2016/09/03 - 2016/09/06
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harihariさん
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「最果ての地」という響きに弱い。簡単に言えば、日本の「隅っこ」が好きなのです。
波照間に行ったときも、能登半島の尖端に行ったときも、知床や野付半島に行ったときも、「隅っこ」感を存分に味わったものです。
そして今回、ついに北の隅っこ、稚内を訪れることができました。
1日目は焦らすように、あえて隅っこには行かず、サロベツ原野で大地の広さを堪能し、最北の温泉郷で独特のお風呂に入り、2日目と3日目でノシャップ岬と宗谷岬を訪れました。
もちろん、この土地でしか味わえない美味しいものもいっぱい食べて。
日本最北の町、稚内4日間の1日目/2日目の記録です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- レンタカー ANAグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- 近畿日本ツーリスト
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-
9月3日、伊丹空港。
9時のフライトに余裕を持って、7時半に空港入り。
混雑する搭乗手続きを終えて、「アンデルセン」でモーニング。
そして羽田空港で35分間の乗り継ぎ。
心配していましたが、思いのほかスムーズに乗り継ぎもできました。 -
12時35分、稚内空港に到着。
稚内のゆるキャラ「出汁之介」がお出迎え。 -
外に出てみると少しひんやりするぐらいの外気。
持ってきたカーディガンを羽織ります。 -
レンタカーを借りて、ひとまずは稚内市街へ。
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道央から道北にかけて店舗を持つ「西條百貨店」。
ここで、地元のパン屋「レフボン稚内店」でランチのパンを購入。 -
JR宗谷本線沿いに、車を南へ走らせて。
国道沿いにある「徳満駅」。
一日の乗降客数が5人にも満たない、北海道でも屈指の乗降客の少ない駅。 -
2000年までは、大正末期に建てられた味のある木造駅舎が残っていたのですが、今はコンテナみたいな小さな箱がポツン。
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ホームから稚内方面。
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名寄、幌延方面。
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「徳満駅」から車で2分、「宮の台展望台」。
サロベツ原野を一望できる、絶好の展望スポット。 -
眼下に一面のサロベツ原野。
地平線のずーっと向こうまで。
とにかく気持ちいい。
北海道にしかない広大な景色。 -
天気がよければ海の向こうに利尻富士が見えるのですが、あいにく今日は曇天。
まあ、こればっかりは仕方がないので。。。 -
冬になると、一面が真っ白になるのでしょうか。
白鳥やタンチョウ、エゾユキウサギがいる風景が見られるのでしょうか。
想像がふくらみます。 -
展望台に誰も来ないのをいいことに、大湿原を一望しながら買ったばかりのパンと牛乳で遅めのランチ。
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「宮の台展望台」から20分ぐらい車で走って、「大規模草地牧場」へ。
近くにも牛の群れ、遠くにも牛の群れ。 -
総面積1500haという日本有数の大きさを誇る牧場。
見渡すかぎり・・・というか、車で走っても走ってもまだ牧場。 -
数年前に、NHKで製作された「坂之上の雲」の日露戦争のシーンで、旅順攻略のロケが行われたのが、この場所。
実際にこの目で広さを見て、納得です。 -
牛だけじゃなく、馬も放し飼い。
車道に首を出して、草を食む。 -
車の反射板が、牛のデザイン。
牛は、自分たちだと分かっていないでしょうけど。 -
そろそろ夕刻が迫る時間。
次の場所に行かなきゃ。 -
「大規模草地牧場」から車で10分。
17時ごろ、日本最北の温泉郷「豊富温泉」に到着。 -
公衆浴場「ふれあいセンター」。
珍しい石油感が特徴の豊富温泉は、今でも湯治や長期逗留で治療に来る人たちが多くいる薬湯。
初めて経験する独特の油の浮いた温泉は、確かにいいお湯でつい長風呂してしまいます。 -
今日は宿で食事をとらずに、「ふれあいセンター」の中のレストランで夕食です。
-
メニューがいろいろあって迷いましたが、ここはやっぱりジンギスカン。
普通のジンギスカンと、エゾシカのジンギスカンを一人前ずつ。 -
鍋の縁に水を入れるのが、ここでの食べ方。
羊のジンギスカンとエゾシカソーセージ。
文句なしに美味しい。 -
こちらはエゾシカのジンギスカン。
羊肉より赤みが多くて、お肉の味が強いかも。
けど、これもまた文句なく美味しい。
気が付けがお店は満員。豊富町の人たちの憩の場となっているようです。
ご馳走様でした。 -
店を出たのが19時30分。
真っ暗な中を車で20分走って。
民宿「あしたの城」に到着。
道中、星も月もない雲に覆われた夜空。道路以外は360度明かり一つない原野。
車のライトを消すと、今まで経験したことのない真っ暗闇で、少し怖くなりました。 -
お風呂も食事も済ませてきたので、寝るまでゆっくり時間を過ごすだけ。
酔っぱらった宿のご主人と、コーヒーを飲みながら(ご主人は缶ビールだったけど)少し話をして。
明日の朝も早いので、11時には部屋に戻って。
1日目終了。 -
2日目。
9月4日 5時起床。
昨日は夜に到着したから分かりませんでしたが、泊まった部屋は湿原が一望できる最高のロケーション。 -
宿の全景。
朝食までの時間、庭をぶらぶらと。 -
庭と原野との境目がなくて、壮大な借景の出来上がり。
こんなベンチに座って、何もしないで一日過ごしてみたいものです。 -
リビングからも、地平線まで見えるようで。
この景色を見たくて、この宿に決めたのです。 -
7時に朝食。
トーストに自家製の野いちごジャム。サラダ、ウィンナー、目玉焼き。
隣の牧場のホットミルク。 -
食後のコーヒーはテラスで。
出発前の優雅な時間。 -
民宿「あしたの城」は「とほ宿」。
「とほ宿」とは、北海道を愛する旅人が始めた小さな宿のこと。
ユースホステルみたいにドミトリーだったり、個室があったりといろいろですが、宿主と旅人との距離が近くてアットホームな民宿でした。 -
8時、宿を出発。
昨日は暗くて見えなかった「あしたの城」の看板。
こんな手作り感も、とほ宿の魅力。 -
出発して10分、「サロベツ湿原センター」に到着。
9時の開館にはまだずいぶん時間があるので、人の姿はありません。 -
湿原センターはまだ開いてませんが、原生花園に続く木道は自由に歩けます。
誰もいないこの時間は、独占できる絶好のチャンス。 -
木道は、ゆっくり歩くと1週40分ぐらいのコースと、少し短めのコース。
5月6月の花が咲き乱れる季節は、観光客で賑やかなのでしょうね。 -
花のシーズンは外れているし、天気はこんな感じだし、まだ朝早いし。
木道を歩く僕たちの足音以外は、鳥の鳴き声と風の音だけ。
見晴らしの良い展望台で足を止めると、息を飲むような風景です。 -
原生花園といいながら、花が咲いてない・・・と思いがちですが、よく観察してみると、小さな花があちこちに咲いています。
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ミヤマアキノキリンソウ。
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エゾリンゾドウ。
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サワギキョウ。
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ウメバチソウ。
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ヒメシロネ。
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モウセンゴケの花。
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キツリフネ。
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ナガボノシロワレモコウ。
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ミゾソバ。
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サロベツ原野は2005年にラムサール条約に登録。
多彩な水生動植物の保全に務めています。 -
長めのコースと短めのコースの両方を歩いて。
さらにもう一度、今度は逆方向でゆっくりと歩いて。
遠くの地平線を眺めながら、隠れるように咲く花を探しながら、小さな野鳥が飛ぶのを観察しながら。 -
湿原センターに戻って、レストハウスで豊富牛乳を使ったソフトクリーム。
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「あげいも」「あげもち」「牛乳」のセット。
いい景色を見ながら食べる地元の食材は、格別の美味しさです。 -
ちょうどサロベツ湿原を出たあたりから、雨が降り出してきました。
日本海を左に眺めながら、オロロンラインを北上します。 -
心寂しい鈍色の空の下、短い夏がいよいよ終わる、そんな気配の初秋の海です。
この日を境に、急に風が冷たくなるような。 -
稚内まで20kmの地点にある、展望休憩施設「こうほねの家」。
雨に打たれながら北へ向かうライダーやチャリダー達が、僅かばかりの休息を取っていく場所。 -
ハマユウの濃いピンク色。
雨に打たれて一層鮮やかです。 -
エゾナミキソウ。
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目の前は抜海漁港。
冬になると、ゴマフアザラシの大群が越冬に訪れる場所。 -
少し寄り道して、JR宗谷本線の「抜海駅」。
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大正13年(1924年)に建てられて以来、冬の極寒に耐え続けた木造駅。
日本最北の木造駅舎。そして日本最北の無人駅。 -
稚内方面を望んで。
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木造の湿った空気感が、色濃く残る駅舎の中。
遠い国鉄時代の、懐かしい雰囲気をそのまま残すような。 -
現在の時刻が12時過ぎ。
次の電車が止まるまで、あと5時間半。
北海道の秘境駅の一つ。 -
12時30分、稚内市街に到着。
お昼ご飯は、ラーメンに決めています。
「たからや」か「青い鳥」か、悩みに悩んで「たからや」に。
運よくカウンターに2席の空きがありました。 -
僕は「塩ラーメン」。
透明感のあるスープは、あっさりと濃い目の間ぐらいでとても美味しい。
稚内ラーメンの特徴で、お麩がトッピングされています。 -
奥さんの「醤油ラーメン」。
スープの色の印象と違って、とてもあっさりした味。
お互い半分こで、両方の味を堪能できました。 -
日本最北端の駅「稚内駅」の、さらに北の端っこ。
今から23年前、奥さんが旅行で訪れたときは駅舎の中にあったらしいので、昔とは場所が変わったのかも。 -
2012年に新しくなった稚内駅ターミナルの2階から。
12時53分着の特急「スーパー宗谷1号」が、たまたまやってきました。
札幌からはるばる5時間かけた長旅の終着点です。 -
コンコースからホームを見てみると、奥さんが昔見た最北端の案内板がありました。
昔は線路も複線で、みんなホームから降りて記念写真を撮ったりしていたようです。 -
稚内港の北端にある「北防波堤ドーム」。
稚内港の防波堤と、かつてはここまで続いていた宗谷本線稚内桟橋駅の乗り換え通路を兼ねて、昭和6年から5年間かけて建てられました。
「土木遺産」「北海道遺産」にも選定されています。 -
ギリシャ神殿を髣髴とさせる円柱が無数に連なる姿は、最果ての港としては過剰なぐらいに圧巻。
これは、ここがかつては最果ての地ではなく、日本領であったサハリンへの玄関口として賑わいを見せていたことの証でしょうか。 -
稚内港から北に車を走らせていると、漁港の傍でエゾシカの群れが草を食べていました。
-
「ノシャップ岬」に到達。
はるばるここまで来たことに感動します。
大型バスで乗り付けた観光客の記念撮影の合間に、真っ黒に日焼けしたチャリダー達が自撮りをしていました。 -
岬の突端には「稚内灯台」。
映画「喜びも悲しみも幾年月」のロケ地でもあり、「日本の灯台50選」にも選ばれています。 -
もっとも映画のロケに使われていたのは、昭和41年まで使われていた初代の灯台です。
場所も、今の自衛隊の分屯地内だったとか。 -
灯台前の浜。
美味しそうな貝の殻と、雲丹の残骸がいっぱい。
こんな浜辺で、北の海の豊かさを実感です。 -
ノシャップ岬は夕日の絶景スポットですが、今回の旅では見るのは難しそう。
暗くて冷たい空の方が道北らしいと言えばそうですね。 -
車でオロロンラインを少しだけ南下します。
道東でも見た、番屋のある海の光景。
人々の生活に密着した景色だからこそ、心に迫る良さがあります。 -
16時、稚内温泉「童夢」。
外観の写真を撮り忘れたので、成分表だけ。
日本海を望む露天風呂もあって、気持ちのいいお風呂です。 -
17時、「ANAクラウンプラザ稚内」にチェックイン。
今日明日の2日間は、ここに宿泊。 -
僕たちの泊まった1002号室からの景色です。
大きく切られた窓からは、北防波堤と宗谷海峡が一望。 -
目の前には、海上保安庁の巡視船の停留も見られます。
-
稚内の町を歩いてみます。
今は、ここから数キロ南に下った南稚内界隈が一番賑わっている場所のようですが、僕はこちらの雰囲気が好きかも。 -
その昔、奥さんが泊まった「稚内モシリパユース」。
佇まいは昔のまんまですが、どことなく寂しくなっているようです。 -
市役所も近くにあるので、平日の方が人通りが多いのかもしれません。
日曜日の夕方は人の姿もなく。 -
商店街もありますが、店じまいの時間が早いのか大半がシャッターを閉めています。
-
開いている店を発見。
その隣の店もそうですが、店の名前をロシア語で書いています。
サハリンからの定期便もありますし、ここがロシアとの国境の町であることを改めて思い起こさせます。 -
一旦ホテルに帰って。
夜になる一歩手前の暗さ。
防波堤や船には明かりが点いて。 -
今日の夕食は、創業40年、稚内では知る人ぞ知るステーキハウス「vin(ヴァン)」に18時30分で予約をしています。
もちろん、流通量が少ないため幻の黒牛と呼ばれている稚内ブランド、宗谷黒牛を食べるため。 -
トマトの味をきかせたコンソメスープ。
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コース料理についてくるグラスワイン。
とても飲みやすいフレッシュなワインでした。 -
「宗谷黒牛のテンダーロインステーキ」
このままでも、わさびや醤油をつけても、すごく美味しい。
稚内で1日だけ晩ごはんを食べるとしたら、名物たこしゃぶやウニ等の魚介がいいのかもしれませんが、2日食べるのだとしたら、絶対にこの店に来ればいいと思います。 -
付け合せのサラダとライス。
見て分かるように、お皿やグラスにいたるまで全ての食器に「vin」の文字が入っています。 -
店内の様子。
ここが日本最北の町、稚内であることを忘れてしまうような、落ち着いた自然な空間。
最後のコーヒーを飲み終えるまで、最高の雰囲気の中でいい晩餐を味わえました。 -
夜の北防波堤。
ドームの下では一人旅の人たちが、夜遅くまで思い思いの時間を過ごしています。 -
フェリーターミナルの灯りが海面に写って、港を明るく照らしています。
岸壁を打つ波音が、心地よく聞こえていて。 -
店を出て、30分ほど近所をぐるっと歩いてホテルまで。
-
20時30分 ホテルの12階にあるバー「ASTRAL」。
最北の夜景を見下ろしながら、もう1杯だけ飲んでみようかな、と。 -
僕は定番「ジントニック」。
-
奥さんは「流氷」という杏リキュールベースのカクテル。
真っ暗な宗谷海峡と遠くの沖に浮かぶ船の灯りを眺めながら、静かに飲むお酒は格別の味がします。
最北の夜を堪能して、2日目終了。
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