日蓮宗・「妙慶寺の梵鐘」の数奇な運命！

2017/02/06 - 2017/02/06

「妙慶寺」の歴史は、大永年間（1521～8)に領主・今川義元公が息女「円教院殿妙慶日恵大姉」の菩提を弔うために、清水区・村松に開山したものです。山号は、圓教山・妙慶寺です。

静岡市・清水区にある日蓮宗の寺院「妙慶寺」の梵鐘は、数奇な運命をたどりアメリカから当寺へ返還された歴史があります。
以前鐘楼門にあった梵鐘は、太平洋戦争中に軍部の金属供出の令により、軍事物資に再転用のため強制的に接収されましたが、終戦により戦利品として米国に運ばれました。
その後、40余年の歳月が流れましたが、昭和63年にアメリカ・カンザス州トピカ市より外務省を通じて梵鐘を返還する旨当山に通達され、盛大な「返還式」を営み平成3年鐘楼堂を新設して、「幸運の梵鐘」の帰還を祀りました。
今境内では梵鐘が、参拝客を静かに見守っています。

エリア 清水(静岡)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車 徒歩

青空に映える「妙慶寺の山門」。
山号は、「圓教山」妙慶寺です。

妙慶寺は、駿府の領主・今川義元公が息女・「円教院殿妙慶日恵大姉」の菩提を弔うために、「 日蓮宗の寺院 」として建立したものですが、一方静岡市・葵区にある今川本家の菩提寺である臨済寺は、「 臨済宗の寺院（禅寺）」です。

古い歴史を感じる、山門の佇まいです。

風格ある本堂。

「当寺の縁起」が記された記念碑。

鐘楼堂は、境内の中心にあります。

梵鐘は、寛政7年（1795年）に鋳造されたものです。

その後幾多の災禍と復興を繰り返し、明治9年（1876年）に現在の本堂が完成しました。

さらに大正年間に入り庫裡を改築し、位牌所を新設して鐘楼門を建立した。
その後、地震により解体した鐘楼門を山門へと再築しました。
⇒ 平成3年「鐘楼堂」新設。

平成3年米国より梵鐘が帰還したため、新たに鐘楼堂を再建して梵鐘を安置しました。

記念碑の「梵鐘の由来」には、数奇な変遷の運命とともに「世界平和と日米の親善」の文章が記されています。

記念碑の文言は、梵鐘を納めてその歴史的な経緯を説明したものです。

＜　英文訳 ＞
This tenple bell was returned and donated
　この梵鐘は、返還され寄贈されました
by the city of Topeka．Kansas．USA
　米国・カンザス州トピカ市より
as a token of friendship．
　友情の証として

当寺の周辺は、民家に囲まれています。

当初はここに「鐘楼門」を建立しましたが、地震により解体して山門へと再建しました。

日蓮宗の寺院の境内には、日蓮聖人の御遺文・「 立正安国論 」より、「今月の聖語」（人の心の戒め）が掲示されています。