青空と雪の稜線～北八ヶ岳最高峰 天狗岳

2016/03/19 - 2016/03/21

雪山入門の定番と言われる天狗岳に連れて行っていただきました。初の本格的雪山かつ初めての八ヶ岳。素晴らしい天気に恵まれ、絶景に圧倒されながら、最高に楽しく歩きました。

エリア 茅野(長野)

山の先輩にお誘いを受けてから、装備を買い足したり、山雑誌の雪山入門特集を読んだり、ランニングをしたりと、楽しみに準備をしつつ、いよいよ出発の日。あずさ3号で茅野駅まで。そこからバス往復券を買い(片道ずつ買うより300円お得)渋の湯まで。長蛇の列で乗り切れませんでしたが、間をあけずにもう一台の増発便が出ました。

バスは奥蓼科の別荘地を抜けて、湯みち街道と呼ばれる秘湯のある坂道をくねくねと登り、終点の渋の湯まで。
駐車場にトイレがあります。ぱぱっと昼食と身支度を済ませて、山行開始。

初日は黒百合ヒュッテまで、2時間半の道のり。最初の30分が急な上りで一番大変です。

写真撮るのは休憩のときだけで、特に難所を歩いてるときの様子は記録に残せないのが残念。
最初の休憩で衣類調整。すぐに暑くなってしまったので、意外と薄着で済みました。フリース脱いだ瞬間に動き安い！さらにアイゼンも装着。みんな前爪ある、10本か12本のものです。 今回はガチガチのアイスバーンの箇所はほとんど無かったですが、やはり斜面には必要だと思いました。

ダケカンバの木。

なだらかな道が続いた後に、いったん下り、最後にもう一度、急登を経て、黒百合ヒュッテ着。風花が舞い、遠くはガスに覆われて見張らしも無く、まだ早い時間ながら薄暗かったので、天候悪くなる前に到着できて安心。小屋の前にはテントもいくつか。

玄関先のあたたかいメニューに心奪われつつ、チェックイン。

さっそく、乾杯！
夕飯は５時からだったので、それまで中山とかニュウまで行こうかという話もしてたのに、もうすっかり寛いでしまい、動く気になれず。

厨房では夕食準備中。

冬季は水道凍結で使用不可。トイレ後はウエットティッシュを使い、顔はビオレシートで拭いて、コップの水を片手に外に出て歯を磨き、８時に寝ました。雪の上のテントは寒そうです。小屋の中は、人が多いためか、壁際の布団でもまったく寒くありませんでした。ただ、男女一緒の雑魚寝状態で、いびきの人もいるため、耳栓持っていって正解でした。枕元には、飲料とヘッドランプ(夜中にトイレなどで起きて、ぎっしり寝てる回りの人を踏まないように。そして朝は回りの人が寝てる中で起きて行動開始するように)を置いておきました。

朝５時起床。６時の朝食前に出発の準備を整えておきます。

ストーブの廻りに干しておいたゲイターなども、すっかり乾いていました。

朝ごはん。

天気は最高！
着替えや洗面道具などはエコバッグに入れてヒュッテにデポして、身軽に山頂に行けました。荷物が軽いと身体への負担が全く違います(つまり体重も、、、？)。
素人ほど色々持って行きたがり荷物が多い、と言われるので、まだまだ減らせるものがあるのだろうと思ってます。

アイゼン装着して、今回のために買ったグローブもつけて、７時に出発！
その厚手のグローブでペットボトルのドリンク飲もうとしたら、フタを落としてしまい、これが山の斜面なら大変だった。フタが固定されてるボトルが必要と気付きました。

向こうに見える左が東天狗岳、右が西天狗岳。稜線を歩く人が、小さく点々と見えました。

ひたすら真っ白な雪の上に、しっかりアイゼンの歯を刺すように歩き、写真を撮るどころではなく、東天狗岳2640mに到着！

右に見えるのが、八ヶ岳最高峰の赤岳。

完璧な青空。風もなく。初めての雪山にして、恵まれ過ぎです。
この日の服装は、メッシュのドライスキンに、冬山用あったかベース、ソフトシェルのみ。それでも汗ばみそうなくらいで、ハードシェルはもちろん、フリースやダウンは出番がありませんでした。

続いて、西天狗岳を目指します。

標識が雪に埋もれてましたが、西天狗岳2646m。東より西が6m高く、東西分けずに、こちらの標高をもって天狗岳と称することが多いようです。

北アルプス、槍ヶ岳もはっきり見えました。

ここでジップロックに入れた地図がツツツーと滑り落ちて行き、、、不用意に追いかけたら自分が滑落するので、諦めましたが、幸いに下から登って来た方が、キャッチして届けて下さいました。

うーん、美しい。いつまでも眺めていたい風景。

途中で食べたエナジーバー。チョコの甘さとベリーの酸味が良かったです。あと、山岳写真家の方が、行き着いた最高の行動食はドライパイナップル、とブログに書いてたので、今回真似して見たら、適度な酸味と甘味と、ジューシー感があり、回りのメンバーからも、あと少し頂戴！と言われるほど好評。
ウエアも行動食も飲み物も、いろんなものを試して、自分に合うものが分かって来るのが楽しいです。

無事下山。東天狗岳から降りるところは両手で岩を掴んで恐る恐るおりたり(普通ならお尻をつきますが、氷で滑るからつけちゃダメと言われました)、西から降りた後、東の中腹を長々とトラバースして、細いトレースの上を歩いたり、そういうところは写真撮れませんが、学んだことは記憶に残しておきます。
とにもかくにも、転倒もせず、絶景の中を歩けて良かった！

青空のもとで、テントを撤収されてるのが、とても爽やかな光景に見えました。

ヒュッテの中でお昼を食べ、荷物を整理して、あとは昨日来た道を下るだけ！
ここからは厚手のグローブは外し、薄手のに。インナーグローブとしても使えるし、一枚でも暖かく、スマホ操作も出来るので本当に便利。買って良かったです。

ゴールである登山口が近づき、この行程が終わるのが名残惜しい気持ちもありつつ、硫黄の匂いに刺激されて、早く温泉入ってビール！！という欲望から、自然と早足になります。

気を付けてたつもりでしたが、アイゼン引っ掻けて、ゲイター破ってました。

日帰りできる時間帯ですが、せっかくの連休なので、渋御殿の湯で一泊。トロンとした、濃い温泉でした。２日ぶりに顔洗ってさっぱり！

夕食は焼いたマス、鯉ごく、そして山菜づくし。

館内自販機でビール350円、下界と同じ。今年は7年に一度の御柱祭ということで、特別デザイン缶でした。

朝ごはん。生卵は、先に白身だけ混ぜてお米にコーティングさせ、その上に黄身を落とすと美味しい、と教わってから、そのようにしています。山に関係ない話ですが。

朝目覚めたときに、ざーざー雨かと思ったら前を流れる川の音で、カーテンを開けて山一面の花のように見えたのは樹氷でした。樹氷、たぶん初めて見ました。水墨画の世界のようで、本当にきれいです。

８時半発の茅野駅行きアルピコバスで。

湯みち街道を戻ります。標識にこういう字体も使われるんですね。

茅野駅に９時半着。お店も開店前でとても静か。改札前のお土産コーナーで少し買い物。今回も長野に来たのにお蕎麦を食べる機会が無く残念。

帰りのあずさは空いていました。私には初の雪山、お世話になりました。引き続きご指導お願いします！乾杯！

今日の山頂は雲に覆われてる様子。何度も行ってるベテランの方が、こんな良い天候は滅多に無いというくらいの、絶好のコンディションで雪山デビュー果たせたのは、本当に幸運です。
車窓から北アルプス、八ヶ岳を眺めつつ、今度はどこに行こうかと考えながら帰京しました。最期まで読んでくださり、ありがとうございました。