台湾旅行記(ブログ) 一覧に戻る
2017年に「日々更新中、お楽しみに。」と書いていたが、2018年、再び登ってしまった。よって、こちらは完結。2018年夏の玉山縦走登山を御覧ください。<br /><br />プロローグ<br />「N隊長が昨夜交通事故で亡くなった」2017年九月、台湾鬼月が閉じたその早朝、私に届いた一通のメッセージ。今回の玉山登山はここから再びはじまった。<br /><br />「N隊長がなくなった今、意味がなくなった。不謹慎ではないか。正直、不吉な感じもするよね。登山隊を解散する?...皆の意見は?」<br />しかし全員の心は、一つであった。<br />「N隊長の遺影を持って登山し、彼の台湾駐在最後の熱い想い、最高峰登頂目標を達成しよう」こうしてN隊長の替わりに私が隊長となることが決まった。さらには、N隊長の空白に彼の大学時代の親友が参戦することになった。こうして玉山登山再挑戦プロジェクトが新たな気持ちで開始したのであった。<br /><br />そして「登頂日が12/1に決まりました。皆さんはOKですか?今からだと空いているのはここしかありません。12月からは冬山になりますから初心者にはギリギリのタイミングです」ガイドの林さんからメールがあった。<br /><br />台北集合 8:30<br />集合は、台北の地下鉄南京松江駅出口。昨晩日本から到着したメンバーを含め総勢6名。しかし一名がこない。ハラハラしていると渋滞に巻き込まれているとのメッセージ。10分遅れで到着。20人乗りのバスに6人は相当贅沢だ。どんなにくつろいでもまだまだ広さがある。台湾人とのバスは、必ず車内カラオケが始まるが、日本人だけだと静かな雰囲気で心地よい。ガイドの林さんからレクチャーを受けながら台北を離れた。<br />途中、ドライブインで食事休憩。本当は一テーブルいくらの見積もりだったのだが、好きなものを食べたいので個別に頼めるレストランに変更した。冷たい有料の冷たいウーロン茶を頼んだらポットで冷たいウーロン茶が出てきた。そしてこれはサービスとのこと。しかししっかり冷たいウーロン茶料金が入っていたから全然サービスじゃないじゃん。別の飲み物を頼めばよかったのか、不思議な店である。<br /><br />阿里山 <br />到着。もう少しで夕陽を見られる。神木があるので宿の横から森に入っていく。新鮮な空気。湿った森が心地よい。正直、一日で高度順応ができると思ってはいないが、神の宿る森を歩き体調を整えた。下に抜けられるとのことだったが、どん詰まり。宿の人、ちゃんとわかっているのか。しかしここは台湾である。よくあること。もとの道を引き返した。そして夕陽を拝んだ。実は、台湾気象庁によると本日から登山終了まで豪雨予報。今日はなんとか太陽をみられたが明日から天気が崩れるとのこと。ちょっと憂鬱になる。<br /><br />部屋選択 安い部屋は板ベッド、高いけど新館部屋がおススメ<br />旧館に宿泊。歴史を感じる。というのは嘘でカビ臭を感じるからそうなるのだ。おまけにベッドは板のように固く、もぐってみたがじめっとしている。メンバーの一人が新館に部屋を変えるというので見に行ったら、明るく爽やか暖かい。なんじゃこの差は! このホテルにするのだったら新館にしてください! 1000元高いだけです。この差は大きい。<br /><br />晩御飯 ビール一本120元<br />晩御飯は全員のテーブルにちんこい鍋が一つ。エビちゃんが3匹。これゃけんかになるだろ。エビを食いたいがいやしいと思われるので少し我慢。しかし結局腹の中におさまった。待つものである。しょぼい夕飯だと思っていたら次から次にプレートが出てきて結局食べきれなかった。まずはビールで乾杯だが、台湾ビール1本120元。これは高いよね。明日山に持って行こうと思った焼酎を勝手に開けて飲み始める。あっという間に2/3を飲んでしまい、危うい、山荘の酒がなくなるというので、何とかやめにした。あとは寝るのみ。星が満点に輝いていた。なんということでしょう。<br /><br />阿里山の日の出鑑賞は必須。二箇所の観望台あり。<br />朝は、5時過ぎに起床。外を見るとまだ星がまたたいている。天気予報が良い方向に外れている。実は阿里山で日の出を見るのは結構難しい。チャンスがあれば絶対に見るべし。このホテルから沼平駅までは、徒歩3分。目の前である。駅舎に到着すると20名ほどいた。ガラガラである。しばし駅に住んでいる犬と戯れる。前回は、満員で苦しかった。今日は、大丈夫だろうと思ったら甘かった。始発の阿里山駅からすでに満員であった。そして一番列車は、この駅に止まることなく目の前を通り過ぎで行く。すぐくる二番列車を待つ。気温10度。結構寒い。座りたい人は、始発駅近くに泊まるべき。登りは、満員の中40分ほど立っていくことになった。外はくらいので景色も楽しめない。そして終点に到着。階段を登るとこの展望台は、鈴なり満席。日の出を見る場所がない。ゆったり出来る坂の先の展望台を目指した。結構遠く15分ほど歩く。体力が消耗しないかハラハラした。雲海が素晴らしい。朝日を待つ。なんと玉山主峰の横から太陽が昇ったではないか。パワーを全身で受け止める。あの遠い主峰に今、人が立っているのか、明日は、私が立つのか、なんとも不思議な感じである。こちらの展望台は、広くおすすめであった。朝日が昇ったらさっさと帰路を急いだ。一番列車に乗らないとホテル出発がすぐで朝飯が食えない。慌てて駅に向かう。すでに目の前の展望台にいた人で満席。また立って帰る。また体力を消耗してしまう。そして朝食、ホテル送迎バスで私達のバスまで運んでもらいセブンイレブンで玉山登山の昼食を購入。重さが軽いものが良い。パンとおにぎりを購入。皆はポカリ等の飲物を購入。この後、売店は無い。<br /><br />玉山塔塔加(タタカ)登山口へ。<br />バスは、山道をグニャグニャと登り駐車場に到着。皆ハイテンションである。ここでまずトイレに。そしてちょこっと徒歩で登ると登山チェックポイントに到着。ガイドさんが計画書を申請。その上の建物でパスポートチェックが有るはずだが、送迎車の運ちゃんしかいない。ここから車に乗り込み登山口に向かう。実はここからしばらく歩ってしまったのだが、車に乗りましょう。登山口まで結構遠いのよ。そして10分ほどで登山口到着。さあ、団体で気合を入れ記念写真を撮り、登山開始。<br /><br />痛恨のリタイア。<br />登山開始から15分。一番手の女性が突然歩けなくなってしまった。呼吸困難になったという。さあ、困った。ガイドさんが本人の体調と意向を聴き、本人は無念のリタイア! なんということでしょう。まさに人生そのもの。何が起こるかわからない。本人しか体調はわからない。しかし彼女は自らリタイアを表明。悲しかっただろうが、すばらしい決断だったと思う。山を本当にわかっていると思った。まだ若い。来年もチャンスがある。私たちは、こういう場合、言葉を持っていない。後ろ髪をひかれながら、二人分の気持ちを背負い登山することになった。<br /><br />休憩は4回。<br />案外少ない休憩だ。ただしガイドさんが、初心者に合わせかなりスローペースで登山したので、疲労は少ない。下山者は多いが、登山者には、ほぼ会わなかった。阿里山日の出を見た分、かなり遅いスタートになってしまったようだ。たんたん、たんたん、たんたんと登る。道は綺麗に整備され絶対に迷うことはない。体力が勝負である。休憩所もきれいな建物でゆったりしている。登山だけ見たら初心者でも全く問題ないコース。しかし暑い。暑くて太陽がジリジリしている。半袖短パンの外人もいたが正解である。日焼けが怖いくらい。先週まで氷がはっていたとは思えない。暑い。体力が消耗する。途中、冬山準備のすべての服を脱ぎ去った。今日の予報は豪雨なのにピーカン。雲ひとつない。なんてついているんだ。しかし暑い。夏山登山などどうなるのだろうね。今は12月の初冬登山。休憩所で昼飯。鳥が懐っこい。<br />そしてここでまたアクシデント。登山経験が一番ある男性が、脚が動かないというのだ。事前の練習不足である。私たちは、ガイドさんの指示で先に行くことにした。もしここでリタイアだとここにビバークするしか無いだろう、と思いながら。また後ろ髪…。<br /><br />山荘到着。<br />厳しい。とても規則が厳しい。台湾とは思えない。下足でペタペタしちゃいけないし、空いていたのでベッド位置を二階に勝手に変えたら怒られた。規律正しいのは好感が持てる。トイレは外に。男女兼用。女性用の着替え室有り。冬期は水が少なく厳しい。顔は洗えるがシャワー等はない。水は暖かいものが用意されているが「洗いに使うな」と書いてあり厳しい。寝袋は、山小屋に置いてあり使い回し。しかし臭くなかった。ダニもいなかった。環境は、とてもよろしい。ごはんはうまい。三種から選べる。ごはん食べ放題。うれしいね。酒、飲み物等の販売は一切なし。持参のみ。<br /><br />高山病でドイツ人が。<br />同室の2m近いドイツ人台湾留学大学生。夜に浮かれポンチだったのに、朝になってピクリと動かない。まさか、死んだ?? 急ぎガイドを呼び様子を見る。完全なる高山病。青ざめ震えている。ヤバイ、ということで急遽彼とガイドで下山。どんなに体力があり若くとも高山病になる。高山をあまくみちゃいけない。よくわかった。<br /><br />カップ<br />一個は、持参したほうがよいね。酒を飲むのにも。<br />その他の箸、茶碗等、食事用品は一切必要なし。<br /><br />消灯21:00<br />電気は、自家発電なので21:00でピタリと消える。<br />携帯充電は一階入り口右横でできるが、はやいもんがち。五個くらい差込口あり。<br /><br />イビキがとてもうるせえので、耳栓か消音イヤホンは必須。<br /><br />起床02:30<br />日の出見るためにためにさっさと起床。とても寒い。寝袋は、たたむこと。<br />荷物は、寝床に置いておくことができる。頂上アタック荷物のみ持っていく。貴重品は、持っていかないとだめだよ。<br /><br />食事内容2<br />おかゆ。食べ放題。しかしさっき食べたばかりだ。<br /><br />装備<br />登頂アタック用品のみ。冬登山なので防寒具、雨具は必須。ないとほんと死にます。ヘッドライト。スマホ(カメラがわり)、充電器(寒さでバッテリー死にます)、スキー帽子、スキー手袋、マフラー、ペットボトル水、飴ちゃん等の非常食。これだけあれば大丈夫。<br /><br />出発03:30<br />みんなで一斉に登山。ペースは、極めて遅い。前がつかえるとえんえん待ちます。ジンジン寒さで痺れます。あとは、ダラダラ登ります。森林限界を超えます。登山者のライトが頂上に向かいキレイ。焦らずにね。時間たっぷりあります。<br /><br />登頂成功! 06:00<br />頂上寒いです。風強いです。なめちゃいけません。頂上にずっといたら低体温症です。ちょっときつい岩場を20分も登れば頂上ですので、日の出直前まで下の岩崩待避所にいるのが得策です。まったくの霧で日の出見えず。残念無念。<br /><br />旗、あるいは記念品との撮影<br />日本国旗を掲げ、N隊長の遺影と一緒にイェーィ。N隊長と一緒に撮影。登った友人とバンザイ三唱。ほんと嬉しかった。N隊長も底抜けに明るかったのでOKだろう。これで成仏してくれると思いました。肩からN隊長が降りるのを確認。やっと肩の荷がおりました。登ってよかった。それにしても頂上石碑での記念撮影が大変。早めに撮ってしまうか、皆が下山した後に撮りましょう。別の日本隊は、ダラダラ撮っていて台湾人から大ブーイング。彼らは中国語がわからないからいいようなものの、結構ひどいことを言われていましたが、当たり前。30分も待っていたら低体温症になります。前もって、何を撮りたいか何を持参するかを考え、さっさと譲りましょうね。<br /><br />一度、下山。<br />とうとう何も景色が見えないまま下山しました。<br /><br />そして二度目の頂上アタック。<br />しかし、山荘まで半分下山したところ、いきなり雲がすっとび青空が見え始めた。すかさず私は、再度頂上アタックへ戻りました。再び頂上に立ちました。私だけ青空の中、写真を取ることに成功しました。嬉しい。体力は、残しておくものです。<br /><br />山荘にて。<br />食事内容 ラーメンがあります。<br />とても美味しいです。温まりました。荷物まとめて下山。<br /><br />下山 08:00<br />さっさと下山。下りは「技術」。脚に結構きます。早くおりたくなるのよね。でもほんと事故が起こるのは油断したとき。気をつけましょう。<br /><br />登山口から台北<br />登山口に戻るとシャトル送迎車が来ます。自分の隊が集まったら出発。隊の名前が登録されていれば、事前に支払っているので勝手に乗ってもいいけど、なかったら乗車料を没収されます。バスが停車している塔塔加サービスエリアでご飯。豪華であった。<br /><br />そして、台北に帰りました。<br />終了<br /><br />-備忘録<br />下山登山口で乾杯したい場合。ビール事前に準備。<br />運転手に頼むか、事前購買しバス中に置いておく。<br /><br />--玉山登山について<br />中高年(あるいは台湾登山初心者)のための台湾最高峰玉山登山(大日本帝国最高峰新高山)ガイド。明治天皇が名付けた大日本帝国最高峰、富士山より高い山「新高山」について記述する。私は、夏山と今回の冬山で三回頂上に立った。また前回は、玉山が全望できる北峰登頂と八通関から東捕温泉への縦走をした。玉山主峰ルートはきれいに道が整備されています。わりと楽なルートです。ピークに登る最後の瞬間をのぞき、トレッキング気分で登れます。しかし実は、公表されていませんが、山岳協会ガイドによると年間10数名の登山客が命を落としているのです。しっかりした計画が必要な山です。<br /><br />玉山概要<br />-標高 主峰は、3,952m 台湾最高峰であるとともに東アジア最高峰。<br />おもに台湾中部の南投県にある。付近の山としては、<br />玉山東峰:標高3,869m,台灣第四高峰,玉山北峰:標高3,858m,山頂に玉山気象観測所、主峰の眺めが素晴らしい、玉山南峰:標高3,844m、玉山西峰:標高3,518m,山頂には日本統治時代の西山神祠あり。玉山前峰:標高3,239m。<br />-気候:亞熱帶、暖温帯、冷温帯及高山寒原帶を含み、冬季には積雪あり。<br />-歩行距離 、各ポイント標高 <br />メインの玉山登山口、塔塔加(タタカ)(2610m)から中腹の排雲(パイユン)山荘(3402m)まで10km、792m登る。そして山荘から頂上まで2.5km。計12.5km。単純往復が一般的。<br />-塔塔加(タタカ)登山口<br />メイン山岳道路横の駐車場を降り、少し徒歩で登り建物でガイドさんが登山申請書提出チェック待機、すぐ上の建物でパスポートチェック(無いときあり)。そして待機するシャトル車に乗り登山口まで運んでもらう。時間は10分程度。下山は、登山口に待機するシャトル車に乗り一気に駐車場まで運んでもらう。チェック無し。運賃は登山見積に含まれる。<br />-排雲山荘<br />山荘は新築済み。以前の古い山荘では大部屋雑魚寝状態で場所取りでもめたが、今は、小さい部屋ごとにゆったりとした広さで寝袋で宿泊できる。自分の寝場所は番号ですべて決まっているので安心。トイレは水が少ない秋冬時は小屋の外のみ。男女兼用。玄関で登山靴を脱ぐ。外には用意されている外用サンダルに履き替える。中にもサンダルがあるが、自分でサンダル、スリッパを用意したほうが気分が良い。ちなみに知らずに外内兼用で履いていたら見つかってダメダメと怒られた。ペーパーは用意すべし。シャワーは使えないので身体はタオル水拭き。温水無し(11月は外気0-10度)。飲み水は、室内タンクに用意あり。しかし歯磨き等にも使ってはいけないの表示。ここでの水は貴重品。ちなみに一階に着替え室あり。寝室についててだが、10人程度で一室。上下二段の木製寝どころになっている。うまい行けばワンパーティー一室になる。寝袋は持参してもよいが、山荘にて準備・貸与、料金に含まれている。正直汚いと覚悟していたが、意外にも虫も臭いもなくきれい。枕はないので自分で適当に。<br /><br />-頂上アタック<br />頂上直下の落石防止シェルター付近までは、だらだらと登り続ける。酸素濃度が低い(地上の60%)ので焦りは禁物。粛々と登る。ヘッドライトは命綱。絶対に忘れないように。シェルター以降は最難関となる今までにない岩壁登山。道は明確になっているが直角登りをするような場所もあり手足を使って登る。踏み外すと命の危険あり。ここが最後の正念場。一週間前(11/20ころ)にはこの岩壁が降雨で岩場が凍り滑り登山を断念した方もいる。翌日(12/2以降)は高山一帯が雪に覆われた。こうなると普通の登山は厳しい。ちなみに私は、この日、シェルターから二度頂上に立った。いったん下山してから太陽が突然出たため再度頂上アタックを行い無事に晴天の景色を眺めた。頂上は案外広い。写真の頂上を示す石碑の向こう側では風よけ休息ができる広いスペースがある。ちなみにピーク時にこの石碑での写真撮影で順番待ちの行列ができる。風がとても強く体温が奪われた。日本人パーティーがいたが撮影を長く続け後ろからブーイングが飛んでいた。ここは外国。バランスの取れた行動をしたい。撮影スタイルは様々。代表は国旗、社旗、垂れ幕、好きな人形、仮装、フェースペイント等々。撮影の格好も様々で楽しい。団体全員で撮影後、個人で撮影するのが一般的。ちなみにこのピークを過ぎるとだれもいなくなる。下山体力に自信があるなら最後までだらだらしていよう。いくらでも好きな写真がとれる。撮影は登山で頭の中がいっぱいになるので、事前にイメージして用意すべし。<br /><br />-費用<br />私以外は台湾山岳登山初心者なので「台湾山岳協会」に直接、すべて安心こみこみで手配した。これが玉山登山費用Maxとみてよい。台湾登山旅行会社を使えばさらに安くなるのだが、台湾登山協会経由だと日本人扱いにも慣れていて安全安心。私たちのガイドは、年間30回程度玉山に登っている協会の親分を手配。へんな日本語ok。今回は一人6万日本円。ちなみに前回(10年前)は台湾人のための玉山登山旅行会社ツアーで3万円ちょいだった。<br />------------------------------------------------------------------------	<br />日本人6 名 玉山見積書り 2017/11/29-12/01		<br />名称	明細	台湾$料金	備考<br />11月29日(台北から高度順応の前泊地、阿里山まで)<br />1.朝食(車内)、昼食(ドライブイン) 自費<br />2.夕食(ホテル内)	$600/1名 x 8名	$4,800 含登山指導員、運轉手<br />3.宿泊費 阿里山閣大飯店(平日)(朝食付き)<br />二人部屋$2,200 x4室	$11,000 	含登山指導員、運轉手<br />			<br />11月30日(阿里山から玉山山荘まで)<br />1.朝食(宿泊費込み)<br />2.昼食(宿泊地の7-11コンビニで購入)自費<br />3.排雲山荘宿泊費等<br />a.夕食含(夕食)+翌日(朝食)+貸寝袋 $1,000/1人x7人(含指導員) $7,000 <br />b.排雲山莊(素泊)$550/1人x7人	$3,850 含指導員<br />3.運転手待機費用 参加者負担<br />a.食事 $1,000 <br />b.阿里山閣大飯店(平日)	一人部屋$2,200 	$2,200<br /><br />12月1日(頂上登山、下山、台北に)<br />1.朝食(込み)<br />2.昼食(塔塔加レストラン) $600/1名 x 8名 $4,800 含登山指導員、運轉手<br />3.夕食(台北) 自費 火鍋屋で打ち上げた。<br /><br />中華民國山岳協會 費用部分			<br />1.中華民國山岳協會(申請費)玉山	?人$1,000/1人x6人	$6,000 	<br />2.登山指導員費	$4,000/1日x3日	$12,000 	11/29-11/30<br />			<br />その他費用(入園券等)			<br />1.阿里山森林遊樂區(入園券)玉山 $300/1人x7人	$2,100 含指導員<br />2.上東埔駐車場駐車代 $100 	<br />3.塔塔加登山口シャトル $100/1人/片道x往復x7人 $1,400<br />4.旅遊保險	$150/3日x7人	$1,050 	11/29-12/01<br />		<br />交通費  (台北-玉山貸切バス)			<br />車のチャーター費用(20人席)	$12,000/1日x3日	$36,000<br />高速道路通過料金		$1,000 <br />------------------------------------------------------------------------	<br />総合計$95,100<br />一人 $95,100/6人=$15,850- (約6万日本円 レート3.76)<br />(以上、台湾山岳協会直接手配)<br />その他自費としては、食事代・飲み物、阿里山鉄道等で$1000(3<br />,800日本円)程度。<br /><br />-行程<br />1日目(11/29) 阿里山と高度順応<br />台北市内(8:30出発)-高速サービスエリア休憩10:30-ドライブイン昼食(13:00)-阿里山ホテル到着(15:30)-阿里山神木散策-夕日鑑賞-夕食(18:30)-休憩・就寝<br />2日目(11/30) 阿里山日の出と玉山登山初日<br />起床(5:00)-阿里山頂上行汽車(5:30)-阿里山頂上(6:10)-日の出(6:40)-下り列車(7:10)-ホテル朝食-ホテル専用車出発(8:00)-阿里山駐車場にて自分たちのバスに乗換-コンビニ買い物・出発(8:30)-塔塔加(タタカ)駐車場(9:00)-塔塔加(タタカ)登山口(9:30)-メイン休憩(11:00、13:00等)-排雲山荘(16:30)-夕食(17:00)-休憩・就寝<br />3日目(12/1) 阿玉山主峰アタック-下山-台北<br />起床(2:30)-第一回朝食-出発(3:00)-山頂(6:00すぎ)-下山(7:10)-再登頂-自分のみ再下山(7:40)-排雲山荘(9:00)-第二回朝食-出発(9:30)-休憩等-塔塔加(タタカ)登山口到着(13:00)-他メンバー到着を待って登山口出発(14:30)-塔塔加昼食(15:00)-台北到着(21:00)-うちあげ<br /><br />-今回のパティー 全員日本人。駐在者と日本からの旅客混合チーム。<br />30台女性2名<br />40台男性2名<br />50台男性2名<br /><br />-事前準備<br />地道な登山練習を積むこと。健康管理に気を付ける。これにつきます。ここは外国です。日本ではありません。片言を話す外人はいますが、日本語での詳細な意思疎通は難しい。体力以外、精神的ストレスになります。そのためには、最低体力に余裕を持てるくらいの練習をしておきましょう。今回のトラブルを書きます。<br /><br />1.40台の大学時代山岳部男性のケース<br />体格も立派、大学時代は登山部で経験も豊富。今回、一番実力があると思われた。しかし、登山時に山荘が暗くなっても到達できずガイドさんが山荘から降りて捜しに行った。下山時も先頭メンバーより最終到着が2時間半遅れ、メンバーからも心配な声が上がった。敗因は、私たちも彼とは一緒に登山をしたことがなかった。さらに彼は自己過大評価をし、事前に一回も登山練習をしなかった。そして登山時に脚がつり途中で動けなくなった。ガイドさんからマッサージを受け、幸いにも自力で歩いたが遭難寸前であった。いくら体力に自信があり、いくら登山経験豊富でも、それはすべて過去の栄光。現実を謙虚にみるべきとの教訓になった。私たちメンバー問題としては、本人の経験豊富な言葉を鵜呑みにしたこと。事前にそのパーティー全員で低山でよいので登山し、パートナー全員の性格、体力、精神力を把握しておくこと。これが大事と思った。幸い登頂に成功したが、一歩間違えると事故案件になるところであった。よかったよかった。<br /><br />2.サイボーグと呼ばれた山ガール<br />上記とは逆に、メンバーで登山すると常に元気で、鹿のようにスタスタと跳ねるように登る彼女。今回のメンバー中、非常に熱心で週末は必ず登山練習に出かけていた。素晴らしい体力と精神力。彼女だけは絶対に登山成功と思われた。ところが登山口からすぐのところでリタイアをすることになった。原因は、体内酸素濃度の低下。可哀そうなことに前日に持病のぜんそくが出てしまった。酸素が取り込めず高山病とも診断され途中まで挑戦したが、独自判断で下山決定をした。本当に気の毒である。登山前の体調管理はしっかりしておくことが肝心。しかし持病だけはいかんともしがたい。撤退の意思決定は、悔しいだろうし、私たちもなんとも声がかけられなかった。登山前の健康管理は必須。しかし不調なら、登山には勇気ある撤退も必要である。登山は、何回でもできる。台湾は近い。また挑戦したらよい。<br /><br />3.17歳の身長185cm、元気満々なドイツ男子大学生<br />山荘で同室になった台湾の大学に留学しているドイツ人学生。明るいやつで、英語と中国語で積極的に話しかけてきた。当日も玉山西峰も行ってきたと嬉しそうに話す。ハイテンションのナイスガイ。しかし翌朝見ると息絶え絶えで、やつは死ぬのかとギョッとした。なんと高山病を発症。息が苦しい、動けないという。彼のガイドがやってきてそのまま下山させることになった。考えるとハイテンションだったのは、脳に酸素が足らずちょっとおかしくなっていたのかと納得してしまった。若くていくら体力があっても高山病になる。山荘は富士山なみ高度。勇気ある下山が必要。これも教訓である。<br /><br />-私の練習<br />今年の台北は週末に雨が続いている。登山前二ヶ月間にしたこと。メンバーと実登山練習ができたのは、たった2回。台北一高い七星山(1,300m)に。これでは練習不足は明らか。よってポケモンgoで一日1万歩。7階建て会社階段を速足で毎日1往復。週末は自宅マンション階段を20kg荷物を背負い10往復。一応、これで余裕だったが、実登山はもう少し必要と感じた。<br /><br />-ガイド等<br />中国語ができる体力余裕メンバーがいれば別だが、日本人だけなら少し高くても日本語を話すガイドをお願いしよう。登山時の台湾自然文化理解をしたほうが良い。1900年初頭日本統治時代の日本人もここを歩いていた。ロマンである。ただし英語ガイドは多いが日本語ガイドは少ない。早めの手配が必要だ。私は、台湾山岳協会にお願いした。HPを検索すれば、日本人相手の旅行会社も探せるだろう。<br /><br />-登山日決定と申請<br />玉山登山の注意、申請等については政府登山ページにすべて書いてある。<br />https://mountain.ysnp.gov.tw/chinese/CP_how01.aspx?pg=03&amp;w=1&amp;n=3001<br />日本語もあるにはあるのだが。<br />https://npm.cpami.gov.tw/jp/index.aspx<br />変な日本語かつ中国語でわけがわからないと思う。(私はわかるが)安く上げたい個人・グループの人は上記をしっかり読んで申請してください。<br /><br />しかし一般の方は、登山協会、あるいは旅行社に丸投げしましょう。心理的に楽です。必要なのは、参加メンバー表、グループ名、代表、パスポートをメールするだけで代理申請してくれます。こちらを強くおススメします。<br />申請注意事項<br />排雲山莊のベッド数は116。外人枠というのがあり、実は優遇されている。<br />-- 以下HPの奇怪な日本語を私が日本語に修正した。 --<br />https://npm.cpami.gov.tw/jp/news_4main.aspx?ID=2602<br />外国人のために、玉山主峰の行程を休日を除く、日曜日から木曜日まで、1日につき24名分の外国籍の定員を設けて優先予約ができるようにしています。入山予定日より4ヶ月から35日前までの期間に申請してください。<br />先行申請ホームページと先行申請登山ルート:玉山主峰ルートの2日間(単純往復)の行程。<br /> (一) 英語のホームページ:<br />https://npm.cpami.gov.tw/en/index.aspx<br /> (二) 日本語のホームページ:<br />入園の申請 &gt;&gt; オンライン入園申請&gt;&gt;排雲山荘の先行申請<br />https://npm.cpami.gov.tw/jp/index.aspx<br />--<br />しかし、中国語のページには上記と異なることが書いてあります。こちらが本当でしょう。<br />https://mountain.ysnp.gov.tw/chinese/CP_how03.aspx?pg=03&amp;w=1&amp;n=3006<br />ですから台湾の専門家に任せることをお勧めします。ポイントは「外国人は、外国人優先日に限って、登山予定日の二ヶ月前から一ヶ月前までに申請すると、一か月前に公平な抽選で決定する」です。ですから少なくとも一ヶ月前までに申請するための決定をする必要があります。キャンセル料($1,000)は取られますが、キャンセル可能なので出すだけ出しましょう。また決定期間が間に合わず、そしてもし抽選後に席が空いたりキャンセルが出た場合は、そこに申し込むことも可能です。この辺りは、柔軟だったり何らかの秘密があるので台湾の専門家に任せましょう。当選したか、席に空きがあるかはここからわかります。宿泊日付と宿営地店で「排雲山莊」を選択すると予約状況がわかります。ちなみに「前無相關資料」が出て名前が出てこない場合は、申請を受け付けていない時期です。<br />https://mountain.ysnp.gov.tw/chinese/LocationAppIndex.aspx?pg=01&amp;w=1&amp;n=1003<br /><br />登山期間<br />二月は登山路閉鎖。比較的ベストなシーズンは、5-6月、10-11月。その他は暑い、寒い、台風等々リスクが大きい。<br /><br />装備<br />a.冬山(10、11、12月)登山装備 ザックの中。<br />パスポート、ザック30L程度、雨具(私はポンチョ)、カップ(山荘食事時にスープやホットな飲み物あり)、水筒・ペットボトル、私は500mlポカリ一本でOKだった。登山時の水飲み場はない。山荘では水を供給可。ビール。焼酎はガラス瓶からペットボトルに移した。ヘッドライト、アルペンストック(必要者のみ)。日よけ用帽子(登山時は太陽が強烈)、サングラス、サンダル、手ぬぐい、下着。ティッシュあるいはトイレットペーパー。耳栓。マスク。歯ブラシ。カメラ、スマホ、充電線、バッテリー(山荘で充電はできない、と書いたができる場所あり。しかし奪い合いになるリスク高し) フリースジャケット、ヒートテック下着上下。替靴下&amp;パンツ。貴重品(カギ、最低限の現金とカード類)、イヤフォン。チョコレート、飴ちゃん、せんべい。昼食用のパンとおにぎり。<br />日本国旗、ハチマキ、垂れ幕。コンビニ袋(ゴミ、下着入れに使用)。<br /><br />b.着ていったもの。<br />登山靴、靴下、パンツ、登山長ズボン、長袖シャツ、ゴアテック素材パーカ、眼鏡。腕時計。<br /><br />c.ちなみに山荘から登頂用の携帯荷物は最小限に。<br />不必要な荷物はザックから抜いて山荘に置いて登山すればよい。あるいは小さなナップザックを持つのもOK。貴重品、スマホ、カメラ、撮影グッズ等々を。寒いのでバッテリーがなくなるのでバッテリーは必須。防寒用の衣着(+フリースジャケット、ヒートテック下着上下)、手袋、スキー用帽子は着て登山。ヘッドライトは、早朝真っ暗登山に必須。<br /><br />d.玉山登山前、登山後に必要なものはバスの中に置ける。心配ならすべての荷物を持って行き、天候を見て登山時に本当に必要なものをより分けて持っていけばよい。私の場合は、以下をバスに置いた。<br />着替えパンツ、靴下、セーター、ウィンドブレーカー、傘、予備の水、ピール、焼酎、ウィスキー、髭剃り。<br /><br />e.登山に持って行く必要なし。山荘に用意されている。<br />寢袋、食器、箸等。<br /><br />-ポケモンGo<br />登山口、山荘、頂上とポケモンGOのジムがある。ここにポケモンを置くことは栄誉。山荘の従業員は青組。夜中ぶっ倒してコインをもらったら翌日は彼らの番に。山頂では寒くて手袋必須、かつ電波が拾えないので苦戦。さらには飛人(位置偽装の中国語)もいるようで、置いたらひっくり返された。まあいいか。<br /><br />-登山オプション<br />西峰、北峰、前峰<br />山岳協会、旅行会社に相談してください。事前申請が必要なケースがあります。西峰は、山荘への登山日に、北嶺は主峰登山日にオプションで加えられます。多少体力に自信があれば十分登山可能です。前峰は、主峰に行く登山路の途中から登れます。<br /><br />-縦走 八通関コース 三泊四日<br />山岳協会、旅行会社に相談してください。<br />塔塔加(タタカ)登山口-排雲山荘-主峰-裏側に回り-八通関-山荘宿泊-東埔温泉着<br /><br />参考HP<br />台湾気象協会 玉山國家公園排雲山莊<br />http://www.cwb.gov.tw/V7/forecast/entertainment/nationalpark/<br />排雲山莊 <br />經度、緯度:120.95°、23.46°<br />http://www.cwb.gov.tw/V7/forecast/entertainment/nationalpark/

台湾最高峰「玉山」登山記録 特に中高年、初心者のための登山記録。

11いいね!

2017/11/30 - 2017/12/01

31075位(同エリア47717件中)

0

35

@aoKaeru

@aoKaeruさん

2017年に「日々更新中、お楽しみに。」と書いていたが、2018年、再び登ってしまった。よって、こちらは完結。2018年夏の玉山縦走登山を御覧ください。

プロローグ
「N隊長が昨夜交通事故で亡くなった」2017年九月、台湾鬼月が閉じたその早朝、私に届いた一通のメッセージ。今回の玉山登山はここから再びはじまった。

「N隊長がなくなった今、意味がなくなった。不謹慎ではないか。正直、不吉な感じもするよね。登山隊を解散する?...皆の意見は?」
しかし全員の心は、一つであった。
「N隊長の遺影を持って登山し、彼の台湾駐在最後の熱い想い、最高峰登頂目標を達成しよう」こうしてN隊長の替わりに私が隊長となることが決まった。さらには、N隊長の空白に彼の大学時代の親友が参戦することになった。こうして玉山登山再挑戦プロジェクトが新たな気持ちで開始したのであった。

そして「登頂日が12/1に決まりました。皆さんはOKですか?今からだと空いているのはここしかありません。12月からは冬山になりますから初心者にはギリギリのタイミングです」ガイドの林さんからメールがあった。

台北集合 8:30
集合は、台北の地下鉄南京松江駅出口。昨晩日本から到着したメンバーを含め総勢6名。しかし一名がこない。ハラハラしていると渋滞に巻き込まれているとのメッセージ。10分遅れで到着。20人乗りのバスに6人は相当贅沢だ。どんなにくつろいでもまだまだ広さがある。台湾人とのバスは、必ず車内カラオケが始まるが、日本人だけだと静かな雰囲気で心地よい。ガイドの林さんからレクチャーを受けながら台北を離れた。
途中、ドライブインで食事休憩。本当は一テーブルいくらの見積もりだったのだが、好きなものを食べたいので個別に頼めるレストランに変更した。冷たい有料の冷たいウーロン茶を頼んだらポットで冷たいウーロン茶が出てきた。そしてこれはサービスとのこと。しかししっかり冷たいウーロン茶料金が入っていたから全然サービスじゃないじゃん。別の飲み物を頼めばよかったのか、不思議な店である。

阿里山 
到着。もう少しで夕陽を見られる。神木があるので宿の横から森に入っていく。新鮮な空気。湿った森が心地よい。正直、一日で高度順応ができると思ってはいないが、神の宿る森を歩き体調を整えた。下に抜けられるとのことだったが、どん詰まり。宿の人、ちゃんとわかっているのか。しかしここは台湾である。よくあること。もとの道を引き返した。そして夕陽を拝んだ。実は、台湾気象庁によると本日から登山終了まで豪雨予報。今日はなんとか太陽をみられたが明日から天気が崩れるとのこと。ちょっと憂鬱になる。

部屋選択 安い部屋は板ベッド、高いけど新館部屋がおススメ
旧館に宿泊。歴史を感じる。というのは嘘でカビ臭を感じるからそうなるのだ。おまけにベッドは板のように固く、もぐってみたがじめっとしている。メンバーの一人が新館に部屋を変えるというので見に行ったら、明るく爽やか暖かい。なんじゃこの差は! このホテルにするのだったら新館にしてください! 1000元高いだけです。この差は大きい。

晩御飯 ビール一本120元
晩御飯は全員のテーブルにちんこい鍋が一つ。エビちゃんが3匹。これゃけんかになるだろ。エビを食いたいがいやしいと思われるので少し我慢。しかし結局腹の中におさまった。待つものである。しょぼい夕飯だと思っていたら次から次にプレートが出てきて結局食べきれなかった。まずはビールで乾杯だが、台湾ビール1本120元。これは高いよね。明日山に持って行こうと思った焼酎を勝手に開けて飲み始める。あっという間に2/3を飲んでしまい、危うい、山荘の酒がなくなるというので、何とかやめにした。あとは寝るのみ。星が満点に輝いていた。なんということでしょう。

阿里山の日の出鑑賞は必須。二箇所の観望台あり。
朝は、5時過ぎに起床。外を見るとまだ星がまたたいている。天気予報が良い方向に外れている。実は阿里山で日の出を見るのは結構難しい。チャンスがあれば絶対に見るべし。このホテルから沼平駅までは、徒歩3分。目の前である。駅舎に到着すると20名ほどいた。ガラガラである。しばし駅に住んでいる犬と戯れる。前回は、満員で苦しかった。今日は、大丈夫だろうと思ったら甘かった。始発の阿里山駅からすでに満員であった。そして一番列車は、この駅に止まることなく目の前を通り過ぎで行く。すぐくる二番列車を待つ。気温10度。結構寒い。座りたい人は、始発駅近くに泊まるべき。登りは、満員の中40分ほど立っていくことになった。外はくらいので景色も楽しめない。そして終点に到着。階段を登るとこの展望台は、鈴なり満席。日の出を見る場所がない。ゆったり出来る坂の先の展望台を目指した。結構遠く15分ほど歩く。体力が消耗しないかハラハラした。雲海が素晴らしい。朝日を待つ。なんと玉山主峰の横から太陽が昇ったではないか。パワーを全身で受け止める。あの遠い主峰に今、人が立っているのか、明日は、私が立つのか、なんとも不思議な感じである。こちらの展望台は、広くおすすめであった。朝日が昇ったらさっさと帰路を急いだ。一番列車に乗らないとホテル出発がすぐで朝飯が食えない。慌てて駅に向かう。すでに目の前の展望台にいた人で満席。また立って帰る。また体力を消耗してしまう。そして朝食、ホテル送迎バスで私達のバスまで運んでもらいセブンイレブンで玉山登山の昼食を購入。重さが軽いものが良い。パンとおにぎりを購入。皆はポカリ等の飲物を購入。この後、売店は無い。

玉山塔塔加(タタカ)登山口へ。
バスは、山道をグニャグニャと登り駐車場に到着。皆ハイテンションである。ここでまずトイレに。そしてちょこっと徒歩で登ると登山チェックポイントに到着。ガイドさんが計画書を申請。その上の建物でパスポートチェックが有るはずだが、送迎車の運ちゃんしかいない。ここから車に乗り込み登山口に向かう。実はここからしばらく歩ってしまったのだが、車に乗りましょう。登山口まで結構遠いのよ。そして10分ほどで登山口到着。さあ、団体で気合を入れ記念写真を撮り、登山開始。

痛恨のリタイア。
登山開始から15分。一番手の女性が突然歩けなくなってしまった。呼吸困難になったという。さあ、困った。ガイドさんが本人の体調と意向を聴き、本人は無念のリタイア! なんということでしょう。まさに人生そのもの。何が起こるかわからない。本人しか体調はわからない。しかし彼女は自らリタイアを表明。悲しかっただろうが、すばらしい決断だったと思う。山を本当にわかっていると思った。まだ若い。来年もチャンスがある。私たちは、こういう場合、言葉を持っていない。後ろ髪をひかれながら、二人分の気持ちを背負い登山することになった。

休憩は4回。
案外少ない休憩だ。ただしガイドさんが、初心者に合わせかなりスローペースで登山したので、疲労は少ない。下山者は多いが、登山者には、ほぼ会わなかった。阿里山日の出を見た分、かなり遅いスタートになってしまったようだ。たんたん、たんたん、たんたんと登る。道は綺麗に整備され絶対に迷うことはない。体力が勝負である。休憩所もきれいな建物でゆったりしている。登山だけ見たら初心者でも全く問題ないコース。しかし暑い。暑くて太陽がジリジリしている。半袖短パンの外人もいたが正解である。日焼けが怖いくらい。先週まで氷がはっていたとは思えない。暑い。体力が消耗する。途中、冬山準備のすべての服を脱ぎ去った。今日の予報は豪雨なのにピーカン。雲ひとつない。なんてついているんだ。しかし暑い。夏山登山などどうなるのだろうね。今は12月の初冬登山。休憩所で昼飯。鳥が懐っこい。
そしてここでまたアクシデント。登山経験が一番ある男性が、脚が動かないというのだ。事前の練習不足である。私たちは、ガイドさんの指示で先に行くことにした。もしここでリタイアだとここにビバークするしか無いだろう、と思いながら。また後ろ髪…。

山荘到着。
厳しい。とても規則が厳しい。台湾とは思えない。下足でペタペタしちゃいけないし、空いていたのでベッド位置を二階に勝手に変えたら怒られた。規律正しいのは好感が持てる。トイレは外に。男女兼用。女性用の着替え室有り。冬期は水が少なく厳しい。顔は洗えるがシャワー等はない。水は暖かいものが用意されているが「洗いに使うな」と書いてあり厳しい。寝袋は、山小屋に置いてあり使い回し。しかし臭くなかった。ダニもいなかった。環境は、とてもよろしい。ごはんはうまい。三種から選べる。ごはん食べ放題。うれしいね。酒、飲み物等の販売は一切なし。持参のみ。

高山病でドイツ人が。
同室の2m近いドイツ人台湾留学大学生。夜に浮かれポンチだったのに、朝になってピクリと動かない。まさか、死んだ?? 急ぎガイドを呼び様子を見る。完全なる高山病。青ざめ震えている。ヤバイ、ということで急遽彼とガイドで下山。どんなに体力があり若くとも高山病になる。高山をあまくみちゃいけない。よくわかった。

カップ
一個は、持参したほうがよいね。酒を飲むのにも。
その他の箸、茶碗等、食事用品は一切必要なし。

消灯21:00
電気は、自家発電なので21:00でピタリと消える。
携帯充電は一階入り口右横でできるが、はやいもんがち。五個くらい差込口あり。

イビキがとてもうるせえので、耳栓か消音イヤホンは必須。

起床02:30
日の出見るためにためにさっさと起床。とても寒い。寝袋は、たたむこと。
荷物は、寝床に置いておくことができる。頂上アタック荷物のみ持っていく。貴重品は、持っていかないとだめだよ。

食事内容2
おかゆ。食べ放題。しかしさっき食べたばかりだ。

装備
登頂アタック用品のみ。冬登山なので防寒具、雨具は必須。ないとほんと死にます。ヘッドライト。スマホ(カメラがわり)、充電器(寒さでバッテリー死にます)、スキー帽子、スキー手袋、マフラー、ペットボトル水、飴ちゃん等の非常食。これだけあれば大丈夫。

出発03:30
みんなで一斉に登山。ペースは、極めて遅い。前がつかえるとえんえん待ちます。ジンジン寒さで痺れます。あとは、ダラダラ登ります。森林限界を超えます。登山者のライトが頂上に向かいキレイ。焦らずにね。時間たっぷりあります。

登頂成功! 06:00
頂上寒いです。風強いです。なめちゃいけません。頂上にずっといたら低体温症です。ちょっときつい岩場を20分も登れば頂上ですので、日の出直前まで下の岩崩待避所にいるのが得策です。まったくの霧で日の出見えず。残念無念。

旗、あるいは記念品との撮影
日本国旗を掲げ、N隊長の遺影と一緒にイェーィ。N隊長と一緒に撮影。登った友人とバンザイ三唱。ほんと嬉しかった。N隊長も底抜けに明るかったのでOKだろう。これで成仏してくれると思いました。肩からN隊長が降りるのを確認。やっと肩の荷がおりました。登ってよかった。それにしても頂上石碑での記念撮影が大変。早めに撮ってしまうか、皆が下山した後に撮りましょう。別の日本隊は、ダラダラ撮っていて台湾人から大ブーイング。彼らは中国語がわからないからいいようなものの、結構ひどいことを言われていましたが、当たり前。30分も待っていたら低体温症になります。前もって、何を撮りたいか何を持参するかを考え、さっさと譲りましょうね。

一度、下山。
とうとう何も景色が見えないまま下山しました。

そして二度目の頂上アタック。
しかし、山荘まで半分下山したところ、いきなり雲がすっとび青空が見え始めた。すかさず私は、再度頂上アタックへ戻りました。再び頂上に立ちました。私だけ青空の中、写真を取ることに成功しました。嬉しい。体力は、残しておくものです。

山荘にて。
食事内容 ラーメンがあります。
とても美味しいです。温まりました。荷物まとめて下山。

下山 08:00
さっさと下山。下りは「技術」。脚に結構きます。早くおりたくなるのよね。でもほんと事故が起こるのは油断したとき。気をつけましょう。

登山口から台北
登山口に戻るとシャトル送迎車が来ます。自分の隊が集まったら出発。隊の名前が登録されていれば、事前に支払っているので勝手に乗ってもいいけど、なかったら乗車料を没収されます。バスが停車している塔塔加サービスエリアでご飯。豪華であった。

そして、台北に帰りました。
終了

-備忘録
下山登山口で乾杯したい場合。ビール事前に準備。
運転手に頼むか、事前購買しバス中に置いておく。

--玉山登山について
中高年(あるいは台湾登山初心者)のための台湾最高峰玉山登山(大日本帝国最高峰新高山)ガイド。明治天皇が名付けた大日本帝国最高峰、富士山より高い山「新高山」について記述する。私は、夏山と今回の冬山で三回頂上に立った。また前回は、玉山が全望できる北峰登頂と八通関から東捕温泉への縦走をした。玉山主峰ルートはきれいに道が整備されています。わりと楽なルートです。ピークに登る最後の瞬間をのぞき、トレッキング気分で登れます。しかし実は、公表されていませんが、山岳協会ガイドによると年間10数名の登山客が命を落としているのです。しっかりした計画が必要な山です。

玉山概要
-標高 主峰は、3,952m 台湾最高峰であるとともに東アジア最高峰。
おもに台湾中部の南投県にある。付近の山としては、
玉山東峰:標高3,869m,台灣第四高峰,玉山北峰:標高3,858m,山頂に玉山気象観測所、主峰の眺めが素晴らしい、玉山南峰:標高3,844m、玉山西峰:標高3,518m,山頂には日本統治時代の西山神祠あり。玉山前峰:標高3,239m。
-気候:亞熱帶、暖温帯、冷温帯及高山寒原帶を含み、冬季には積雪あり。
-歩行距離 、各ポイント標高
メインの玉山登山口、塔塔加(タタカ)(2610m)から中腹の排雲(パイユン)山荘(3402m)まで10km、792m登る。そして山荘から頂上まで2.5km。計12.5km。単純往復が一般的。
-塔塔加(タタカ)登山口
メイン山岳道路横の駐車場を降り、少し徒歩で登り建物でガイドさんが登山申請書提出チェック待機、すぐ上の建物でパスポートチェック(無いときあり)。そして待機するシャトル車に乗り登山口まで運んでもらう。時間は10分程度。下山は、登山口に待機するシャトル車に乗り一気に駐車場まで運んでもらう。チェック無し。運賃は登山見積に含まれる。
-排雲山荘
山荘は新築済み。以前の古い山荘では大部屋雑魚寝状態で場所取りでもめたが、今は、小さい部屋ごとにゆったりとした広さで寝袋で宿泊できる。自分の寝場所は番号ですべて決まっているので安心。トイレは水が少ない秋冬時は小屋の外のみ。男女兼用。玄関で登山靴を脱ぐ。外には用意されている外用サンダルに履き替える。中にもサンダルがあるが、自分でサンダル、スリッパを用意したほうが気分が良い。ちなみに知らずに外内兼用で履いていたら見つかってダメダメと怒られた。ペーパーは用意すべし。シャワーは使えないので身体はタオル水拭き。温水無し(11月は外気0-10度)。飲み水は、室内タンクに用意あり。しかし歯磨き等にも使ってはいけないの表示。ここでの水は貴重品。ちなみに一階に着替え室あり。寝室についててだが、10人程度で一室。上下二段の木製寝どころになっている。うまい行けばワンパーティー一室になる。寝袋は持参してもよいが、山荘にて準備・貸与、料金に含まれている。正直汚いと覚悟していたが、意外にも虫も臭いもなくきれい。枕はないので自分で適当に。

-頂上アタック
頂上直下の落石防止シェルター付近までは、だらだらと登り続ける。酸素濃度が低い(地上の60%)ので焦りは禁物。粛々と登る。ヘッドライトは命綱。絶対に忘れないように。シェルター以降は最難関となる今までにない岩壁登山。道は明確になっているが直角登りをするような場所もあり手足を使って登る。踏み外すと命の危険あり。ここが最後の正念場。一週間前(11/20ころ)にはこの岩壁が降雨で岩場が凍り滑り登山を断念した方もいる。翌日(12/2以降)は高山一帯が雪に覆われた。こうなると普通の登山は厳しい。ちなみに私は、この日、シェルターから二度頂上に立った。いったん下山してから太陽が突然出たため再度頂上アタックを行い無事に晴天の景色を眺めた。頂上は案外広い。写真の頂上を示す石碑の向こう側では風よけ休息ができる広いスペースがある。ちなみにピーク時にこの石碑での写真撮影で順番待ちの行列ができる。風がとても強く体温が奪われた。日本人パーティーがいたが撮影を長く続け後ろからブーイングが飛んでいた。ここは外国。バランスの取れた行動をしたい。撮影スタイルは様々。代表は国旗、社旗、垂れ幕、好きな人形、仮装、フェースペイント等々。撮影の格好も様々で楽しい。団体全員で撮影後、個人で撮影するのが一般的。ちなみにこのピークを過ぎるとだれもいなくなる。下山体力に自信があるなら最後までだらだらしていよう。いくらでも好きな写真がとれる。撮影は登山で頭の中がいっぱいになるので、事前にイメージして用意すべし。

-費用
私以外は台湾山岳登山初心者なので「台湾山岳協会」に直接、すべて安心こみこみで手配した。これが玉山登山費用Maxとみてよい。台湾登山旅行会社を使えばさらに安くなるのだが、台湾登山協会経由だと日本人扱いにも慣れていて安全安心。私たちのガイドは、年間30回程度玉山に登っている協会の親分を手配。へんな日本語ok。今回は一人6万日本円。ちなみに前回(10年前)は台湾人のための玉山登山旅行会社ツアーで3万円ちょいだった。
------------------------------------------------------------------------
日本人6 名 玉山見積書り 2017/11/29-12/01
名称 明細 台湾$料金 備考
11月29日(台北から高度順応の前泊地、阿里山まで)
1.朝食(車内)、昼食(ドライブイン) 自費
2.夕食(ホテル内) $600/1名 x 8名 $4,800 含登山指導員、運轉手
3.宿泊費 阿里山閣大飯店(平日)(朝食付き)
二人部屋$2,200 x4室 $11,000 含登山指導員、運轉手

11月30日(阿里山から玉山山荘まで)
1.朝食(宿泊費込み)
2.昼食(宿泊地の7-11コンビニで購入)自費
3.排雲山荘宿泊費等
a.夕食含(夕食)+翌日(朝食)+貸寝袋 $1,000/1人x7人(含指導員) $7,000
b.排雲山莊(素泊)$550/1人x7人 $3,850 含指導員
3.運転手待機費用 参加者負担
a.食事 $1,000
b.阿里山閣大飯店(平日) 一人部屋$2,200 $2,200

12月1日(頂上登山、下山、台北に)
1.朝食(込み)
2.昼食(塔塔加レストラン) $600/1名 x 8名 $4,800 含登山指導員、運轉手
3.夕食(台北) 自費 火鍋屋で打ち上げた。

中華民國山岳協會 費用部分
1.中華民國山岳協會(申請費)玉山 ?人$1,000/1人x6人 $6,000
2.登山指導員費 $4,000/1日x3日 $12,000 11/29-11/30

その他費用(入園券等)
1.阿里山森林遊樂區(入園券)玉山 $300/1人x7人 $2,100 含指導員
2.上東埔駐車場駐車代 $100
3.塔塔加登山口シャトル $100/1人/片道x往復x7人 $1,400
4.旅遊保險 $150/3日x7人 $1,050 11/29-12/01

交通費 (台北-玉山貸切バス)
車のチャーター費用(20人席) $12,000/1日x3日 $36,000
高速道路通過料金 $1,000
------------------------------------------------------------------------
総合計$95,100
一人 $95,100/6人=$15,850- (約6万日本円 レート3.76)
(以上、台湾山岳協会直接手配)
その他自費としては、食事代・飲み物、阿里山鉄道等で$1000(3
,800日本円)程度。

-行程
1日目(11/29) 阿里山と高度順応
台北市内(8:30出発)-高速サービスエリア休憩10:30-ドライブイン昼食(13:00)-阿里山ホテル到着(15:30)-阿里山神木散策-夕日鑑賞-夕食(18:30)-休憩・就寝
2日目(11/30) 阿里山日の出と玉山登山初日
起床(5:00)-阿里山頂上行汽車(5:30)-阿里山頂上(6:10)-日の出(6:40)-下り列車(7:10)-ホテル朝食-ホテル専用車出発(8:00)-阿里山駐車場にて自分たちのバスに乗換-コンビニ買い物・出発(8:30)-塔塔加(タタカ)駐車場(9:00)-塔塔加(タタカ)登山口(9:30)-メイン休憩(11:00、13:00等)-排雲山荘(16:30)-夕食(17:00)-休憩・就寝
3日目(12/1) 阿玉山主峰アタック-下山-台北
起床(2:30)-第一回朝食-出発(3:00)-山頂(6:00すぎ)-下山(7:10)-再登頂-自分のみ再下山(7:40)-排雲山荘(9:00)-第二回朝食-出発(9:30)-休憩等-塔塔加(タタカ)登山口到着(13:00)-他メンバー到着を待って登山口出発(14:30)-塔塔加昼食(15:00)-台北到着(21:00)-うちあげ

-今回のパティー 全員日本人。駐在者と日本からの旅客混合チーム。
30台女性2名
40台男性2名
50台男性2名

-事前準備
地道な登山練習を積むこと。健康管理に気を付ける。これにつきます。ここは外国です。日本ではありません。片言を話す外人はいますが、日本語での詳細な意思疎通は難しい。体力以外、精神的ストレスになります。そのためには、最低体力に余裕を持てるくらいの練習をしておきましょう。今回のトラブルを書きます。

1.40台の大学時代山岳部男性のケース
体格も立派、大学時代は登山部で経験も豊富。今回、一番実力があると思われた。しかし、登山時に山荘が暗くなっても到達できずガイドさんが山荘から降りて捜しに行った。下山時も先頭メンバーより最終到着が2時間半遅れ、メンバーからも心配な声が上がった。敗因は、私たちも彼とは一緒に登山をしたことがなかった。さらに彼は自己過大評価をし、事前に一回も登山練習をしなかった。そして登山時に脚がつり途中で動けなくなった。ガイドさんからマッサージを受け、幸いにも自力で歩いたが遭難寸前であった。いくら体力に自信があり、いくら登山経験豊富でも、それはすべて過去の栄光。現実を謙虚にみるべきとの教訓になった。私たちメンバー問題としては、本人の経験豊富な言葉を鵜呑みにしたこと。事前にそのパーティー全員で低山でよいので登山し、パートナー全員の性格、体力、精神力を把握しておくこと。これが大事と思った。幸い登頂に成功したが、一歩間違えると事故案件になるところであった。よかったよかった。

2.サイボーグと呼ばれた山ガール
上記とは逆に、メンバーで登山すると常に元気で、鹿のようにスタスタと跳ねるように登る彼女。今回のメンバー中、非常に熱心で週末は必ず登山練習に出かけていた。素晴らしい体力と精神力。彼女だけは絶対に登山成功と思われた。ところが登山口からすぐのところでリタイアをすることになった。原因は、体内酸素濃度の低下。可哀そうなことに前日に持病のぜんそくが出てしまった。酸素が取り込めず高山病とも診断され途中まで挑戦したが、独自判断で下山決定をした。本当に気の毒である。登山前の体調管理はしっかりしておくことが肝心。しかし持病だけはいかんともしがたい。撤退の意思決定は、悔しいだろうし、私たちもなんとも声がかけられなかった。登山前の健康管理は必須。しかし不調なら、登山には勇気ある撤退も必要である。登山は、何回でもできる。台湾は近い。また挑戦したらよい。

3.17歳の身長185cm、元気満々なドイツ男子大学生
山荘で同室になった台湾の大学に留学しているドイツ人学生。明るいやつで、英語と中国語で積極的に話しかけてきた。当日も玉山西峰も行ってきたと嬉しそうに話す。ハイテンションのナイスガイ。しかし翌朝見ると息絶え絶えで、やつは死ぬのかとギョッとした。なんと高山病を発症。息が苦しい、動けないという。彼のガイドがやってきてそのまま下山させることになった。考えるとハイテンションだったのは、脳に酸素が足らずちょっとおかしくなっていたのかと納得してしまった。若くていくら体力があっても高山病になる。山荘は富士山なみ高度。勇気ある下山が必要。これも教訓である。

-私の練習
今年の台北は週末に雨が続いている。登山前二ヶ月間にしたこと。メンバーと実登山練習ができたのは、たった2回。台北一高い七星山(1,300m)に。これでは練習不足は明らか。よってポケモンgoで一日1万歩。7階建て会社階段を速足で毎日1往復。週末は自宅マンション階段を20kg荷物を背負い10往復。一応、これで余裕だったが、実登山はもう少し必要と感じた。

-ガイド等
中国語ができる体力余裕メンバーがいれば別だが、日本人だけなら少し高くても日本語を話すガイドをお願いしよう。登山時の台湾自然文化理解をしたほうが良い。1900年初頭日本統治時代の日本人もここを歩いていた。ロマンである。ただし英語ガイドは多いが日本語ガイドは少ない。早めの手配が必要だ。私は、台湾山岳協会にお願いした。HPを検索すれば、日本人相手の旅行会社も探せるだろう。

-登山日決定と申請
玉山登山の注意、申請等については政府登山ページにすべて書いてある。
https://mountain.ysnp.gov.tw/chinese/CP_how01.aspx?pg=03&w=1&n=3001
日本語もあるにはあるのだが。
https://npm.cpami.gov.tw/jp/index.aspx
変な日本語かつ中国語でわけがわからないと思う。(私はわかるが)安く上げたい個人・グループの人は上記をしっかり読んで申請してください。

しかし一般の方は、登山協会、あるいは旅行社に丸投げしましょう。心理的に楽です。必要なのは、参加メンバー表、グループ名、代表、パスポートをメールするだけで代理申請してくれます。こちらを強くおススメします。
申請注意事項
排雲山莊のベッド数は116。外人枠というのがあり、実は優遇されている。
-- 以下HPの奇怪な日本語を私が日本語に修正した。 --
https://npm.cpami.gov.tw/jp/news_4main.aspx?ID=2602
外国人のために、玉山主峰の行程を休日を除く、日曜日から木曜日まで、1日につき24名分の外国籍の定員を設けて優先予約ができるようにしています。入山予定日より4ヶ月から35日前までの期間に申請してください。
先行申請ホームページと先行申請登山ルート:玉山主峰ルートの2日間(単純往復)の行程。
(一) 英語のホームページ:
https://npm.cpami.gov.tw/en/index.aspx
(二) 日本語のホームページ:
入園の申請 >> オンライン入園申請>>排雲山荘の先行申請
https://npm.cpami.gov.tw/jp/index.aspx
--
しかし、中国語のページには上記と異なることが書いてあります。こちらが本当でしょう。
https://mountain.ysnp.gov.tw/chinese/CP_how03.aspx?pg=03&w=1&n=3006
ですから台湾の専門家に任せることをお勧めします。ポイントは「外国人は、外国人優先日に限って、登山予定日の二ヶ月前から一ヶ月前までに申請すると、一か月前に公平な抽選で決定する」です。ですから少なくとも一ヶ月前までに申請するための決定をする必要があります。キャンセル料($1,000)は取られますが、キャンセル可能なので出すだけ出しましょう。また決定期間が間に合わず、そしてもし抽選後に席が空いたりキャンセルが出た場合は、そこに申し込むことも可能です。この辺りは、柔軟だったり何らかの秘密があるので台湾の専門家に任せましょう。当選したか、席に空きがあるかはここからわかります。宿泊日付と宿営地店で「排雲山莊」を選択すると予約状況がわかります。ちなみに「前無相關資料」が出て名前が出てこない場合は、申請を受け付けていない時期です。
https://mountain.ysnp.gov.tw/chinese/LocationAppIndex.aspx?pg=01&w=1&n=1003

登山期間
二月は登山路閉鎖。比較的ベストなシーズンは、5-6月、10-11月。その他は暑い、寒い、台風等々リスクが大きい。

装備
a.冬山(10、11、12月)登山装備 ザックの中。
パスポート、ザック30L程度、雨具(私はポンチョ)、カップ(山荘食事時にスープやホットな飲み物あり)、水筒・ペットボトル、私は500mlポカリ一本でOKだった。登山時の水飲み場はない。山荘では水を供給可。ビール。焼酎はガラス瓶からペットボトルに移した。ヘッドライト、アルペンストック(必要者のみ)。日よけ用帽子(登山時は太陽が強烈)、サングラス、サンダル、手ぬぐい、下着。ティッシュあるいはトイレットペーパー。耳栓。マスク。歯ブラシ。カメラ、スマホ、充電線、バッテリー(山荘で充電はできない、と書いたができる場所あり。しかし奪い合いになるリスク高し) フリースジャケット、ヒートテック下着上下。替靴下&パンツ。貴重品(カギ、最低限の現金とカード類)、イヤフォン。チョコレート、飴ちゃん、せんべい。昼食用のパンとおにぎり。
日本国旗、ハチマキ、垂れ幕。コンビニ袋(ゴミ、下着入れに使用)。

b.着ていったもの。
登山靴、靴下、パンツ、登山長ズボン、長袖シャツ、ゴアテック素材パーカ、眼鏡。腕時計。

c.ちなみに山荘から登頂用の携帯荷物は最小限に。
不必要な荷物はザックから抜いて山荘に置いて登山すればよい。あるいは小さなナップザックを持つのもOK。貴重品、スマホ、カメラ、撮影グッズ等々を。寒いのでバッテリーがなくなるのでバッテリーは必須。防寒用の衣着(+フリースジャケット、ヒートテック下着上下)、手袋、スキー用帽子は着て登山。ヘッドライトは、早朝真っ暗登山に必須。

d.玉山登山前、登山後に必要なものはバスの中に置ける。心配ならすべての荷物を持って行き、天候を見て登山時に本当に必要なものをより分けて持っていけばよい。私の場合は、以下をバスに置いた。
着替えパンツ、靴下、セーター、ウィンドブレーカー、傘、予備の水、ピール、焼酎、ウィスキー、髭剃り。

e.登山に持って行く必要なし。山荘に用意されている。
寢袋、食器、箸等。

-ポケモンGo
登山口、山荘、頂上とポケモンGOのジムがある。ここにポケモンを置くことは栄誉。山荘の従業員は青組。夜中ぶっ倒してコインをもらったら翌日は彼らの番に。山頂では寒くて手袋必須、かつ電波が拾えないので苦戦。さらには飛人(位置偽装の中国語)もいるようで、置いたらひっくり返された。まあいいか。

-登山オプション
西峰、北峰、前峰
山岳協会、旅行会社に相談してください。事前申請が必要なケースがあります。西峰は、山荘への登山日に、北嶺は主峰登山日にオプションで加えられます。多少体力に自信があれば十分登山可能です。前峰は、主峰に行く登山路の途中から登れます。

-縦走 八通関コース 三泊四日
山岳協会、旅行会社に相談してください。
塔塔加(タタカ)登山口-排雲山荘-主峰-裏側に回り-八通関-山荘宿泊-東埔温泉着

参考HP
台湾気象協会 玉山國家公園排雲山莊
http://www.cwb.gov.tw/V7/forecast/entertainment/nationalpark/
排雲山莊
經度、緯度:120.95°、23.46°
http://www.cwb.gov.tw/V7/forecast/entertainment/nationalpark/

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.0
グルメ
4.0
交通
1.0
同行者
友人
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
観光バス 徒歩
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

PR

  • ホテル横、駅舎が輝く。

    ホテル横、駅舎が輝く。

  • 宿泊場所、阿里山で夕日を見る。

    宿泊場所、阿里山で夕日を見る。

  • 翌朝、早起きして阿里山鉄道にて朝日を見に行く。満席!

    翌朝、早起きして阿里山鉄道にて朝日を見に行く。満席!

  • 阿里山、祝山よりなんと今日登る玉山主峰横から朝日が登る。こりゃお祝いだ。景気がいい。

    阿里山、祝山よりなんと今日登る玉山主峰横から朝日が登る。こりゃお祝いだ。景気がいい。

  • 朝日を浴びる人々。

    朝日を浴びる人々。

  • 阿里山から下山。

    阿里山から下山。

  • 祝山駅にて。

    祝山駅にて。

  • 宿泊場所の阿里山から塔塔加停車場へ。そしてバス停車場からしばらく歩く。ここは玉山入口の警察でパスポートと本人確定チェックをうける、はずだがフリーバス。

    宿泊場所の阿里山から塔塔加停車場へ。そしてバス停車場からしばらく歩く。ここは玉山入口の警察でパスポートと本人確定チェックをうける、はずだがフリーバス。

  • 塔塔加登山口。さあ、玉山登山。

    塔塔加登山口。さあ、玉山登山。

  • 登山口のようす。

    登山口のようす。

  • 登山開始。橋をわたる。天気快晴。暑くて暑くてたまらん。このときは服は過剰装備に思えたのだが。

    登山開始。橋をわたる。天気快晴。暑くて暑くてたまらん。このときは服は過剰装備に思えたのだが。

  • 登山道からの山並み。

    登山道からの山並み。

  • 巨木。

    巨木。

  • 第二休憩所。鳥がなつっこい。

    第二休憩所。鳥がなつっこい。

  • 休憩所からは、玉山主峰が見える。ワクワクする。

    休憩所からは、玉山主峰が見える。ワクワクする。

  • 大絶壁。これを越えればあとすこし。

    大絶壁。これを越えればあとすこし。

  • 到着。山荘までの最後の階段がきつかった。<br />

    到着。山荘までの最後の階段がきつかった。

  • 山荘では、国旗がたなびく。

    山荘では、国旗がたなびく。

  • 急激に冷えてきた。

    急激に冷えてきた。

  • 山荘の夕暮れ。星がすごい。

    山荘の夕暮れ。星がすごい。

  • 玉山主峰登山。最後の岩絶壁を登る。

    玉山主峰登山。最後の岩絶壁を登る。

  • 主峰到着。頂上石碑だが霧でなにも見えず。残念。つうか強風で寒い。たまらん。

    主峰到着。頂上石碑だが霧でなにも見えず。残念。つうか強風で寒い。たまらん。

  • 石碑で写真を撮るために30分近くならぶ。ほんと寒くてたまらない。

    石碑で写真を撮るために30分近くならぶ。ほんと寒くてたまらない。

  • 登頂記念写真。何も見えず。でも嬉しい。

    登頂記念写真。何も見えず。でも嬉しい。

  • 日本男児。はちまきをしてみる。遺影とイエーイも撮影した。

    日本男児。はちまきをしてみる。遺影とイエーイも撮影した。

  • 下山したら、なんと突如、青空が見えてきたではないか。

    下山したら、なんと突如、青空が見えてきたではないか。

  • 憎たらしい。悩むが、青空を見て、再び頂上アタックを決心。体力はまだある。皆には、下山してもらう。

    憎たらしい。悩むが、青空を見て、再び頂上アタックを決心。体力はまだある。皆には、下山してもらう。

  • 戻った頂上。青空が少し。

    戻った頂上。青空が少し。

  • 太陽の光が眩しい。

    太陽の光が眩しい。

  • 晴れてピーカンに!

    晴れてピーカンに!

  • 嬉しいっす。青空バックの奇跡の一枚。

    嬉しいっす。青空バックの奇跡の一枚。

  • 下山時に台湾変態と日本変態の記念撮影。

    下山時に台湾変態と日本変態の記念撮影。

  • 森林限界を超える。

    森林限界を超える。

  • 実は、玉山前峰には、化石があるのだ。海の底だったんだよ。

    実は、玉山前峰には、化石があるのだ。海の底だったんだよ。

  • 台湾原住民が山荘の食料等荷物を持っていくのだ。30kgから50kg。賃金は、50kgだと5000台湾元らしい。<br />無事、下山しました。

    台湾原住民が山荘の食料等荷物を持っていくのだ。30kgから50kg。賃金は、50kgだと5000台湾元らしい。
    無事、下山しました。

11いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

台湾で使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
台湾最安 145円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

台湾の料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP