生粋の北海道日本ハムファイターズのファンである。大谷選手がエンゼルスに移籍することが決まった2017年12月、デビュー1年目になる2018年に本拠地アナハイムを訪れ、メジャーリーガー大谷を見ようと決める。しかし、いくら投手と打者の二刀流を目指すとはいえ、この時点ではまだメジャーに昇格できるかどうかすら不明。また、観戦する試合に大谷選手が登場するかどうかは、その日になってみないとわからない。そこで、エンゼルスの試合観戦以外に米国西海岸を楽しむイベントとして、ヨセミテを数日ハイキングすることにする。サンノゼ在住の友人に連絡したところ、ヨセミテまで同行してくれることになり、友人のスケジュールを勘案し、ルートは、東京→サンノゼ→ヨセミテ→ロサンゼルス→アナハイムと決める。<br />サンノゼからヨセミテまでは、友人のクルマに乗せてもらうとして、ヨセミテからアナハイムまで、どうするか。サンフランシスコあるいはサンノゼまで戻り、ロサンゼルスまで飛行機でいくのがおそらく常道。フレズノという街にも空港があるが、便数が少ない。片道なので、レンタカーは使えない。そこで、軽い乗り鉄の好奇心で、アムトラックで行こうと決める。アムトラックのサイトで検索すると、確かに手段はある。ただし、すべて鉄道ではなく、バスと鉄道の組み合わせ。①ヨセミテ・ビジターセンターからマーセド（Merced）駅までバス。②マーセド（Merced）駅からベイカースフィールド（Bakersfield）駅まで鉄道。③ベイカースフィールド（Bakersfield）駅からロサンゼルスのユニオン駅まで再びバス。④最後に、ロサンゼルスのユニオン駅から、アナハイム駅まで鉄道。全行程で61ドル。7,000円弱。フライトよりもずっと安い。<br />2018年5月15日。前日まで、アムトラックからPDF送付されたチケットに記載されている”Operated by YARTS”の意味が判然としなかったのだが、ルート①の区間は、アムトラックが、ヨセミテエリアのバス路線であるYARTSと共同運行していること、ルート①の区間のバスは、アムトラックの特急バスではなく、YARTSの普通バスであること、また、このバスが、宿泊していたヨセミテ・ビュー・ロッジに停車することがわかる（すなわち、ヨセミテ国立公園外にあるヨセミテ・ビュー・ロッジと公園内のヨセミテ・ビジターセンター間のYARTSバスと同じ）。午前9時38分、数分遅れで、無事YARTSのバスがやってきて、乗り込む。乗客は数人。途中、いくつかの停留所（シーダー・ロッジなど）でさらに乗客を乗せ、午前11時40分、逆に数分早く、YARTSバスは、終点マーセド（Merced）駅に到着する。マーセド（Merced）駅は、アムトラックの駅。しかし、ヨーロッパによくあるように、駅が町の中心から離れており、周囲にはレストランはおろか、コンビニも何もない。駅の構内にも、飲み物とスナックの自販機があるだけで、キオスクもない。朝ホテルの部屋で自分で作ったサンドイッチの昼食を取りながら、アムトラックの鉄道を待つ。12時39分、ダイヤ通りアムトラックの列車（San Joaquins号）がマーセド（Merced）駅に到着。ルート②。二階建ての6両編成くらいの列車。乗客はそこそこいる。米国西海岸でアムトラックに乗るのは初めて。どのような景色なのか想像がつかなかったが、ほぼ全ルートを通じて、整然と植えられたオリーブの畑だった。3時45分。終点ベイカースフィールド（Bakersfield）駅に到着。各方面に向かうアムトラックの運営するバスが待機しており、5814という番号の付されたバスに乗り込む。eチケットのQRコードを読み込んで予約を確認するので、バスを間違えるリスクもなく、思ったよりもスムーズ。ルート③。3時55分。定刻に出発。バスは、ロサンゼルスに向け、砂漠、荒地のなか国道5号線をひた走る。6時15分。ほぼ定刻どおり、ロサンゼルスのユニオン駅に到着。およそ9時間半。トラブルもなくこの日の行程を終え、ユニオン駅にほど近いメトロ・プラザ・ホテルにチェックイン。アナハイムへは翌日向かうこととする。<br />ヨセミテは遠い。どのような交通手段を用いても、それなりの時間はかかる。散策。ハイキング。トレッキング。ハイキング。エルキャピタン。ハーフドーム。ヨセミテ滝を始めとする滝。どのような過ごし方をしても、数時間だけ、あるいは何日滞在していてもその雄大さ、自然の造形美に圧倒される。さて、変わって明日からは大谷選手。どうやら、打者大谷を観ることはできそうだ。<br />

ヨセミテからアナハイムまでアムトラック

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2018/05/12 - 2018/05/15

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生粋の北海道日本ハムファイターズのファンである。大谷選手がエンゼルスに移籍することが決まった2017年12月、デビュー1年目になる2018年に本拠地アナハイムを訪れ、メジャーリーガー大谷を見ようと決める。しかし、いくら投手と打者の二刀流を目指すとはいえ、この時点ではまだメジャーに昇格できるかどうかすら不明。また、観戦する試合に大谷選手が登場するかどうかは、その日になってみないとわからない。そこで、エンゼルスの試合観戦以外に米国西海岸を楽しむイベントとして、ヨセミテを数日ハイキングすることにする。サンノゼ在住の友人に連絡したところ、ヨセミテまで同行してくれることになり、友人のスケジュールを勘案し、ルートは、東京→サンノゼ→ヨセミテ→ロサンゼルス→アナハイムと決める。
サンノゼからヨセミテまでは、友人のクルマに乗せてもらうとして、ヨセミテからアナハイムまで、どうするか。サンフランシスコあるいはサンノゼまで戻り、ロサンゼルスまで飛行機でいくのがおそらく常道。フレズノという街にも空港があるが、便数が少ない。片道なので、レンタカーは使えない。そこで、軽い乗り鉄の好奇心で、アムトラックで行こうと決める。アムトラックのサイトで検索すると、確かに手段はある。ただし、すべて鉄道ではなく、バスと鉄道の組み合わせ。①ヨセミテ・ビジターセンターからマーセド（Merced）駅までバス。②マーセド（Merced）駅からベイカースフィールド（Bakersfield）駅まで鉄道。③ベイカースフィールド（Bakersfield）駅からロサンゼルスのユニオン駅まで再びバス。④最後に、ロサンゼルスのユニオン駅から、アナハイム駅まで鉄道。全行程で61ドル。7,000円弱。フライトよりもずっと安い。
2018年5月15日。前日まで、アムトラックからPDF送付されたチケットに記載されている”Operated by YARTS”の意味が判然としなかったのだが、ルート①の区間は、アムトラックが、ヨセミテエリアのバス路線であるYARTSと共同運行していること、ルート①の区間のバスは、アムトラックの特急バスではなく、YARTSの普通バスであること、また、このバスが、宿泊していたヨセミテ・ビュー・ロッジに停車することがわかる（すなわち、ヨセミテ国立公園外にあるヨセミテ・ビュー・ロッジと公園内のヨセミテ・ビジターセンター間のYARTSバスと同じ）。午前9時38分、数分遅れで、無事YARTSのバスがやってきて、乗り込む。乗客は数人。途中、いくつかの停留所（シーダー・ロッジなど）でさらに乗客を乗せ、午前11時40分、逆に数分早く、YARTSバスは、終点マーセド（Merced）駅に到着する。マーセド（Merced）駅は、アムトラックの駅。しかし、ヨーロッパによくあるように、駅が町の中心から離れており、周囲にはレストランはおろか、コンビニも何もない。駅の構内にも、飲み物とスナックの自販機があるだけで、キオスクもない。朝ホテルの部屋で自分で作ったサンドイッチの昼食を取りながら、アムトラックの鉄道を待つ。12時39分、ダイヤ通りアムトラックの列車（San Joaquins号）がマーセド（Merced）駅に到着。ルート②。二階建ての6両編成くらいの列車。乗客はそこそこいる。米国西海岸でアムトラックに乗るのは初めて。どのような景色なのか想像がつかなかったが、ほぼ全ルートを通じて、整然と植えられたオリーブの畑だった。3時45分。終点ベイカースフィールド（Bakersfield）駅に到着。各方面に向かうアムトラックの運営するバスが待機しており、5814という番号の付されたバスに乗り込む。eチケットのQRコードを読み込んで予約を確認するので、バスを間違えるリスクもなく、思ったよりもスムーズ。ルート③。3時55分。定刻に出発。バスは、ロサンゼルスに向け、砂漠、荒地のなか国道5号線をひた走る。6時15分。ほぼ定刻どおり、ロサンゼルスのユニオン駅に到着。およそ9時間半。トラブルもなくこの日の行程を終え、ユニオン駅にほど近いメトロ・プラザ・ホテルにチェックイン。アナハイムへは翌日向かうこととする。
ヨセミテは遠い。どのような交通手段を用いても、それなりの時間はかかる。散策。ハイキング。トレッキング。ハイキング。エルキャピタン。ハーフドーム。ヨセミテ滝を始めとする滝。どのような過ごし方をしても、数時間だけ、あるいは何日滞在していてもその雄大さ、自然の造形美に圧倒される。さて、変わって明日からは大谷選手。どうやら、打者大谷を観ることはできそうだ。