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かつての伊勢国の津と伊賀国の上野を結ぶ伊賀街道は、京都、奈良方面と伊勢神宮を結ぶ参詣道の一つとして使われていましたが、慶長13年(1608年)に津藩主として移封された藤堂高虎が津城を本城と定め、伊賀上野城には城代家老を置いたことから、藩の政治や経済を司るうえで最も重要な官道として、これらふたつの城を結ぶ全長約50km(約12里)の街道が整備されます。<br /><br />街道筋には片田宿、長野宿、平松宿、平田宿の宿場が設けられ、官道としての性格を物語るように、宿場には津藩主の伊賀巡視のための御茶屋と呼ばれる休憩所が設置されました。<br /><br />このように、官道や伊勢参りの参詣道として利用される一方、津方面からは海産物や塩が、また、上野方面からは油や綿など、人々の生活を支える物資が行き交うようになり、物流の大動脈としての役割も果たしてきました。<br /><br />この伊賀街道に寄り添うように通る現在の国道163号線沿線には、今も人や物の往来で賑わった街道筋や宿場の面影を見ることができます。<br /><br /><br />三重県伊賀市平田にある平田宿は、上野と平松宿との間が長すぎるため、承応2年(1653年)に双方への距離が2里と云う、ほぼ中間地点に継馬の宿として設けられたもので、寛文7年(1667年)からは伊賀八宿の一つとして賑わいます。<br /><br />宿場町特有の桝形が残る町並みには、今も漆喰塗籠の虫籠窓や格子をしつらえた伝統的な町家が軒を連ね、「電柱がなければ江戸時代にタイムスリップしたかのような」と云っても過言ではない風情ある姿を留めています。

2016 伊賀街道 2/2 平田宿

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2016/01/09 - 2016/01/09

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nao

naoさん

かつての伊勢国の津と伊賀国の上野を結ぶ伊賀街道は、京都、奈良方面と伊勢神宮を結ぶ参詣道の一つとして使われていましたが、慶長13年(1608年)に津藩主として移封された藤堂高虎が津城を本城と定め、伊賀上野城には城代家老を置いたことから、藩の政治や経済を司るうえで最も重要な官道として、これらふたつの城を結ぶ全長約50km(約12里)の街道が整備されます。

街道筋には片田宿、長野宿、平松宿、平田宿の宿場が設けられ、官道としての性格を物語るように、宿場には津藩主の伊賀巡視のための御茶屋と呼ばれる休憩所が設置されました。

このように、官道や伊勢参りの参詣道として利用される一方、津方面からは海産物や塩が、また、上野方面からは油や綿など、人々の生活を支える物資が行き交うようになり、物流の大動脈としての役割も果たしてきました。

この伊賀街道に寄り添うように通る現在の国道163号線沿線には、今も人や物の往来で賑わった街道筋や宿場の面影を見ることができます。


三重県伊賀市平田にある平田宿は、上野と平松宿との間が長すぎるため、承応2年(1653年)に双方への距離が2里と云う、ほぼ中間地点に継馬の宿として設けられたもので、寛文7年(1667年)からは伊賀八宿の一つとして賑わいます。

宿場町特有の桝形が残る町並みには、今も漆喰塗籠の虫籠窓や格子をしつらえた伝統的な町家が軒を連ね、「電柱がなければ江戸時代にタイムスリップしたかのような」と云っても過言ではない風情ある姿を留めています。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • 伊賀市役所大山田支所の駐車場に車を停めさせてもらって平田宿へやってきました。

    伊賀市役所大山田支所の駐車場に車を停めさせてもらって平田宿へやってきました。

  • 町並みの東の端にある東町だんじり小屋が平田宿の目印になります。

    町並みの東の端にある東町だんじり小屋が平田宿の目印になります。

  • 平田宿にも、町名を書いた行燈が立てられています。

    平田宿にも、町名を書いた行燈が立てられています。

  • 立派な破風を見せる玄関庇が威厳をたたえています。<br /><br />母屋の屋根は珍しい寄棟屋根になっています。

    立派な破風を見せる玄関庇が威厳をたたえています。

    母屋の屋根は珍しい寄棟屋根になっています。

  • 平田宿の町並みです。

    平田宿の町並みです。

  • 間口の広い玄関が、新しく遣り替えられています。

    間口の広い玄関が、新しく遣り替えられています。

  • 町家の間から見た町並みの光景です。<br /><br />戸袋に細かい良い仕事を見ることができます。

    町家の間から見た町並みの光景です。

    戸袋に細かい良い仕事を見ることができます。

  • こちらの町家は、格子戸の敷居が付け替えられています。

    こちらの町家は、格子戸の敷居が付け替えられています。

  • こういう部分的なやり替えがきくのが木造建築の良いところですね。

    こういう部分的なやり替えがきくのが木造建築の良いところですね。

  • こちらは、鉄筋コンクリートの建物とドッキングしています。

    こちらは、鉄筋コンクリートの建物とドッキングしています。

  • またまた町家の間から見た町並みの光景です。

    またまた町家の間から見た町並みの光景です。

  • こちらの町家は、外壁の一部をタイル貼に模様替えしておられます。

    こちらの町家は、外壁の一部をタイル貼に模様替えしておられます。

  • 東側の町並みを振り返って見た光景です。

    東側の町並みを振り返って見た光景です。

  • 伝統的な中2階建ての町家に混じって、本2階建ての町家も見受けられます。

    伝統的な中2階建ての町家に混じって、本2階建ての町家も見受けられます。

  • 間口の広い建物の部分的に中2階を載せた町家は・・・

    間口の広い建物の部分的に中2階を載せた町家は・・・

  • 1階の間取りに応じて格子を使い分けておられるようです。

    1階の間取りに応じて格子を使い分けておられるようです。

  • 夏の西日対策からか、西側には窓をとっておられません。

    夏の西日対策からか、西側には窓をとっておられません。

  • 町並みに面する塀の内側に庭をしつらえた町家。

    町並みに面する塀の内側に庭をしつらえた町家。

  • こちらの町家は、丸瓦を使って・・・

    こちらの町家は、丸瓦を使って・・・

  • 大屋根からの呼樋を通すスペースを作っておられます。

    大屋根からの呼樋を通すスペースを作っておられます。

  • 西側の町並みです。

    西側の町並みです。

  • この町並みには珍しい、妻入りの町家です。

    この町並みには珍しい、妻入りの町家です。

  • 破風に鶴の彫り物が取り付けられています。

    破風に鶴の彫り物が取り付けられています。

  • 妻入り町家のお隣の町家です。

    妻入り町家のお隣の町家です。

  • 玄関の格子戸が、デザインを工夫して作り替えられています。

    玄関の格子戸が、デザインを工夫して作り替えられています。

  • 町並みの中程にある、宿場町特有の桝形が見えてきました。

    町並みの中程にある、宿場町特有の桝形が見えてきました。

  • 間口の広い玄関のある町家。

    間口の広い玄関のある町家。

  • 桝形です。<br /><br />道路をクランク状に曲げた桝形は、宿場町の防衛上の配慮から作られたものです。

    桝形です。

    道路をクランク状に曲げた桝形は、宿場町の防衛上の配慮から作られたものです。

  • 桝形に面して鎮座するのは津島神社です。

    桝形に面して鎮座するのは津島神社です。

  • 津島神社の斜め向かいの町家です。

    津島神社の斜め向かいの町家です。

  • 桝形から東側を振り返った光景です。<br /><br />津島神社の小さなお社が見えています。

    桝形から東側を振り返った光景です。

    津島神社の小さなお社が見えています。

  • 桝形から西側の町並みです。

    桝形から西側の町並みです。

  • 「伊賀街道」の標識を掲げたこちらは、創業百年になる鯉料理の料理旅館さんです。

    「伊賀街道」の標識を掲げたこちらは、創業百年になる鯉料理の料理旅館さんです。

  • 中庭の池で育てられている鯉や地元産の野菜を使った料理を目当てに、お客さんが屋号の書かれたガラス戸を開けて訪れます。

    中庭の池で育てられている鯉や地元産の野菜を使った料理を目当てに、お客さんが屋号の書かれたガラス戸を開けて訪れます。

  • また、「伊賀まちかど博物館」として、昔ながらの風情をたたえた建物や什器をはじめ、伊賀街道の紹介をしておられます。

    また、「伊賀まちかど博物館」として、昔ながらの風情をたたえた建物や什器をはじめ、伊賀街道の紹介をしておられます。

  • 銅板を貼った看板を掲げる酒屋さん。

    銅板を貼った看板を掲げる酒屋さん。

  • 格子戸をそのまま残した上にアルミサッシを取り付けた町家。<br /><br />住んでおられる方にとっては、風情と機能を両立させる良い例かもしれません。

    格子戸をそのまま残した上にアルミサッシを取り付けた町家。

    住んでおられる方にとっては、風情と機能を両立させる良い例かもしれません。

  • そろそろ風情ある町並みの西端まで来たようです。

    そろそろ風情ある町並みの西端まで来たようです。

  • こちらは西町のだんじり小屋。

    こちらは西町のだんじり小屋。

  • 破風や軒先には、緻密な細工瓦が使われています。<br /><br />では、この辺りで引き返します。

    破風や軒先には、緻密な細工瓦が使われています。

    では、この辺りで引き返します。

  • 東側の町並みの先には・・・

    東側の町並みの先には・・・

  • 桝形が見えています。

    桝形が見えています。

  • 桝形から東側の町並みです。

    桝形から東側の町並みです。

  • 右側に妻入りの町家が見えてきました。

    右側に妻入りの町家が見えてきました。

  • いよいよ突きあたりに見えてきたのが東町のだんじり小屋です。

    いよいよ突きあたりに見えてきたのが東町のだんじり小屋です。

  • 平田宿の最後に、東町のだんじり小屋の横にある植木神社へお参りします。

    平田宿の最後に、東町のだんじり小屋の横にある植木神社へお参りします。

  • 植木神社です。

    植木神社です。

  • 入口の鳥居右手にある手水舎の龍の吐水口と・・・

    入口の鳥居右手にある手水舎の龍の吐水口と・・・

  • 水盤。

    水盤。

  • 植木神社では、夏の暑さが厳しくなる7月の最終土曜日を宵宮、日曜日を本祭と定め、豪華絢爛に祇園祭が執り行われます。

    植木神社では、夏の暑さが厳しくなる7月の最終土曜日を宵宮、日曜日を本祭と定め、豪華絢爛に祇園祭が執り行われます。

  • 社殿の前に鎮座する・・・

    社殿の前に鎮座する・・・

  • 阿形の狛犬と・・・

    阿形の狛犬と・・・

  • 吽形の狛犬。

    吽形の狛犬。

  • 大木に廻された注連縄の紙垂。

    大木に廻された注連縄の紙垂。

  • 上野と平松宿との間が長すぎるため設けられた平田宿の町並みは、宿場町特有の桝形が残る、江戸時代にタイムスリップしたかのような風情ある姿を留めていました。<br /><br />では、植木神社の全景を見ながら、帰路につきます。

    上野と平松宿との間が長すぎるため設けられた平田宿の町並みは、宿場町特有の桝形が残る、江戸時代にタイムスリップしたかのような風情ある姿を留めていました。

    では、植木神社の全景を見ながら、帰路につきます。

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