路線バスで巡る筑後船小屋・羽犬塚＆中山の大藤

2018/04/15 - 2018/04/15

　昨年12月に買った西鉄バスの休日限定フリー乗車券「ホリデーアクトパス」の有効期限も、あと２ヶ月。久留米を起点に、バスで行ける場所には行っておこう！
　というわけで、今週は筑後市の船小屋と羽犬塚を訪ねる予定で出かけてみました。

エリア 八女・筑後(福岡)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 高速・路線バス

　久留米から船小屋へは、50番のバスで１時間弱。JRで行けばもっと早いのですが、パスを持っているので節約です。
　羽犬塚までは１時間に２～３本。その先、筑後船小屋駅まで走るのは１時間に１本程度です。ちなみにJRの在来線は、１時間に２本。３月の「ダイヤ見直し」で減便された上、博多からの直通電車がごっそり減っています。

西鉄久留米バスセンター 乗り物

　さらりと埋まっていた席も、筑後船小屋駅に着く頃には僕だけに…という状況を想像していましたが、４人の乗客が終点まで乗り通しました。

　筑後船小屋駅前に到着。開業時はそれこそ周辺に「何もない」駅でしたが、開業７年でずいぶん変わった周辺を観察です。

筑後船小屋駅 駅

　駅前広場に面して、新幹線と在来線の駅舎が向き合う駅です。新幹線と在来線を乗り換える際も、一旦外に出る必要があります。暴風雨の日なら、濡れるかも。
　バスを降りた乗客たちが向かう目的地は、駅ではなく…

　タマホームスタジアム筑後、略してタマスタ！２年前の2016年に完成した、ホークスの２軍本拠地です。

HAWKSベースボールパーク筑後 名所・史跡

　２軍とはいえ高い集客力を誇るホークスだけに、施設も立派！今日は午後からの試合が予定されており、早くも行列ができていました。

　練習場やショップの周辺も、こちらも賑わい始めています。周辺自治体で、熱い誘致合戦が繰り広げられたのも納得です。
　それだけに、博多からの快速が途中駅で分断されたJRのダイヤ見直しは、筑後市にとって痛手だったろうと思います。

　駅に戻ってみると、「臨時」と書かれた路線バスが入ってきました。タマスタ関係かな？と思って近づいてみると、「中山大藤まつり」なるイベント向けの臨時バスとのこと。
　ホリデーアクトパスも使えるらしいので、飛び乗ってみました。

　わずか２週間の臨時バスながら、車内放送や運賃表示もしっかりしていて感心。英語、韓国語、中国語の放送まで入っていました。
　ちなみに筑後船小屋駅～西鉄柳川駅間の路線バスは2011年～14年まで走っていて、２週間の臨時バスは「復活運行」でもあります。

　ポツンとした、「立花いこいの森」バス停に到着。

　藤のアーチ。おお、きれいじゃん～とゴキゲンで歩いて行った先には…

立花いこいの森 公園・植物園

　すんごい面積の藤棚！そして藤の下では、ご飯を食べながら楽しく語らう人々が。
　桜が散っても楽しめる花見なんですね。

中山大藤 花見

　きれいですね～

　石橋と藤棚のダブルアーチ。

　川から見上げるのもいい感じ。臨時バスに誘われたおかげで、思いがけずいい景色を見ることができました。

　樹齢三百年とは、立派なものです。また来年も見られるように、募金箱に気持ちを入れておきました。

中山大藤まつり 祭り・イベント

　臨時バスは、おおむね30分間隔の運行。12時台だけぽっかり１時間開いてしまうので、乗り遅れないよう、大急ぎで筑後船小屋行きのバスを捕まえました。
　バスに乗った４人は全員、海外の方。４ヶ国語放送は伊達じゃありませんでした。それにしてもよく、僕ですらたまたま知ったバスの情報を手に入れて来るものだと、感心します。

　戻ってきました、筑後船小屋駅。東口は筑後広域公園に面していて、キャッチフレーズ通り「公園の中の駅」といった趣です。

　2013年にオープンした、九州芸文館へ。

九州芸文館 美術館・博物館

　国立競技場の設計者としても知られる、隈研吾氏設計の芸術文化交流施設です。

　ふんだんに使われた木材と、室内からも感じられる緑。モダンな建築物なのに落ち着けるのは、自然を感じられるからこそ。

　２階の学習スペース。ここで勉強すれば、１級建築士だって取れる、かも（笑）。

　団体さんの食事が終わるのを見計らって、カフェ＆レストラン「アルテ・チャオ」に入ってみました。

　週末限定ランチ（税抜き1,200円）から、季節のレタス＆キノコのパスタをチョイス。

　ミネストローネに、食後のドリンクも付きます。この雰囲気で食べられるのだから、悪くないですね。
　窓の外には、新幹線の駅。原っぱで遊ぶ子どもたちを見ながらのランチは、とても新幹線の駅前とは思えませんでした。

　朝は曇りがちだったけど、だいぶ天気が良くなってきた。

　筑後船小屋駅から船小屋温泉へは、１時間に１本のバスが通じています。
　天気がいいなら、筑後広域公園の中を歩いていくのも気持ちよくてオススメ。20分少々の、極上の散歩道です。

県営筑後広域公園 公園・植物園

　「公園の中の駅」を、より強く感じられます。

　どどーんと、だだっ広い広場も爽快！車のないファミリーにとっては、バスや電車で気軽に来られる広い公園は貴重です。

　国道をアンダーパスして、船小屋温泉まで歩いてきました。昔はずいぶん賑わったと聞きますが、今は静かなもの。「温泉街」の風情には乏しいです。

船小屋温泉郷 温泉

　 船小屋鉱泉源公園の奥には…

　船小屋温泉の特徴である炭酸泉を堪能できる浴場「すずめの湯」がありますが、残念ながら昨年の11月頃から機器が故障していて、休業中です。
　炭酸を逃さずに加温できる、九州大学開発の特別な機器で加温された湯は、強烈な泉質でお気に入りでした。復活を願うばかりです。

　なんともレトロな雰囲気の飲泉場は健在。

　戦前は、モダンな保養地だったのかなと思わせる建物です。

　炭酸泉と言われるとソーダみたいに飲めるのかと思いそうだけど、金気をふんだんに含んでいて、はっきりいってマズいです(笑)。体にはいいんでしょうね～

　やはり温泉には入ってこそ！というわけで、ふたたび広域公園に戻り、川の駅「恋ほたる」の温泉館に来てみました。
　2011年の新幹線開業に合わせてオープンのはずが、施工不良が見つかり半年遅れに。ようやくオープンした直後の2012年に起きた九州北部豪雨で５ヶ月間の休業を余儀なくされた、悲運の温泉でもあります。

恋ぼたる 温泉館 温泉

　なに、土日は温泉＋ランチバイキングで1,000円ポッキリですと…？ イタリアンに浮気せず、これを試してみればよかった。

　源泉かけ流しの温泉で、「すずめの湯」ほどではないけど、炭酸も残ってます。露天風呂のぬる湯でも、炭酸効果でホカホカ。
　そしてオープンから７年、浴槽にこびりついた析出物は泉質の濃さの証明です。もはや芸術品の粋に達しつつあり、必見。

　「川の駅」から船小屋のバス営業所まで、徒歩２分。50番のバスで船小屋温泉を後にしました。

　筑後市の中心部でもある、羽犬塚でバスを降りました。
　羽犬塚駅前はマンションが立ち並び、筑後船小屋駅よりずっと集積がある市街地です。新幹線もこっちに止まれば便利だったろうけど、ありふれた駅にしかならなかっただろうなとも思います。

羽犬塚駅 駅

　羽犬塚名物、ループ橋。鹿児島本線の線路を越えるべく、前後の坂路がループで作られています。運転してると焦る陸橋だけど、ハタから見ている分には面白いです。
　新幹線の高架はさらに高い位置に通ったので、周辺の新幹線高架は一段と高くなっています。

　駅前商店街は静か。日曜日、開いている店はありません。

　駅前通りから分岐するように参道が伸びる、諏訪神社。

　駅前という立地なのに、境内の木々は立派なこと立派なこと。

　国道に平行する脇道に入ると、ここにも歴史ありげな家々が並んでいました。昔の街道筋の面影が感じられます。

　駅から15分ほどで、市立羽犬塚小学校へ。宿場町のおける休憩施設だった「お茶屋」の跡でもあるそうです。校庭内の木々は当時のものも残っているとか。

　そして地名の由来にもなっている、羽犬の銅像も立っています。羽犬塚の地区内にはいくつか像があり、市のゆるキャラ「はね丸」も羽犬がモチーフです。りりしくも、かわいい。

　昔ながらのヤマザキショップに見送られ、筑後１日めぐりは終了。バスで出かければ、身近な場所でも旅になり、お金もかからずお得にも感じられたのでした。