大阪市内漂流の旅～平成30年7月豪雨に足止めされるも、なんとか通天閣周辺の観光に切り替え。豪雨を避けた大衆演芸場では人情芝居に涙し、正真正銘、本場の串カツ、ミックスジュースも絶品です～

2018/07/06 - 2018/07/06

久しぶりに、吉野山と法隆寺の観光を予定したのですが、平成30年7月豪雨の影響をまともにくってしまい、大阪市内で完全に足止め。羽田から大阪空港に向かう際にも、既にいやな予感はしていたんですが、変更の利かないチケットでもあり、そのまま強硬に大阪入りしたのがやっぱり失敗の元でした。

しかし、こうなったら仕方がない。大阪市内、通天閣辺りの観光に目的を変更して、一日を過ごすことにしました。

それでも、豪雨を避けるためにはどうしたらいいか。そうそう。それは大衆演劇場ですよね。それなら、雨風は関係ない。時間はたっぷりあるし、こんな日にはうってつけですよね。ストーリーは勧善懲悪に家族愛とか。ツボは分かって入るけど、やっぱり、結局は気持ちよく涙してしまう。テレビやスマホの時代ですが、このリアルな楽しさははっきり感動のレベルが違います。この日は市川良二座長率いる劇団千章。豪雨のことも忘れて、心行くまで楽しませてもらいました。

グルメの方は、例によって串カツ。それはもううまいに決まっているのですが、今回の新発見は、ここが発祥の地というミックスジュース。発祥の店という千成屋珈琲だけでなく、老舗喫茶ドレミのミックスジュースも絶品。ここまでくるとＢ級グルメの域を超えているかなと思います。

エリア ミナミ（難波・天王寺）(大阪)

大阪空港から、大阪駅に到着。ここで、交通網が遮断されて、奈良とかとても行ける状態ではないことが判明。これは困りました。
しかし、また東京に帰るのももったいないし、どうするかなあ。取りあえず、朝飯でも食べて、気分を落ち着かせましょうか。
ザ シティ ベーカリーは、うめきた広場地下一階。外国人観光客も大勢いる、梅田辺りでは一番の人気店です。カフェ併設のパン屋さんで、パンを買う時には、もう席を確保しましたかと確認される。つまり、最初に席を取ってから悠々品定めをするのが賢い方法なんですね。

さて、私はピタサンドをチョイス。期待以上に肉がぎっしり詰まっていて、ちょっと逆に食べにくいような。まあ、それもちゃんと誠実な姿勢なのかなとは思います。

今日のことですけど。。
それでは通天閣辺りにしてみましょうか。串カツがうまいし、それを食べるだけでも大阪に来た甲斐があるというものです。全国あちこちに串カツの店はありますけど、ジャンジャン横丁の串カツのおいしさはそんなのとはまったく比較になりません。そのおいしさがどこまで全国に知られているかははなはだ疑問なんですが、食道楽ここにありといったそのおいしさが尋常ではないことは、この際、きちんと強調しておきたいと思います。

通天閣に向かう途中、少し寄り道。
浪芳庵 本店は、なんばから南へ歩くことしばし。クボタの本社を過ぎたあたりにポツンとありました。

ここは、炙りのみたらし団子が名物。

小判型の団子にはこれでもかというくらいたっぷりのタレがまとわりついていて、なかなかインパクトあり。焦げた香りともっちりしただんごもいい感じです。

大阪木津卸売市場です。
前回来たのは夕方で閑散としていましたが、今回は大丈夫。

なんか気が付くと外国人観光客が多いですね。

ここでちょい買いをして、さっきの通路の世うペースで食べて行くようです。
まあ、金額的にはあんまり商売にはならないかもしれませんが、市場の活気には一役買っているかもしれません。

さて、動物園前駅から通天閣のエリアにやってきました。
ずぼらやの大きなふぐもここのシンボルですよね。豪雨の影響でやっぱり人はかなり少ない。当然ですね。

ジャンジャン横丁です。まだ朝早いこともあるし、ここも閑散。
ところで、ジャンジャン横丁って変わった名前ですが、もともとは飛田新地への玄関として賑わったエリア。観光客はけっして行かないと思いますが、その飛田新地というのは実はまだ存在しています。昔で言うところの赤線なんですが、たぶん、当時のまんま。店先にやりてばばあがいて、その奥にライトで照らされた女郎さんの姿。私は、一度見たことがありますが、ちょっと人生観が変わるかもしれないくらいのショックを受けました。これ以上ないディープな大阪です。

さて、お目当ては、ここ。
いったん閉鎖した千成屋珈琲ですが、オーナーが代わり復活しています。ここはミックスジュース発祥の店なんです。

オーナーが代わっても変わらぬ味を守っているということですが、いかがでしょうか。
これはミックスジュースのモーニング。

なるほど。。このミックスジュースは、少し皮も入れているんでしょうか。生リンゴがアクセントになっていて、とっても新鮮さがあってフルーティ。ミックスジュース発祥の店の名に恥じない味わいでした。店内のレトロ感も当然見どころです。

通天閣本通商店街は、通天閣の足元から放射状に延びる通りの一つ。しかし、この場所にあっても、大阪の下町の商店街という以上のものではないような。新世界やジャンジャン横丁とは違います。敢えて言えばお勧めの名物店の喫茶店、ドレミくらいでしょうか。あとは、今回も探しましたが、これというお店はなかったように思います。

さて、今回のメインは浪速クラブ。通天閣近くの大衆演芸場です。

この日は市川良二座長率いる劇団千章。

場内には派手なポスターがあって、皆さん、花形スターの勢いです。

まずは、歌謡ショー。
この歌謡ショーは撮影可。どんどん撮ってくださいねという感じです。

ポップなノリのいい音楽に合わせて、

役者さんの顔見世みたいな感じでしょうか。

全員で笑顔を振りまいて、

お客さんをお迎えです。
といっても、今日は豪雨。観客は20人足らずですけどね。

これは、座長ですね。

ちょっと苦み走ったいい男。

これからいろいろ変化して楽しませてくれる予感です。

曲が変わって、

これもノリノリ。

劇団のチームワークの良さが

伝わってきますね。

ハイ、ハイ。

いいです。いいです。

いいですよ～

さて、うって変わって。仁侠の世界。

まあ、しょせんは極道ですから、良い子は真似をしてはいけませんけどね。

それでも、まあこれは定番。
極道でもどこか正義の味方というイメージがあって、日本人の心からそれは消えることがありません。

座長も女形をちらりと見せて、

役者さんは、それぞれ自慢のパーフォーマンスを披露します。

美形の若い女性に

恋路の二人連れ。

しっぽり、

愛を誓い合う二人です。

衣装も、ライトの照明も

とっても効果的。

小さな劇場が別世界になってます。

さて、フィナーレですか。
歌謡ショーは第一部。
ここから、見せ場の人情芝居に移ります。

さてさて。。芝居の方は撮影禁止なので。。
お涙ちょうだいの人情芝居はお決まりでしょうが、分かっていてもやっぱり泣ける。周囲の冷たい視線にさらされつつも苦難を乗り越えていく兄妹の姿に涙し、それでも希望が見えたと思ったら、予想外の悲しい結末。それでも、シリアスな内容の合間に少しばかりの笑いをしっかり取るのも絶妙な呼吸。素直にストレートに楽しめたと思います。
入場料は1500円。座布団が敷いてある席は＋100円。といってもほとんどの席に座布団が敷いてあるので、実質は1600円ですか。そっちにしても、値段以上の価値だったかなと思います。
東京だと浅草の木馬座とか、十条の篠原演芸場とか。劇団はあちこち回りますから、機会があれば是非どうぞ。元気が出ること間違いなしです。

遅い昼飯は、づぼらや 新世界店へ。
いつかは入ってみたいと思っていましたが、

ふぐかつ丼1500円というのがあって、それをいただいてみました。1500円のふぐなんて、欠片くらいしか入っていないだろうと思ったのですが、しっかりした身のカツ。しかし、ふぐはいろんな種類があってピンキリ。そこそこ食べれるくらいのふぐであったのは致し方ないかなと思います。なお、店内はおばちゃんがきびきび対応して、そこはさすが老舗という気持ちよさでした。

続いては串カツ。だるま、八重勝、てんぐ。この辺りが人気店で、もう確かにこのクラスは死ぬほどうまいんですが、今回は越源へ。メインストリートから少し脇に入ります。

寡黙な大将が一人で切り盛り。

まずは80円の串カツを何本か注文。値段が安いだけにちっちゃ。と思ったのですが、これが抜群のうまさ。牛肉のうまさと程よい油加減は、絶妙です。そこにソースのキリッとした味が加われば、これ以上ない至福の味わい。本場の串カツのレベルの高さをまたしても思い知らされた感じ。大阪の食い倒れは串カツを食べないと絶対に分かりません。

続いては、さっき確認しておいたドレミへ。ここは浪花金融道のロケ地にもなったという老舗のレトロ喫茶です。

店内はウエイトレスならぬおじさんウエイター。これも渋いじゃないですか。

いただいたのは、ミックスジュース。さっき、千成珈琲でもいただいてきたんですが、こっちはどうなんでしょう。
一口飲んでも、ムム。すごくおいしいんですが、何が入っているのか全然わからない。桃は何となくわかるんですがね。聞くとあとパインに、みかんも。しかし、この組み合わせはノーベル賞もの。おじさんパワー炸裂といった感じです。

最後に、前々から気になっていた玉製家へ。

千日前にあるおはぎの専門店。営業が平日のみで、すぐに売り切れるのでハードルが高いお店なのですが、今回は粒餡とこし餡のおはぎを無事にゲットしました。

うーん。餡子は少しきつめの甘さですがご飯の部分が米の味がはっきり分かるくらい存在感があるので、ちょうどいいバランス。このくっきりした味わいはちょっと想像とは違いまして、むしろ関東人好みかもしれません。
で、確かにこれ以上ないうまさなのですが、では京都からわざわざ買いに来るだけの価値があるかと言えば、それはそうでもないような。京都には和菓子の名店が星の数だけあって、十分ことたります。一方で大阪には和菓子の名店が少ないのは定説。もしかしたら、なんばにあるその絶妙の立地も圧倒的な人気の要素かもしれません。
さて、これで何とか一日が埋まりました。翌日、粘るつもりだったのですが、今度は急用が入って、旅は中断。大阪を撤退することになりました。おしまい。

この旅行記へのコメント （4）

• salsaladyさん 2019/03/03 09:55:00

  旅の一座がこんな時役に立ちますね！

  ☆まだまだ昭和の名残?が続くローカル色（別府温泉にもあるわ）この舞台から全国版に花開く役者も沢山居るそうだけど。。。化粧を落とすと梅沢某？みたいなお化けも？
  
  ☆太一君の舞台は流石の綺麗どころと若武者振りが素敵だった（此は松戸ホールで！）
  
  ☆大阪のマイナーな魅力を探し出してくれて、参考になります。～see you～

  たびたびさん からの返信 2019/03/04 22:51:15

  RE: 旅の一座がこんな時役に立ちますね！

  こういう一座は、全国にどれくらいあるんでしょうね。歌舞伎とかは上流階級みたいでリッチなイメージがありますが、楽しさという点ではそんなに差はないでしょう。
  ところで、先般、ある地方の劇場を拝見した際、こんな立派な施設なのに今は使われていない。もったいないですねみたいな話をしたら、消防法の関係で使えないんですの答。日本はいろんなところにコストがかかる。なかなか簡単ではないと思いました。
  
  たびたび

• たらよろさん 2019/02/28 22:38:07

  老舗喫茶ドレミのミックスジュース

  こんばんはーたびたびさん
  
  美味しそうなミックスジュース♪
  桃とパインとみかん。
  聞くだけで美味しいってわかるし、機会があれば飲んでみたいけれど、
  場所柄、雰囲気からしても、
  絶対に喫煙可ですよね。
  テイクアウトできないだろうし、
  あ～、それなら一生飲めないか、、、残念だなぁ。
  
  たらよろ

  たびたびさん からの返信 2019/03/01 17:03:05

  RE: 老舗喫茶ドレミのミックスジュース

  そうなんですよね。お茶の水の人気店「さぼうる」でも喫煙可。せっかく生いちごジュース飲んでても隣りでぷかぷかされてしまうので、たまりません。
  ただ、どっちにしても、たらよろさんの27千円のケーキに比べればどうってことないですので(笑)
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たびたび