2017/09/17 - 2017/09/17
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watersportscancunさん
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皆様、こんにちは。ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。9月15日、2017年度のジンベエが満期出航、更に100%遭遇率達成にて無事終了いたしました。今年は12年ぶりの巨大ハリケーンが接近したり、9月8日には南のチアパス州にて巨大地震が発生するなど、とても緊迫するような局面もありましたが、結果的には、何事もなかったかのように、、、更に例年早く終了してしまっていたここ数年のジンベエツアーの予想を良い意味で裏切ってくれました。
来年度もまた、自然のサイクルが無事巡って来てくれるよう祈りながら、9月15日の最後のツアー見送らせていただきました。本年度も弊社ご利用頂きまして誠にありがとうございました。
2017年度も後半は、まだまだ楽しいツアー目白押しですので、これからカンクンにいらっしゃるお客様におかれましても、是非楽しみにいらして頂きたいと思います。そして、ちょっとでも弊社に興味がわいたら、お気軽に店長吉田までご連絡ください(^^)
南の震災と、ハリケーンIRMAの後から、問い合わせがとっても減っているので、カンクンの観光は閑散期という事もありますが、とっても静かです(^^)こんなに静かなカンクンは前回は豚インフルエンザ以来ではないかなと思うくらいなので、静かで美しいビーチリゾートを楽しむことが出来ますからね(^^) 今がある意味穴場ですよ。
さてさて、というわけで、今日も店長日記行ってみましょうか!
いつもの同じ時間の同じタイミングで目が覚める。。。目覚ましは一応セットはしてあるが、目覚ましで起こされる事はほとんどない。。。大体、自然に目が覚めるとちょうど4:30。。。時計の目覚ましが鳴ると子供や妻を起こすことになるので、出来るだけ静かに起きることを心がけているのだが、それが習慣と言うものなのだと思う。
しばらく、ベットに横たわって今日のオペレーションの流れを整理する。今日はプライベートツアーのコスメル島ダイビング、チチェンイッツア遺跡とグランセノーテのツアーが入っている。あと、ゴルフ。流石にカリブのリゾートならではの楽しみを希望されるお客様が多いという事だけれど、数は少ない印象だ。
とはいえ、1組様でもお客様はお客様、手を抜くことは出来ないので、やる事は10人を案内するのも同じこと。そして、我々ガイドは、この同じことの繰り返しの中から、如何に自分のモチベーションを持続させるかに人生を賢く、楽しく、充実して生きる秘訣が隠されていることも学ぶ。
ちょっと本題に入る前にこのことも書いておこうか。
ガイド業も最初のころは、新しい事を学ぶことが多く、またお客様を案内することに精一杯で、あっという間に時間が過ぎていく。それはそれなりに充実という言葉が当てはまる。だが、2か月3カ月の研修が過ぎ、一本立ちし、ツアーを任せられるようになり、1年も過ぎるころ、一気にこのモチベーションが下がり始める時期を迎える。
毎日同じことの繰り返し、毎日が同じように過ぎていく日々を、ただ同じように生きていると、それはいつしか詰まらない日常に変化していく、、、そして、ただ何となく漠然とした不安を覚える時期にいたり、このまま、ここでこんな暮らしをしていてもいいのだろうかと、自問をし始める。
ただ、ここで考えなければいけない事は、責任転嫁ではなく自己否定だ。自己否定の中から、自己を肯定するコンセプトを見出し前に進む原動力を見つけるという部分が重要になる。
もし、自分が同じことを繰り返していると感じたら、その責任は自分にあると考えられるか、それとも、責任転嫁をしてしまうかで、その後もずいぶんと違ったものになる。
それは、毎回同じガイディングをして、毎回同じことを、ただルーティンのように繰り返していることに気が付くかどうか。。。そこを反省できるかどうかという話だ。
例えば、学生時代なら、やるべきことは、課題として常に自分に学校から与えられてきた。それをこなせば一応の評価も得られた。でも、社会というところはそんなに甘くはない。自ら課題を見つけ出し、その課題が人生の目標になるように自分の軸にしていけるかが問われる世界だ。
これをしろ、あれをしろと、言われたことだけをやればよかった学生時代とは全く違い、また、準備された試験をそつなくこなし、良い点数を取れればそれが評価につながるような世界とも違う。
だからこそ、こうした学生時代からの習慣のまま社会に出て、またいろいろな面で社会にまで甘やかされると、不満の多い人生になっていく。そうなってしまっているのは、自らに原因があるのに、そこは棚に上げて、社会や環境の責任にしてしまう。
ここでやるべきことは一つ。同じことを繰り返してしまっていると感じている自己を反省すること。
例えば、ボクなどは、毎回、ガイディングをしながら、新しい要素をツアーの中に見出そうと努力をしている。お客様と一緒な目線で、疑問に思う事、気になったこと、そうした物事を探しては、一つ一つつぶしていく。13年もガイドをやっていても、まだ新しい発見がある。そこがポイントだ。
ふと、目についた草木の名前、目の前を飛ぶ鳥の名称、ユカテク・マヤのおばちゃんが話すマヤ語にだって気持ちが向くし、少しでもマヤ語で話しかけると、マヤの人たちは本当に喜んでくれるし、コミュニケーションから新しい関係が生まれたりしていくものだ。
弊社のツアーはそんなボクがふらっと出かけた旅先で出会った人との関係から生まれたものも本当に多い。人生の広がりというのは、こういう所から発生していく。自らの殻に閉じこもって価値観を固定したままでは決して新しい世界は生まれない。
ちなみに、毎日が同じことの繰り返しだと飽きてしまったこれまでの卒業生の中で、マヤ語をマスターしたガイドは独りもいない。もちろん、当のボクもまだまだなのだが、それでも、そうしたやれる余地がたくさんある内は、飽きる=敗北とボクは考えるようにしている。
厳しい言葉かもしれないけれど、人生は決して楽じゃない。誰かが自分を食べさせてくれるわけではないし、だからこそ、この厳しさを自分に向ける事でのみ、達成感や充実感が得られるとボクなどは考えているので、厳しいと言われるけれど、それも全て軸をブラさずに生きる為だと、自分に言い聞かるようにしている。
今回、メキシコシティで体験した強盗未遂については、ボクは強盗相手に説教をしてしまったわけだが、ボクが許せないのは、自らの境遇の悪さや怒りの矛先を社会に向け、反社会的な行動やあるいは犯罪行為に至ったり、更には、全く善意の一般市民をターゲットにするテロ行為に走ったり、自らの思想や意志を間違った方法で達成しようとする悪意に満ちた歪んだ性根に対して怒りを覚えるからだ。
そうした人々をボクは決して許すことはない。それは、間違った人生の歩み方だから。
もちろん、そうした悪意に満ちた輩を相手に一般常識をもって話をしたところで一般的には危険が増すだけで、ボクは決して今回ボクがここで書くことを推奨するわけではない。ましてや、決して自慢話でもないので、誤解をしないでもらいたいと思う。
メキシコシティの支店開設をしてから、シティへの出張が増えているボクだが、現地のオフィシャルガイドとのミーティングは毎回何故か飲み会で締めくくることになっている。だれが決めたわけでもないが、マッチョニズムの浸透するメキシコでは、酒が強くて最後はテキーラで乾杯して、抱き合ってまたな!で終わるのが、男同士の付き合いの定番のようになっている。
ホワイトカラーの職種の人たちにはきっと分からない事かもしれないが、現場の世界なんてそういうものだ。増してや、今回飲んだヘススは、元ウェルター級のWBOのチャンピオンだった男。全身が体育会系みたいな男だ。
が!人は見かけによらない。彼は元ボクサーだが、元検察官でもあり、犯罪者を壁の向こうに送り込む仕事をしていた男でもある。彼の経歴の中で最長は禁固40年で牢屋にぶち込んだ犯罪者もいるとかで、未だ服役中だそうだ。。。25年前の話だと言っていたので、まだ15年も残っていることになる。
検察官をしていたころは、四六時中脅迫電話がかかって来たと言っていた。また、出所した後、日本で言うお礼参りなどの恐怖におびえた事もあるという。何せ、相手は犯罪者個人ではなく、犯罪組織だったりするから質が悪いのだ。
そうした、輩に屈しない為に、ボクシングを始めたのだと言っていた。精神的にも強くなった。どんな脅迫にも屈せずに仕事を全うし、そして、ウェルター級ではチャンピオンにまで昇りつめたわけだ。
そうして、犯罪者を壁の向こうに送り込む日々に、ふと、嫌気がさした。何がこれだけの犯罪者を生み出しているのか、そこから政治への興味が芽生え、当然だが、メキシコの歴史を学び直すことになり、その過程で、人々に歴史を理解してもらうことこそが、犯罪を減らす方法の一つだと確信し、ガイドになったという、、、ま、、、ちょっと変わった経歴をもった男だ。
御年65歳。。。ずいぶんな爺さんだが、迫力はある。そして、酒も強い。
そんな爺さんガイドと、歴史の話、政治の話、、、そして、ボクシングの話に華を咲かせる。以前にも書いたが、ボクの爺さんもスーパーフライ級の全日本3位だった男なので、ボクシングの話は大好きなトピックの一つだ。
そうして、一軒、もう一軒と梯子をし、面白いバーがある。お客さんに案内するならここがいい、、、と、ま、彼としては人の財布でタダ酒を飲むことも目的だったのかもしれないが、気が付けば深夜2時を過ぎていた。
かなりロレツが回らなくなった彼に、もういい加減上がろうかというと、そうだ、もう帰ろう。明日は仕事だからな。。。なんて言って席を立ったわけだが、そこからが問題だった。
ヘススは家がどうも近いらしいが、ボクが滞在しているコンドとは方向が違うのだ。当然、ある程度目処が付くところまでは一緒に行ってくれると淡い期待をしたわけだが、俺はあっちだからじゃーなーと手を振って行ってしまおうとする。
おいおい、俺はどうやって帰ったらいいんだ?! タクシーも何もいねーじゃねーか。
大丈夫だ。お前の家は、、、、、
あっちだ!
と、適当に指をさす(汗)
これはダメだ。諦めよう。ま、自分も酔っているが、どうにかなるか。。。と思い歩き始める。
すると、後ろからヘススが声をかけて来た。
テピートにだけは間違っても行くんじゃないぞ。。。あそこは、犯罪者の巣窟だ。これから行ったら身ぐるみはがされるからな。
って、おい!ここはソカロだろ?! テピートってどっちだよ。。。
あっちだ!
で、俺のコンドは?
あっち!!
どっちも同じ方向を指しているじゃないか。。。
ったく、困ったな。。。と、そこでヘススが言った。
俺はテピート出身だ。あそこから這い上がるのは大変なんだ、でも、悪い奴らばかりじゃない。ちょっと捻くれてしまっている奴らがいるだけで根はいいやつが多いんだ。。。
昔話に付き合っていたら、夜が明けてしまう。。。
わかったわかった
と手を振って、とにかく、その指さす方向に歩き始めた。
誰もいない。誰も歩いていない。車すら一台も通らない。。。流しのタクシーでもこの際いたらつかまえるか。。。と思ったが、そのタクシーすら流していない。
静かなシティの街。。。静かなソカロ。。。
あー、こういう喧騒とは裏腹のシティもいいものだな。。。なんて、呑気に歩いていたら、突然後ろと前をふさがれる形で5人の男に囲まれていた。。。
DAME TODO TU DINERO (有り金全部出しな)
もちろん、大いに緊張した。銃やナイフを持っていたらお手上げだし、喧嘩は強くない
ただ、ボクは酔っていた。ヘススのように犯罪者の多い町でのし上がったような男がいる町でもある。犯罪者も根はいいやつも多いと言っていた。
なんか、そんなことを思い出していると、目の前にいる、どう見ても10代の不良少年たちが、いとおしくなって来てしまった。
別に手に銃を持っているわけでもない。何やら武装はしているが、酔った勢いもあって、深呼吸を一つして、つたないスペイン語で話し始めた。
お前らテピートから来たのか?
だったら何なんだ??
いやな、今、俺はそのテピート出身のウェルター級の元チャンプと飲んで来たんだよ。
は?! 何をいっているんだ?!?という顔をしている
お前ら、ボクシングはするのか?
何なんだお前。。。
いいから、ボクシングはするのか?と聞いているんだ。
ボクの勢いに押されたか、一人の男が俺はしていると言った。
俺の爺さんもボクサーだった。それで、今までボクシングの話で盛り上がって飲んでいたのさ。
今度は、皆、静かに聞いている
テピートって所は酷いところだって言っていた。犯罪者の巣窟だと。お前らみたいなのが一杯いるんだってな。
でもな、彼はこうも言っていた。酷いところだが、根はいいやつが多いと。俺は、今はツアーガイドをしている。だから、稼ぎなんて良くはない、でも、もしお前らが乞食ならそんな無い金でもくれてやっていい。
まだ黙っている。
お前、さっき俺はボクシングをするって言ったよな。何のためにボクシングをしているんだ? こんなことをするためか?
説教をしたいわけじゃない。俺は酔ってるからな(笑) こんな俺から金を巻き上げるのくらい楽勝だろ。ただ、せっかくなら、こんなつまらない事じゃなく、もっと、自らの力で、勝利という形で男としての誇りを勝ち取ったらどうなんだ?!
せっかく、ボクシングをしているなら、そのハングリーさをバネに上がって来いよ。
俺はここで仕事をしているからな、いつだってまた会う事もあるだろう。ボクシングの日本選手が来る時には、チケットを売ったりもしているんだ。そうしたビジネスがらみで、今度はお前らの試合のチケットを売りたいものだな。
そこで、ボクはウエストポーチ外して、地面に投げた。バックの中にはボクの全財産が入っていた。
ほら、持ってけよ。
奴らは誰も手を出さなかった。男としての誇りだけは失っていないようだった。
犯罪を許すわけじゃない、ただ、犯罪者を単に犯罪を犯したからという理由で、刑務所に送ったとこで、何も解決しないとヘススは言っていた。。。
だから、歴史や政治が大切なんだと。
ボクは、怖い思いをしたという事が言いたいのではない。自分の生きる道に真剣でいれば、その真剣さというものはきっと伝わる奴には伝わる。拳銃持っていたら、こんなことも出来なかっただろうし、酔っていなかったら、ボクもこんなに大胆にはなれなかったと思う。
でも、今回の経験で、ボクは少しだけ、メキシコ人の性根を理解出来たような気もした。
ヘススも、根はいいやつが多いと言っていた。いろいろな理由で犯罪に手を染める人間がいるのはどこでも同じだが、犯罪はいけないという理由だけで、その背景を無視して取り締まるだけでは世の中は何も変わらない。
単なる憎悪が増すだけだ。
そして、この憎悪の溝が埋まらなくなった時に戦争が起こる事は、歴史が何度も証明をしている。
歴史を知ることが大切だ。ヘススが言った言葉が頭を巡った。
歴史は人に同じ過ちを繰り返さない知恵を与えてくれるが、それと共に人と人とがつながっていることも意識させてくれる。
今自分が生きているこの瞬間瞬間が、未来へと続く歴史でもあるのだと、己が生きた軌跡が未来の人に繋がり、人と人がつながっていく、、、それが歴史というものなのだと。。。
ただの表面的な歴史を学ぶのではなく、その奥深くに潜む真理を見極めよう。
そうすれば、人生もっと豊かになり、世の中もっと平和になるに違いない。。。
ボクらの仕事は、そんな大切な人のつながりの大切さを伝える仕事なのだと、改めて身を引きしめた。決して、飽きたり、同じことの繰り返しだとぼやくのではなく、歴史から学ぶという事をこれからも追求していき、伝えて行こう。。。
そんなことを思って家路についたボクだった。。。ビジャスルテス宮殿の明かりがまぶしかった。。。。。。
皆様の素敵な一日を祈って
店長吉田より
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2017年度のジンベエも9月15日満期出航100%遭遇率達成にて無事終了いたしました。
本年度も沢山のご利用まことにありがとうございました!
また来年度もジンベエ回遊して来てくれることを祈って!! -
最終日も沢山のジンベエと遭遇することが出来ました。
これからシーズンオフとなりますが、ジンベエザメ達もフロリダから遠くはマサチューセッツ州沿岸までの長い回遊の旅が始まります。 -
シーズンを終えてジンベエのスタッフは、これからまた各自の仕事へと戻っていきます。
多くは漁師ですが、ダイビングカメラマンなどは、そのままダイビングの仕事へと来年度までは戻ることになります。
漁師にとっては、この3カ月強のジンベエの時期は言ってみれば特需シーズンでもあるので、この時期に沢山稼いで、来年まではのんびり過ごす人が多いようです。。。何とも、メキシコらしいよなぁ(笑) -
9月16日は独立記念日でした。カンクンのセントロのメイン通りでもパレードがありました。
元はスペインに植民地化され、その後は、アメリカにまで侵略され、国土が3分の1に減り、民主革命を経た複雑な歴史を持つメキシコを知ることは単なる教科書に書いてあること以上の「何か」を感じ取ることが出来ると思います。
この場所でメキシコを肌に感じてみること。
それが旅の醍醐味であり大切なことだと改めて感じたひと時でした。、
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