2014/07/11 - 2014/07/21
157位(同エリア347件中)
栗沢氏さん
I tried to climb 2 mountains of Bolivia; Huayna Potosi(6088m) & Illimani(6439m).
2013年、エクアドルのチンボラソ(6310m)に挑戦して微妙な結果に終わり、その心のつっかえを取るためにそれより高い山に登ろうとボリビアのイリマニ(6439m)に照準を定めた。イリマニはボリビア第2の高峰で首都ラパスのどこからでも見られるその美しい山容から古くよりボリビアの人々の信仰を集める日本で言う富士山のような山だ。イリマニの前には、高度順化のためワイナポトシ(6088m)もトライした。
①コパカバーナ高度順化編 https://4travel.jp/travelogue/11333667
②ワイナポトシ登山編 https://4travel.jp/travelogue/11333682
③イリマニ登山編 https://4travel.jp/travelogue/11333695
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朝からイリマニ(6439m)に向かう。登山口まで車で3時間の道のりでグランドキャニオンみたいなところを通過して行く。左奥にイリマニ。
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険しい渓谷を抜けると穏やかな山道に。
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登山口のピナヤ村(3925m)でポーターであるドンキー2頭とおばちゃんを雇い、一緒に歩いていく。
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2時間ほど歩いてベースキャンプ(4480m)に到着。小川と石のある草原で心地よい。ここは日本庭園的なわびさびが感じられる。
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テント内で調理するガイドのペドロ。野菜たっぷり愛情たっぷりの美味いスープを作ってくれて、おかわりもした。でも、ま、その夜、高山病でキモ悪くなって全てゲロッパするんだけどね。
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長い夜のテント内では山岳遭難ドキュメンタリー小説の金字塔である「空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」を読んで、いや~な気持ちになる。
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今日はハイキャンプまで。ポーターは昨日のドンキー遣いのおばちゃんとその娘の今回初めてハイキャンプまで行くという中高生くらいの女の子だ。俺は変なところで女運があるようだ。ランドセルを初めて背負うような初々しい感じだけど、大丈夫なんか?
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ハイキャンプへの道。
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登ってきた方角を眺めながらイモとか食って休憩。もちろん俺はキモ悪いので何も食わず。
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途中からは、ガレ場地帯になる。ガレ場は楽しいな~♪
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標高5000mを超すガレ場をサンダルで登る母とボロボロ安物スニーカーで初めて登る娘の珍百景。途上国の登山でこういう実情をみると、服装や装備に金をかけるくせに遭難者が多い日本の登山が逆に安っぽく見える。富士山をサンダルで登るのは別に問題ないと思う。そいつにそれなりの体力と技術があるなら。
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あっという間の5時間をかけてハイキャンプ(5435m)についた。深夜に中央の南峰山頂を目指すことになる。我々日本隊のみがアタックなので、登りのペースをつかみずらくなるだろう。
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ポーター親子の記念撮影。ラパスに戻ってからプリントアウトして、ガイド経由で渡してもらった。彼女らの一生の記念品となったらいいなぁ。ところで、この親子は14:40のこれから4時間かけて村までもどり、翌日4:00ごろから7時間かけて11:00くらいまでにここに戻ってくるのだ。うわ~~~これの方が山頂アタックより辛いだろ!
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荒々しくて格好いい北峰。その後、昼食、夕食と俺は拒否。昨夜嘔吐して今日1日食わない俺を見て、ガイドはアンハッピーだと何度も嘆く。普段からほぼ1日1食なんで問題ないから平気だ気にすんなと説得する。
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サンセットに輝く南峰。景色を堪能するも気持ちは悪く水も飲めない。吐けば気持ち悪さが取れると思いお湯を飲もうとするが食道の入口に達するだけでオエーとなるので、水分をとれない。高所では脱水症状と高山病を防ぐために1日4リットルは必要なのに。試しに砂糖を溶かしたら何とか食道を通ったがそれでも気持ち悪くて少量しか飲めず。睡眠中に吐いたりしたらガイドから山頂アタックを止められるだろうなと不安にかられる。
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サンセットの登山口方面。不安なまま就寝するも奇跡的にキモ悪くならずぐっすり眠れた。ちなみにここではガイドと狭いテント内で密着して寝るのでゲロをごまかすことが困難。まずは山頂アタックの権利を得たというところか。
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深夜2時ごろにアタック開始!標準タイムで7時間の行程となる。が、ガイドに歩き方をが悪いとか、疲れすぎているとか指摘されて、なんとたった2時間経っただけで、下山しようと言われる。俺は当然のように拒否し、歩き方を改善し、自分的には順調に登るようにした。が、また30分後とかにも、戻るか?と聞かれる。やはり、ほぼ2日間何も食ってなくてゲロし続けてるのが印象悪かったのか。やってはいけないことだが、極力休まずに無理して登り続ける。精神的にも肉体的にもやばい状態。
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そしたら4.5時間で登頂。おい!超高速余裕のよっちゃんタイムじゃねぇか!!!まだサンライズ前だわ。だから寒すぎて手がガクブル震えてシャッター押せない。ガイドに登頂写真だけでなく景色の撮影も依頼。でも、このガイドにはチップやらねぇ。まずは登ってきた方をバックに。
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次にサンライズ気味な方向をバックに。もっと明るくなるまでいたかったけど寒すぎなので30分ほどで下山開始。普通は丁度いい時間に登頂となるようガイドが調整するもんだろ!!!いつものことながら登頂しての感動はない。これまでの苦しみ(主にゲロ)をかき消すような感動はない。ほっとする。ちなみに山頂でもゲロ吐きました。ラパスの誇り、精神的支柱の山頂にてゲロ。
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イリマニの核心部と言える山頂への最後の斜面を振り返る。
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クレパスに挟まれた道。どうかすると渡ってる途中に崩落して死ぬのだが、ここは通行者が多いみたいなので安全と思われる。
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富士山とかでもお約束のでっかい山のでっかい影。
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チンボラソにもあったが、アンデスの高山特有の現象である氷の刃ペニテンテ。これをガリガリ踏みならしながら歩くのは爽快♪
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ピナヤ村に戻りガイドから乾杯される。もちろん俺は吐き気がするので飲まず。
<アタック時のコースタイムはハイキャンプ1:55-6:20山頂6:55-8:50ハイキャンプ11:15-13:30ベースキャンプ13:55-15:15ピナヤ村。6439m付近の気温はマイナス12度程度。> -
翌日はボリビア最終日。魔女通りの異名をもつ怪しいお土産が並ぶ通りを散策。名物はリャマの胎児のミイラで店先にのれんのように吊るされている。家の新築着工前に土地に埋めると幸運になるんだとか。
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フルーツパフェ100円!起きてるときはほとんど吐き気してた中でこれが一番美味かったな。
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阿波踊り的にパレードやってるのを見つけた。1月に滞在したときもそうだけど、ラパスでは毎日パレードやってる印象がある。運がいいだけか。
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派手な衣装のパレードでもこの3人のファッションは抜きん出てた。リャマの胎児のミイラを腰につけてるし。そういう使い方もありなのか?!
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嫌がるリャマ。強引に引っ張って歩かせる動物虐待のシーン。
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こういう気合の入ったおっさんおばちゃんたち1000人以上がゆる~い民族ダンスと演奏をしながら何kmにも渡り行進していく。
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日本への帰路ではペルーのリマに8時間ほどトランジットなので、空港近くのゲストハウスに宿泊というか休憩。うまい飯もごちそうしてもらった。が、この後、これが原因の食あたりかキモ悪くなって出発前の空港トイレで嘔吐することに。それが今回の旅でのまとまった嘔吐としては6回目のラストヴォミットであった。
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空港前には世界にその名を轟かせるコカ・コーラのハーフダースケースが燦然と輝く。今回の旅では、運よくもやろうとしていたことがことごとく全て成功した。こんなにもゲロするのは想定外だったけど。10日程度で登りに行けるこれ以上高い山はほぼないので、もう高所登山は引退します。低めの歴史的な山だけにしようと思うの。
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この旅行記へのコメント (3)
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- nksssさん 2019/09/11 02:26:00
- 「空へ」Into the thin Air
- イリマニ山登頂おめでとうございます。
大昔の地図にはボリビアには標高7014m山がが有りました!
(イリマニ山だったかどうか_?後日確認します)
当時はヒマラヤ(ネパール/ブータン)・カラコルム以外では7000m級はこの山だけでした。今は、測量技術が発達して6000m台ですね。
ゲロはきながら山岳遭難ドキュメンタリー「空へ」を読んだんですか!筋金入りの確信犯ですね。
読めば読むほど考えますよね。彼以外の当事者(ブクレーエフ氏やベック・ウェザーズ氏)の本も読みましたが、まあ登った人しかわからんというところでしょう!。
- 栗沢氏さん からの返信 2019/10/11 07:33:32
- RE: 「空へ」Into the thin Air
- メッセージありがとうございます!
大昔はエクアドルのチンボラソが世界最高峰とみられていたようですけど、
ボリビアだったとは!その情報おもしろそうですね。
登山を通して登山にまつわる様々なドラマを知ることができたことは、
登山始めるまでは考えもしなかったことですね。
戦争もそうですね。nksssさんは昔ラバウルに行かれたということで!
私も2016年に訪問しました。本当にいろいろなドラマがあります。
今後もいろいろ続けていきたいです!
- nksssさん からの返信 2019/10/12 11:56:10
- RE: RE: 「空へ」Into the thin Air
- 栗沢氏さん様
返信ありがとうございます。
実家にあった古い地図を確認したら、ありました7000m級の山が、ボリビアに!!!
イヤンプー山:7014m!!!
コトバンクでも高さ諸説有りということで、やっぱり気になっていた人も居たんだなといういことが分かり感激です。(今、イヤンプー山をフォートラ施設として「クチコミ」登録中なので登録できたら証拠の「古地図」の写真をアップします)
https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%BC%E5%B1%B1-1505912
それはそうと昔はチンボラソが世界一だったのですね。
諸説によると地球の中心から一番離れているのは赤道に近いチンボラソ山頂とかいう話しも有り面白いです(なのでチンボラソ世界一説は今でもあながち嘘でもない!?)
インターネットで何でも検索できたりして便利な世の中なりましたが、過去に遡っての検索は、誰かがネットに上げるまで知ることはできないので古本(戦争体験記とかも)は貴重ですね。未知の世界はまだまだ広い!!。
これからも宜しくお願いします。
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