2016/08/25 - 2016/08/25
9位(同エリア62件中)
かっちんさん
明治初期に現三笠市の幌内(ほろない)・幾春別(いくしゅんべつ)炭鉱が開鉱。採掘された石炭を輸送する幌内鉄道が幌内~小樽手宮間を走り、石炭産業が日本の近代化に貢献しました。
炭鉱は昭和30年代から平成元年までに閉山となり、現在は三笠ジオパークとして炭鉱遺産、アンモナイト、1億年前の地層、国鉄幌内線の鉄道遺産などが残されています。
この旅行記は幾春別を中心に、炭鉱の立坑櫓、三笠市立博物館のアンモナイト化石、野外博物館の地層観察、幌内線の唐松(とうまつ)駅舎などを紹介します。
幾春別は、幾春別炭鉱と奔別(ほんべつ)炭鉱という二大炭鉱があり、昭和35年(1960)には約15,000人の人々が暮らし、三笠で一番の繁華街でした。
写真の説明は三笠ジオパークのホームページを参考にしました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
三笠見どころマップ
三笠市には幌内地区と幾春別地区に炭鉱があったところです。
幾春別には、旧住友奔別(ほんべつ)炭鉱立坑、三笠市立博物館、桂沢湖などがあります。
三笠博物館にアンモナイト化石、炭鉱の暮らしなどの展示、野外博物館では旧錦立坑櫓、約1億年前の三笠層などを見ることができます。
幾春別へは岩見沢バスターミナルから中央バスが1時間に1本の頻度で出ています。 -
イチオシ
旧炭鉱住宅
岩見沢から幾春別行きのバスに乗り、終点に近い弥生柳町付近で旧炭鉱住宅を車窓から見かけます。
炭鉱住宅は、通称「ハーモニカ長屋」や「タンジュウ」などと呼ばれていました。 -
幾春別町バス停(終点)に到着
岩見沢バスターミナルから50分ほどかかりました。
幾春別は、かつて炭鉱から石炭の積出しのため幌内鉄道、国鉄幌内線が走っていたところです。 -
石造りのもじゃ蔵
町の中を歩き、近くの旧奔別(ほんべつ)炭鉱立坑へ向かっています。 -
木造の民家
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赤い屋根の集合住宅
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イチオシ
旧住友奔別炭鉱「立坑櫓」
旧奔別炭鉱は明治33年(1900)に開鉱し、立坑櫓は昭和34年(1959)に深部採炭の開発、隣接した弥生鉱との統合・集約など合理化を目指し完成しました。
櫓の高さが約51m、深さが約735m、内径が約6mあり、当時は東洋一の立坑と呼ばれていました。
一つの立坑で鉱員、資材、石炭などを巻き上げる特徴を持っています。
昭和46年(1971)まで石炭が採掘されました。 -
昭和30年頃の奔別炭鉱周辺図
石炭の鉱脈がいくつもありました。 -
三笠市立博物館
ここはもう一つの旧幾春別炭鉱(明治19~昭和32)があったところで、昭和54年(1979)選炭場付近に博物館ができました。
館内には、三笠市内の白亜紀地層から発掘されたアンモナイト、郷土資料などが展示されています。
屋外には、森林鉄道跡を利用した野外博物館があり、地層の観察や錦立坑櫓などが見学ができます。
入館料は450円、三笠鉄道記念館との共通券が650円です。
休館日は毎週月曜日、冬期間(12月~3月)の祝日です。 -
ノドサウルスのオブジェ
中世代白亜紀の中頃に生息していた鎧竜の化石が夕張で発見されています。 -
昭和20年頃の幾春別市街地図
幾春別炭鉱があり、川沿いに森林鉄道が通り、町は仕事に携わる人びとで活気を帯びていました。 -
炭鉱の坑内人車
座席が傾斜しているトロッコです。 -
野外博物館のジオサイト案内
森林鉄道跡が片道1.2kmの散策路になっており、旧幾春別炭鉱錦立坑櫓、1億年前の地層などが見られます。
では、野外博物館から先に見学します。 -
森林鉄道跡
幾春別森林鉄道は桂沢の奥地で切り出された木材を運び出すために、昭和13年(1938)から運行していました。
昭和31年(1956)に桂沢ダムと代替林道が完成し、森林鉄道が廃止されました。 -
森林鉄道の橋台跡
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幾春別夾炭層(きょうたんそう)
幾春別川の向岸に直立している珍しい地層です。
約1億年前の当時、海であった白亜紀層を押し上げてつくられました。 -
イチオシ
旧幾春別炭鉱「錦立坑櫓」
大正9年(1920)に完成したとされ、現存する立坑櫓では道内で最も古いものです。
櫓の高さが約10m、地下215mの深さがあり、大きな滑車とロープを動かしてエレベーターのかごを上下させます。
立坑櫓に赤い北極星と青色の輪を示す北炭の社章が見えます。 -
立坑捲揚室
立坑の巻き上げ動力となる機械が入っていた建物です。
建物は鉄筋コンクリート造で外壁にはレンガが埋め込まれています。 -
立坑巻揚室
内壁はモルタル仕上げになっています。 -
錦坑坑口
この坑口は錦立坑につながっており、石炭はここから選炭場へトロッコで運び出されていました。 -
オオハンゴウソウにとまるトンボ
このあたりはオオハンゴウソウが群生しています。 -
石炭の地層
三笠の石炭は瀝青炭(れきせいたん)や亜瀝青炭です。
この石炭は、都市ガス用、一般用として使われます。 -
珍しい垂直な地層
地球の大地は少しづつ動いており、長い年月をかけて垂直に押し曲げられた地層です。 -
狸掘り跡
この付近の石炭層は垂直に立っているため、ほぼ真っ直ぐ奥に手掘りで掘られました。 -
ひとまたぎ覆道とは??
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ひとまたぎ5000万年
約5000万年前の地層(幾春別層)の隣に約1億年前の地層(三笠層)が分布しています。
二つの地層の境界線をまたぐと一気に5000万年もの時間を飛び越えることができます。
こりゃ凄い! -
三笠層
境界線をまたぐと、約1億年前の三笠層が崖の斜面に現れました。
三笠層からは、アンモナイトや二枚貝、巻貝を始め、翼竜の骨やサメの歯などの化石が数多く見つかっています。 -
断層
地震によって動いたと考えられる縦ずれ断層です。 -
イノセラムス化石
イノセラムスは、ジュラ紀と白亜紀にアンモナイトと同じ海に生息していました。
いろいろな形と大小の大きさがあります。 -
素掘りのトンネル
昭和13年(1938)から運行した森林鉄道の神泉隧道です。 -
鏡肌
断層が作った自然の「鏡」です。 -
桂沢神居古潭
古くから景勝地として知られ、その景観は旭川にある神居古潭を連想させることから、「桂沢神居古潭」と呼ばれています。
今日は台風通過後なので、濁流になっています。
ここが折り返し地点なので、博物館へ引き返します。 -
青空に伸びるオオハンゴウソウ
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ガォ~
博物館屋上から顔を出す海生爬虫類のオブジェです。
では、博物館内の展示を見学します。 -
イチオシ
アンモナイトの展示
手前のアンモナイトは日本最大級の標本です。
直径が約1.3m、重量が約580kgもあります。
約600点も展示され、「日本一のアンモナイト博物館」といわれています。 -
アンモナイト模型
可愛い顔をしています。 -
アロサウルス
アメリカで発見されたジュラ紀の大型肉食恐竜の全身骨格レプリカです。 -
アンモナイトの仲間
巻貝のようなアンモナイトもあります。 -
蓄電池機関車
炭鉱とくらしのコーナーに来ています。
機関車は炭鉱坑内で使われていました。 -
目玉のお化け
安全灯の充電装置です。
では、博物館を後にします。 -
古くからの更科食堂
幾春別町バス停近くにある大正時代の建物が今も残るそば屋さんです。
地元の人が訪れる食堂です。 -
大もりそば
暑かったので、真っ白な更科そばを美味しくいただきました。 -
唐松1丁目
行きのバス車中から旧幌内線の鉄道駅舎が見えたので、帰りにバスを降りて見に行きます。 -
唐松駅舎
とうまつ駅と読み、昭和4年(1929)に竣工しました。
牧場でよく見かけるギャンブレル屋根(一般的にはマンサード屋根)の建物です。 -
広い待合室
駅は昭和62年(1987)7月、幌内線廃止に伴い廃止されました。
国鉄分割民営化によるJR北海道に継承直後の時期です。
一時期駅舎が荒れてしまったのですが、地元の方の活動により綺麗な駅舎に生まれ変わりました。 -
イチオシ
今は列車が来ない改札口
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列車時刻表
当時は朝晩の通勤通学時間帯に列車が多いダイヤでした。 -
のんびりしたいホーム
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今も残る滑車
腕木式信号機やポイントを動かすワイヤーをガイドしていた滑車だと思います。 -
イチオシ
高原の雰囲気が漂う旧幌内線唐松駅舎
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唐松駅舎
昭和18年まで唐松炭鉱があったので、石炭の積出しに使用した広い駅構内になっています。
午後は幌内の三笠鉄道村へ向かいます。
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