2015/12/12 - 2015/12/12
206位(同エリア1291件中)
k.sさん
万葉のスーパースターである柿本人麻呂の歌二首を今回紹介しようと思う。
舞台は明石海峡。今は旅行と言えば、娯楽の一つだが、万葉時代は、命がけである。殊に海旅ともなると、風が恐ろしい。また、瀬戸内海には、三百以上の島があり、そのため潮が千変万化する。「楽しい、楽しい旅」ではなく、「苦行」に近かったと想像される。
今は、瀬戸内海を船で旅行する時、夕方に乗船すれば、翌日の朝には九州に到着する。当時は、手漕ぎの船で、1ヶ月程掛かったとのこと。
難波(なにわ)から船に乗り、明石海峡に差し掛かると、潮の流れが早くなり、命を掛けて、その難所に立ち向かわなければならない。見馴れた生駒山とも当分お別れである。どんなにか心細かったことだろう。
巻3-254
ともしびの 明石大門(おほと)に 入らむ日や
漕ぎ別れなむ 家のあたり見ず
逆に瀬戸内海を九州から船旅する時、明石海峡まで帰って来た時は、どんなにか胸躍らせたことだろう。
巻3-255
天離(あまざか)る 夷(ひな)の長道(ながち”)ゆ
恋ひ来れば 明石の門(と)より 大和島見ゆ
それでは、明石海峡を俯瞰できる「兵庫県立あわじ石の寝屋緑地」へ出発だ。
奈良の近鉄・生駒駅からスタートし、神戸・三宮で電車を乗り換え、山陽・明石駅まで行き、そこからは、淡路ジェノバラインを利用した。高速艇で淡路島北端の岩屋までは13分の船旅だ。岩屋からは「石の寝屋緑地」までは徒歩40分。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船 私鉄 徒歩
PR
-
生駒駅
予定していた時間より1時間遅れで出発。寒い時は、寝床から出るのが苦痛ですね。 -
山陽・明石駅
電車の接続もよく順調に明石駅に到着。山陽明石駅 駅
-
明石駅西口
案内板が光って文字が読み取れませんが、「明石駅西口」と書いてあります。西口を南下すると、高速艇の乗り場に出ます。 -
明石駅西口から高速艇の乗り場への途中
賑やかな商店街がありました。「魚の棚」という商店街です。高速艇は1時間に2〜3本なので今は時間はありませんが、帰りにお邪魔することにします。 -
高速艇乗り場
淡路ジェノバラインというハイカラな名前です。フォートラベルでこの存在を知り、今回利用させてもらいました。岩屋まで大人片道500円、13分の船旅です。 -
淡路ジェノバライン
派手な高速艇やな、と思いましたが、船旅が楽しくなります。 -
明石港
今日は順調そのものです。ほとんど待ち時間もなく出帆です。 -
淡路ジェノバライン
見晴らしが良い二階席を選びました。乗り物で一番旅情を刺激するのは、「船」ではないか、と思います。
見えているのは、明石の町です。 -
淡路ジェノバライン
淡路の最北端が見えています。 -
淡路ジェノバライン
明石海峡大橋と舞子の街並み。 -
淡路ジェノバライン
明石海峡大橋の下を潜って岩屋へ行きます。 -
淡路ジェノバライン
淡路島の最北端の風景です。 -
淡路ジェノバライン
岩屋港が近くなりました。 -
淡路ジェノバライン
岩屋港に入ります。淡路ジェノバライン 乗り物
-
岩屋・淡路ジェノバラインの案内所
岩屋から「石の寝屋」までの地図を事前に用意できなかったので、現地に行けば何とかなる、と考えていたのですが、甘かったです。
置いてあるガイドマップは何種類かあったのですが、いずれにも「石の寝屋」という名前さえ掲載されておりません。
困ったな、と壁の地図をみると、「古墳石の寝屋」とあるではないですか。
要するに、海岸線を北上し、適当なところで左折して、高速道路の「神戸淡路鳴門自動車道」を潜る道を見つけたらいい、と頭の整理はできました。 -
海岸線を北上
やはり心配だったので、途中「石の寝屋」へどう行ったらいいか、聞きました。
すると、海岸線ではなく、直ぐに山(左折)へ向かって進まないといけない、と教えてもらいました。目標は、ちらちら見えている観覧車です。但し、「石の寝屋」はその観覧車の北側に位置するとのこと。
分かったようで、しかし実際は分からないまま、何とかなるだろう、と観覧車を目指して左折しました。時間はたっぷりあります!
この岩屋商店街に入りました。 -
観覧車を目指して
後で調べて分かったのですが、この観覧車は、淡路ハイウェイオアシスにあるものでした。 -
観覧車を目指して
徐々にその姿が大きくなってきております。 -
観覧車を目指して
このような路地を通り抜けました。 -
観覧車を目指して
高速道路に迷い込んだように感じましたが、私が歩いているのは、歩道です。案内板があるかどうか、あたりを見回しました。 -
観覧車を目指して
ありました!「県立あわじ石の寝屋緑地 2km」矢印方向を頭に入れた地図と照合し、納得です。
高速道路に見えた立派な道路は、主要地方道路31号線 「福良江井岩屋線」です。 -
主要地方道路31号線から見えた風景
観覧車が目前に見えます。石の寝屋まで2キロの案内板がなければ、この観覧車に乗っていたかも知れません。 -
主要地方道路31号線から見えた風景
明石海峡大橋。
余談ですが、車で来ようとは考えませんでした。この明石海峡大橋を車で通るのが怖かったからです。地面が見えない道路を走ると考えただけでも体が強張ります。こんな感覚を持つのは私だけでしょうか? -
主要地方道路31号線から見えた風景
いい道路でしょ。神戸淡路鳴門自動車道と平行して走っています。この歩道を歩いております。 -
主要地方道路31号線から見えた風景
左折の案内板がありました。あと500mです。 -
市道長谷線
この道路にも歩道がついておりました。安心して歩けます。 -
市道長谷線
道の横を流れる小川。 -
あわじ石の寝屋緑地
やっと着きました!事前に調べた、岩屋から徒歩で40分。まあそんなところです。 -
あわじ石の寝屋緑地
駐車場は車40台のスペースがありますが、1台も駐車されておりません。
ひょっとして、私ひとりの貸切状態!?込み合うのは大嫌いですが、1人だけというのも寂しいものです。ほどほどがいいのですが...。 -
あわじ石の寝屋緑地 案内板
-
あわじ石の寝屋緑地
とりあえず、森の広場で昼食とトイレ休憩をとります。 -
あわじ石の寝屋緑地 森の広場までの風景
-
あわじ石の寝屋緑地 森の広場までの風景
-
あわじ石の寝屋緑地 森の広場
-
あわじ石の寝屋緑地 森の広場
持参の巻き寿司とみかん2個、そしてチョコレートを2〜3個口に入れると人心地がつきました。
一周約2キロ、所要時間は1時間ぐらい。散策ルートには、一般向け、健脚向けの2ルートがありますが、今回は一般向けを選びます。空中展望台、見上げる展望台、そして海峡展望台と展望台は3ヶ所あります。まあ、いいか、と端折ったりせず、真面目に回ろうと思います。
それにしても、人影がありません。ほんとうに貸切状態です。 -
あわじ石の寝屋緑地
さあ、活動開始です。クスノキ林方向へ進み、途中海が見えるところまで出ると、ウバメガシのトンネルを目指します。その先に空中展望台があります。 -
あわじ石の寝屋緑地 ウバメガシのトンネルまでの途中
-
あわじ石の寝屋緑地 ウバメガシのトンネルまでの途中
-
あわじ石の寝屋緑地 ウバメガシのトンネルまでの途中
海が見えるところまで来ましたが、例の観覧車ははるか彼方に見えます。 -
あわじ石の寝屋緑地 ウバメガシのトンネルまでの途中
-
あわじ石の寝屋緑地 ウバメガシのトンネルまでの途中
-
あわじ石の寝屋緑地 ウバメガシのトンネル
-
あわじ石の寝屋緑地 空中展望台
-
あわじ石の寝屋緑地 空中展望台
中央の樹木の梢が邪魔をしてよく見えないのですが、鉢伏山の右側に須磨、神戸の街並みが続いています。 -
あわじ石の寝屋緑地 空中展望台
山側の景色です。 -
あわじ石の寝屋緑地 空中展望台
眼下に見えている港は、岩屋港です。船が往来しておりますが、1日約860隻の船が明石海峡を往来するとのことです。
神戸港はうっすらと見えますが、大阪港、生駒山は今日では見ることはできません。 -
あわじ石の寝屋緑地 道標
-
あわじ石の寝屋緑地 見上げる展望台
9月下旬から10月初旬にはサバシ(タカ科)の渡りを観察できるとのこと。 -
あわじ石の寝屋緑地 見上げる展望台からの眺め
-
あわじ石の寝屋緑地 見上げる展望台
鉢伏山の右側に神戸港が見える。 -
あわじ石の寝屋緑地 海峡展望台
デジカメの電池が切れたので、ここからは携帯電話のカメラを使用します。断りを入れないと、その違いが分からないと思うのですが...。 -
あわじ石の寝屋緑地 海峡展望台の全景
-
あわじ石の寝屋緑地 海峡展望台
明石市街を望む。 -
あわじ石の寝屋緑地 海峡展望台
明石海峡大橋、舞子を望む。 -
あわじ石の寝屋緑地 海峡展望台
神戸港を見ようとしたのですが、鉢伏山から続く海岸線は煙って確認できません。 -
あわじ石の寝屋緑地 海峡展望台
大阪港の方角は何も見えず、茫洋たる海が広がるだけです。 -
あわじ石の寝屋緑地
海峡展望台から森の広場へ戻ります。 -
あわじ石の寝屋緑地
森の広場が見えました。この写真を撮った場所がどういう場所かというと...。 -
あわじ石の寝屋緑地
この階段の上から撮ったものです。
ちなみに、散策コースで健脚コースがありましたが、本日私が歩いた道を逆に通れば、それがすなわち健脚コースになります。
ただし、この階段を敢えて選ぼうとは誰もしないと思うのですが...。 -
岩屋港への帰路
岩屋港から「石の寝屋」に行くときの、海岸線の道路を左折(山の方角)するポイントを次回のために見つけようと思います。 -
岩屋港への帰路
-
岩屋港への帰路
食堂「とり若」の手前の路地を左折して、31号線に出るのが最短コースです。
参考にこのポイントから見える風景を2〜3枚写真に撮っておきます。 -
岩屋港への帰路
斜め前には、酒屋さんで、「モンマート なかむら」があります。 -
岩屋港への帰路
「とり若」の道路を隔てた前には、駐車場があります。 -
岩屋港への帰路
少し港よりには「岩屋商店街」の看板がありました。これで迷うことなく「石の寝屋」を再度訪れることができます。 -
岩屋港への帰路
岩屋港に停泊する船。 -
岩屋〜明石
帰りも、淡路ジェノバラインを利用しました。
明石海峡大橋を下から眺めることは、滅多にないことでしょう。 -
岩屋〜明石
-
お好み焼・明石焼 「楽」
明石港近くの「楽」にふらっと寄らしてもらいました。小腹も空いたことだし、注文するのは、もちろん明石焼です。 -
お好み焼・明石焼 「楽」
明石焼 550円+消費税。
税込みでないことが気にいらないのか、味はいまいち。奈良在住ですが、「味」の評価をするときは、大阪生まれである、という自負心がむらむらと湧き上がってきます。
ところで、今日何故淡路まで行ったのか?
この旅行記をこれで終わらせる、この軽さ。柿本人麻呂も呆れて開いた口が塞がらないだろう。でも、これでいいのです。これが、私の「万葉ワールド」なのですから。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
70