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 就職したとき最初に配属された部門の同期の仲間と、一年ぶりの同期会で上京した。飲んで帰るだけではもったいないし、あいにくの雨なので屋内で楽しめる、何か面白そうでフォトジェニックなイベントがないか探したところ、2つのデジタルアート展が開催されていたので、行ってみた。<br /> 地下鉄茅場町駅のすぐ傍の路地裏の空きビル。入場券を買って一歩足を踏み入れると、参道を思わせる暗い通路がある。そこを通り抜けると、古事記に登場する穀物の神、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)の化身、狐の「ウカ」がいざなう、ファンタジックでミステリアスな雰囲気の和食の世界が広がっている。手をかざすと日本の食材を育む美しい四季が変わり、米が踊る。そこは食神さまの不思議なレストランと呼ばれている。最後には、現代の食の神ともいうべき料理名人たちが提供する美味なる料理を味わうこともできる。<br /> 和食の魅力を堪能した後は、歌川広重などの作品をベースに作られた動く浮世絵の世界に入る。肩肘張らずに浮世絵の名作を鑑賞し、気楽に江戸文化のトリビアが楽しめる空間であった。<br /> <br /><br />

二つのデジタルアート展で和食の魅力に触れ、ポップな江戸文化を楽しむ ~食神さまの不思議なレストラン&スーパー浮世絵江戸の秘密~

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2017/03/25 - 2017/03/25

374位(同エリア1890件中)

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玄白

玄白さん

 就職したとき最初に配属された部門の同期の仲間と、一年ぶりの同期会で上京した。飲んで帰るだけではもったいないし、あいにくの雨なので屋内で楽しめる、何か面白そうでフォトジェニックなイベントがないか探したところ、2つのデジタルアート展が開催されていたので、行ってみた。
 地下鉄茅場町駅のすぐ傍の路地裏の空きビル。入場券を買って一歩足を踏み入れると、参道を思わせる暗い通路がある。そこを通り抜けると、古事記に登場する穀物の神、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)の化身、狐の「ウカ」がいざなう、ファンタジックでミステリアスな雰囲気の和食の世界が広がっている。手をかざすと日本の食材を育む美しい四季が変わり、米が踊る。そこは食神さまの不思議なレストランと呼ばれている。最後には、現代の食の神ともいうべき料理名人たちが提供する美味なる料理を味わうこともできる。
 和食の魅力を堪能した後は、歌川広重などの作品をベースに作られた動く浮世絵の世界に入る。肩肘張らずに浮世絵の名作を鑑賞し、気楽に江戸文化のトリビアが楽しめる空間であった。
 

旅行の満足度
4.0
同行者
一人旅
交通手段
JRローカル 私鉄
  • 2~4階で「食神さまの不思議なレストラン」、6~7階で「スーパー浮世絵江戸の秘密」というイベントが開催されている。ともに最新のデジタル映像を駆使したユニークなイベント。両方のセット券は\3,400と決して安くはないが、2本立ての映画を見たと思えば妥当なところかな。ストロボ、三脚を使わなければ、撮影OK。<br /><br />このイベントは5月21日まで開催予定になっている。

    2~4階で「食神さまの不思議なレストラン」、6~7階で「スーパー浮世絵江戸の秘密」というイベントが開催されている。ともに最新のデジタル映像を駆使したユニークなイベント。両方のセット券は\3,400と決して安くはないが、2本立ての映画を見たと思えば妥当なところかな。ストロボ、三脚を使わなければ、撮影OK。

    このイベントは5月21日まで開催予定になっている。

  • 場所は茅場町駅から歩いて2,3分の空きビル。永代通りから入った路地が入口になっている、

    場所は茅場町駅から歩いて2,3分の空きビル。永代通りから入った路地が入口になっている、

  •  チケット売り場から2階に上がり暗い通路を抜けると、最初に、「Valley ~四季の谷~」と名付けられた空間に出る。天井に無数の提灯が吊るされている部屋に半透明のスクリーンが重層的にセットされれており、美しい日本の四季の映像が映し出されている。あたかも絢爛豪華な城の襖絵を見ているようだ。

     チケット売り場から2階に上がり暗い通路を抜けると、最初に、「Valley ~四季の谷~」と名付けられた空間に出る。天井に無数の提灯が吊るされている部屋に半透明のスクリーンが重層的にセットされれており、美しい日本の四季の映像が映し出されている。あたかも絢爛豪華な城の襖絵を見ているようだ。

  •  一番奥のワイドスクリーンには、狐の「ウカ」が季節の案内人のように現れて、春夏秋冬の日本の原風景が映し出される。<br /> 「ウカ」という愛称は、古事記に登場する穀物・食物を司る宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)に由来しているのであろう。そして、この食物の神様を主祭神として祀っているのが、稲荷神社であり、稲荷神社と言えば、狐に結び付く。

     一番奥のワイドスクリーンには、狐の「ウカ」が季節の案内人のように現れて、春夏秋冬の日本の原風景が映し出される。
     「ウカ」という愛称は、古事記に登場する穀物・食物を司る宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)に由来しているのであろう。そして、この食物の神様を主祭神として祀っているのが、稲荷神社であり、稲荷神社と言えば、狐に結び付く。

  •  春の代表的風景は、何といっても桜。桜は古代日本人の稲作と密接に関係している。山の神が春になると里に降りて来て、田の神になる。そのタイミングが桜が咲く時期であり、山の神が里に降りて来る途中、桜の木に一時的に宿ると信じられてきた。桜のサとは山の神の古代日本語、クラとは神が座る居場所(いくつかの神社にある神が宿る神聖な岩を磐座(イワクラ)というのと同じ)のことで、桜をサクラと呼ぶ語源になっている。<br /> 桜は単にきれいな花木というだけでなく、日本人の主食であるコメ、稲作信仰と結びついた精神性があり、現代でも桜に異常なまでの愛着を持つ日本人には、古代の稲作信仰と結びついた特別な花と感じる遺伝子が脈々と受け継がれているのかもしれない。

    イチオシ

     春の代表的風景は、何といっても桜。桜は古代日本人の稲作と密接に関係している。山の神が春になると里に降りて来て、田の神になる。そのタイミングが桜が咲く時期であり、山の神が里に降りて来る途中、桜の木に一時的に宿ると信じられてきた。桜のサとは山の神の古代日本語、クラとは神が座る居場所(いくつかの神社にある神が宿る神聖な岩を磐座(イワクラ)というのと同じ)のことで、桜をサクラと呼ぶ語源になっている。
     桜は単にきれいな花木というだけでなく、日本人の主食であるコメ、稲作信仰と結びついた精神性があり、現代でも桜に異常なまでの愛着を持つ日本人には、古代の稲作信仰と結びついた特別な花と感じる遺伝子が脈々と受け継がれているのかもしれない。

  • スクリーンの提灯や草花に手をかざすと、そこから新たな映像が映し出される。提灯によって、異なった色々な映像になる。たとえば、タンポポの花が咲いたり・・・

    スクリーンの提灯や草花に手をかざすと、そこから新たな映像が映し出される。提灯によって、異なった色々な映像になる。たとえば、タンポポの花が咲いたり・・・

  • 夏。モチーフは、緑濃い竹林。竹林の中を涼しげにアユ(?)が泳ぐ幻想的な映像が出現したり、

    夏。モチーフは、緑濃い竹林。竹林の中を涼しげにアユ(?)が泳ぐ幻想的な映像が出現したり、

  • ウカが現れ、竹がチリヂリに壊れて宙に舞うファンタジックな映像など、スクリーンの提灯や植物に手をかざすと次々と新しい映像が現れる。

    ウカが現れ、竹がチリヂリに壊れて宙に舞うファンタジックな映像など、スクリーンの提灯や植物に手をかざすと次々と新しい映像が現れる。

  •  秋のモチーフは紅葉。日本の紅葉は、世界に類を見ない美しさであり、稲を始め多くの和食の食材の収穫の季節である。<br /> 「食神さまの不思議なレストラン」を企画・制作したのは、日本人ではなく、「モーメント・ファクトリー」というモントリオールに本拠を置く体験型映像イベントのスペシャリスト集団である。シルク・ド・ソレイユのプログラムなども手掛け、その作品は高く評価されている。

     秋のモチーフは紅葉。日本の紅葉は、世界に類を見ない美しさであり、稲を始め多くの和食の食材の収穫の季節である。
     「食神さまの不思議なレストラン」を企画・制作したのは、日本人ではなく、「モーメント・ファクトリー」というモントリオールに本拠を置く体験型映像イベントのスペシャリスト集団である。シルク・ド・ソレイユのプログラムなども手掛け、その作品は高く評価されている。

  •  彼らが、日本で初めて開催する体験型映像イベントを手掛けるにあたって、手にした資料が、和食の本と古事記だったという。さらには美しい日本の風景写真も見ているはずで、なかでも紅葉の美しさは、強烈なインパクトを与えたことは想像に難くない。

     彼らが、日本で初めて開催する体験型映像イベントを手掛けるにあたって、手にした資料が、和食の本と古事記だったという。さらには美しい日本の風景写真も見ているはずで、なかでも紅葉の美しさは、強烈なインパクトを与えたことは想像に難くない。

  • 冬<br />日本ではあまり知られていないが、モーメント・ファクトリーが高く評価されている企画の一つがケベック州コアティクックに作った「Foresta Lumina」というテーマパーク。そのコンセプトは「自然の美しさを再発見するようなものであること、出来合いのキャラクターやストーリーは使わない。コアティクックに伝わる言い伝えや伝説を研究して、それに基づいた精霊などを登場させること」だったという。

    イチオシ


    日本ではあまり知られていないが、モーメント・ファクトリーが高く評価されている企画の一つがケベック州コアティクックに作った「Foresta Lumina」というテーマパーク。そのコンセプトは「自然の美しさを再発見するようなものであること、出来合いのキャラクターやストーリーは使わない。コアティクックに伝わる言い伝えや伝説を研究して、それに基づいた精霊などを登場させること」だったという。

  •   そんな記事を読んだとき、この「食神さまの不思議なレストラン」も、「Foresta Lumina」と同じコンセプトが貫かれていると感じられたのだった。

      そんな記事を読んだとき、この「食神さまの不思議なレストラン」も、「Foresta Lumina」と同じコンセプトが貫かれていると感じられたのだった。

  • たっぷりと「四季の谷」の美しい映像を見て、触れてから次のコーナー「Four Ways 焼・煮・揚・蒸」へ。<br />

    たっぷりと「四季の谷」の美しい映像を見て、触れてから次のコーナー「Four Ways 焼・煮・揚・蒸」へ。

  •  和食の基本的な調理方法である「焼く・煮る・揚げる・蒸す」をレザリアム(レーザー光を使ってリサージュ図形やさらに複雑化した図形をスクリーンに映し出すショーのこと)で表現するというもの。7層の半透明スクリーン4つに、それぞれ4つの調理方法をイメージした光の図形を映し出す。スクリーンの前に立って、体を動かすと図形と音が複雑に変化する仕掛けになっている。いささか、抽象的すぎて、「焼く・煮る・揚げる・蒸す」との関係は理屈ではわからないが、たぶん自分が鍋の中の食材になったつもりで映像と音を楽しめということのようだ。

     和食の基本的な調理方法である「焼く・煮る・揚げる・蒸す」をレザリアム(レーザー光を使ってリサージュ図形やさらに複雑化した図形をスクリーンに映し出すショーのこと)で表現するというもの。7層の半透明スクリーン4つに、それぞれ4つの調理方法をイメージした光の図形を映し出す。スクリーンの前に立って、体を動かすと図形と音が複雑に変化する仕掛けになっている。いささか、抽象的すぎて、「焼く・煮る・揚げる・蒸す」との関係は理屈ではわからないが、たぶん自分が鍋の中の食材になったつもりで映像と音を楽しめということのようだ。

  •  「Four Ways 焼・煮・揚・蒸」の次は、薄暗い階段を昇って、次のコーナーへ。<br /> 「Sanctuary 和食の社」と名付けられた部屋の中央には、リング状に置かれたランタンの灯り(実際は半円で壁に張られた鏡により、円形に見えている)が、神秘的な祈りの空間を演出しているようだ。<br /> 勝手な想像だが、これは縄文時代の遺跡、環状列石をイメージしているのかもしれない。かつては稲作は弥生時代に始まったとされていたが、最近ではプラントオパール分析という手法により、縄文時代から稲作が行われていたという説が通説になっている。和食の根源であるコメ、稲作の起源を縄文時代に結び付ける象徴として環状列石をイメージしたランタンアートだとすれば、モーメントファクトリーの先史時代の日本史への理解は、驚愕すべきレベルと言わざるをいない。(日本人でも縄文時代の稲作や環状列石のことを知る人は少ない。)<br /> 本当のところは、どうなのか、モーメントファクトリーに聞いてみたい。

    イチオシ

     「Four Ways 焼・煮・揚・蒸」の次は、薄暗い階段を昇って、次のコーナーへ。
     「Sanctuary 和食の社」と名付けられた部屋の中央には、リング状に置かれたランタンの灯り(実際は半円で壁に張られた鏡により、円形に見えている)が、神秘的な祈りの空間を演出しているようだ。
     勝手な想像だが、これは縄文時代の遺跡、環状列石をイメージしているのかもしれない。かつては稲作は弥生時代に始まったとされていたが、最近ではプラントオパール分析という手法により、縄文時代から稲作が行われていたという説が通説になっている。和食の根源であるコメ、稲作の起源を縄文時代に結び付ける象徴として環状列石をイメージしたランタンアートだとすれば、モーメントファクトリーの先史時代の日本史への理解は、驚愕すべきレベルと言わざるをいない。(日本人でも縄文時代の稲作や環状列石のことを知る人は少ない。)
     本当のところは、どうなのか、モーメントファクトリーに聞いてみたい。

  • 環状列石をイメージした(と勝手に思っている)ランタンを半円状に取り囲む壁の4つのスクリーンには、和食の4大要素、出汁・酒・発酵・食器&道具が、解説とともに、映し出される。

    環状列石をイメージした(と勝手に思っている)ランタンを半円状に取り囲む壁の4つのスクリーンには、和食の4大要素、出汁・酒・発酵・食器&道具が、解説とともに、映し出される。

  •  どのスクリーンの映像も背景は神社の社殿。日本の神社は、外国人にとっては、ことのほかエキゾチックな和の文化が感じられるのだろう。<br /> たとえば、出汁のスクリーン。真ん中のどんぶりの中に4つの漆塗りの重箱を手をかざして投げ入れると・・・

     どのスクリーンの映像も背景は神社の社殿。日本の神社は、外国人にとっては、ことのほかエキゾチックな和の文化が感じられるのだろう。
     たとえば、出汁のスクリーン。真ん中のどんぶりの中に4つの漆塗りの重箱を手をかざして投げ入れると・・・

  •  昆布、鰹節、干ししいたけ、煮干しという出汁を摂るための4大食材が映し出される。昆布であれば、真昆布、日高昆布、羅臼昆布、利尻昆布といった産地による微妙な違いがあり、和食の達人たちは、上手に使い分けている。そんな昆布の特徴の一旦をスクリーンに映し出される映像と解説文で学ぶことが出来る。鰹節、干ししいたけ、煮干しについてもしかり。いわば、ここは和食の勉強コーナーである。

     昆布、鰹節、干ししいたけ、煮干しという出汁を摂るための4大食材が映し出される。昆布であれば、真昆布、日高昆布、羅臼昆布、利尻昆布といった産地による微妙な違いがあり、和食の達人たちは、上手に使い分けている。そんな昆布の特徴の一旦をスクリーンに映し出される映像と解説文で学ぶことが出来る。鰹節、干ししいたけ、煮干しについてもしかり。いわば、ここは和食の勉強コーナーである。

  • 発酵のスクリーンでは、それぞれの行灯に手をかざすと、いろいろな発酵食品が現れる。

    発酵のスクリーンでは、それぞれの行灯に手をかざすと、いろいろな発酵食品が現れる。

  • たとえば、馴れ寿司など・・・

    たとえば、馴れ寿司など・・・

  •  道具のスクリーン。<br />和食は、食材とそれの調理だけでなく、それをどのような器に美しく盛り、どんな箸でいただくかというところまでこだわって完成するということを思い起こさせてくれる。<br /> ハレの席の和食のメインディッシュである煮物椀。お椀の中には、昆布と鰹節で取った黄金色に透き通った一番出汁の中に、美しく仕上げられた真蒸や彩を添える季節の食材が鎮座し、客はふたを開けた瞬間、目に飛び込む季節感あふれる美しい料理と立ち昇るふくいくとした出汁の香りに感動するのである。そんな演出のために、美しく仕上げられた漆塗りの煮物椀はかかせない。

    イチオシ

     道具のスクリーン。
    和食は、食材とそれの調理だけでなく、それをどのような器に美しく盛り、どんな箸でいただくかというところまでこだわって完成するということを思い起こさせてくれる。
     ハレの席の和食のメインディッシュである煮物椀。お椀の中には、昆布と鰹節で取った黄金色に透き通った一番出汁の中に、美しく仕上げられた真蒸や彩を添える季節の食材が鎮座し、客はふたを開けた瞬間、目に飛び込む季節感あふれる美しい料理と立ち昇るふくいくとした出汁の香りに感動するのである。そんな演出のために、美しく仕上げられた漆塗りの煮物椀はかかせない。

  • 利休箸<br /> 中央が太く平らになっていて、両端が細くなっている箸。茶人千利休が茶懐石で、客をもてなすために、みずから一本一本吉野杉を削って客をもてなしたと言われている。<br /> 古来より日本人は神々が宿る自然の中から糧を得て生きて来た。箸は日々の食物を口に運ぶ道具だが、それは、人と自然、人間と神々をつなぐ橋という思想が根底にある。利休箸には、片側を人間が使い、もう一つの側は神々が使うという意味が込められている。

    利休箸
     中央が太く平らになっていて、両端が細くなっている箸。茶人千利休が茶懐石で、客をもてなすために、みずから一本一本吉野杉を削って客をもてなしたと言われている。
     古来より日本人は神々が宿る自然の中から糧を得て生きて来た。箸は日々の食物を口に運ぶ道具だが、それは、人と自然、人間と神々をつなぐ橋という思想が根底にある。利休箸には、片側を人間が使い、もう一つの側は神々が使うという意味が込められている。

  • プログラムの間には、煮干しの原料であるカタクチイワシの群れをイメージしたような美しい映像が流れる。

    プログラムの間には、煮干しの原料であるカタクチイワシの群れをイメージしたような美しい映像が流れる。

  •  和食の社で、和食のトリビアをたっぷり仕入れた後は、「Dialogue ~米との対話~」のコーナーへ。

     和食の社で、和食のトリビアをたっぷり仕入れた後は、「Dialogue ~米との対話~」のコーナーへ。

  • そこには、直径1.8mの巨大なお椀の中に、200kgの米が山盛りに積まれている。その米の山をスクリーンにしてさまざまな映像が映し出される。

    そこには、直径1.8mの巨大なお椀の中に、200kgの米が山盛りに積まれている。その米の山をスクリーンにしてさまざまな映像が映し出される。

  • 訪れた人は、好きなように米の山の中に手を突っ込んだり、救い上げたりして、米の持つ触感を楽しめる。米の山の形を変えるとそれに応じて映像が変化するしかけになっている。

    イチオシ

    訪れた人は、好きなように米の山の中に手を突っ込んだり、救い上げたりして、米の持つ触感を楽しめる。米の山の形を変えるとそれに応じて映像が変化するしかけになっている。

  •  米は言うまでもなく、先史時代から日本人の主食であり特別な食べ物であり、中世から近世にかけては、貨幣経済の発展とともに、そのシステムに組み入れられて貨幣の役割まで担ってきたのである。特に江戸時代は、幕藩体制のなかでは、行政規模は米の収穫量がベースになり、徴税は年貢米という米が担っていたほどである。<br /> 日本語には、米に関わる単語は、収穫前後、調理後に応じて稲、籾、飯、粥と多数あるのに、小麦文化の欧米では、たった一つの Rice という単語しかない。語彙の豊富さも、米が日本人にとっていかに重要かを物語っている。

     米は言うまでもなく、先史時代から日本人の主食であり特別な食べ物であり、中世から近世にかけては、貨幣経済の発展とともに、そのシステムに組み入れられて貨幣の役割まで担ってきたのである。特に江戸時代は、幕藩体制のなかでは、行政規模は米の収穫量がベースになり、徴税は年貢米という米が担っていたほどである。
     日本語には、米に関わる単語は、収穫前後、調理後に応じて稲、籾、飯、粥と多数あるのに、小麦文化の欧米では、たった一つの Rice という単語しかない。語彙の豊富さも、米が日本人にとっていかに重要かを物語っている。

  • 神秘的でファンタジックな映像を見て、触れて楽しんだあとは、さらに上に階に上がり、実際に現代の食神たる食の名人たちが提供する和食を、味わい、香りを体験するという趣向である。

    神秘的でファンタジックな映像を見て、触れて楽しんだあとは、さらに上に階に上がり、実際に現代の食神たる食の名人たちが提供する和食を、味わい、香りを体験するという趣向である。

  •  チケット購入時にもれなくもらえる引換券をレストラン窓口に渡すと、「神さまのおいなり」に交換してくれる。食神さまとウカの好物である稲荷ずしを分かち合うという意味合いがこめられているのだろう。<br /> 実際には京都の料亭、野草一味庵「美山荘」のシェフ中東久人氏が監修した関西風の三角形の稲荷ずしである。正直なところ、味は今一つかな。

     チケット購入時にもれなくもらえる引換券をレストラン窓口に渡すと、「神さまのおいなり」に交換してくれる。食神さまとウカの好物である稲荷ずしを分かち合うという意味合いがこめられているのだろう。
     実際には京都の料亭、野草一味庵「美山荘」のシェフ中東久人氏が監修した関西風の三角形の稲荷ずしである。正直なところ、味は今一つかな。

  •  別料金を払えば、3種の味噌による味噌汁の味比べ、香り豊かな出汁の稲庭うどん、野菜のうま味を生かした筑前煮など、いくつかの料理が用意されている。自分でも時々料理をするのだが、なかなかうまくできない。そこで名人が作る厚焼き玉子を食べてみた。赤穂鶏と実山椒入り厚焼き卵である。味は う~ん・・・ちょっと損した気分。<br />

     別料金を払えば、3種の味噌による味噌汁の味比べ、香り豊かな出汁の稲庭うどん、野菜のうま味を生かした筑前煮など、いくつかの料理が用意されている。自分でも時々料理をするのだが、なかなかうまくできない。そこで名人が作る厚焼き玉子を食べてみた。赤穂鶏と実山椒入り厚焼き卵である。味は う~ん・・・ちょっと損した気分。

  •  そもそも、最新デジタル映像技術を駆使した、驚くような美しい映像の数々でミステリアスでファンタジックな和食の世界に浸った後に、このレストラン(というより食堂)には、サプライズは何もなく現実に引き戻され、提供される料理は正直なところ今一つで、ちょっとがっかりというのが率直な印象。

     そもそも、最新デジタル映像技術を駆使した、驚くような美しい映像の数々でミステリアスでファンタジックな和食の世界に浸った後に、このレストラン(というより食堂)には、サプライズは何もなく現実に引き戻され、提供される料理は正直なところ今一つで、ちょっとがっかりというのが率直な印象。

  • 4階から一気に階段を降り、チケット売り場に戻り、今度はもう一つのデジタルアート展「スーパー浮世絵江戸の秘密展」へ。

    4階から一気に階段を降り、チケット売り場に戻り、今度はもう一つのデジタルアート展「スーパー浮世絵江戸の秘密展」へ。

  •  「べらぼうにエモい」というキャッチコピーが、かしこまって額に入った浮世絵の名作を鑑賞するのではなく、江戸時代の大衆メディアであった浮世絵を通じて、食、ファッション、風俗、慣習など、気楽に江戸のポップな文化を楽しめるということを暗示している。<br /> 映像はボストン美術館が所蔵する保存状態がよく当時の色がそのまま残っているという浮世絵「スポルディング・コレクション」を超高精細デジタル映像にしたものをベースに、巨大化、動画化して展示している。

     「べらぼうにエモい」というキャッチコピーが、かしこまって額に入った浮世絵の名作を鑑賞するのではなく、江戸時代の大衆メディアであった浮世絵を通じて、食、ファッション、風俗、慣習など、気楽に江戸のポップな文化を楽しめるということを暗示している。
     映像はボストン美術館が所蔵する保存状態がよく当時の色がそのまま残っているという浮世絵「スポルディング・コレクション」を超高精細デジタル映像にしたものをベースに、巨大化、動画化して展示している。

  •  まずは、江戸名所の代表、日本橋からスタート。<br />舞台は大きなスクリーンと日本橋川を模した池という設え。川には、歌川広重の「魚づくし 鯉」の映像が写されている。<br /> 江戸時代の旅行マニュアル「旅行用心集」を著した八隅蘆菴(やすみ・ろあん)のナレーションが流れている。ボイスキャストは歌舞伎俳優、六代目片岡愛之助が務めているという。

     まずは、江戸名所の代表、日本橋からスタート。
    舞台は大きなスクリーンと日本橋川を模した池という設え。川には、歌川広重の「魚づくし 鯉」の映像が写されている。
     江戸時代の旅行マニュアル「旅行用心集」を著した八隅蘆菴(やすみ・ろあん)のナレーションが流れている。ボイスキャストは歌舞伎俳優、六代目片岡愛之助が務めているという。

  • 大きなスクリーンには、歌川広重の「東海道五十三次之内 日本橋 朝之景」が映し出されている。これは静止画でも動画でもない。デジタル的に切り出した人物だけを平行移動的に動かす準動画ともいうような映像に仕上げている。

    大きなスクリーンには、歌川広重の「東海道五十三次之内 日本橋 朝之景」が映し出されている。これは静止画でも動画でもない。デジタル的に切り出した人物だけを平行移動的に動かす準動画ともいうような映像に仕上げている。

  • この映像インスタレーションに使われた歌川広重の2つの作品 「東海道五十三次 日本橋 朝之景」と「魚づくし 鯉」

    この映像インスタレーションに使われた歌川広重の2つの作品 「東海道五十三次 日本橋 朝之景」と「魚づくし 鯉」

  • 次は江戸のファッションコーナー<br />江戸時代、町娘の髪型は300種類もあった。結婚するとお歯黒を使い、子供が生まれると眉を剃るという風習があった。子供を持ったら、感情を表に出さないのが女の美徳という価値観を著した習俗だった。江戸時代、庶民の女性も化粧をするようになった。色白であることが美人の条件という価値観は現代でも変わらない。だが当時の白粉の成分、鉛白は鉛中毒による病気の原因でもあり、社会問題化していた・・・などという片岡愛之助扮する八隅蘆菴のナレーションが流れる中、・・・

    次は江戸のファッションコーナー
    江戸時代、町娘の髪型は300種類もあった。結婚するとお歯黒を使い、子供が生まれると眉を剃るという風習があった。子供を持ったら、感情を表に出さないのが女の美徳という価値観を著した習俗だった。江戸時代、庶民の女性も化粧をするようになった。色白であることが美人の条件という価値観は現代でも変わらない。だが当時の白粉の成分、鉛白は鉛中毒による病気の原因でもあり、社会問題化していた・・・などという片岡愛之助扮する八隅蘆菴のナレーションが流れる中、・・・

  • スクリーンには、花吹雪の中や・・・

    スクリーンには、花吹雪の中や・・・

  • 雪景色の中を、浮世絵から切り出された、江戸時代の最新ファッションに身を包んだ男女が行き交い、

    雪景色の中を、浮世絵から切り出された、江戸時代の最新ファッションに身を包んだ男女が行き交い、

  • 両国橋の川開き見物に来た娘たちの着飾った姿があでやかに動く。

    両国橋の川開き見物に来た娘たちの着飾った姿があでやかに動く。

  • 「江戸のファッション」インスタレーションに使われた浮世絵は歌川広重「上野不忍池 雪の景」、歌川豊国「東都両国橋川開き繁栄之図」、歌川国芳「三十六歌仙童女教訓鏡」など多数。

    「江戸のファッション」インスタレーションに使われた浮世絵は歌川広重「上野不忍池 雪の景」、歌川豊国「東都両国橋川開き繁栄之図」、歌川国芳「三十六歌仙童女教訓鏡」など多数。

  • スクリーンの反対側には、インスタレーションで使われたオリジナル浮世絵複製画が壁に飾られていて、美術館での鑑賞の気分にもなれる。

    スクリーンの反対側には、インスタレーションで使われたオリジナル浮世絵複製画が壁に飾られていて、美術館での鑑賞の気分にもなれる。

  •  江戸庶民の娯楽の筆頭は歌舞伎をはじめとした芝居小屋。小屋の入口には、芝居の出演者の肖像が飾られていた。一枚目は芝居の主役俳優、二枚目は、若くてカッコイイ役者、三枚目は、道化役でイケてない役回りの役者の肖像が架けられていた。<br /> かっこいいイケメン男性を2枚目、滑稽でドジで女性にもてない男性を3枚目というのは、江戸時代の芝居小屋に由来している。

     江戸庶民の娯楽の筆頭は歌舞伎をはじめとした芝居小屋。小屋の入口には、芝居の出演者の肖像が飾られていた。一枚目は芝居の主役俳優、二枚目は、若くてカッコイイ役者、三枚目は、道化役でイケてない役回りの役者の肖像が架けられていた。
     かっこいいイケメン男性を2枚目、滑稽でドジで女性にもてない男性を3枚目というのは、江戸時代の芝居小屋に由来している。

  • そんな歌舞伎役者を描くことも、大衆メディアだった浮世絵の大事な役割だったのである。

    そんな歌舞伎役者を描くことも、大衆メディアだった浮世絵の大事な役割だったのである。

  •  名だたる歌舞伎役者のイケメンたちが大集合。<br /> なお、江戸時代の人気俳優といえども、身分は平民で苗字を持つことは許されない。そこで江戸庶民は、苗字の代わりに「中村屋」、「成田屋」といった屋号を付けて別格扱いした。この歌舞伎役者の屋号は現代まで続いているが、これは江戸庶民の権力者への粋な反骨精神の表れなのである。

     名だたる歌舞伎役者のイケメンたちが大集合。
     なお、江戸時代の人気俳優といえども、身分は平民で苗字を持つことは許されない。そこで江戸庶民は、苗字の代わりに「中村屋」、「成田屋」といった屋号を付けて別格扱いした。この歌舞伎役者の屋号は現代まで続いているが、これは江戸庶民の権力者への粋な反骨精神の表れなのである。

  •  新興の江戸は発展途上で、江戸町民は忙しく、食事は手っ取り早く済ませたい。そんなニーズから生まれた日本食が、屋台発祥の、そば、江戸前寿司。天ぷらなど。上方の懐石、京料理が貴族のスローフードだったのに対して、江戸由来の和食は江戸っ子のファーストフードだった。<br /> もともと、鮨とは馴れ鮨のことで、魚を塩と米で発酵させた食品だったが、気が短い江戸っ子は、「食べ物を作るのに発酵などという時間がかかることはやってられない、飯に酢を混ぜて酸味を出し、生の魚の切り身を載せて、手づかみでパパッと食べる」江戸前鮨の誕生である。

     新興の江戸は発展途上で、江戸町民は忙しく、食事は手っ取り早く済ませたい。そんなニーズから生まれた日本食が、屋台発祥の、そば、江戸前寿司。天ぷらなど。上方の懐石、京料理が貴族のスローフードだったのに対して、江戸由来の和食は江戸っ子のファーストフードだった。
     もともと、鮨とは馴れ鮨のことで、魚を塩と米で発酵させた食品だったが、気が短い江戸っ子は、「食べ物を作るのに発酵などという時間がかかることはやってられない、飯に酢を混ぜて酸味を出し、生の魚の切り身を載せて、手づかみでパパッと食べる」江戸前鮨の誕生である。

  • そんな江戸前寿司のネタになる江戸湾の魚たちも浮世絵に描かれている。歌川広重の「魚づくし」である。

    そんな江戸前寿司のネタになる江戸湾の魚たちも浮世絵に描かれている。歌川広重の「魚づくし」である。

  • 浮世絵の代表的作品と言えば、これ! 葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」である。ヨーロッパの絵画にも多大な影響を与え、斬新で迫力溢れる構図の浮世絵は、浮世絵のスーパースターであり、玄白が最も好きな絵の一つである。

    浮世絵の代表的作品と言えば、これ! 葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」である。ヨーロッパの絵画にも多大な影響を与え、斬新で迫力溢れる構図の浮世絵は、浮世絵のスーパースターであり、玄白が最も好きな絵の一つである。

  • そんな浮世絵のスーパースターと、歌川広重の「魚づくし」をベースに作られた大スクリーンのインスタレーションを楽しみながら、江戸の食文化のトリビアを仕込んだひと時だった。

    そんな浮世絵のスーパースターと、歌川広重の「魚づくし」をベースに作られた大スクリーンのインスタレーションを楽しみながら、江戸の食文化のトリビアを仕込んだひと時だった。

  • 富士山が見える江戸湾で、大波にもまれる小舟と、江戸前の魚たちが飛び跳ねる。

    イチオシ

    富士山が見える江戸湾で、大波にもまれる小舟と、江戸前の魚たちが飛び跳ねる。

  •  現在、築地市場の豊洲移転問題ですったもんだしている。その築地市場も、築地に移転する前は日本橋にあったのだ。日本橋の船道具屋を間借りし、板船という戸板一枚で魚河岸の商売をしていたのが、築地市場の原点だったのである。

     現在、築地市場の豊洲移転問題ですったもんだしている。その築地市場も、築地に移転する前は日本橋にあったのだ。日本橋の船道具屋を間借りし、板船という戸板一枚で魚河岸の商売をしていたのが、築地市場の原点だったのである。

  •  日本橋の名所を訪ね、江戸庶民のファッション、風俗を見聞し、歌舞伎というエンターテイメントを楽しみ、江戸の食文化に触れると、いつの間にか夜が更けていく。そんな夜に登場するのが、江戸時代に創作された怪談の主役たち。<br /> 江戸時代に創作された3大幽霊といえば、四谷怪談のお岩さん、番町皿屋敷のお菊さん、牡丹灯籠のお露さんと相場が決まっている。そのお岩さん、怖いもの好きの江戸っ子だけでなく、浮世絵師をも虜にしてきた。描かれたお岩さんの姿は、顔が見にくく腫れ上がり、片目がつぶれているのが普通だが、葛飾北斎が描いたお岩さんはちょっと変わっている。両目をパッチリ開き、顔は提灯という一風変わった姿で描かれている。北斎の奇才ぶり面目躍如といったところ。

     日本橋の名所を訪ね、江戸庶民のファッション、風俗を見聞し、歌舞伎というエンターテイメントを楽しみ、江戸の食文化に触れると、いつの間にか夜が更けていく。そんな夜に登場するのが、江戸時代に創作された怪談の主役たち。
     江戸時代に創作された3大幽霊といえば、四谷怪談のお岩さん、番町皿屋敷のお菊さん、牡丹灯籠のお露さんと相場が決まっている。そのお岩さん、怖いもの好きの江戸っ子だけでなく、浮世絵師をも虜にしてきた。描かれたお岩さんの姿は、顔が見にくく腫れ上がり、片目がつぶれているのが普通だが、葛飾北斎が描いたお岩さんはちょっと変わっている。両目をパッチリ開き、顔は提灯という一風変わった姿で描かれている。北斎の奇才ぶり面目躍如といったところ。

  • そんな北斎のお岩さんが出迎えている通路を進むと・・・

    そんな北斎のお岩さんが出迎えている通路を進むと・・・

  • そこは、幽霊・妖怪ゾーン。<br />屏風仕立てのスクリーンに映し出されるのは、幕末の浮世絵師、歌川国芳が描いた「相馬の古内裏」。承平・天慶の乱の平将門とその遺児による復讐譚を物語った山東京伝の読本『善知烏安方忠義伝』の一場面を描いている。将門が築いた下総相馬の政庁の廃屋で、兵を集めて父の仇を討とうと画策する瀧夜叉姫の野望を、源頼信の家臣大宅太郎光国がうち砕こうとする場面で、朽ちた御簾を掻き分けて平将門を象徴する巨大な骸骨が襲い掛かる。

    そこは、幽霊・妖怪ゾーン。
    屏風仕立てのスクリーンに映し出されるのは、幕末の浮世絵師、歌川国芳が描いた「相馬の古内裏」。承平・天慶の乱の平将門とその遺児による復讐譚を物語った山東京伝の読本『善知烏安方忠義伝』の一場面を描いている。将門が築いた下総相馬の政庁の廃屋で、兵を集めて父の仇を討とうと画策する瀧夜叉姫の野望を、源頼信の家臣大宅太郎光国がうち砕こうとする場面で、朽ちた御簾を掻き分けて平将門を象徴する巨大な骸骨が襲い掛かる。

  • 同じく歌川国芳の「木曽街道ロ十九次之図 四十三妻籠 安部保名葛派葉狐」

    同じく歌川国芳の「木曽街道ロ十九次之図 四十三妻籠 安部保名葛派葉狐」

  • お馴染み、柳の下に現れる足がない幽霊のインスタレーション。髪が長く、成仏できずに「うらめしや~」と言って現れる足がない女性の幽霊は、丸山応挙の幽霊画の影響が大きいと言われ、江戸時代に定型化された。

    お馴染み、柳の下に現れる足がない幽霊のインスタレーション。髪が長く、成仏できずに「うらめしや~」と言って現れる足がない女性の幽霊は、丸山応挙の幽霊画の影響が大きいと言われ、江戸時代に定型化された。

  •  ちょっと怖い夜の後は、気分を変えて遊郭、吉原で楽しい一夜を過ごすという趣向。<br /> 遊女、特に花魁は、浮世絵師にとっても最高に絵心を擽られる対象であっただろう。喜多川歌麿を始め大勢の浮世絵師が夥しい美人画を残している。吉原のインスタレーションは、歌麿、歌川国貞などの多数の浮世絵を題材に構成されている。<br /> 花魁は、今で言うところの高級娼婦で、遊女のなかでは、ごく一部のエリート。幼いころからあらゆる教養を身に着け、大名クラスとも対等に渡り合えたという。江戸時代は大名から豪商まで金持ち男性の憧れで、格式ばったしきたりと莫大な散財が必要とされた。まず、”初会”といって、茶屋を通じて紹介してもらうが、そのときは目当ての花魁と同席はできず、口を利くこともできなかった。2回目は”裏”といい、ここでもまだ口を利くこともできなかった。花魁が遠くから見つめる席で、大勢の芸者を呼んで盛大に遊んで、財力があるか、立ち振る舞いが花魁の眼鏡にかなうかどうか品定めをさせられる。3回目にようやく”馴染み”となって、客の名前が入った膳と箸が用意され、念願の床入りがかなうのである。しかも、座席は常に花魁が上座、客が下座と決まっていた。そこまでしてまで、美しく教養あふれる女性と床を共にしたいと思うのは、悲しい男の性(さが)ではある。

     ちょっと怖い夜の後は、気分を変えて遊郭、吉原で楽しい一夜を過ごすという趣向。
     遊女、特に花魁は、浮世絵師にとっても最高に絵心を擽られる対象であっただろう。喜多川歌麿を始め大勢の浮世絵師が夥しい美人画を残している。吉原のインスタレーションは、歌麿、歌川国貞などの多数の浮世絵を題材に構成されている。
     花魁は、今で言うところの高級娼婦で、遊女のなかでは、ごく一部のエリート。幼いころからあらゆる教養を身に着け、大名クラスとも対等に渡り合えたという。江戸時代は大名から豪商まで金持ち男性の憧れで、格式ばったしきたりと莫大な散財が必要とされた。まず、”初会”といって、茶屋を通じて紹介してもらうが、そのときは目当ての花魁と同席はできず、口を利くこともできなかった。2回目は”裏”といい、ここでもまだ口を利くこともできなかった。花魁が遠くから見つめる席で、大勢の芸者を呼んで盛大に遊んで、財力があるか、立ち振る舞いが花魁の眼鏡にかなうかどうか品定めをさせられる。3回目にようやく”馴染み”となって、客の名前が入った膳と箸が用意され、念願の床入りがかなうのである。しかも、座席は常に花魁が上座、客が下座と決まっていた。そこまでしてまで、美しく教養あふれる女性と床を共にしたいと思うのは、悲しい男の性(さが)ではある。

  • メインのスクリーンのまわりには、遊郭で顔見世している遊女の如く、ずらりと美人画が飾られている。<br /><br />どちらのイベントもきれいな映像としゃれた演出で十分楽しめるものだが、しいて言えば、食神さまの和食の方が、スーパー浮世絵より出来が良かったように思う。<br />なお、会場内はとても暗い。撮影OKだが、三脚は使えず、手持ちで感度を目いっぱい上げての撮影なので、写真の画質は悪くブレた写真も多数含まれているが、ご容赦願いたい。

    メインのスクリーンのまわりには、遊郭で顔見世している遊女の如く、ずらりと美人画が飾られている。

    どちらのイベントもきれいな映像としゃれた演出で十分楽しめるものだが、しいて言えば、食神さまの和食の方が、スーパー浮世絵より出来が良かったように思う。
    なお、会場内はとても暗い。撮影OKだが、三脚は使えず、手持ちで感度を目いっぱい上げての撮影なので、写真の画質は悪くブレた写真も多数含まれているが、ご容赦願いたい。

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