2017/03/09 - 2017/03/11
235位(同エリア1022件中)
Yukio Misumiさん
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パレルモのホテルに荷物を預けて、軽装で、シチリア西部のセリヌンテ・トラパニ・セジェスタ・エリチェを2泊3日で巡りました。幸いなことに、8日から雨がよく降る冬の天気から、好天が続く夏の天気=みんなが期待する地中海の空、に変わりましたが、バス・列車を乗り継いで旅する外国人の姿はまだなく、イタリア語が判らぬ旅行者は緊張の連続になりました。
セジェスタの後、2日目の午後は、標高750mのエリチェ山の山頂部にあるエリチェへ登ります。前10世紀に、先住民シカニ族が彼らの女神の祭壇をエリチェ山に建設したことを起源とするこの街は、キリスト教布教後衰退していたようですが、12世紀に、アラブ人からシチリアを奪還したノルマン人が、再興しました。その後、ここは、(Monte) San Giulianoと呼ばれていましたが、1934年(wikipedia)、ローマ帝国の再興を目指したムッソリーニが、各地の地名をローマ風に変えたときに、エリチェ(山)としました。
この町へは、トラパニの東端からゴンドラがあるのですが、冬の間(3月18日まで)は運休しています。日に5便しかないバスで行くしかありません。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 2.5
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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14:31 午前中は誰もいなかったバスセンターの西側乗り場は、下校する子供達であふれ、次々とバスが発着していました。ほぼ、すべての子供達が出発した頃に、20分近く遅れてエリチェ行きのバスが来ました。
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バスは、エリチェ山の東山麓を北上します。山の東側は、崖の連続で登山道を切り開く余地はありません。
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山の北端まで進んだ後、左に曲がり、登り斜面が始まります。
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山の北斜面を折り返しながら登ります。下には、北西側の海に張り出したCofano山が見えてきます。
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15:04 エリチェの街の西端の駐車場に到着しました。
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エリチェの市街図:市街は、トラパニ門と駐車場(西)、ノルマン城(東)、スパーダ門(北)を頂点とする正三角形に近い形をしています。
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バス停から見たエリチェ:トラパニ門とその周りの城壁の左隣に、ドゥオーモの鐘楼が見えています。(11日写真)この後、迎えの車で、街の中心部にある宿(Pietre Antiche Appartment)へ移動しました。
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ビットリオ・エマニュエル通りからトラパニー門と遙か向こうの水平線:この街は、細長く切った石で格子を作り中を小石で埋めた特別な模様の石畳が敷かれています。さらに、石の間には草が生えて、緑の縁取りになっている場所が多くあります。よくかかる霧、下から見ると雲、からの補給される水分が、他の街にない草の生育を支えていると推測されます。
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トラパニ門の手前の路地:細いですが同じ石畳が敷かれています。奥は大聖堂です。
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15:37 大聖堂と鐘楼:14世紀に作られた南イタリアゴシック様式の教会だそうですが、小さなバラ窓がある以外特に装飾のない地味な作りになっています。但し、荒削りではあるが迫力がある聖堂・鐘楼と緑の縁取りの石畳は、神々しさがあります。前の広場の石畳は、周りの路地と違い、平行する細い棒石と小石の組み合わせです。
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鐘楼:雲が増えつつあったので、少しでも景色が見られるように先に登ります。
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イチオシ
15:43 鐘楼から北東方向:街の縁には城壁の痕跡があり、その外は、緩やかに傾斜した林です。
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鐘楼から東方向:街の端は崖です。
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鐘楼から西側:手前に、バス停とゴンドラの頂上駅、山の下にはトラパニが見えます。トラパニの向こうに光っている水面は塩田です。
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鐘楼の鐘:
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大聖堂の正面:このポーチは15世紀に増築されたらしい。
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大聖堂:入ると、外見から予想できない新しい明るい内装で驚かされます。内部は19世紀にネオゴシック様式に作り直されたようです。脇の礼拝堂や展示された聖具は、教会の歴史を感じさせます。
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ノルマン城に向かう路地:枡状の石畳が続きます。
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イチオシ
街の南の端、Venere通りからペポリ塔(左)とノルマン城:ペポリ塔は、ノルマン城の防衛拠点で、19世紀に修復した貴族の名前で呼ばれています。3月は、城は週末しか開いてないので、次の日に。
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西を振り返ると、トラパニの街と塩田の向こうの海の中に、エガディ諸島:
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バリオ公園:
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イチオシ
バリオ公園の北側の展望台からノルマン城:
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17:00 Giuseppe Fontane 通りのPietre Antiche Appartment(左側手前):
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Pietre Antiche Appartmentの中庭:入り口の扉を開けると中庭です。
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19:30 海からの風が強まり、霧に包まれた街:広場のピッツェリア以外開いている店もなく、路地を歩いている人影もありません。
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人の気配のないヴィットリ・オエマヌエレ通りに、唯一の明かりRistorante Monte San Giuliano:googleマップの場所(春から秋の店舗)は閉鎖されていましたが、宿の主人が地図に書いたこの場所で店を開いていました。
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21:00 Ristorante Monte San Giuliano:イタリア人の夕食が遅いとを考えても、この夜に客はもう来ないと思います。田舎町の季節外れに寂しく開いている客のいない店のイメージから想像される味ではなく、ネットの評判通り、オンシーズンのエリチェのリゾートとしての格式と賑わいが目に浮かぶ内容の料理でした。
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21:10 レストランからアパートまで、街路には風の音が響くだけで、人の気配は全くなく、アパートにも宿泊者の気配がありません。この街で夜を過ごした人はどれだけいたのか、吸血鬼やゾンビが街中にあふれているに違いない、ホラーナイトでした。標高が高いので、気温も下がっています。
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9:11 ジャン・フィリッポ・グアルノッティ通り:標高が高い分だけ強く冷え込んだ街中にはまだ人の気配がほとんどありません。
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9:14 Caffe San Giuliano:ノルマン城が開く10時まで、暖まるために休憩します。
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Caffe San Giulianoの店内:
この街には、昔の地名のSan Giulianoと名付けられた、レストランやカフェ、ホテルなどがあります。 -
Venere通りから西側:この朝には、トラパニの街と塩田、及びエガディ諸島がくっきりと見えています。
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ノルマン城の入り口:城館の中は見学できませんが、外郭は自由に見学できます。ここには、10時を過ぎると、三々五々、人が見学に訪れます。
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ノルマン城の平面図:この城は、12~13世紀に、シカニ族の聖地を起源とするヴィーナス神殿の跡地に作られました。広い外郭は、シカニ・エリミ・カルタゴ・(ローマ)時代の聖域・神殿の跡に作られています。
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城の外郭:周りの石壁の後には絶景が待っています。大きな石が散在していまが、城が乗っている露岩(写真手前の平らな石)と紀元前の聖域遺跡です。
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城から北東:
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城から東
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城から東南東
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城から南東
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城の館越しにペポリ塔:
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ヴィーナスの井戸:ヴィーナスには関係なく、貯蔵庫の入り口だったらしい。
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城から西:
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城から北西:エリチェの北東辺で、崖の連続です。右の端の建物が街の北に突出したQuartiere spagnolo、直訳すると「スペイン区」なのですが、「区」と訳すのは違うように思います。
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ペポリの小塔:19世紀に地元の貴族が別邸として建てた新しい塔、エリチェのノイシュヴァンシュタイン城かな?
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ペポリの小塔からノルマン城北西面の崖:
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11:09 街の北東側の辺、Viale Nunzio Nasiを進むと、カルミネ門に着きます。この付近から北の城壁は、「シチリア―“南”の再発見」(陣内、2002)によると、前八~六世紀の城壁がほぼそっくり残っています。石壁しかない典型的な中世の街で特段目立つ点はありませんが、よく見ると、漆喰かセメントのようなもので石と石の間が埋められているノルマン城等の石壁と違い、この門から北では石と石の間に薄石や小石が詰められているだけの城壁が多く見られます。トラパニ門との間の城壁は取り除かれている場所が多いです。
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カムニネ門から北に延びる城壁と道:約200m北のスパーダ門まで続いています。石畳も、ここから先は、街中の枡型から並行型に変わります。大聖堂の前と似ているますが、こちらのほうが埋め込まれた石がやや大きいようです。
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城壁の外側:比較的なだらかな松林の斜面になっていて、ほぼ崖が連なる残りの2面と違い、この面に城壁が必要であることが確認されます。
以下、陣内(2002)から推測です。手前左端や遠方の城壁の下部の荒削りの巨石は前8世紀の石が残っているように思います。右手前の大きめの切石やその上の小さめの切石、この地区の城壁の殆どが同じです、が前6世紀の石積みではないでしょうか。前6世紀=セリヌンテの神殿が建造された世紀、カルタゴ(エリチェはカルタゴの支配下にあった)の城壁がほぼそのまま残っているのは他にないのではないでしょうか。 -
城壁の北端にあるスパーダ門:門の上側と右側の壁は中世以後に作られているようです。
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スパーダ門から振り向いてカルミネ門方向:この部分は石の間に漆喰(?)が詰まっています。
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城壁の北端の延長上の岩稜の上に、Quartiere spagnolo:
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Quartiere spagnoloの北西側のお花畑:
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Quartiere spagnoloの先に張り出した岩の先からエリチェの北東側、左の端がノルマン城:
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イチオシ
岩の先から北東側のCofano山へ続く海岸線:真下には、つづら折りの道路がエリチェへ登っている。この道は、最後に左に抜けて、北西斜面を通りトラパニ門に至る。
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ウンベルト一世広場:この町独特の石畳(枡状、格子状?)+緑の苔が敷き詰められている。
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トラパニ門:
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城壁の上から見下ろしたトラパニ門:
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12:45 定刻通りトラパニ行き発車:
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13:57 SEGESTA社の営業所 Via Roasi:パレルモ行き(SEGESTA社運行)は、前日利用した駅南のバスセンターも経由するらしいが、SEGESTA社のfermataが見つからなかったので、高速道路の入り口の近くのSEGESTA社の営業所まで、2km弱歩きました。少し神経質になりすぎと思いますが、運賃はバスセンターより1ユーロ程度安かったようです。
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バス停Trapani Fardella / Roasi:
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エリチェ山:14:10発のバスは、高速道路を軽快に飛ばして、15:35にパレルモ・バスセンターに着きました。
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