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高知県土佐市西部から須崎市東部、浦ノ内湾南の横浪半島を観光道路「横浪スカイライン」が通っている。延長18.8kmの道路からは所々リアス式海岸の眺望が広がる。<br />その半島の岬の中に帷子崎(かたびらざき)があり、道路沿いに広場や展望台、春から秋に営業するうどんやお好み焼きの屋台を擁す帷子崎公園がある。<br /><br />ここには古くより野良猫が何匹か棲み付いており、よく屋台に食べに行っていた’03〜’04年頃は、食べている最中に猫が寄って来て、可愛がったもの。また、以前、虐待事件もあり、’04年にはそのことを高知新聞に投書した。<br />先日、久しぶりにその猫たちに会いに行ったが、彼らは様変わりしていた。<br /><br />半島へ入る前、土佐鰹節発祥地碑とジョン万次郎漂流出航の地を探訪した。万次郎は土佐の幕末史を語る上で重要な人物。一介の漁師見習いだった少年時、初出航の船が難破し、無人島で辛い日々を過ごした。その後、アメリカの捕鯨船に救助され、成人後、帰国すると語学力を買われ、幕府直参となり、明治期は東京大学の前身である開成学校の教授に任じられている。また、「ABCの歌」を日本に伝えたことでも知られている。近年はアメリカの小学校等の教育題材に万次郎が取り上げられることもある。<br /><br />土佐市の観光案内板には、万次郎出航関連地として二ヶ所記載されている。一ヶ所は「宇佐しおかぜ公園」(園内にホエールウォッチング施設あり)入口に建つ「ジョン万次郎ら漂流出航の浦」碑と、もう一ヶ所は実際の出航地。但し後者には案内板や記念碑は設置されていない。<br /><br />帷子崎公園には複数の手作り猫ハウスが設置されていたが、野良猫の数は減っていた。しかも皆、人間を警戒しており、側に寄ると逃げる。子猫が一匹もいなかったのは意外だが、最近は子猫がいるとすぐ取って行く者がいるという。以前、投稿した猫の多い琴平山もそうだが、強引に捕まえる者がいるらしい。だから人間を警戒しているのかも知れない。<br />かつて、ここの猫は一つのまとまりだったが、現在は西派と東派に分かれ、縄張り意識を持っている。<br /><br />西派は黒猫と白っぽい猫を親猫として生まれたグループ。東派は黄土色の斑柄猫とグレーの斑柄猫を親とするグループ。後者は特に人間に対する警戒心が強く、写真も撮れなかった。これらの猫が再び人間に親しみを覚えるようになることはあるのだろうか。<br />因みに餌は毎日、NPOや愛猫家が与えている。<br /><br />この公園にはスカイラインを行き交う観光客の車がよく寄って行くが、公園の斜め向かいの山手に建つ展望台に登ろうとする者は殆どいない。3分ほどで上れるのだが。そんなこともあり、木造展望台の階段の一部は朽ちていた。<br />ここからは半島第二の峰・橘森(233.4m)に50分ほどで登ることができるが、’00年、無名峰専門登山ガイド書製作時に登った時は途中、ひどい藪漕ぎ箇所があった。<br />因みに半島の最高峰の山頂には幕末の烽火台が残り、北直下には道(車道も歩道も)のない不可思議な展望台が建つ。そこからの展望は横浪屈指なので、機会があれば旅行記を投稿したい。<br /><br />尚、当サイト地図の帷子崎の図示は間違っている。実際はもっと東。また、「横浪三里」の図示箇所も不適切。当サイトの図示箇所は海軍第23突撃隊宇佐分遣隊の回天基地跡(実際は未配備)付近になっている。その道路を観光客が通ることは殆どない。

横浪スカイラインの猫とジョン万次郎漂流出航の地

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2016/02/11 - 2016/02/11

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マローズ

マローズさん

高知県土佐市西部から須崎市東部、浦ノ内湾南の横浪半島を観光道路「横浪スカイライン」が通っている。延長18.8kmの道路からは所々リアス式海岸の眺望が広がる。
その半島の岬の中に帷子崎(かたびらざき)があり、道路沿いに広場や展望台、春から秋に営業するうどんやお好み焼きの屋台を擁す帷子崎公園がある。

ここには古くより野良猫が何匹か棲み付いており、よく屋台に食べに行っていた’03〜’04年頃は、食べている最中に猫が寄って来て、可愛がったもの。また、以前、虐待事件もあり、’04年にはそのことを高知新聞に投書した。
先日、久しぶりにその猫たちに会いに行ったが、彼らは様変わりしていた。

半島へ入る前、土佐鰹節発祥地碑とジョン万次郎漂流出航の地を探訪した。万次郎は土佐の幕末史を語る上で重要な人物。一介の漁師見習いだった少年時、初出航の船が難破し、無人島で辛い日々を過ごした。その後、アメリカの捕鯨船に救助され、成人後、帰国すると語学力を買われ、幕府直参となり、明治期は東京大学の前身である開成学校の教授に任じられている。また、「ABCの歌」を日本に伝えたことでも知られている。近年はアメリカの小学校等の教育題材に万次郎が取り上げられることもある。

土佐市の観光案内板には、万次郎出航関連地として二ヶ所記載されている。一ヶ所は「宇佐しおかぜ公園」(園内にホエールウォッチング施設あり)入口に建つ「ジョン万次郎ら漂流出航の浦」碑と、もう一ヶ所は実際の出航地。但し後者には案内板や記念碑は設置されていない。

帷子崎公園には複数の手作り猫ハウスが設置されていたが、野良猫の数は減っていた。しかも皆、人間を警戒しており、側に寄ると逃げる。子猫が一匹もいなかったのは意外だが、最近は子猫がいるとすぐ取って行く者がいるという。以前、投稿した猫の多い琴平山もそうだが、強引に捕まえる者がいるらしい。だから人間を警戒しているのかも知れない。
かつて、ここの猫は一つのまとまりだったが、現在は西派と東派に分かれ、縄張り意識を持っている。

西派は黒猫と白っぽい猫を親猫として生まれたグループ。東派は黄土色の斑柄猫とグレーの斑柄猫を親とするグループ。後者は特に人間に対する警戒心が強く、写真も撮れなかった。これらの猫が再び人間に親しみを覚えるようになることはあるのだろうか。
因みに餌は毎日、NPOや愛猫家が与えている。

この公園にはスカイラインを行き交う観光客の車がよく寄って行くが、公園の斜め向かいの山手に建つ展望台に登ろうとする者は殆どいない。3分ほどで上れるのだが。そんなこともあり、木造展望台の階段の一部は朽ちていた。
ここからは半島第二の峰・橘森(233.4m)に50分ほどで登ることができるが、’00年、無名峰専門登山ガイド書製作時に登った時は途中、ひどい藪漕ぎ箇所があった。
因みに半島の最高峰の山頂には幕末の烽火台が残り、北直下には道(車道も歩道も)のない不可思議な展望台が建つ。そこからの展望は横浪屈指なので、機会があれば旅行記を投稿したい。

尚、当サイト地図の帷子崎の図示は間違っている。実際はもっと東。また、「横浪三里」の図示箇所も不適切。当サイトの図示箇所は海軍第23突撃隊宇佐分遣隊の回天基地跡(実際は未配備)付近になっている。その道路を観光客が通ることは殆どない。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通
4.0
交通手段
自家用車

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  • 幕末、播磨屋亀蔵が紀州の鰹節製造業者から技術を学び、土佐の宇佐浦へ伝え、息子の佐之助が更に技術・品質を向上させ、明治にかけて全国屈指の鰹節を製造した。

    幕末、播磨屋亀蔵が紀州の鰹節製造業者から技術を学び、土佐の宇佐浦へ伝え、息子の佐之助が更に技術・品質を向上させ、明治にかけて全国屈指の鰹節を製造した。

  • 改良・土佐節発祥之地碑前の海岸

    改良・土佐節発祥之地碑前の海岸

  • 宇佐しおかぜ公園より

    宇佐しおかぜ公園より

    宇佐しおかぜ公園 公園・植物園

  • いおかぜ公園駐車場側の三角点

    いおかぜ公園駐車場側の三角点

  • しおかぜ公園入口のモニュメント

    しおかぜ公園入口のモニュメント

  • クジラのモニュメントの下に建つ「ジョン万次郎ら漂流出港の浦碑

    クジラのモニュメントの下に建つ「ジョン万次郎ら漂流出港の浦碑

  • しおかぜ公園東方の浜

    しおかぜ公園東方の浜

  • 宇佐大橋下の福島神社

    宇佐大橋下の福島神社

    宇佐大橋 名所・史跡

  • 福島漁港と宇佐大橋

    福島漁港と宇佐大橋

  • ジョン万次郎が実際に出航したと思われる浜

    ジョン万次郎が実際に出航したと思われる浜

  • 帷子崎展望台

    帷子崎展望台

  • 帷子崎展望台から見下ろす帷子崎公園

    帷子崎展望台から見下ろす帷子崎公園

  • 帷子崎展望台から西方の海岸を見る

    帷子崎展望台から西方の海岸を見る

  • 橘森への尾根道はシダに覆われている

    橘森への尾根道はシダに覆われている

  • 帷子崎展望台北側の尾根からの宇佐方面の眺望

    帷子崎展望台北側の尾根からの宇佐方面の眺望

  • 西派の一部の猫ハウス

    西派の一部の猫ハウス

  • 帷子崎公園から東側の浜を見下ろす

    帷子崎公園から東側の浜を見下ろす

  • 切株から人間をにらむ

    切株から人間をにらむ

  • 東派の猫ハウス

    東派の猫ハウス

  • 水を飲む西派の黒猫

    水を飲む西派の黒猫

  • 西派は黒猫が多い

    西派は黒猫が多い

  • 西派の中心猫二匹

    西派の中心猫二匹

  • ヤマケイ誌に2007年紹介された二冊目の無名峰専門登山ガイドブック。橘森や横浪半島最高峰の宇都賀山も収録

    ヤマケイ誌に2007年紹介された二冊目の無名峰専門登山ガイドブック。橘森や横浪半島最高峰の宇都賀山も収録

  • 2004年、高知新聞に帷子崎の猫のことを投書

    2004年、高知新聞に帷子崎の猫のことを投書

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