2016/06/02 - 2016/06/06
284位(同エリア857件中)
JBさん
東洋一の砂州「はての浜」。それを見たさに即決した久米島旅。
はての浜ツアーを予約した二日目はひどい土砂降り。天気ニュースを横目に、寄せ狂う波を眺めつつひろげる観光パンフ。そこに沖縄最高峰というフレーズを見つけた。中世、山の上に造られた古城。その観光PRらしい。
「雨さえ上れば…」手前勝手な前提で山上からの俯瞰を、浮かべる。
まだ収まりきらない風と窪みに残る湿気。霧をまとった白黒の古城。揺らめく隙間の先は、もう既に晴れて真っ青な水平線と乾いた砂浜。
「スコールは長続きしない、ハズ。雨上がり直後なら人影もまばらだし。」
…出かけた。
*孤高の宇江城(うえぐすく):現地案内から転載
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー JALグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
出発したころは半端なく暴れていた風雨も
-
城下の集落に着いた頃にはひといきついた。
-
平坦な頂きは宇江城の主郭(一の郭)に残る石垣。
(一の郭を望遠) -
大上段に県内最高峰というものの、その標高は309.5m。
「徒歩ならば、直登できる散策路があるのでは?」と右往左往してみる。が、集落のある北側斜面は木々が密集するジャングルだけ。うろうろするうちにまた雨が強くなった。欲張らず、ナビの案内する比屋定バンタ(ひやじょう・バンタは崖の意:地図では右側)付近から車で上がる。 -
城の手前の丘に登れば、後は稜線づたいに山道をうねうね進むだけ。
田舎でよく見かける一車線の舗装道。 -
一の郭をフロントガラス正面に捉えた辺りに、牧草地のような原っぱがある。
案内によると、キクザトサワヘビという絶滅危惧種に指定された蛇の生息地保護区らしい。ウミヘビから進化したのか10分以上も潜水能力を持つらしい。
いまも霧に包まれている木々の下は、豊富な水がめ状態になっているのだろう。 -
このヘビ野原から真上に一の郭(主郭)がそびえている。
遮るもののない独立峰。
石垣下まで続く刈られたような低木。吹きさらす風の強さを想わずにいられない。 -
その石垣は内地の城でイメージするものとは違い、自然な岩山の頂きに、平たく薄く割った石をただただ野面に積み上げている。
攻め手が石垣に取りつくまでの急な斜面。撃退には、積まれた石をそのまま投石にでもすれば十分だろうなあ。 -
近隣で最も高い独立峰。
真下には豊富な水源地。
そびえる石垣を仰ぎつ、「どうやって落城させたものか」攻城の工夫に興味深々。
(中央の石垣上が一の郭、続く左端の小高い丘が三の郭) -
初めに城山を眺めた集落からは大きく迂回し、裏側に当たる方角から登ってきた駐車場(三の郭下)。
*中央の白い立札は、案内板。 -
*現地案内板
見上げた集落は下(北)側にあたる。一の郭下に広がるヘビ野原は左上(東)側。 -
案内板の右横から二の郭を望む(その先が一の郭)。
右下に遠望する原っぱが、先ほど城を見上げたヘビ野原。 -
二の郭から駐車場(案内板)方向を振り返った図。
-
同じところから南東側を見渡す。
引き潮なのか、海上には”はての浜”が白い筋を描く。 -
晴れていれば「今頃はパラソルの下で昼寝でもしていたかなあ」という望遠。
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こちらは北西(久米島空港)側。
昨日、見えている海岸近くの城に立ち寄った。次男が配置されていたと案内板で紹介されていた具志川城(ぐしがわぐすく)だ。 -
沖の大洋を通る船を臨検するためか、港湾施設まで備わっていた具志川城(ぐしがわぐすく)。
*前日に撮った具志川城 -
ひとしきり周囲を眺めた後、足元にある「基壇(きだん:礎石)跡」と書かれたプレートに目を戻す。
掘っ立てではなく耐久性を持つ建物があったということだが…。
単に湿度が高いための備えか、一時しのぎでなく日常生活まで営なまれていたということか、イメージが湧かない。 -
*井戸の跡。基壇跡の横にある。
降雨を期待した天水桶なのか、それとも元は火山島だし潜水ヘビもいるくらいだから、荒船山にみた地中からのサイフォン原理でも働く湧き水なのか。
地べたにしゃがみ込んだままそんなことをぼんやり想いつも、 -
ふと見上げれば私を独り置いたまま頂上(一の郭)へと急ぐ妻の姿。
枯れた井戸はもちろんだが、霧に包まれた城への夢想も、
「吹きさらしの山の上、また雨でも降ってきたら」という現実的な一言には抗えない。 -
*一の郭
あっさりと沖縄県の最高峰に登頂! -
振り返ると、先ほど基壇や井戸があった二の郭、駐車場に三の郭があったという丘、その向こうには現代的な自衛隊のレーダー基地までもが見える。
ここは、今も昔も国境線なのだ。 -
二の丸から見た城の北西(具志川城:ぐしがわぐすく)側を、一の郭からも遠望。
-
同じく、南東側。
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最初に城を見上げた集落(北側)。
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木に遮られて基礎までは見えないが、石垣は10mほども高さがあろうか。
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サァーッと風がひと吹きし、
いままでベールのように纏っていた霧そのものがシャワーに変わり、目に映る物すべてを洗う。
いまは見渡す水平線まで、どうやら、…独り占め。。 -
辺りの霧やら雲やらめがけもう一歩踏み出したくなるような(ダメですが)、どうしようもない解放感に全身が震える。
タイタ~ニック! -
そのうちにまた霧が湧きあがってきて、辺りを包む。
魔笛が響いてきそうな怪しい景色に酔いしれつ、 -
ふと現実の我にかえれば、
霧の古城を(独りサッサと)駆け抜ける(降りて戻ル)美女(慣用表現カト)の姿がそこに…。
「旅行中に、こんな工事現場みたいなところで風邪でもひいちゃ、大変!」 -
もういちど上から探すも、南西側以外は切り立った崖。登ってきた車道以外にそれらしい散策道はみつからない(ということは山上からの抜け道とか、退路もなかった)。
この聳(そび)え立つ孤高の城は、1510年、琉球王朝の黄金期を築いた尚真王(しょうしんおう)が大群をもって囲み、…そうして落城したそうだ。
彼の攻め方は、「火攻め」だったらしい。(二の郭からみる北側斜面) -
翌日。
一日遅れで「はての浜」に上陸する。
標高の低いここからみても、目の前を遮るものは何もない。 -
昨日登った宇江城方向を遠望してみる。
真ん中の高い山がそうなのかなあ。。。 -
嵐などなかったかのように、ただただ穏やかな水辺。
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食パンに寄ってくる浅瀬の小魚たち。
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何noかんnoと想いのママいっぱいいっぱいに水の中まで私が追いかけなくも。
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「あまりに日差しが強すぎて…」という妻が、浜辺で私好みの貝殻を探してくれる。
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なにかが「満つる」って。
いまは、おだやかならばそれで(が)いい○o。.
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