさと言い、とにかく静かなのでした。

朝ごはん、パンではなくてコシヒカリです。

少し歩くと公園があったので朝の散歩をしました。

雪や水たまりがあちこちにあって、歩きにくく少しだけの散歩になりました。

昔は三国街道と呼ばれたのでしょうか、牧之通りにつきました。

三国街道塩沢宿 牧之通り 名所・史跡

案内地図も手書き風な感じで、景観に合わせたようなデザインでした。

歩道部分には雁木も作られて、雪国らしさがより感じられます。

景観に合わせた建物には、合格証が貼られていました。

散歩の途中に休憩所がありました。

木の感触と香りを生かしたようなテーブルと椅子がありました。ここで一休みしてから高速に乗り帰りました。