2017/12/31 - 2018/01/09
1332位(同エリア27500件中)
はなだいこさん
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幾度となく韓国を訪問している私たち夫婦にとっての、冬の韓国での最大の楽しみ。
熱々のタッカンマリも、
大好きなケジャンも、
馬場市場のお持込焼肉も、
鷺梁津のズワイガニでもかなわない大きな楽しみ。
それは韓国の伝統的サウナ・スッカマ(炭窯)です。
韓国のサウナ(汗蒸幕)が、
「本来は炭焼きをした後の窯の熱を利用した、女性のための温熱療法施設」
だという事は知っていましたが、その「本来」の形の施設がそのまま、韓国にはまだ残っています。
スッカマの形態を言葉で説明するならば、
「土で作られた平屋のワンルームマンション長屋のようなサウナ」
と言う事になるかな。
そして各部屋(サウナ)への入口は、ドアではなくて狭いトンネル・・・、
と言うような言葉による説明だけでは判っていただけるはずもないので、あとは本編で写真と共に紹介します。
今回はソウル市内で手軽に楽しめるスッカマから、驪州(ヨジュ)にある温水プールやオートキャンプ場、バンガローなどの宿泊施設も備えたスッカマまで、この旅で利用したところを幾つかまとめてみました。
スッカマ、面白いですよ~。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩
-
最初に、とりあえずスッカマの横顔を一枚。
「入口がトンネルのワンルーム長屋」の様子です。
黄土の壁に掘られたトンネルをくぐると、そこには「丸い四畳半」といった程度の広さのドーム型・黄土作りの部屋。
壁の上に幾つもの丸い頭が見えるでしょ。
これがドーム型のスッカマの天井(屋根)です。
このドームの部屋で身体の芯まで温まり、再びトンネルをくぐって外に出ると、そこは土間。
土間の先には高さが50センチくらいの縁台(お休み処)が用意されていて、多くの韓国人はそこに自分たちのお座敷を広げると、何度もトンネルを行き来しながら、家族や仲間とおしゃべりを楽しみ、飲み食いをし、昼寝をして身体を休め、本当に日がな一日、ゆったりたっぷりスッカマを堪能して家路につきます。 -
こちらはトンネルの入口から見たドーム内の様子。
熱い床にはすのこが敷かれ、天井には力の弱い裸電球がポツンとひとつ。
この狭い部屋のすのこの上で、胡坐をかいたり、膝を抱えて座ったり、寝そべったりしながら身体を温めます。 -
ここ驪州(ヨジュ)のスッカマは部屋数が11あったけれど、半分以上の部屋の入り口が煉瓦と黄土で閉鎖中でした。
この塞がれたトンネルの下の方に開けられた小さな穴からは、オレンジ色の怪しい光が見えますが、ドーム型の部屋の中では今、太い物であれば直径50センチ以上はあろうかという何トンもの木が、真っ赤に燃え上っているはずです。
この頃,窯の中の温度は1200℃~1300℃になっているんだとか。 -
一週間ほど経過した後、トンネルの下部が叩き壊されると、中の様子はこんな案配。
「木の溶鉱炉」とでも言った感じの強烈な炎のパワーで、穴から5メートルくらい離れていても、顔が熱く火照ってきます。
この紅蓮の炎で長時間熱せられ、遠赤外線をたっぷり放出するようになった黄土の窯の中で、今度は人間が身体の芯まで温められる。
それがスッカマです。
より詳しい写真は後ほど、少しづづ載せていきます。 -
最初はまず、ソウル駅から7024番のバスで10分ちょっと(終点)の丘の上という便利なところにある、スッカマ初体験には最適の施設。
今回の冬の旅最初のスッカマ、「スプソクランド」を簡単に紹介します。
利用料は12000w。
スッカマには大抵お風呂が無いのだけれど、ここにはゆったりとつかれる大きなお風呂があるのも嬉しい。
室内のお休み処も広々としているから、手軽で安い宿泊施設としても使えます。
しかしこの日は元旦。
旧暦の韓国でも1月1日は公休日とあってか、 -
普段はこんな案配の室内お休み処が、
-
寝ている人を踏みつけないように歩くのに苦労するほどの大混雑。
ある程度の人出は予想していましたが、いやはやビックリしました。 -
サウナ着に着替えて一階に降りると、そこがスッカマのフロア。
写真は同じフロアにある炭火部屋で、客は部屋の中央に置いてあるよく熾った炭を囲んで暖まります。
海女さんが海に入る前に、炭火で身体を芯まで温めるために籠る海女小屋の中の光景を見るよう。
この炭火部屋こそ空いていたものの、 -
スッカマの前は、ややや(!)の行列。
窯の中の温度は、中の炭を取り出してからどれだけ時間が経ったかによって、超高温から低温まで、色々あるはずなのだけれど、この日の窯はどれも中温から低温と言った感じでした。 -
しかも四畳半くらいしかない窯の中は、人がぎっちり詰まってパックの中の納豆状態で息苦しく、長く入っていれば汗はかくけれど、身体の芯までは到底暖まらないので、窯から出るとたちまち、びしょ濡れのサウナ着が身体を冷やし始めた、と言う夫。
-
夏(写真)であれば、汗をかいたまま屋外でゴロゴロ出来るんだけれど、1月1日では室内のオンドル部屋に居ても身体は冷える一方なので、サウナ着を替えてもらう事にしました(1000w)。
-
スッカマの前では、アルミホイルに包まれた薩摩芋(館内の売店で売っている)が焼かれていますが、
-
着替えて一安心の夫と私は食堂に移動。
-
肉の種類はいろいろあるけれど、
-
かなり濃い目の下味が付いている「Local Duck Meat(韓国産の鴨・・・かな?)」を、ビールとマッコリでいただきました。
お勧めの一品。
「お運びをしている若い女の子たち、なんだかベトナム人みたいだな~」
と夫が言うので、話しかけてみたらやっぱりベトナム人。 -
その晩出かけた東大門にあるタッカンマリ食堂でも、馴染みの韓国人従業員が一掃され、店長のアジュンマ以外はすべて、ベトナム人になっていました。
ただでさえ就職難で大変な韓国の若者(光化門にある牡蠣の名店「モリョ」のご主人の言葉)の職場に、こうやって外国からの安い労働力が入り込んできているんですね~。
ソウル市内にある、たぶん唯一のスッカマ・スクソプランド。
最初のお手軽体験ならここがお勧めです。
けれども、ワクワクするほど楽しくて気持ち良く、何度でも通いたくなる素晴らしいスッカマは他にあるんだな~。 -
スクソプランドから中1日置いて。
まだ真っ暗な6時半に鐘路三街の宿を出発し、地下鉄3号線で旧把撥(クッパバル)に向かいます。
今までの旅行記で何度も紹介してきた鷺梁津の魚市場や馬場の肉市場同様、このスッカマも是非とも楽しんでもらいたいので、行き方を詳しく説明しますね。
鐘路三街駅からクッパバル駅までは20分くらい。
その1番出口階段を上がってUターンしたところにあるバス停から、704番のバスに乗ります。
バスの間隔はこの旅行時点で12分おき(2019年1月再訪時も変わり無し)。
バス停には横長の細い電光掲示板があり、「○番のバスの到着まであと何分」と言う情報が順に表示されます。
バス代は千数百W。
数分で町を抜けると、あとは快適な田舎の一本道。
30分ほどでバスは左折して細い道に入ります。
乗車して30分くらいはボ~ッとしていてかまわないけれど、「左折して細い道」からはちょっとだけ緊張感を高めましょう。
目的地はもうすぐ。
少し先の高速道路をくぐってから二つ目のバス停、「プゴッイルリマウル」で下車します。
高速道路をくぐってから二つ目!
左折してからだと七つ目くらい。
(なお、この704番のバスにはソウル駅前から乗ることもできますが、早朝の道がガラガラに空いている時でも1時間20分くらいかかるので、私たちは利用しません) -
高速道路を過ぎて、右手に写真のような機関車もどきと大きな建物が近づいてきたら、下車ボタンを押しましょう。
-
左折して細い道に入ってから、もしくは、高速道路をくぐってから、運転手に写真のバス停名を見せれば、降りるべき場所は運転手が教えてくれます。
写真の704の数字のすぐ下の太い字がバス停名。
その下の太い字はスッカマの住所です。
韓国語が出来ない夫が一人でカマコルランドに行くときには、いつもこの手でバス停までたどり着いている模様。
だから初めての貴方でも大丈夫! -
バスを降りたら、来た道を100メートルくらい戻ります。
スッカマの大きな看板があるので、その手前を左に。
(ちなみにこの看板、2019年1月に行ったら1年前とは全く別のデザインになっていたので、写真を差し替えました) -
ようやく夜が明けてきました。
遠くに立ち昇るのは、そのスッカマが吐き出している煙。 -
マイナス10度の早朝8時前。
「カマコルランド」に到着。 -
11000wを払うと、普通のサウナ同様、ここでも厚手のサウナ着とタオルが渡されますが、
-
スッカマの様子が気になるので受付を後回しにし、奥に進むとそこがスッカマ長屋です。
-
木々の緑も鮮やかな夏に行った時には、こんなふうに、
-
スッカマ→土間→縁台→庭までが、
ひとつながりの空間として完全に解放されていて、 -
縁台からはこんな庭が見渡せたんだけれど、
今はさすがに真冬。 -
お休み処の縁台と庭の間は、ビニールハウス風の湾曲窓(?)で仕切られていました。
お客さんの姿は無し。
一番乗り?
嬉しい! -
そして早朝のスッカマにはもう一つの喜びの光景が!
塞がれていたトンネルの壁が完全に壊されて間もない、と思われる窯があり、 -
その窯の中から、真っ赤に熾った炭を運び出す作業が始まっていました。
-
1人がロングサイズスコップで炭を掻き出すと、
-
スコップの先端を持ち上げたもう一人と協力して、炭をドラム缶の中に放り込む。
-
やがて炭で満タンになったドラム缶は
-
蓋で閉じられ
-
奥に運ばれていく。
こんな作業が繰り返されていました。
炭は商品として売られたり、併設の食堂で使われたりするんでしょう。 -
そして窯前を掃除。
写真奥の隣の窯はトンネルの下半分だけが破壊され、そこから猛烈な炎が吹き上がっています。
そちらの窯の前で身体を温めていたら、スッカマプロ(?)みたいな2番手客の韓国アジュンマに、
「こっちに来なさい」
と言われ、 -
掃除が終わった窯前へ移動。
たぶん炎でなく、おき火にあたる方が良いんでしょう。 -
別の窯には、
頭に布系のヘアキャップ
首にはタオルを巻き
厚手の靴下に木製のサンダル
さらに大きなバスタオル(毛布?)を羽織り
と、
肌の露出を最小限に抑えて完全武装したアジュンマが入って行きます。
そこはコッパン(花房)とかコッタン(花湯)と呼ばれる超高温の窯。
炭が掻き出されてからしばらく経過し、ようやく、なんとか人が入れるような温度になった窯。
すのこは床の熱さで燃えてしまう恐れがあるので、まだ敷かれていません。
「花」には「最盛期の」という意味があるみたいだから、
「今が盛りの、出来立て熱々の部屋」
という事なんでしょう。 -
せっかくだからとチャレンジしてみましたが、耐えられたのはせいぜい20秒くらいだったかも。
窯から出ようと足を踏み出すと、足(太ももあたり)のサウナ着の生地が大変な高温に熱せられていて、肌に触れると熱いのなんの!
だけど、出てしばらくするとまた入ってみたくなる、初体験の妙な快感。 -
そうこうするうちに、炎を噴き出していた隣の窯もいくらか落着いてお客さんの数も増え、
-
上半分がまだ塞がれているトンネルからこれだけ離れていても熱いくらいの窯前の一等席は、半円を描いて座るアジュンマたちで満員。
こうなるとなかなか席は空きません。 -
お休み縁台も賑わってきましたが、ここの気温は外とほとんど変わらないはず。
湾曲窓越しに快晴の太陽が照りつけているけれど、陽射しの温かさはあまり感じられません。
そんなところにサウナ着一枚でも大丈夫なのは、遠赤外線パワーで、身体が芯から温められているからなんでしょう。 -
スッカマに入ったり出たり、何度も楽しんでいるうちに、時刻は12時ちょっと前。
朝から何も食べていないので、お腹はペコペコです。
超寒がりの私ですが、サウナ着一枚のまま外に出て庭を流れる細い川を越え、食堂へ。 -
橋の下の川は完全に凍り付いてカチンカチン。
繰り返すけれど、そんな屋外でサウナ着一枚。
恐るべし、遠赤パワー! -
ここが綺麗な食堂です。
-
注文したのは、また鴨肉。
ソウル市内のスプソクランドの物とは違い、ここの鴨は煙で燻された燻製肉が出てきます。
「半身(25000w)でいい」
と言う私たちに対し、
「それじゃ少なすぎる」
と、 -
一羽分(45000w)を、押し付けてくるのでなく勧めてくれたアジュンマは、隣に来て食事を開始。
私たち二人には半身でも十分な量でしたが、肉食の韓国人にとっては確かに少なすぎるんでしょうね。
2日後に再訪すると、
「おんや、まあ! また来たんだね。二人ともこの近くに住んでいるのかい?」
と、冗談を言いながら、何くれとなく、本当によく面倒を見てくれましたよ。 -
1年後、2019年1月に再訪したら、この旅行時には無かった肉・モクサルが新たにメニューに加えられており(美味しい!)、また、ハングル文字と料金しか書かれていなかった壁のメニュー表示には写真が添えられていたので、ハングルが読めない旅行者(夫を含む)でも安心して注文が出来るようになっていました。
-
バンコク→ジャカルタ→クアラルンプールと、どこも30℃を超える東南アジアを経由してソウルにやって来た夫は、ジャカルタのモスク前で購入したイスラム帽子(?)をかぶって焼肉。
モスクで清められた心と身体は早くも穢れ、邪悪な破戒僧みたい。 -
肉を食べながら生青唐辛子をかじるのも慣れました。
-
2本のビールとマッコリで美味しくいただいた食事の後は、もちろん昼寝。
当然昼寝。
スッカマ長屋とは別棟の2階に、広々とした快適なオンドル部屋があります。
早朝出発の疲れも完全に回復。
クッパバルを経由してソウル駅に向かうバスは頻繁にやってきます。
帰りのバス停は降りたところの斜め向こう。
さて、帰るとしましょう。 -
そしてその夜、向かった先は、私たちの旅行記を何度も見て下さっている皆さんにはお馴染みの鷺梁津(ノリャンジン)水産物市場。
何百軒もある写真のような魚介の仲卸しの店で、食べたい物を食べたい量だけ買ったら、市場内の食堂に持ち込んで調理してもらい、調理代金と席料だけ払って頂くことが出来るシステムがあります。
(色々な野菜と薬味付き席料3000w) -
そこで、いつものように
生きの良いズワイガニ(45000w)を確保し、
(調理代8000w)
「2019年1月・追記」
写真の旅行時にはまだ受け継がれていた「カニ解体の技」が、一新してしまった従業員に受け継がれておらず、あまりにも忙しい奥さんに代わって新人がさばいてくれたカニさんは、以前と比べるとかなり食べにくい解体ガニでしたね~。 -
海老を食べたい本数だけ買い、
(調理代 塩焼き4000w ボイル3000w) -
大ハマグリを500グラム(3000w)だけ購入して馴染みの水産会館(スサンフェガン・新市場棟の2階)に持ち込み、それぞれ調理してもらっていただきます。
(調理代11000w。「鍋」にしてもらう代金ですが、これだけはちょっと高いなあ) -
締めはいつも大奥さんが作ってくれるカニみそチャーハン。
-
旧市場から移転して来てしばらくは閑散としていることもありましたが、今や店内から人があふれ、前の通路にも席が用意されている大繁盛ぶり。
居心地の良い店です。
是非一度お試しください。 -
別の晩にはもちろん、これまた私たちの旅行記を何度も見て下さっている方にはお馴染みの、馬場(マジャン)の畜産物市場にも行きました。
-
この店は、鷺梁津(ノリャンジン)水産物市場の食堂の肉バージョン。
市場内の売り場で安く買った韓牛を店に持ち込んで頂くことが出来ます。
行くたびに値段は上がっているけれど、A++の最高級韓牛が100g11000w。
サムギョプサルなら100gたったの2000w。
ユッケが食べたければ、ユッケ用の肉も購入してから店に向かいましょう。
席料の5000wを払うと、たくさんのおかず類と炭火で頂ける席が用意されるのですが、嬉しいことに韓国で唯一の美味しいビール(夫の言葉)・クラウドも置いてあります。
繰り返しますが、豚のバラ肉なら100gで2000w。
1キロ食べても2万w(2千円)・・・て、誰がそんなに食べる!? -
レバ刺しなんか、肉を買う店で、いくらでも無料サービスしてくれます。
但し、
「薄く薄く切って下さい」
とお願いしつつ(ジェスチャーで可)、しっかり見張っていないと、広蔵市場にあるユッケと生レバの店のレバみたいな、サイコロ状の、もしくは厚切りの、日本人の口には全く合わない塊に切られてしまう恐れがあるので、ご注意を。 -
最近はお酒も飲みたい物を持ち込んでいます。
ソジュは味わう為でなく酔う為だけに飲むもので、日本で言えばホッピーみたいな一品。残念ながら「味」と言えるようなものは無い・・・とは、夫の意見でもあれば、友人である韓国人の言葉でもあります。
持ち込み料なんて野暮なものは取られません。
以前は店に置いてないマッコリを頼むと、店員がわざわざ外へ買い出しに行ってくれたのですが、忙しい中私達だけの為に、というのも申し訳ないので、今は自分で買ってから店に入ります。
ちなみに買ってきてもらうとマッコリは3000w。
自分で買うと1100w。
ワインでもなんでも、どんどん持ち込んで下さいね~。 -
ここで、昨年の夏、議政府の駅前から21番のバスで出かけた楊州にあるスッカマの様子も、行くのはなかなか難しいけれど、紹介しておきます。
目指したのは数年前に一度、「覗くだけ覗いてみたものの、どうしていいか判らず、すごすごと退散した」という残念な思い出のあるところ。
しかしそのスッカマは、おそらく経営難が原因でしょう。
残念ながら閉鎖されていました。
さてどうしたものか・・・。
思案しながらバス停に戻り、目の前の売店に入っていくと、救いの神はあるもので、店主らしきアジョシが
「バスで四つ戻ったところに別のスッカマがある」
と教えてくれます。
そして日差しの強い道端で待つのは大変だからと、私たちに日陰のベンチを勧め、しばらくしてやって来たバスを止めると、運転手に、
「この日本人をどこそこのバス停で降ろしてやってくれ」
と頼んでくれました。
今までに幾度となく出会っている韓国人の親切に、ここでもまた助けられました。
降車バス停は、写真のイゴッリ小学校。 -
快晴の空のもと、バス停脇から山に向かって伸びるなだらかな坂道を進むこと10分強で、
-
スッカマに到着。
「クドゥルチャン ペンション」という名前なのかな? -
平屋の小さな施設は、今までに訪れた幾つかのスッカマの中でも、最も素朴な造りでした。
利用料は8000w。
受付でお金を払うと、例によって厚手のサウナ着の上下とタオルが渡されます。 -
建物の中はこんな案配で、左からスッカマ、土間、お休み処です。
窯の数は8つくらいだったかな。
客はまばら。
頑張ってほしいスッカマだけれど、こちらも経営難での閉鎖が心配されます。
覗いてみるなら今のうちかもしれません。 -
建物の裏手には、後ほど窯の中で燃やされる予定の、大量の伐採された木。
この木々は、後ほど炭として使う為のものなら、椚(くぬぎ)や樫(かし)の様などんぐりの出来る硬い木なんでしょうが、少し前に黒田福美さんがレポートしていた某スッカマではクスノキが利用されていました。
が、この木の山自体はどこのスッカマでも見られる、おなじみの光景です。 -
しかし、他のどこのスッカマでも見たことのない光景もあって、その一つは建物の奥にある、この快適な木陰のお食事処。
-
食べ物や飲み物は、木立ちの下のテーブルまで、お兄さんが厨房から配達してくれます。
ビールと焼肉で、昼間から盛り上がるアジュンマたち。 -
私はスッカマで火照ったツチノコふくらはぎ(夫の命名)をクールダウンさせながら、ビールアジュンマと片言韓国語会話を交わし、
-
キムチチゲでお腹を満たした後は昼寝。
至福のひと時。 -
日除けの傘の下を、心地よい風が吹き抜けます。
-
そしてこちらはもう一つの珍しい光景。
但し、どこが珍しいのかは、何カ所かのスッカマを体験した方にしか判らないはずですが、ここは窯の入り口がトンネルではなくて、写真のようなドア。 -
どういう事かと窯の裏側に回ってみたら、なんと、トンネルはドアの反対側・裏側にあって、そこが煉瓦と土で塞がれていました。
-
さ、帰ろう。
ここを教えてくれた売店の親切アジョシに大感謝の一日でした。 -
そして帰国前日の、これまた早朝。
6時半のバスに乗るべく、江南の高速バスターミナルにやって来ました。 -
目指すは、利川(イチョン)のさらに西の驪州(ヨジュ)と言うところにあるスッカマです。
江南の高速バスターミナルからはバスで約1時間(5700w)。
終点は驪州のバスターミナル。
スッカマについては、「窯の数は10」という事しか知りません。
けれども行き方は簡単。
ソウルのスッカマ、そしてカマコルランドを体験した後は、是非ともこちらにチャレンジしてみてください。 -
全席指定のバスの乗客は9人だけでした。
-
エンジンがかかると車内灯が消され、代わりに青赤緑の細くて怪しい明りが天井を走り、フロントガラスの中央上部には音が消されたテレビが映されます。
その映像が窓にも反射して、前を見ても右を見ても、必ず目に入ってくるテレビの画面。
ほとんど全ての客は就寝中です。
寝ている客はもちろん見ない。
起きている客にとっては、ただただ鬱陶しくて不快なだけのテレビ画面。
しかも、朝の6時半の田舎方面に向かう道だというのにけっこう混んでいて、20分くらいはノロノロ運転でした。
日曜日のこんな早い時間に、ソウルの皆さんはどこへ行こうというのか?
しかし渋滞を抜けると、その後は快調。
ようやく明るくなってきた7時半頃、驪州のバスターミナルに到着しました。 -
人もまばらな小さく寂しいバスターミナル前にはタクシーが待ち構えていたけれど、海外では基本的に客待ちしているタクシーには乗らないことにしています。
韓国でタクシーにおかしな真似をされたことはないけれど、一応用心。 -
幸いにして流しのタクシーも多数。
拾ったタクシーの運転手は、ソウルの定宿のフロント女性に書いてもらったスッカマの住所を見せると、直ちにガッテン承知とばかり、市街地と最後の短い山道以外は、120キロでブッ飛ばしてくれました。
スッカマまではわずか7~8分。
料金は11000w。
ソウル市内からカマコルランドに向かうのと、そう変わらない時間で到着できました。 -
随分と広そうな敷地に入ると、まず迎えてくれたのはバンガローのような建物の行列。
-
そして、敷地のずっと奥の方にもキャンピングカー状の宿泊施設。
-
それぞれのキャンピングカーの脇に建てられたテントの中では、焼肉が楽しめるようになっていました。
他にも、テントが張れる芝生のキャンプ場があり、池があり、観葉植物が植えられた大きなビニールハウスがあり、鶏小屋があり、四輪バギーが楽しめるコースが用意されていたり・・・。 -
そうそう、こんな謎の建物もありました。
-
そしてこちらがなかなか立派な構えの正面入り口。
-
受付で払ったのは9000w。
本当は11000wのところを、割引料金にしてくれたみたいでした。 -
奥に進むと、あまりの田舎でお客さんの数が少ないのか、かなり小さなロッカールーム(写真は男性用)。
-
受付の手前の売店に置いてあったこんな物件に、
「なんでまた浮き輪?」
と疑問を感じながらサウナ着に着替えました。
が、スッカマがどこにあるのかわかりません。 -
受付に戻ると、嬉しいことに日本語が出来る男性マネージャーが出てきてくれて、
-
「この階段を上がってまっすぐ進んでください」
と言います。
階段の上にスッカマ?
この建物の2階にスッカマ?
「???????」
と、
頭の中を「?」マークで占領されながら、 -
売り物らしいこんな大きな炭がたくさん飾られている踊り場を通過して2階に上がると、
-
右手は食堂でしたが、
-
指示されたまっすぐ方向には、外に出られるらしい扉がありました。
「この向こうにスッカマ?」
と、扉を開けると、 -
そこにはまさかの水色。
-
湯気もうもうの室内温水プールがあったのでした。
この旅は南国経由のソウルだから、当然水着も持参していてたのに!
こんなに寒い韓国の片田舎のスッカマで温水プールに出会うなどとは夢にも思わず、当然ながら、水着は宿の旅行カバンの中です。 -
しかし、浮き輪の謎もこれで解決。
-
より温かい、お風呂のようなミニプール(?)もあり、
-
小さなサウナも設けられ、
-
プールの奥の扉を開けると、
-
そこはこんな感じの、暖かなオンドル休憩室。
そしてその休憩室の、プールとは反対側の扉を出ると、
そこが、 -
スッカマになっているのでした。
お客さんの姿はここにも無く、またもや一番乗り。
それはそれで嬉しいけれど、
ああ、水着!
温水プール! -
残念な気分を切り替えて貸し切りのスッカマで暖まり、土間に出てみると、一つの窯に太い木がぎっしり詰め込まれている最中でした。
-
立てた木の上にも寝かせた木をぎっしりと押し込み、詰め終えたら、程よい大きさの煉瓦を積み重ねて土をこね、
-
トンネルを塞いでいきます。
-
そして、上下に残された二つの穴。
-
その上の方の穴から数分間、ガスバーナーで点火作業が行われ、
-
風が送られ、
-
完全に火が付くと、上の穴は塞がれます。
このまま多分一週間放置。 -
そのお隣の熱々のコッパン(花房)の前には、ごろ寝アジュンマたち。
私たちも窯に入ったり出たり、目の前のオンドル休憩室でゴロゴロしたりしていると、ぼちぼち昼食タイムです。 -
先ほどの食堂に戻ってサムギョプサル(1人前13000w×2)を注文しましたが、肉が焼けるような設備は無く、焼肉客用の食堂は、この小さな厨房の裏側。
-
綺麗な焼肉部屋がありました。
-
運ばれてきたのは、例によって肉厚の巨大な豚のバラ肉。
-
そして、振り掛けられている、と言うより、乗っけられているこの塩の塊の大きさ!
肉は美味しかったけれど、ちょっと残念だったのは、炭火の火力の弱まり方が早かった事です。
韓国の焼肉屋では、注文した肉が勝手に全部、焼き網に乗せられて焼かれてしまう、という事があるらしい(そういう店には行ったことが無い、と言うか行かない)のですが、
そこには、
「韓国人は、食べる肉の量が半端でなく多いうえ、食べる速度も速いから」
という理由だけでなく、
「炭火などの燃料費をけちりたいから、火が強いうちに全部焼いてしまう」
という思惑も、店によってはあるように思えてならないけれど、どうなんだろう?
先に書いた馬場(マジャン)のお持込焼肉の店ではもちろんそんなことはなく、自分のペースで肉を焼き、ビールやマッコリを飲みながら、のんびりと2時間以上かけて、格安焼肉を楽しむことが出来ます。
たっぷりの肉とアルコールで満腹、満足。
そして昼寝の快楽。
最後にもう一度スッカマで暖まったら、時刻はすでに3時。
帰りましょう。 -
朝の8時から午後3時過ぎまで、たっぷりとこの旅最後のスッカマを堪能し、さて帰ろうかとロッカーに着替えに戻った夫は、そこのトイレのトイレットペーパー上に、一冊の文庫本を発見したのでした。
-
それは、夫がこの朝トイレに持ち込み、夫の表現によると「出しながら読んだ」日本から持参の一冊。
作曲家で名エッセイストでもあった團伊玖磨さんの文庫本。
活字中毒の夫は、異国の田舎のスッカマのトイレに、危うく、パイプのけむりを置き去りにするところだったのでした。
気付いて良かった良かった。 -
迎車料金などとらないタクシーを呼んでもらって、驪州バスターミナルに戻ります。
そしてガラガラのバスでソウルへ。
スッカマを含むこの施設の名前は
「ヨジュ チャムスッマウル オートキャンプ」
スッカマも楽しめる広々としたオートキャンプ場、と言った感じかな。
この旅では、ここに紹介していない他の、田舎のスッカマや伝統的なチムチルバンにも行きましたが、いずれにしても、スッカマのおかげで寒い季節の韓国旅がとても楽しいものになったことは確かです。
次の韓国旅は3月下旬の予定。
今度はプールも楽しまなきゃ。 -
最後に。
ヨジュのスッカマに行く際は、タクシーの運転手に写真のパンフレットか先の名刺の拡大コピーを見せれば、簡単に通じます。
これも夫が一人でここに行くときに使う手。
では行ってらっしゃい!
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この旅行記へのコメント (4)
-
- まむーとさん 2018/02/08 13:02:43
- 行きたい!スッカマ!
- はなだいこさん、こんにちは!
スッカマの様子を見せて頂いて、経由でいいかな韓国と思いかけていた気持ちがゆっくり滞在しなくちゃと言う気持ちになりました。
スッカマで食べたりゴロゴロしたりしたいです。あんなにキャンプとサウナが合体して合理的でバッチリなのに経営難とは残念な事です。
はなだいこさんの旅行記で日本人が増え、経営が安定するかも!
そうそう、スッカマ。まるで陶芸の釜です。ほんとそっくり!
- はなだいこさん からの返信 2018/02/10 11:22:30
- スッカマ
- アンニョン まむーとさん
ソウル駅から10分ほどの施設は、スッカマを体験しつつ、スッカマ代だけで宿泊もできるから、一度利用してみたら面白いと思いますよ。
中で食事もとれるし、スッカマ前始発ソウル駅行きのバスも次々と来ます。
これぞ海外旅行の醍醐味・異文化体験といった感じを味わえるかも。
ピーコス君といい娘さんといい、自分がどれだけ貴重な旅行体験をさせてもらっているか、十分に理解できる年齢では無いかと思いますが、母親との凄い二人旅。
宝ですよね〜。
旅自体も宝だけれど、母親が残した、と言うとまむーとさんがもうこの世にいないみたいだから、母親が記録した旅行記も宝だと思います。
3月にいらっしゃるようですが、ソウルの冬の旅にタッカンマリは外せませんよね〜。
私たちも必ず行きます。
それはそうと、先月で生誕半世紀を迎えられたんじゃなっかたかな。
遅ればせながらおめでとうございます!
うちの夫も3日前に一つ年をとりました。
ではまた
はなだいこ
- まむーとさん からの返信 2018/02/10 13:34:51
- オリンピック始まりましたね〜
> ソウル駅から10分ほどの施設は、スッカマを体験しつつ、スッカマ代だけで宿泊
よさげですね! 行きやすそうですし次回は!
やはりゆっくり韓国ステイしなければです。
私はすごく怖がりで常に緊張しているので子どもは私のお守りみたいなもので。。。子どもが付いてきて来てくれるので行動が出来る感じで、もう少し肝っ玉がほしいです。
> 母親が記録した旅行記も宝だと思います。
ピーコスが小学生の時に土用の鰻の骨が刺さり、遠方の病院に深夜ドライブ受診をして、帰宅する時に緊張のせいでパニック発作?を起こして救急車に乗りました。
その辺りから、「私」を残さねばと思いました!
ピーコスは、毎日顔の感じが変わるほど成長していて思春期の反抗期。あの時のピーコスはどこにいったんや?です。
> うちの夫も3日前に一つ年をとりました。
そうなんですね!
私の節目を覚えてくださりありがとうございます。
今日、アンケートで50代に丸をせず40代にしました。まだしばらくはアンケートだけでも抵抗します。
夫さんも同じみずがめ座なんですね!
より親しみがわきました!
誕生日月間を楽しんでください!
私は1月ですがまだ誕生日月間中を楽しまねば♪とおもっています。
-
- unotvxqさん 2018/02/05 12:24:24
- 楽しい!
- 凄い、潜入レポート!!
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