2019/06/13 - 2019/06/13
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ペコちゃんさん
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6月の○○会行事は、金沢文庫と日産自動車・追浜工場の見学会。
梅雨の晴れ間の一日、仲間8名で出かけました。
日産自動車・追浜工場がある京浜急行・追浜駅から2つ手前の金沢文庫駅で電車を降り、20分ほど坂道を登って行くと、鎌倉時代中期に金沢郷(現在の横浜市金沢区)を本拠地とした北条氏の一族・金沢流北条氏の北条実時が創設した日本最古の武家文庫「金沢文庫」と、金沢流北条氏の菩提寺である「称名寺」があります。
名前だけは知っていた「金沢文庫」とはどんなものか興味がありましたが、現在は「神奈川県立金沢文庫」として、称名寺が所有する国宝や重要文化財など鎌倉時代のものを中心とした所蔵品を保管・展示する博物館になっていました。
午後の追浜工場見学では、ベルトコンベアの上で車が組み立てられていく様子を見学しましたが、1つのラインで車種や色の違う車が次々と流れていく風景は躍動感があり、興味深いものでした。
写真は、称名寺の境内に広がる阿字ヶ池と、池に姿を映す反橋・平橋・金堂。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄
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電車を乗り継ぎ、10時過ぎに京急・金沢文庫駅に到着。
昭和5年に開業した金沢文庫駅は昭和55年に橋上駅となり、エレベーターも設置されています。
東口から歩いて称名寺へ向かいます。 -
称名寺は、鎌倉幕府を実質的に支配した北条氏の一族である金沢(かねさわ)北条氏の祖・北条実時(1224~1276)により、1258年に開基。
和歌など王朝文化を学び文化人でもあった実時は、晩年に蔵書を集めて領内に金沢文庫を創設しました。 -
北条氏は伊豆国出身の豪族で鎌倉幕府の執権職を世襲した一族ですが、戦国大名の小田原北条氏(北条早雲)とは直接繋がりません。
北条時政(初代執権)⇒北条義時(時政の次男:2代執権)⇒北条実泰(義時の五男)⇒北条実時(実泰の長男)と繋がり、金沢流北条家の始祖は実泰ですが若くして出家したため、実時が実質的な初代となります。 -
称名寺は1267年に真言律宗(総本山:奈良・西大寺)の寺となって、金沢北条氏一族の菩提寺として発展し、1300年前後には伽藍や朱塗りの反橋などが整備され、浄土思想の影響を受けた浄土式庭園が造られましたが、鎌倉幕府の滅亡とともに金沢北条氏も滅び、寺運も衰退。
江戸時代になって大幅な復興が実現し、現存する建物が作られました。
境内の周辺は、広大な「市民の森」になっています。 -
住宅街の中に現れた称名寺の「惣門(赤門)」は、1771年に建立された本瓦葺の四脚門。
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扉には北条家の家紋「三つ鱗」。
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桜並木が続く参道・・・桜の時期は見事でしょう。
左側は、古民家風の食事処「ふみくら茶屋」。 -
参道に面したユニークな飾りの「虹の戦士」・・・その先にあるのはイベントスペースのようです。
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参道の途中にある称名寺塔頭・光明院の表門は、1665年の造営。
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参道の先にある仁王門。
現在の仁王門は1818年に建てられました。 -
左右に安置されている仁王像は、1323年の作(県重文)。
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表情も含めて迫力満点の仁王像は、関東で最大の金剛力士像。
運慶作と言われるこの像はヒノキの寄木造で、高さが約4mもあります。 -
龍の彫刻も、なかなかのもの・・・仁王門の先には、浄土式庭園の阿字ヶ池が見えます。
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宇治の平等院・鳳凰堂に代表される浄土式庭園は、仏教の浄土思想の影響を受けて極楽浄土の世界を再現しようとしたもので、金堂など建物の前に池が広がる形式になっています。
称名寺の庭園は鎌倉時代の古文書に基づいて1986年に復元され、当時の面影を偲ぶことができます。 -
阿字ヶ池を中心に反橋・中島・平橋を配した浄土式庭園は、橋を渡りきると極楽浄土に辿りつくようになっています。
反橋の上から皆さんが見ているのは、水辺に群がるカメの群れ。 -
2009年に架け替えられた2つの橋は2018年に塗り直しされ、鮮やかな美しい姿を取り戻しました。
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橋長は平橋が17m、反橋は18m。
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称名寺の梵鐘は、歌川広重の浮世絵名所図『金沢八景』の一つ『称名晩鐘』に登場する名鐘。
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北条実時が父母の追善供養のため1269年に鋳造させた初代の鐘は地震で壊れ、現在の鐘は1301年に改鋳されたもの。
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金堂は1861年に再建され、本尊は木造弥勒菩薩立像(重要文化財)。
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金堂前にある北条家の家紋「三つ鱗」が入った香炉。
香炉の足には邪鬼のような顔がありますが、よ~く見ると、なかなか愛嬌のある顔ですね。 -
金堂の内部。
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金堂の屋根瓦にも、北条家の家紋「三つ鱗」が。
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金堂の右側にある釈迦堂は1862年の建立・・・屋根の上にも「三つ鱗」が。
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室町時代に佐阿弥作の謡曲『六浦(むつら)』に謡われた「青葉楓」。
見事に紅葉しているこの楓に感嘆した鎌倉連歌の祖・冷泉爲相卿が「如何にして この一本に時雨けむ 山に先だつ 庭のもみぢ葉」 と詠んだことを知り、この楓は「これにて功成り名を遂げた」と思い、以来色付くのを止め常緑の「青葉楓」となったとのくだりが「六浦」にあります。 -
阿字ヶ池の中島に、朱塗りの反橋と平橋が架けられた浄土式庭園。
そして、金堂・釈迦堂・鐘楼が並び、その後ろには緑豊かな金沢三山(金沢山・稲荷山・日向山)が控え、青空とのコントラストが素晴らしい眺めです。 -
池に映る美しいアーチの反橋。
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アジサイの先にあるのは、称名寺と金沢文庫をつなぐトンネル。
この隧道は中世に造られたもので、トンネル内には歌川広重の浮世絵名所図『金沢八景』のプレートが埋め込まれています。 -
金沢地区は古くから景観的に優れた地域が多く、その風景を題材に歌川広重が天保5年(1834年)頃から制作した8枚の大判錦絵が『金沢八景』です。
(左上)『内川暮雪』 (右上)『野島夕照』
(左下)『称名晩鐘』 (右下)『平潟落雁』 -
(左上)『乙舳帰帆』 (右上)『小泉夜雨』
(左下)『洲崎晴嵐』 (右下)『瀬戸秋月』 -
トンネルを出た所にある金沢文庫は、もともとは北条実時が領内に設けた文庫で、蔵書は政治・文学・歴史など多岐にわたり、実時の死後も蔵書の充実が図られました。
金沢北条氏の滅亡後、文庫は隣接する菩提寺の称名寺によって管理されますが、小田原北条氏・徳川家康・加賀前田家など歴代の権力者によって金沢文庫本の大半は持ち出されます。 -
明治30年に伊藤博文らの尽力によって、金沢文庫は称名寺境内に復興し、旧蔵書の回収も進められますが、大正12年の関東大震災により損壊し、昭和5年に神奈川県によって復興され、1990年に竣工したこの新館に移転しました。
現在の金沢文庫は、美術工芸品・古書・古文書など約2万点を収蔵する博物館として運営されています。 -
館内に入り、受付でシルバー料金:200円を支払います。
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開催中の特別展は『浄土宗七祖・聖冏(しょうげい)と関東浄土教―常福寺の名宝を中心に―』。
1338年創建の常福寺は、茨城県那珂市にある浄土宗の寺院。 -
1階展示室に入ると、称名寺金堂の壁画と本尊である弥勒菩薩立像の等身大のレプリカが展示されています。
細面で切れ長の目、優しさが溢れる尊顔、胸飾りの瓔珞(ようらく)などは同じですが、本物(右側)と違って製作当初の彩色で復元され、全身金箔で覆われています。
弥勒菩薩は釈迦の死後、長い時を経てこの世に現れ、衆生を救済するという菩薩。 -
常福寺の名宝。
左:銅製獅子香炉、中央:十一面観音座像、右:青磁香炉台 -
称名寺と金沢文庫を見学した後、金沢文庫駅前に戻り昼食。
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入ったのは「地球食堂」という変わった名前の食堂ですが、東京湾の新鮮な魚を安く楽しめて、お腹も満足する食堂です。
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オーダーしたのは「マグロ赤身刺定食・天ぷら付き」(1,100円)。
ボリュームたっぷりの刺身と野菜の天ぷらで、安くて美味しくて、皆さん、大満足! -
昼食後、金沢文庫駅東口からバスに乗り、日産自動車・追浜工場へ。
駅前のバス停に置かれた腰掛には「止まるはず 老いの甘えが 招く事故」・・・気をつけましょう! -
バスが市街地を走っていると、「シーサイドライン」が見えてきました。
シーサイドラインは、ATO(自動列車運転装置)による自動運転で、JR根岸線・新杉田駅~京急・金沢八景駅を結ぶ横浜市民の足として1989年に開業しました。 -
これまで無事故のシーサイドラインでしたが、2019年6月1日に新杉田駅で発生した逆走事故は、記憶に新しいものです。
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バスは15分ほどで「日産自動車前」に到着。
横須賀市の北端に位置し、東京湾に面した追浜工場は、1961年に操業を開始。 -
工場正門で受付をして構内へ入ります。
追浜工場は、人気車種・ノートe-POWERをはじめ、100%電気自動車の日産リーフ、ジューク、キューブなどのコンパクトカーを生産している車両組立工場で、従業員数は約2,600名、生産能力は年間約24万台の主力工場です。 -
東京ドーム37個分の広大な敷地には、物流エリア・生産エリア・テストコースがあり、専用の港もあります。
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「ゲストホール」に入り、受付を済ませます。
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ゲストホールの1階はショールームのようになっていて、最新の車が並び、乗車も出来ます。
手前は電気自動車の「リーフ」、奥は「ジューク」と「ノートe-POWER」。 -
見学開始まで時間があったので、先ず記念撮影。
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ゲストホールの奥のスペースには、車の製造工程がパネルで展示されています。
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1.車作りは、ロール状の鉄板を適切なサイズに切断し、型に合わせて2~5千トンのプレス機で圧縮し、屋根や床、ドアなどの大型部品に加工することからスタート。
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2.次に、プレス加工されたパネルを、最新の溶接ロボットで繋ぎ合わせて車の型にします。
ボディ内側を補強する細かい部品の溶接は、人の手で行います。 -
3.組み立て終わったボディは洗浄され、サビを防ぐためにボディごと電着塗料の入ったプールに浸したあと、クリーンな塗装ブースで下塗り、上塗りとロボットで何度も塗装します。
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4.それからボディに、横浜工場で製造したエンジンや、フロントのダッシュボード・座席シート・タイヤなど、約3000点の部品を流れ作業で取りつけていきます。
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5.そして最後は、走行検査をはじめ、計器やランプ類の作動点検、排ガス検査、高圧シャワーの下をくぐらせる水漏れテストなど、700ヶ所以上の品質検査をし、新車の誕生!
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今日も社会科見学の小学生がやって来ました。
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初代からU14型まで、SSSを中心にパネル展示された「カタログで見る歴代ブルーバード」。
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元々追浜工場は、1961年のブルーバード生産から始まった工場なので、特別の思いがあるのでしょうね。
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2005年からは、私の愛車・ブルーバード シルフィの生産も始まりました。
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工場見学会は、最初にビデオで工場概要などの説明を受けた後、工場内でボディに各種部品を取り付ける組立工程と、品質をチェックする検査工程を見学します。(工場内は撮影禁止のため、写真はHPより)
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車の製造は、お客様からの注文順に組み立てるため、1台ごとに車種や色が異なりますが、間違えないような工夫がされていたり、車の高さが作業によって上下するようになっていたり、感心することしきりです。
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続いて、バスに乗って専用埠頭へ。
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湾岸に停泊している大きな自動車運搬船は、2012年に就航した「日王丸」。
積載台数:スカイライン換算で880台(トレーラー未積載時は1,380台)
全長:169.95m
総トン数:11,400t -
九州工場で作られた「セレナ」が、船の中から次々と陸揚げされていました。
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船積みを待つ、出来たてホヤホヤの「ノート」。
塗装の保護のため、ボンネットやルーフに白いシートが貼られています。 -
工場見学記念のお土産は「リーフ」のミニカー。
「GTR」の水も頂き、大満足で追浜工場を後にしました。 -
帰りは、工場のバスで追浜駅まで送って貰えました。
今日は午後の工場見学のため、昼食時にビールが飲めなかったので、地元に帰って反省会(?)・・・仲間との楽しい梅雨時の一日でした。
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