それでも未来へ風は吹いている　東北家族旅行2

2016/03/30 - 2016/03/31

　東北旅行2日目、BRTの時刻表に合わせて行動計画を立てました。気仙沼を先に回る行動だと時間が読めないので、先にBRTで陸前高田に移動しました。
　気仙沼駅から陸前高田駅まで約30分。陸前高田の観光案内所で予め予約しておいたレンタサイクル４台（観光案内所の保有台数は5台）を借り、市内散策しました。
　風が強く、高い土地に行政の中心を持って行ったせいか坂があってきつかった。家族は自転車で回ったのは良かったとの事でしたが、それもそのはず、家族はみんな電動で楽々だったそう。丁度いいハンデでしたね。3時間近くかけて昼食も摂れず自転車こぎに喘ぎ、陸前高田駅に戻りBRTで気仙沼に移動しました。
　気仙沼でまたレンタサイクル（この自転車移動の選択が裏目に）。2.5キロほど離れたシャークミュージアムに見学とおみやげを購入に行きました。
　これですんなり帰れたはずでしたが、旅のクライマックスに来たハプニングに、自分の建てた計画の甘さを痛感したのでした。
　

エリア 気仙沼(宮城)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 3.5
• 交通: 3.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 高速・路線バス レンタカー タクシー 新幹線 JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）
• 利用旅行会社: 日本旅行

　昨日の雨は綺麗に上がっていました。5：00の一景閣。1?2階が津波の被害に遭い、改装したとのことです。１階入り口は、周りが嵩上げされているので、道路を少し下った位置にあります。

気仙沼 ホテル 一景閣 宿・ホテル

最上階休憩ロビーからの眺め。パノラマで写してみました。

5時過ぎこのように並んでいたのが、6時半ころには半分ほどになっていました。見るなら早起きして！

気仙沼市魚市場 名所・史跡

頭のないサメが無造作に重ねて置かれていました。このような山が10ほどありました。

魚市場の近くの罹災建物。両側には土が嵩上げされております。残すのでしょうか？

8：５０
　タクシーで宿出発。気仙沼9：00のBRTに乗る予定でしたがタクシー運転士に「安波山を是が非でも見ろ」と勧められ安波山を経由したので、9：50のBRTに乗車しました。道路からパノラマ撮影しました。タクシーは、ここに案内することにしているようです。この眺めは見たかったので、次のBRTになったけど、価値はありました！

安波山 自然・景勝地

道路に向いて立っているコマ龍。きちんと阿吽のペアで立っております。貝殻でウロコが作られていて、見事！

道路から少し上がった場所にあるトイレです。シャレてますね。

朝の気仙沼駅

気仙沼駅 駅

9：50
　大船渡線陸前高田行のBRTに乗車しました。BRTとはBus Rapid Transitの略。これでも駅なのです。鉄道より格段に本数が多くて、バスが近づくとアナウンスがある。バスとはいえ、専用レーンを織り込むので極端な遅れはない。本当に便利。事業者利用者双方にメリットが有るこのシステムに、将来性を感じました。本数が増えるなら、鉄道にこだわってはいけないのだと思いました。

BRT大船渡線 (バス高速輸送システム) 乗り物

写真では説明できませんが、BRTの専用レーンでは、バスのレーン側にポールが降りています。バスが近づくと、ETCのゲートのように開くのです。踏切の逆ですね、バスが通るとき上がって、普段は閉じている。

BRT陸前高田駅です。

10：50　5年たっても広大な土地にこのような光景。かさ上げのプロジェクトの遠大な計画に触れることができました。風は強く吹き、ダンプの砂塵が舞い上がる。「それでも未来へ風は吹いている。」AKBの復興応援歌のような光景が眼前に繰り広げられ。しばらく旋律が頭から離れませんでした。

11：07
　一本松茶屋に自転車を止めて歩いて10分強。山から土砂を運搬したコンベアの橋「希望のかけ橋」ここから更にコンベアが分岐されてそこここに配置されていたそう。メドがついたためか、今は撤去されておりました。山につけられていた岩の粉砕機も外されており、ダムのような構造物が残されておりました。

これが土砂運搬プロジェクトの模型。橋からコンベアが伸び、山には粉砕機が取り付けられています。

奇跡の一本松周辺のパノラマ。地盤沈下の影響で、旧ユースホステル（震災遺構）は、未だ水に浸かっていました。

11：50
　八木澤商店
一本松茶屋の国道を挟んだ一本松側にある味噌屋のアンテナショップ。スイーツが豊富で、奇跡の一本松を見た帰りの一休みには最適でした。醤油ソフトを食べました。

12：08
　奇跡の一本松交差点から風の強い国道を自転車で3分位。ここも震災遺構で保存するようです。危険なので、中は立ち入り禁止。ここから強い向かい風と上り坂を漕ぎまくって、震災遺構の団地から、高田高校、JR大湊線（線路は残っていたものの痕跡程度にしか確認できませんでした。）沿いに走り、13：00に観光案内所で自転車を返却しました。いつもならすぐに音を上げる女性陣ですが、電動チャリで普通についてくるではないですか！？大汗をかいたのは、非電動の私だけ。電動自転車のおかげで、皆で陸前高田の風に触れることができました。

道の駅 高田松原 道の駅

13：35
　陸前高田から気仙沼行のBRTに乗りました（渋滞の遅れで、13：35にバス到着。遅れてもこの程度。駅舎のシェルターの中で快適でした。）。
写真は、車窓から撮った震災遺構の気仙中学校。むこうに希望のかけ橋が見えます。

14：00
　気仙沼到着。
　駅前の観光案内所で聞くと、「シャークミュージアムまでの往復は見学を含めて2時間あれば充分」とのこと（「体調が良ければ」という前提を想定していなかった?）だったので、すべて非電動のレンタサイクルを借りました。2名職員がいましたが、1人は全く対応せず、先客がいたので借りるまで20分かかってしまいました。レンタル料は4人で2000円だったので、タクシー往復の方が安く確実でした。

気仙沼駅前観光案内所 名所・史跡

14：30
　下り基調の道を10分。余裕で港近くの登録文化財「男山」。建物は改修中でした。

横田屋本店 お土産屋・直売所・特産品

14：40
　シャークミュージアムで見学。さかなくんのイラスト付き解説板です。帰りの列車は16：16　ここまでは、ゆっくりおみやげ選びをして余裕をもって駅に戻れるはず（でした）。
　ところが、直後に連れ合いがトイレに引きこもってしまいました。それでもなんとか必死でおみやげを選んで、「さあ駅に」という時に至ってまたお隠れになってしまいました。戻ってきて、自転車にまたがったのは16：05でした。一縷の望みを託して全員漕ぎに漕いだが、なにせ上り坂。ついて来られる筈はありません。電動だったら・・・。
　16：17　気仙沼駅到着。気を取り直して「さて次の便は？」なんと17：50ローカル線の旅のリスクを身近に悟りました。仙台行高速バスが直後にありましたが、バスで時間のリスクを考えるとメリット少なしと考え（元より総予約制で使えない）、17：50まで待つことにしました。一ノ関は、19：21やまびこ56号の自由席です。これで当初乗り継ぎ時間約1時間で予定していた一ノ関の買い物はなくなりました。

シャークミュージアム 美術館・博物館

　連れ合いと次女を駅に残して、長女とぶらぶら。裏の墓場からあてどもなく登って峰を越し、いつ尽きるともしれぬ墓場を下ってゆくと東北三十六不動尊霊場　第二十五番札所　観音寺という古刹にたどり着きました。一山が墓地なんて一体檀家はいくつあるのだろうか？

　境内にあった句碑。この旅行で一番ゆったりした時間だったような気がします。
　連れ合いは、旅先でよく下痢になります。いろいろ食い過ぎかと思っておりましたが、20年以上連れ添ってきて、今回やっと気が付きました。
　旅のプランは自分が立てます。自分だけなら、ダイ・ハードな行動を楽しみますが、道連れがいる場合は、余裕が必要なのですね。
　今回は先ず、地方の公共交通を選んだ時点で考慮しなければなりませんでした。次に自転車を移動手段としたこともストレスを与えてしまったと反省しました。
　何故かこの句を見て気が付き、思わず胸が詰まりました。