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[ダイセンミツバツツジの大平原]<br />愛媛県久万高原町の美川スキー場の南西は隆起準平原のクマザサ草原が広がる、1500m級峰の大川嶺連峰。その草原は景観的には日本有数のカルスト平原・四国カルストに似ているが、観光施設は皆無。それでも稜線直下を道路が走っているため、避暑やハイキングに訪れる者は多い。<br /><br />この山域が最も賑わうのは5月中下旬。それは美川峰(1525m)や大川嶺(1525m)、笠取山(1562m)、つつじヶ森(1516.6m)等の山頂周辺や尾根に群生するダイセンミツバツツジの開花によって、山並みが濃いピンク色に染まるため。どの山も道路から10分程度で登頂できる気軽さがあり、それらの山々を縦走することも可能。但し、笠取山より北の山々の縦走路は久しく整備されておらず、笹に覆われている。それでもヤマケイや愛媛新聞社発行の登山ガイドブックにコースが紹介されているため、ハイカーは辿っている。<br /><br />ただ、近年、ツツジの樹勢が衰え、遠目に見ると尾根や斜面がピンクに染まっているように見えるが、花を間近に観察すると皆、しおれた散りかけのようになっている。が、行楽客は皆、感嘆の声を上げ、感激している。<br /><br />これらの山々のツツジを堪能するコースとしては、美川峰登山口南東に駐車し、美川峰に登頂後、南東に下って(この道の状態は未確認)電子基準点から東の道路に入り、つつじヶ森(電波塔南西の山)を往復してから美川峰〜大川嶺〜笠取山を縦走し、道路に下りて引き返す回遊コースが一番。高度差が小さいので、ハイキング初心者でも辿れる。<br /><br />ただ、当方は道のないマイナー山、ウバホド山(1481.7m)を登ることにしていたので、美川峰は省略し、「大川嶺起点」案内板の建つ三差路を上がった所にある牛舎跡広場に駐車し、大川嶺から笠取山を縦走し、林道終点に下りて北東に進み、ウバホド山を往復した後、駐車場所へと戻り、車でつつじヶ森北東に移動した。ウバホド山の尾根にもミツバツツジ群生地がある。<br /><br />この山域で注意しなければいけないのは、吸血虫、ブトが大量に飛んでいる点。私が生まれて初めてブトにさされたのは、四万十川源流の不入山に登った時だったが、顔を何十ヶ所もさされ、腫れ上がった。蚊の何倍も痒いため、皮膚を掻き毟るようになる。しかし’00年、山間部に移り住み、林業に従事するようになると、毎日ブトにさされるようになったため、免疫が出来て、あまり腫れないようになった。<br /><br />ブトには殺虫剤は効くが、蚊取器は効かない。よってハイキングする際は、赤い色の強力な渦巻き線香「森林香」をネットや店舗で購入し、蚊取り線香ケースに入れ、腰からぶら下げるしかない。<br /><br />[アプローチその他]<br />大川嶺連峰へは久万高原町の旧美川村と旧柳谷村から車道が通じているが、後者より前者の方が、道路の幅員が広い箇所が多い。その道路(県道328号)の起点は、国道33号、上黒岩東部の御三戸(みみど)交差点の東方。その起点の東方には「美川タクシー」があるので、公共交通機関利用者は路線バスの御三戸バス停(トイレあり)で降車し、タクシーを利用すると良い。当然、予約を入れておいた方が安心。<br /><br />トイレは美川峰登山口とつつじヶ森入口側の電波塔東にある。<br />登山口に案内板はあるものの、コース図が記されたものはなかったと思う。登山道(尾根の縦走路)にも道標はないが、常に視界が開けているので、進行方向は分かる。2万5千分の1の該当地形図は「笠取山」。休日でも地形図を購入できる店は、愛媛県内ではごく一部の宮脇書店等。

山並みがピンクに染まる!四国一のミツバツツジ山脈

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2016/05/22 - 2016/05/22

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マローズ

マローズさん

[ダイセンミツバツツジの大平原]
愛媛県久万高原町の美川スキー場の南西は隆起準平原のクマザサ草原が広がる、1500m級峰の大川嶺連峰。その草原は景観的には日本有数のカルスト平原・四国カルストに似ているが、観光施設は皆無。それでも稜線直下を道路が走っているため、避暑やハイキングに訪れる者は多い。

この山域が最も賑わうのは5月中下旬。それは美川峰(1525m)や大川嶺(1525m)、笠取山(1562m)、つつじヶ森(1516.6m)等の山頂周辺や尾根に群生するダイセンミツバツツジの開花によって、山並みが濃いピンク色に染まるため。どの山も道路から10分程度で登頂できる気軽さがあり、それらの山々を縦走することも可能。但し、笠取山より北の山々の縦走路は久しく整備されておらず、笹に覆われている。それでもヤマケイや愛媛新聞社発行の登山ガイドブックにコースが紹介されているため、ハイカーは辿っている。

ただ、近年、ツツジの樹勢が衰え、遠目に見ると尾根や斜面がピンクに染まっているように見えるが、花を間近に観察すると皆、しおれた散りかけのようになっている。が、行楽客は皆、感嘆の声を上げ、感激している。

これらの山々のツツジを堪能するコースとしては、美川峰登山口南東に駐車し、美川峰に登頂後、南東に下って(この道の状態は未確認)電子基準点から東の道路に入り、つつじヶ森(電波塔南西の山)を往復してから美川峰〜大川嶺〜笠取山を縦走し、道路に下りて引き返す回遊コースが一番。高度差が小さいので、ハイキング初心者でも辿れる。

ただ、当方は道のないマイナー山、ウバホド山(1481.7m)を登ることにしていたので、美川峰は省略し、「大川嶺起点」案内板の建つ三差路を上がった所にある牛舎跡広場に駐車し、大川嶺から笠取山を縦走し、林道終点に下りて北東に進み、ウバホド山を往復した後、駐車場所へと戻り、車でつつじヶ森北東に移動した。ウバホド山の尾根にもミツバツツジ群生地がある。

この山域で注意しなければいけないのは、吸血虫、ブトが大量に飛んでいる点。私が生まれて初めてブトにさされたのは、四万十川源流の不入山に登った時だったが、顔を何十ヶ所もさされ、腫れ上がった。蚊の何倍も痒いため、皮膚を掻き毟るようになる。しかし’00年、山間部に移り住み、林業に従事するようになると、毎日ブトにさされるようになったため、免疫が出来て、あまり腫れないようになった。

ブトには殺虫剤は効くが、蚊取器は効かない。よってハイキングする際は、赤い色の強力な渦巻き線香「森林香」をネットや店舗で購入し、蚊取り線香ケースに入れ、腰からぶら下げるしかない。

[アプローチその他]
大川嶺連峰へは久万高原町の旧美川村と旧柳谷村から車道が通じているが、後者より前者の方が、道路の幅員が広い箇所が多い。その道路(県道328号)の起点は、国道33号、上黒岩東部の御三戸(みみど)交差点の東方。その起点の東方には「美川タクシー」があるので、公共交通機関利用者は路線バスの御三戸バス停(トイレあり)で降車し、タクシーを利用すると良い。当然、予約を入れておいた方が安心。

トイレは美川峰登山口とつつじヶ森入口側の電波塔東にある。
登山口に案内板はあるものの、コース図が記されたものはなかったと思う。登山道(尾根の縦走路)にも道標はないが、常に視界が開けているので、進行方向は分かる。2万5千分の1の該当地形図は「笠取山」。休日でも地形図を購入できる店は、愛媛県内ではごく一部の宮脇書店等。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通
3.0
交通手段
自家用車

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  • 牛舎跡広場から美川峰東のピークを望む

    牛舎跡広場から美川峰東のピークを望む

  • つつじヶ森から西の明にかけての尾根

    つつじヶ森から西の明にかけての尾根

  • 大川嶺東斜面のミツバツツジ群

    大川嶺東斜面のミツバツツジ群

  • 縦走路沿いのミツバツツジ

    縦走路沿いのミツバツツジ

  • クマザサの中を大川嶺に向けて

    クマザサの中を大川嶺に向けて

  • 大川嶺山頂

    大川嶺山頂

    大川嶺 自然・景勝地

  • 大川嶺山頂からの展望

    大川嶺山頂からの展望

  • 大平原

    大平原

  • 縦走してきた尾根を振り返る

    縦走してきた尾根を振り返る

  • ツツジが群生する岩場越しの笠取山

    ツツジが群生する岩場越しの笠取山

  • 笠取山北東尾根にはミツバツツジがびっしり

    笠取山北東尾根にはミツバツツジがびっしり

  • ミツバツツジ越しの尾根

    ミツバツツジ越しの尾根

  • 笠取山に到るまでの各所にツツジが沢山

    笠取山に到るまでの各所にツツジが沢山

  • 行楽客が笠取山へと登る

    行楽客が笠取山へと登る

  • 笠取山山頂へと続く縦走路

    笠取山山頂へと続く縦走路

  • 笠取山登山道から見たウバホド山

    笠取山登山道から見たウバホド山

  • 笠取山山頂

    笠取山山頂

    笠取山 自然・景勝地

  • 笠取山からかいなぎ山へと向かう縦走尾根

    笠取山からかいなぎ山へと向かう縦走尾根

  • 滅多にない「元気に咲く」ツツジ

    滅多にない「元気に咲く」ツツジ

  • 笠取山斜面のツツジ越しに縦走してきた尾根を見る

    笠取山斜面のツツジ越しに縦走してきた尾根を見る

  • 笠取山から林道終点横に下りる急勾配の尾根にもツツジが群生

    笠取山から林道終点横に下りる急勾配の尾根にもツツジが群生

  • ウバホド山山容。山の登山口は標高約1500mで、山頂の標高は1481.7mなので、UFOライン沿いの潰ヶ谷山のように、「下って登頂」することになる。

    ウバホド山山容。山の登山口は標高約1500mで、山頂の標高は1481.7mなので、UFOライン沿いの潰ヶ谷山のように、「下って登頂」することになる。

  • ウバホド山の尾根は最初の内、笹は浅い。

    ウバホド山の尾根は最初の内、笹は浅い。

  • 尾根のツツジ群生地

    尾根のツツジ群生地

  • 何ヶ所か小群生地がある

    何ヶ所か小群生地がある

  • ヤブに覆われたウバホド山の三角点。この手前の西にある図根点を三角点と勘違いするピークハンターが多い。

    ヤブに覆われたウバホド山の三角点。この手前の西にある図根点を三角点と勘違いするピークハンターが多い。

  • ウバホド山の三角点はヤブに覆われているが、展望自体は良い。

    ウバホド山の三角点はヤブに覆われているが、展望自体は良い。

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