ドイツから旧ユーゴそしてトルコへ。バルカン半島の文化と宗教のグラデーションを巡る旅【5】

2017/11/06 - 2017/11/06

下記の理由により、ほぼ強引に2017年11月1日から13日までドイツからオーストリア、ハンガリー、旧ユーゴスラビアを陸路で巡り、最後はトルコまで一人旅に出かけることとなった。

・ドイツに住む兄が結婚式を現地であげることとなった。
・結婚式の場所は、幼少の頃暮らしていた街の郊外のホテル
・この時期に3年皆勤賞をほぼ掌中にしている長男や、未就園の次男を連れて行くことは難しい
・勤続10年のリフレッシュ休暇（10営業日）がある
・人生で一度は行きたい場所がある

家族にずるいずるいと言われ続け数ヶ月。リフレッシュ休暇の使い方を会社で問うてきた同僚のママさんから「ありえない」と言われ、妻の顔色を伺い続ける。出発前日の夜中にはパパに2週間会わないなんて我慢できないよ、とも言われる。

だがしかし。この千載一遇の好機に妥協しては、一生後悔してしまう。どうか何卒お許しをと懇願して出発。妻に捨てられないかが不安だ。

【旅程】
11/1 成田→（NH209）→デュッセルドルフ（デュッセルドルフ泊）★ドイツ
11/2 買い物、結婚式準備（デュッセルドルフ泊）
11/3 ブッパータール観光、結婚式（エッセン泊）
11/4 エッセンでノスタルジー、ドルトムントでサッカー観戦 （デュッセルドルフ泊）
11/5 鉄道移動（ウィーン泊）★オーストリア
11/6 鉄道移動、ブダペスト観光（夜行列車泊）★ハンガリー
11/7 鉄道・バス・タクシー移動、ベオグラード・ヴィシェグラード観光（ヴィシェグラード泊）★セルビア ボスニア・ヘルツェゴビナ
11/8 サラエヴォ観光（サラエヴォ泊）
11/9 モスタル観光（サラエヴォ泊）
11/10 サラエヴォ→（TK1022）→ イスタンブル（イスタンブル泊）★トルコ
11/11 イスタンブル観光・買い物（イスタンブル泊）
11/12 イスタンブル→（TK1033）→ミュンヘン→（NH218）
11/13 →羽田

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【旅行記リンク】
11/1 日本→ドイツ
https://4travel.jp/travelogue/11303554

11/1-4 ドイツ
https://4travel.jp/travelogue/11304286

11/4 ドイツ
https://4travel.jp/travelogue/11304489

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今回は、ウィーンからブダペストまでの移動とブタペスト観光・温泉三昧。

【要旨】
・ウィーン→ブダペストまでの移動
・ブダペスト王宮観光
・ブダペストのいで湯巡り

エリア ブダペスト(ハンガリー)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• 交通: 4.0

• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ウィーンの朝。ウィーン中央駅周辺は地味。

朝は少し遅めで9:42のRailjet(RJ49)のブダペスト東駅（Budapest Keleti）行きで出発する。これより前にベオグラードへ直通する列車がある（ベオグラード到着20:50)のだが、ブダペストのいで湯が私を呼んでいた。ブダペストからは夜行列車の移動にし、まずはブダペストだ。ここからは完全に未知の国。

Railjet(RJ49)
Wien Hbf > Budapest-Keleti
32ユーロ(うち座席指定料3ユーロ)

切符代が安くなってきた。

昨日のミュンヘンからウィーンまでの列車と同じRailjet。

ウィーンの駅弁はタイの炒飯である。パン嫌い。米食べたい。落ち着く。

ウィーンを出るとすぐに田園風景。街の広がりはあまりない。1時間も経たぬうちにいつのまにか国境を越えてハンガリー入国。ジェール駅。同じEU圏なのでパスポートチェックはなく、実感に乏しい。

Google Mapを見ると、列車はスロバキア国境に沿って走っており、ウィーンからブダペストはブラチスラバ経由という選択肢もあったのではと思ったが後の祭り。

パンノニア平原に入った。パンノニア平原と聞くと、フン族アッティラと、半生前の受験世界史がこびりついている。

13時前にブダペスト東駅着。駅の空気感がドイツとオーストリアでは少し違った。

快適ないで湯巡りのためには、身軽になる必要がある。つまりスーツケースをどこかに預けることこそが最初のミッションである。

ブダペスト東駅のコインロッカーの場所はこちらで事前に調査済み。
https://themadtraveler.com/travel-tips/storing-luggage-at-budapest-keleti-train-station/

だが、ハンガリーフォリントの硬貨がなく、難儀するのである。ATMでお金をおろしていると、ザグレブに帰らなきゃいけないが、財布を落としたから30ユーロ頂戴という涙目の男も近寄ってくるし、なんだか不愉快なのである。

出発前にオンラインで購入していたベオグラードまでの夜行列車の切符は、何事もなく自動券売機よりプリントアウトすることができたので、機嫌は直る。

24時間有効のブダペストカードをここで買う。
ブダペストの市内交通が乗り放題になり、観光名所も無料や割引サービスとなり、大変使える。ベオグラード行きの夜行列車まで9時間の観光と待ち望んだ湯治タイムスタート。

https://www.budapestinfo.hu/budapest-card

地下鉄2号線で3駅くらいのDeák Ferenc駅まで行き、地上に上がるとハンガリーにもスターバックスがある。おしゃれであるが、旅先というフィルターがかかっているからであろう。コーヒーは飲まない主義なので、立ち寄らない。

公園である。長男を公園に連れて行くと、必ず知らない子のママに馴れ馴れしく話しかけるので、人見知りとしては大変難儀した。今は一人旅なので、そうした心配はない。

ドナウ川が見えてきた。

ドナウ川にかかる有名な鎖橋。対岸のブダ地域に向かう。目指すは丘の上。こちら側はちなみにペスト地域。ブダペストとは、西中島南方みたいな地名なのである。

ブダに入った。

ブダペストカードを持っていると無料で乗れる小さなバスに乗る。丘の上のブダ城へ向かう。

丘の上は一大史跡。13世紀に建てられたマーチャーシュ教会。

ハンガリーの英雄と漁夫の砦

マーチャーシュ教会を別角度から。

漁夫の砦からはブダペストの街を一望できる。

ブダペストの街を望みながらコカコーラを飲む

ブダ城であるが、入らない。

歩いて丘を降りる。

ドナウ川沿いを走る路面電車。

Batthyány駅で地下鉄に乗り換える。

地下鉄2号線は近代的である。ドナウ川を地下でくぐってDeák Ferenc駅へ。

地下鉄1号線に乗り換える。ロンドン、イスタンブールに次ぐ世界３番目の地下鉄である。10分ほど乗る。Széchenyi fürdő駅、つまりセーチェニー温泉駅で降りる。

ウィーンからベオグラードへ直行する列車もあった。だが、なぜブダペストで途中下車したか。ブダペストで温泉を楽しみ尽くしたかったからである。まずはセーチェーニ温泉。

荘厳。温泉とは思えない。

温泉の受付とは思えない。ブダペストカードで多少割引。着替える場所はキャビンと呼ばれる個室とコインロッカーであるが、有無を言わさずコインロッカーの鍵をくれる。コインロッカーは受付の下の階にある。

水着に着替え、待望のセーチェーニ温泉である。

巨大な温泉プール。一人でパシャパシャ楽しむ。

いい湯である。しかし、ぬるい。

建物の中もたくさんの湯船がある。だが、ハンガリーの人は熱い湯を好まないらしく、どれもぬるい。最も高い湯船で40度。43度くらいのカッと熱い湯に浸かりたい。だが、ほのかに硫黄の香りもして、心地いい。ヨーロッパで冬湯治気分を味悪とは。

サウナもある。

2時間以上粘って、もう日がくれた。横に可愛い女の子が誰もいない不惑の一人旅であるが、世界一美しい街とも言われるブダペストの夜景を見たい。ゲッレールトの丘に向かう。地下鉄を乗り継ぎMoricz Zsigmond Korte駅で27番のバスに乗り換え。バス停が見つからない。

探しに探してようやく見つかる。バスは30分に一本くらいあるので、

ゲッレールトの丘のバス停から10分ほど真っ暗な道を歩く。不安であるが大型の観光バスが降りてくるので、方向は間違ってない。それっぽい場所にたどり着くと、ブダペストの夜景が広がっていた。

バスでMoricz Zsigmond Korte駅に戻る。夜行列車まで3時間ある。最後の名残で、別の温泉に向かう。夜行列車に乗る前に一二血の汗を流すのだ。路面電車にのある。

15分ほどでたどり着いたルカーチ温泉。ブダペストカードでなんと無料入浴である。

完全に観光地であったセーチェーニ温泉とは異なり、ローカル向けの静かな温泉。ブダペストの温泉は場所によって男同士でなにやらがをしているというネット情報がたくさんあり、そうした趣味はないので戦々恐々としていたが、ここの温泉は混浴で安心である。

ぬるいブダペストの温泉では外のプールは流石に寒い。

中はいい湯である。おじさんの恍惚の表情が物語っている。

最高にリフレッシュして、温泉を出ると人一人いない夜の街。

ブダペスト東駅へ向かう。

ドナウ川の対岸にハンガリーの国会議事堂を見ながら、路面電車は走る。