2016/02/21 - 2016/02/21
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クッキーさん
またまた引っ越しの手伝いと称してしまなみ海道を走り尾道へ。
しまなみ海道を途中下車して生口島の耕三寺、平山郁夫美術館に寄り、尾道では千光寺辺りを散策しました。
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手伝いの段取りよりも観光の見どころをチェックする姿に、娘は「手伝いというより観光でしょ」と、すっかりお見通しです。
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2日ほど前の予報に反して空は青く晴れ渡っています。
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生口島は瀬戸内海に浮かぶ小島です。生口島南ICで下りて 約10分で耕三寺へ。いったん山道をどんどん上がり、いったいどこへ?と思っていたら山道を下って行った所に耕三寺の案内表示を発見。
駐車場の奥に城のようなものが見えています。城ではなく蔵だそうです。この蔵は耕三寺が備品補完に利用している、ただの蔵。城のような蔵を平然と持っている寺って、いったい何なんでしょうね。 -
正面入口の山門。京都御所の紫宸殿御門と同じ様式で作った門だそうです。
御所の門は素木造であるのに対し、こちらは極彩色の門です。鋼鉄13トンを用いたもの。 -
正面入口のすぐ先にある中門は 法隆寺楼門(中門)を模したもの。
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中門を内側から。
耕三寺とは・・昭和初期、財を成した富豪が、母の死をきっかけに出家、母の菩提寺として寺を作ったものが耕三寺、さらには亡き母が東照宮を参拝せず死去した事を偲び、陽明門を敷地内に建て、ついでに鳳凰堂も建てた、というものらしいです。 -
陽明門を模した孝養門から「西の日光」と呼ばれるようになり、瀬戸内海の観光地の一つとなったそうで、平成期に入ってからは、建築物の特殊性が評価され、15棟が登録有形文化財として登録されました。
境内には、日本の著名仏教建築などを模した建物が所狭しと配置されています。 -
平安貴族か戦国大名にも匹敵するような財力と発想の持ち主。
事業を成功させた後さらなる拡大を目指す道ではなく、菩提寺建設という目標を立て仏の道を歩み始めたのは44歳の時。
最終的に耕三は西本願寺で得度し僧侶として認められたそうです。 -
鼓楼・鐘楼から階段を上がって一段高くなった敷地に建つ五重塔。
室生寺五重塔を模したもの。 -
五重塔。
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奥に見えているのは法宝蔵で、四天王寺金堂を模したもの、中は近代美術展示館となっています。
反対側には対になったような僧宝蔵があります。 -
孝養門は五重塔からさらに階段を上がった敷地に建っています。
日光東照宮陽明門を模したもの。 -
正面こそ陽明門そのものですが、
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その左右に見えている建物は、本家本物に比べてあまりにも極彩色のような気も。
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これはこれで美しい。
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菩提寺建設に向けて動き始めた耕三は、溶接技術など建築に関連した技術をもっていたため個々の建造物の設計監督まで買って出たそうです。
外観は木材などでリアルさを意識しつつ、土台や支柱には鉄鋼やコンクリなど最新技術を惜しみなく投入していたんですね。
住職であり施主であり監督。最強ですね。 -
公式ホームページによると
「当寺の建築においては唯一その実測図が用いられており、各部の比例も一致している。昭和28年当時この大事業を立願した耕三師は幾多の苦心の末、文部省に1組だけあった図面を同省に申し入れ入手、以来10年の歳月をかけ完成に導いている。 -
相違は各部の装飾の彫刻と彩色に多く、下層柱の金銀泥彩色を施した聖衆来迎の浮彫、組物表面に施した宝相華と繧繝(うんげん)彩色など原作よりはるかに華麗で、こうした点では日本一豪華な建築物と呼べるのではないだろうか。」
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姿かたちは本家と同じようなのですが、確かに配色やパーツは独自のアレンジをしています。
江戸時代の渋さだけでも十分に煌びやかな趣なのに、さらに豪華で華麗です。 -
寄せ合わされた木材の質感、彫刻、金細工、どれも素晴らしく、眺めていても飽きることがありません。
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細かいディティールは本物には劣り、色彩感覚も若干けばけばしいと感じますが、これだけの数の仏教建築を模倣しようとしたエネルギー、情熱には敬服します。
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奥に鎮座するのは如意法輪観世音菩薩。
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さらに奥に見られる本堂は平等院鳳凰堂を模したもの。
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本家よりも絢爛豪華にアレンジされています。
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未来心の丘は境内北方の坂道を上がった所にあります。
必見とあるので、早速上がってみると・・・
階段で上がりましたが、脇にエレベーターもあります。ふと頭上を見上げると仏像がお出迎えです。 -
丘に続く白い大理石の石畳。
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これはまるでギリシャかイタリアか・・・
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メインのモニュメント『光明の塔』
タイミングよく青空にも恵まれました。 -
瀬戸田の町と瀬戸内海を見渡せるイタリア産大理石を用いた環境芸術。
彫刻家杭谷一東氏の作。
ここに使用されている約3,000トンの大理石のすべては氏のアトリエがあるイタリア・カッラーラで採掘し、コンテナ船で運んできたものだそうです。 -
ギリシャ風。
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カフェもあります。
日本のサントリーニ島と言われるのも納得です。 -
庭園のモニュメント、広場や道などは、周囲の景色の形や色、風雨、光といったあらゆる自然との調和も考えて創造されているのだとか。
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気分は地中海。
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こちらは天猫という作品。真ん中あたりに頭を出しているのが天の猫。
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大理石の石畳を下りてきて、見残した千仏洞地獄峡への入口を探しますが、この落差は何でしょうね。イタリアからワープして一瞬で日本に戻ったみたいです。
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細い道を進んでいくと、小道にそって仏像がびっしりと並んでいます。
銅像が現れました。親鸞上人だそうです。こちらも仏教彫刻が所狭しと並んでいます。 -
ようやく千仏洞地獄峡の入口を見つけたので入ってみます。
約350mに及ぶ地下霊場だそうで、仏教世界の地獄観・極楽観が描かれています。
壁のいたるところに彫刻が安置されていて、薄明かりを頼りに下っていくと、様々な地獄絵図が。 -
これは地獄じゃなくて天国でしょうかね。
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やや広い空洞に出ると筒状の壁面にびっしりと彫刻群が。
順路の選択を誤ったようです。日本をすべてクリアーしてから地中海に進めばよかったのです。 -
千仏洞地獄峡を脱出して、ここは多分、茶祖堂か八角円堂。
八角円堂は本堂左方に建ち、法隆寺夢殿を模したもの。 -
その坂道を下りてくると、
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まさかこれは京都の愛宕寺を模したもの?
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なかなか味わいのある仏像が描かれています。
こんな庶民的な仏像の方が好きかも。 -
銀龍閣だそうです。
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慈照寺銀閣を模したものですが、内外部とも銀色の塗装を多く用いた独特の建築。
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故郷に錦を飾る、と言われますが、飾り過ぎとも思える耕三寺博物館でした。
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入場料金は大人1200円。
無檀家寺院のため寺域全体を博物館施設として公開し維持管理をしていることを考えると、こんなお値段になるのでしょうかね。 -
こちらは平山郁夫美術館。
耕三寺を出て左折した通りにある建物です。 -
建物からして雰囲気があります。
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入場料は、900円で、耕三寺博物館の入館券提示で1割引となります。
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展示室内部はフォト禁止ですが、ロビーの展示はOK。
「仏教伝来」 -
シルクロードの風景が多く描かれています。
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光の点は照明。
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シルクロードを旅したい気持ちが高まります。
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遺跡。
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イメージ通りの光景。
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砂漠のキャラバン。
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ロビーの展示。
平山郁夫の作品だけでなく、その生涯も深く知ることができて満足。 -
再びしまなみ海道を走ります。
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昼食は夫の一押しのラーメン店にて。
多くの客で賑わうお店でしたが、どちらかといえば好みではなかったお店。 -
千光寺公園。
駐車場がいっぱいで、ずいぶん下の方にある臨時駐車場まで。 -
千光寺公園から。
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文学の小路を歩きます。
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正岡子規の句もあります。
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放浪記の一節。
海が見えた、海が見える・・ -
森の中を歩く小路は坂道が続きます。ここを歩くには千光寺公園の上からの方がいいようです。
文学の小路を辿ると、千光寺の裏口につながっていました。
800年、弘法大師の開基とされる真言宗のお寺だそうです。 -
ロープーウェイが青空に映えて、ポスターさながらの一枚。
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本堂横にある驚くほどの巨石です。てっぺんに何か玉のような物が鎮座しています。
その昔、岩の頂きを光る玉があってこのあたり一帯を照らしたとして航海の目印になったとも伝わり、尾道水道の別名を「玉の浦」というそうです。 -
残したい日本の音風景100選に選定されている除夜の鐘で有名な「鐘桜」からの展望。
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失塗り本堂「赤堂」は観光客であふれかえっていました。
寺の建物よりも背後に見える巨石群の方に興味を引かれます。 -
奇岩のオンパレード。三重岩
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奇岩、烏天狗。
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ここを石鎚山の鎖場に見立てているんでしょうか。
くさり山だそうです。 -
天寧寺の三重の塔。
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やっと見つけた猫の細道。
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港町でもある尾道は、元来猫の多い町でもあり、段々に並ぶ家々をぬうように続く小道には、猫が通る猫道もたくさんあり、ここに棲みついた猫たちの散歩道でもあります。
路地のあちこちに石に絵を描いた「福石猫」や壁画があります。 -
小路に描かれた猫ちゃん。
踏まれちゃうよ。 -
こんな細道です。
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猫の細道では出会わなかったのですが、神社の境内の陽だまりで寛ぐ猫ちゃん。
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イチオシ
まだ夕刻でもないのに、こんな写真が撮れちゃいました。
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駐車場とロープーウェイのチケット。
時間がないので折角の割引は利用できませんでした。
この後無事に息子の新しい下宿にたどり着き、ほんの気持ちだけのお手伝いを済ませることができました。
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