風早には1度行ってみたいところだった。できれば、風早で泊まりゆっくりとしたい、と思ったが、適当な宿泊所を探すことができず、前日尾道に泊まった。<br /><br />朝早く尾道を出発し、車窓から瀬戸内海と瀬戸内海に点在する島々を眺め、三原を通って、風早の1つ手前の駅、安芸津駅で電車を降りた。その歌碑が「祝詞山（のりとやま）八幡神社」にあり、安芸津駅から車で約10分ということだったからだ。<br /><br />前日から小雨が降り出し、本降りにでもなったら、安芸津駅で諦めようかと思っていたが、微妙な空模様が続いていた。<br /><br />せっかくここまで来たのだから、とりあえず祝詞山八幡神社に行き、その後のことはそこで考えよう、とタクシーに乗り込んだ。<br /><br />私をここまで導いた歌は二首。<br /><br />巻15-3580<br /><br />　君が行く　浜辺の宿に　霧立たば<br />　吾（あ）が立ち歎く　息と知りませ<br /><br />巻15-3615<br /><br />　我がゆゑに　妹嘆くらし　風早の　<br />　浦の沖辺（おきへ）に　霧たなびけり<br /><br />万葉歌は是非声に出して読んでいただきたい。黙読するのと、声に出して読むのとでは天と地ほどの違いがある。できれば節をつけ、朗詠することをお奨めする。<br /><br />時は、天平8年、西暦でいえば、736年、新羅に遣わされたお使いの奥さんが夫のことを心配して詠った歌が一首目のものです。<br /><br />今は旅行と言えば、娯楽の一つだが、万葉時代は、命がけである。殊に海旅ともなると、風が恐ろしい。また、瀬戸内海には、三百以上の島があり、そのため潮が千変万化する。当時は、手漕ぎの船で、難波津を出帆し、九州まで行くのに1ヶ月程掛かったとのこと。<br /><br />その妻の歌に答えて詠った歌が二首目。<br /><br />私は不謹慎かもしれないが、この歌を聞くと、生命力では遥かに私を凌ぐ家内が無防備に私の胸に倒れ掛かって来た若き日のことを思い出す。それは、柔肌の温もりを伴い、官能的だ。<br /><br />

万葉ロマン　風早（かざはや）　（広島）

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2016/03/31 - 2016/04/01

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#街歩き

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k.sさん

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風早には1度行ってみたいところだった。できれば、風早で泊まりゆっくりとしたい、と思ったが、適当な宿泊所を探すことができず、前日尾道に泊まった。

朝早く尾道を出発し、車窓から瀬戸内海と瀬戸内海に点在する島々を眺め、三原を通って、風早の1つ手前の駅、安芸津駅で電車を降りた。その歌碑が「祝詞山（のりとやま）八幡神社」にあり、安芸津駅から車で約10分ということだったからだ。

前日から小雨が降り出し、本降りにでもなったら、安芸津駅で諦めようかと思っていたが、微妙な空模様が続いていた。

せっかくここまで来たのだから、とりあえず祝詞山八幡神社に行き、その後のことはそこで考えよう、とタクシーに乗り込んだ。

私をここまで導いた歌は二首。

巻15-3580

　君が行く　浜辺の宿に　霧立たば
　吾（あ）が立ち歎く　息と知りませ

巻15-3615

　我がゆゑに　妹嘆くらし　風早の　
　浦の沖辺（おきへ）に　霧たなびけり

万葉歌は是非声に出して読んでいただきたい。黙読するのと、声に出して読むのとでは天と地ほどの違いがある。できれば節をつけ、朗詠することをお奨めする。

時は、天平8年、西暦でいえば、736年、新羅に遣わされたお使いの奥さんが夫のことを心配して詠った歌が一首目のものです。

今は旅行と言えば、娯楽の一つだが、万葉時代は、命がけである。殊に海旅ともなると、風が恐ろしい。また、瀬戸内海には、三百以上の島があり、そのため潮が千変万化する。当時は、手漕ぎの船で、難波津を出帆し、九州まで行くのに1ヶ月程掛かったとのこと。

その妻の歌に答えて詠った歌が二首目。

私は不謹慎かもしれないが、この歌を聞くと、生命力では遥かに私を凌ぐ家内が無防備に私の胸に倒れ掛かって来た若き日のことを思い出す。それは、柔肌の温もりを伴い、官能的だ。

エリア

広島

旅行の満足度: 4.5

同行者: 一人旅

交通手段: タクシー JRローカル徒歩

旅行の手配内容: 個別手配

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千光寺公園から

千光寺山荘に宿泊させてもらい、朝6時に朝風呂を使わせてもらった。7時に朝食だったが、久し振りに朝からご飯をいただいた。ゆっくりした時間が流れた。

しかし、8時の電車に乗らないとスケジュールが大幅に狂うので、朝食を済ませてからはギアを入れ替え、尾道駅を目指して下り坂を急いだ。

千光寺公園公園・植物園
千光寺公園〜尾道駅の途中

尾道駅までの最短コースを知っていた。写真のような下り坂の道を急いだ。15分ぐらいで駅に到着できた。
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糸崎駅

尾道駅で三原行きの電車に乗ったものの、糸崎駅で広行きの電車に乗り換えなければならなかった。ちなみに、三原からは呉線になる。

糸崎駅駅
安芸津駅

三原から安芸津まで58分掛った。呉線を初めて利用したが、車窓からの景色は旅情をくすぐるものがある。瀬戸内海に点在する島でゆっくりした時間を過ごすのもいいかもしれない、と思わせた。
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安芸津駅

安芸津駅駅

安芸津駅前
安芸津駅前の案内板

安芸津駅、祝詞山（のりとやま）八幡神社、風早桟橋、JR風早駅の位置を確認し、空模様を見て、さてどうしょうと悩んだが、ここまで来たのだから、とりあえず祝詞山八幡神社まで行こうと決めた。

そこまではタクシーで約10分。990円だった。
祝詞山（のりとやま）八幡神社
祝詞山（のりとやま）八幡神社の説明板
祝詞山（のりとやま）八幡神社本殿

祝詞山（のりとやま）八幡神社

万葉歌碑と陶壁。

万葉陶壁は遣新羅使の一行が風早の浦で船泊したことをイメージして作られた。作者は日展特選受賞の陶芸家，財満進氏。地元出身の方であるとのこと。
祝詞山（のりとやま）八幡神社　万葉歌碑
祝詞山（のりとやま）八幡神社　万葉陶壁
祝詞山（のりとやま）八幡神社から瀬戸内海を望む
祝詞山八幡神社〜風早駅までの途中

相変わらす小雨が降っていたので、とりあえず傘を調達しようと、コンビ二に寄ることにしました。タクシーで祝詞山八幡神社に送ってもらう時、場所は確認していました。

タクシーは、最初海岸線を走り、祝詞山八幡神社に行こうと右折しました。その右折する手前にコンビ二はありました。