
2016/10/01 - 2016/10/01
184位(同エリア670件中)
東京と埼玉にまたがる狭山丘陵は、アニメ映画 『 となりのトトロ 』 の舞台のモデルの一つになった場所として知られています。
首都圏に残された緑の孤島と言われる狭山丘陵には、武蔵野の里山の美しい景色が残っており、ゆるやかな丘と谷が続く里山には、オオタカやタヌキなどの動物が住み、四季折々の植物も楽しめます。
狭山丘陵のこのような自然環境と文化財を守るために、全国から寄せられた寄付をもとに、所沢を中心に用地取得された一帯が 「 トトロの森 」 です。
今回は、 「 トトロの森 」 に関係がある 「 クロスケの家 」 と 「 さいたま緑の森博物館 」 を訪れてみました。
写真は、 「 クロスケの家 」 の 「 蔵 」 の入り口にある案内幕の絵。
「 トトロ 」 と 「 メイ 」 を見ると、映画を思い出しますね。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の満足度
- 4.5
PR
-
狭山丘陵は、埼玉県と東京都の都県境に広がる丘陵で、東西11km、南北4km、総面積は約3,500ha。
この緑豊かな地に、早稲田大学が所沢進出計画を1980年に発表し、その反対運動が起こりましたが、これを契機として、狭山丘陵の自然と文化財を守る保護団体が発足します。
そして1986年に、埼玉県・早稲田大学・保護団体との間に早稲田大学進出計画に関する3者合意が成立し、埼玉県知事が狭山丘陵の保全を表明しました。
1990年には、ナショナルトラスト運動 「 トトロのふるさと基金 」 が設立され、翌年には1号地の買取に成功。
現在までに40カ所の用地を取得し、寄付金は9億円を超えています。 -
イギリスで始まったナショナル・トラストとは、市民や企業から寄付を募って美しい自然や歴史的建造物などを買い取り、将来に引き継いでいく運動のこと。
都心に近い狭山丘陵は地価が高く、東京側は東村山と東大和に各1カ所あるだけです。 -
「 となりのトトロ 」 は、1970年に所沢に移住した宮崎駿の監督4作目のアニメ。(1988年の作品)
田舎へ引っ越してきた草壁一家のサツキ・メイ姉妹と、トトロの交流を描いたアニメの名作ですね。
トトロと主人公たちが住んでいる緑豊かな集落は、宮崎の自宅がある所沢などいろんな風景が入り混じって描かれています。
サツキとメイのお母さんが入院している病院は 『 七国山 』 にありますが、東村山の八国山周辺がモデルとされています。
この作品の人気により、狭山丘陵は 「 トトロの森 」 の愛称を得て親しまれる地域となりました。 -
ここは「所沢市三ヶ島3-1168」。
「 クロスケの家 」 は、国道179号 「 所沢青梅線 」 から少し北に入った所にあり、チョッと分かり難い場所なので、車のナビを頼りに出かけました。 -
車を降りて歩くと、すぐに 「 寶玉院 」 があります。
真言宗豊山派寺院の寳玉院は、寛永年間(1624~1645)に創建されました。 -
境内の正面にある本堂。
-
寶玉院の近くにある 「 クロスケの家 」 。
武蔵野の面影が残る地区にあり、敷地の広さは約900坪。 -
「 クロスケの家 」 は 「 トトロのふるさと基金 」 の活動拠点となっている古民家ですが、火・水・土曜日の午前10時~午後3時に一般公開しています。
-
母屋は、昭和32年に越生から移築された古民家で、築100年以上。
1階は61坪、2階は33坪。
2013年6月に、母屋・蔵・茶工場が国の登録有形文化財に登録されました。
以前は製茶業農家の屋敷でしたが、1998年に発足した財団法人 「 トトロのふるさと基金 」 が2011年に取得し、活動拠点にしています。 -
母屋の入口に向かうと、縁側に面した和室にドーンと座る 「 大トトロ 」 がお出迎え!
-
「 トトロ 」 の名前は、 「 所沢にいるとなりのオバケ 」 に由来しているそうです。
大トトロは 「 ミミンズク 」 で1,302歳、中トトロは 「 ズク 」 で679歳 、小トトロは 「 ミン 」 で109歳だとか。 -
玄関上の木看板には、クロスケの絵も描かれています。
当館の名前になったクロスケは、 「 まっくろくろすけ 」 「 ススワタリ 」 とも呼ばれ、イガ栗のような形をした黒い生き物で、周りを煤だらけにするのが大好き。 -
玄関を入ったところにある 「 トトロの森 」 のジオラマ。
-
土間の右側では、バッグやTシャツなどのトトロファンド・グッズを販売しています。
-
トトロの缶バッジ(250円)。
-
座敷に鎮座するトトロ。
-
囲炉裏にもトトロが・・・
-
囲炉裏の先にある座敷。
-
母屋は、縁側、囲炉裏や襖絵など、昔ながらの農家の佇まいを色濃く残す貴重な文化財です。
-
広い2階は展示室になっています。
ケヤキの大黒柱は一辺が30cm以上もある大きな柱。 -
格子窓の正面に 「 蔵 」 が見えます。
-
アニメの一コマが描かれたパネル。
-
周囲は茶畑や竹林に囲まれ、蔵や井戸などとともに昔の農家の景色と佇まいを伝えています。
これは、母屋の裏手にある井戸。 -
明治前期に建てられた蔵は、老朽化のため補修工事を行い、2009年に白漆喰仕上げの 「 蔵 」 にリニューアルされました。
-
トトロとメイが描かれた、入口にある案内幕。
-
「 蔵 」 の中に入ると、西側の壁一面に引き出しが。
製茶業の名残りでしょう。 -
狭山丘陵で間伐された広葉樹を使用して作ったストラップ・ペンダント・髪留めが 「 もりのたね 」 。
-
トトロの森を再現したジオラマ。
-
天井の方を見ると、クロスケが・・・
-
蔵の周りに置かれた乳母車や大八車に郷愁を感じます。
-
蔵の西側。
-
壁の上にある家紋は、宮崎駿が描いたイラストをもとに、職人さんがコテで塗り上げたものです。
-
蔵の東側には・・・
-
トトロの家紋。
-
西側の出入り口にある案内看板。
-
これは、母屋の売店で手にした 「 トトロの森 お散歩マップ 」 。
今日は車なので、お散歩は別の機会に廻し、 「 さいたま緑の森博物館 」 へ行くことにしました。 -
狭山丘陵にはカタクリやキンランなどの草花、キツネやタヌキなどの哺乳動物、オオタカやフクロウなどの鳥類が生息しています。
昆虫も、ムカシヤンマやシジミチョウなど多くの種が確認され、春になると水たまりにはトウキョウサンショウウオの大きな卵のかたまりが見られることもあります。
大都市近郊の緑地としては、驚くほどに豊かな自然が残されており、自然の宝庫とよぶにふさわしい所です。 -
しかし、狭山丘陵では、戦後のレジャー施設開発にはじまり、1960年代後半からは宅地造成が進行。
埼玉県も、1980年代の早稲田大学の所沢キャンパス建設を契機に保全に向けて動き出し、平成7年に 「 さいたま緑の森博物館 」 を開設しました。
入間市宮寺の住宅街を抜けて丘陵地帯に向かうと、ログハウス風の建物 「 さいたま緑の森博物館・案内所 」 が見えてきます。 -
ここは里山、雑木林、湿地帯などの自然をそのまま展示物に見立てた、いわゆる生きた野外博物館(フィールドミュージアム)。
一般的な博物館とは違い、屋外を歩きながら本物の自然を観察することができます。
案内所でウォーキングマップを貰い、簡単な説明を受けて出発。 -
所々に、こんな木彫りが置かれています。
-
敷地内には雑木林や湿地、ため池などがあり、遊歩道を歩きながら動植物の観察が出来ます。
標識と地図を見ながら 「 大谷戸湿地 」 に向かうと・・・ -
最初に目に飛び込んできたのは、 「 ツリフネソウ 」 の大群生。
-
あたり一面を赤紫に染めています。
-
山にはよく登っていますが、この花を見るのは初めて。
-
9月下旬から10月上旬にかけて、鮮やかな花が咲きます。
-
柄から垂れ下がる花の形が、船をつり下げたようにみえることから 「 ツリフネソウ(釣船草) 」 の名がつきました。
1年草で、種子が熟すと弾けて飛び散り、翌年また咲きます。 -
ユウガギク(柚香菊)。
柚子の香りはしません。 -
ノハラアザミ。
-
お茶の花。
-
ミゾソバ。
-
カシワバハグマ。
-
湿地の中に、タヌキの通り道とおぼしきトンネルみたいな草むらがあります。
-
大谷戸大湿地の西側歩道を北に歩くと、展望広場があります。
-
展望広場のエノキは、樹齢約100年の大木です。
-
自然を守る大切さを感じた体験でした。
今度は何回かに分けて、広大なトトロの森を歩いてみようと思います。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
0
56