シドニー滞在3日目、世界遺産に登録されている国立公園ブルーマウンテンズを訪れる早朝発のバスツアーに参加した。シドニーの西80km、電車でも2時間で行けるが、公園は非常に広く、バスツアーでないと短時間に効率的に巡ることは難しい。またこの日は夕刻8時からのシドニー交響楽団の演奏会を予約しており、時間までに確実にオペラハウスに到着できることを確認して電話で予約を入れた。ホテルで紹介してくれたこともあり、クレジットカード番号など伝える必要もなく良心的な対応で安心した。ただし8時にセントラルステーション前のユースホステル正面集合というのはなかなか解りにくく、何度も確認をした。<br /><br />ブルーマウンテンズというのはもちろんジャマイカのブルーマウンテン・コーヒーとは何の関係もなく、ユーカリの木に覆われた山地が青く霞んで見えるため、この名がつけられたという。地形はアメリカのグランドキャニオン公園や南アフリカのドラケンスバーグ公園と類似の、砂岩など堆積岩の地層を長年の風雨が侵食し作られた自然の造形だ。ただし両者に比べ標高は低く、最高地点のウェロング山でも1,215mである。かつては石炭が採掘されていたがすでに閉山され、トロッコ列車などその遺構が観光に活用されている。<br /><br />朝7時過ぎにマッカーリーパークのホテルを出て、セントラルステーションを撮影し8時少し前に待ち合わせ場所に到着した。愛想の良いドライバーが受け付けしてくれ、80オーストラリアドルとオプションのロープウェイとトロッコ列車の追加料金40Aドルを支払った。日本語ツアーが人気のようだが、英語ツアーの方がかなり安く、この日のツアー客は地元オーストラリア人のほかマレーシア人、シンガポール人、ドイツ人、中国人であった。<br /><br />1時間半ほど走って、まずは絶壁のキングステーブルランドの絶景ポイントで記念撮影、続いてウェントワース滝及びブラックヒース間の展望台から渓谷や滝を見下ろし、続いて最大の見所であるスリー・シスターズと呼ばれる3本の切り立った奇岩の展望台に立ち寄った。これは3人の美しい姉妹が、悪の魔王から守るため父の魔法により岩に変えられ、そのまま人間に戻ることができなくなったというアボリジニの悲しい伝説により名付けられたそうだ。その後街へ移動し昼食、カンガルーのハンバーガーなるものを初めて食べた。ここではベルリンから来たというドイツ人と中国人の若いカップルがベルリンフィルのファンで、しばし音楽談義に花が咲いた。<br /><br />昼食後はシーニックスカイウェイでスリー・シスターズを間近に見て谷の反対側に渡り、待っていてくれたバスで移動、レインフォレスト（正確には温帯雨林）を散策、そして石炭採掘のために作られた52度の急勾配のトロッコ列車、シーニックレールウェイに乗って415mを一気に下山した。再びバスで約1時間移動し船着き場に到着、ここでバスドライバーと別れを告げて遊覧船に乗船した。すでに日没時となっており、入り組んだリアス式海岸の夕景を眺めながら約30分のクルーズで、最後にハーバーブリッジをくぐってライトアップされたオペラハウスを間近に見ながら6時頃、終着点のサーキュラーキー駅前に接岸し下船、10時間ほどの盛りだくさんのツアーは解散となった。オプションを含め120Aドルのツアーは高いと思ったが、前日のバレエ公演が半額で約80Aドル（約3時間）、この日の8時から聴くシドニー響が75Aドル（約2時間）であることを思えばコストパフォーマンスは高い。<br /><br />サーキュラーキー駅からオペラハウスは徒歩10分ほど、軽く食事を取っても余裕で間に合った。シドニー響の演奏会はすでに書いたので省略するが、充実した1日を過ごした満足感とかなりの足の疲労とともに、深夜近くにホテルに帰着、急ぎ床についた。

オーストラリアの世界遺産No.2：グレーター・ブルーマウンテン地域を歩く

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2017/05/11 - 2017/05/12

39位(同エリア223件中)

#世界遺産

ハンクさん

シドニー滞在3日目、世界遺産に登録されている国立公園ブルーマウンテンズを訪れる早朝発のバスツアーに参加した。シドニーの西80km、電車でも2時間で行けるが、公園は非常に広く、バスツアーでないと短時間に効率的に巡ることは難しい。またこの日は夕刻8時からのシドニー交響楽団の演奏会を予約しており、時間までに確実にオペラハウスに到着できることを確認して電話で予約を入れた。ホテルで紹介してくれたこともあり、クレジットカード番号など伝える必要もなく良心的な対応で安心した。ただし8時にセントラルステーション前のユースホステル正面集合というのはなかなか解りにくく、何度も確認をした。

ブルーマウンテンズというのはもちろんジャマイカのブルーマウンテン・コーヒーとは何の関係もなく、ユーカリの木に覆われた山地が青く霞んで見えるため、この名がつけられたという。地形はアメリカのグランドキャニオン公園や南アフリカのドラケンスバーグ公園と類似の、砂岩など堆積岩の地層を長年の風雨が侵食し作られた自然の造形だ。ただし両者に比べ標高は低く、最高地点のウェロング山でも1,215mである。かつては石炭が採掘されていたがすでに閉山され、トロッコ列車などその遺構が観光に活用されている。

朝7時過ぎにマッカーリーパークのホテルを出て、セントラルステーションを撮影し8時少し前に待ち合わせ場所に到着した。愛想の良いドライバーが受け付けしてくれ、80オーストラリアドルとオプションのロープウェイとトロッコ列車の追加料金40Aドルを支払った。日本語ツアーが人気のようだが、英語ツアーの方がかなり安く、この日のツアー客は地元オーストラリア人のほかマレーシア人、シンガポール人、ドイツ人、中国人であった。

1時間半ほど走って、まずは絶壁のキングステーブルランドの絶景ポイントで記念撮影、続いてウェントワース滝及びブラックヒース間の展望台から渓谷や滝を見下ろし、続いて最大の見所であるスリー・シスターズと呼ばれる3本の切り立った奇岩の展望台に立ち寄った。これは3人の美しい姉妹が、悪の魔王から守るため父の魔法により岩に変えられ、そのまま人間に戻ることができなくなったというアボリジニの悲しい伝説により名付けられたそうだ。その後街へ移動し昼食、カンガルーのハンバーガーなるものを初めて食べた。ここではベルリンから来たというドイツ人と中国人の若いカップルがベルリンフィルのファンで、しばし音楽談義に花が咲いた。

昼食後はシーニックスカイウェイでスリー・シスターズを間近に見て谷の反対側に渡り、待っていてくれたバスで移動、レインフォレスト（正確には温帯雨林）を散策、そして石炭採掘のために作られた52度の急勾配のトロッコ列車、シーニックレールウェイに乗って415mを一気に下山した。再びバスで約1時間移動し船着き場に到着、ここでバスドライバーと別れを告げて遊覧船に乗船した。すでに日没時となっており、入り組んだリアス式海岸の夕景を眺めながら約30分のクルーズで、最後にハーバーブリッジをくぐってライトアップされたオペラハウスを間近に見ながら6時頃、終着点のサーキュラーキー駅前に接岸し下船、10時間ほどの盛りだくさんのツアーは解散となった。オプションを含め120Aドルのツアーは高いと思ったが、前日のバレエ公演が半額で約80Aドル（約3時間）、この日の8時から聴くシドニー響が75Aドル（約2時間）であることを思えばコストパフォーマンスは高い。

サーキュラーキー駅からオペラハウスは徒歩10分ほど、軽く食事を取っても余裕で間に合った。シドニー響の演奏会はすでに書いたので省略するが、充実した1日を過ごした満足感とかなりの足の疲労とともに、深夜近くにホテルに帰着、急ぎ床についた。