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3年振りにポーランドの首都ワルシャワを訪れた。たまたま今年は5年に一度開催されるショパンコンクールの年であり、実際の演奏を聴くことができた。小生はショパンを積極的に聴いているわけではないが、その昔「作曲家、人と作品シリーズ(音楽之友社)」を読んで、彼の波乱万丈の人生について知った。ヨーロッパ各地を渡り歩き、39歳という若さで亡くなるまでに数々の名曲を生み出し、また作家ジョルジュ・サンドとの9年間の交際と別れ、などドラマティックな人生を送った。そのショパンのワルシャワで歩んだ道を辿ってみることにした。<br /><br />つい先日、今年のショパンコンクールの結果が発表され、優勝者は韓国人のチョ・ソンジン、2位はカナダ人のシャルル・リシャール・アムラン、3位はアメリカ人のケイト・リウなどであった。日本期待の小林愛美はファイナリストの10人に残る健闘、また10人の内、半数はアジア系だった。このコンクールの過去の優勝者と言えば、ポリーニ、アルゲリッチ、ツィメルマン、タイソン、ブーニンなどの名ピアニストを世に送り出している。この顔ぶれを見ると、単にピアノ演奏能力だけでなく、カリスマ性、スター性を備えていることが不可欠、と思えてくる。日本人の優勝者は過去にはいない。<br /><br />今年は予選を突破した総勢78人がワルシャワに集結、10月3日から20日までの長丁場のコンクールに臨んだわけである。たまたま小生が覗いた演奏会では、いずれもアメリカ人で3位に入賞したケイト・リウと、ナオミ・クドウの演奏を聴くことができた。いずれもアジア系だ。小生はピアノ演奏の優劣を語ることはできないが、若い才能に溢れた、そして幸運にもショパンコンクールに参加することができた若者の初々しい演奏に接することができた。<br /><br />そもそもこのコンクールのチケットが手に入るのか?数日前からホームページをチェックしていたが、インターネット予約は既に締め切られていた。従ってダメ元で、一か八かホールのチケット売り場に並んでみた。そして小生の前に並んでいた女性に話しかけてみると、ワルシャワ在住のポーランド人であった。彼女は英語を話し、このコンクールの常連で、私が日本人であることを伝えると、30分ほど待てばチケットは必ず手に入る、どの入り口から入ると空席に座りやすいか、今年の日本人は小林愛美の前評判が高い、などと大変親切に教えてくれた。そこに小生の後ろに並んでいたロンドンから来たというイギリス人の、こちらも大変な情報通の女性が加わって会話を交わした。長年ショパンコンクールを聴いて、歴代コンクールにも詳しい二人から様々な情報を入手した。特に近年、アジアからの参加者が圧倒的に増えてきており、ポーランドの15人と並び中国が15人、日本は12人(全て女性)、韓国は8人、またアメリカの12人にもアジア系の参加者が多く、アジアの人のバイタリティーに驚かされている、と言った。そしてこのポーランド人の女性はショパンの記念グッズまでプレゼントしてくれた。<br /><br />翌日曜日、ショパンの心臓が収められているという聖十字架教会を訪れた。日曜ミサの最中で写真を撮ることが憚られたが、ミサの合間をぬって教会内と、ショパンのレリーフなどを撮影した。例に漏れず、この教会もナチスドイツに蹂躙され、ショパンの心臓も運び去られたそうであるが、幸い元の場所に戻されている。更に、ショパンが15歳の時、ロシア皇帝の前で神童ぶりを披露したという三位一体プロテスタント教会、そしてショパン博物館(オストログスキ宮殿)を訪れた。毎時100人まで、という入場制限があり、予約は常に混み合っている。事前にオンラインで予約を入れておいたので、スムーズに入館し、短時間にワルシャワ時代、その後のウィーン、プラハ、パリ、ロンドンなど各地で活躍した足跡と、各地で作曲された名作の断片を聴くことができた。<br /><br />残念ながら以上で予定の時間は尽きた。若きショパンも歩いたであろう公園を歩いて、最寄りのワルシャワ・ポヴィシレ駅まで歩いた。素晴らしい晴天で暑くなく寒くなく、一部の樹木は紅葉が始まっており散策には最高のシーズンだ。しかし、行きに車掌に教えてもらった列車は運行されておらず、予定より遅れて真っ赤な空港アクセス列車でフレデリック・ショパン空港に到着、ラウンジでくつろぐ間もなくサンクトペテルブルク行きのポーランド航空の小型ジェット機に乗り込んだ。<br /><br />

3年ぶりのワルシャワ : ショパンコンクールを聴きショパンの歩いた道を辿る

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2015/10/10 - 2015/10/11

102位(同エリア1009件中)

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ハンク

ハンクさん

3年振りにポーランドの首都ワルシャワを訪れた。たまたま今年は5年に一度開催されるショパンコンクールの年であり、実際の演奏を聴くことができた。小生はショパンを積極的に聴いているわけではないが、その昔「作曲家、人と作品シリーズ(音楽之友社)」を読んで、彼の波乱万丈の人生について知った。ヨーロッパ各地を渡り歩き、39歳という若さで亡くなるまでに数々の名曲を生み出し、また作家ジョルジュ・サンドとの9年間の交際と別れ、などドラマティックな人生を送った。そのショパンのワルシャワで歩んだ道を辿ってみることにした。

つい先日、今年のショパンコンクールの結果が発表され、優勝者は韓国人のチョ・ソンジン、2位はカナダ人のシャルル・リシャール・アムラン、3位はアメリカ人のケイト・リウなどであった。日本期待の小林愛美はファイナリストの10人に残る健闘、また10人の内、半数はアジア系だった。このコンクールの過去の優勝者と言えば、ポリーニ、アルゲリッチ、ツィメルマン、タイソン、ブーニンなどの名ピアニストを世に送り出している。この顔ぶれを見ると、単にピアノ演奏能力だけでなく、カリスマ性、スター性を備えていることが不可欠、と思えてくる。日本人の優勝者は過去にはいない。

今年は予選を突破した総勢78人がワルシャワに集結、10月3日から20日までの長丁場のコンクールに臨んだわけである。たまたま小生が覗いた演奏会では、いずれもアメリカ人で3位に入賞したケイト・リウと、ナオミ・クドウの演奏を聴くことができた。いずれもアジア系だ。小生はピアノ演奏の優劣を語ることはできないが、若い才能に溢れた、そして幸運にもショパンコンクールに参加することができた若者の初々しい演奏に接することができた。

そもそもこのコンクールのチケットが手に入るのか?数日前からホームページをチェックしていたが、インターネット予約は既に締め切られていた。従ってダメ元で、一か八かホールのチケット売り場に並んでみた。そして小生の前に並んでいた女性に話しかけてみると、ワルシャワ在住のポーランド人であった。彼女は英語を話し、このコンクールの常連で、私が日本人であることを伝えると、30分ほど待てばチケットは必ず手に入る、どの入り口から入ると空席に座りやすいか、今年の日本人は小林愛美の前評判が高い、などと大変親切に教えてくれた。そこに小生の後ろに並んでいたロンドンから来たというイギリス人の、こちらも大変な情報通の女性が加わって会話を交わした。長年ショパンコンクールを聴いて、歴代コンクールにも詳しい二人から様々な情報を入手した。特に近年、アジアからの参加者が圧倒的に増えてきており、ポーランドの15人と並び中国が15人、日本は12人(全て女性)、韓国は8人、またアメリカの12人にもアジア系の参加者が多く、アジアの人のバイタリティーに驚かされている、と言った。そしてこのポーランド人の女性はショパンの記念グッズまでプレゼントしてくれた。

翌日曜日、ショパンの心臓が収められているという聖十字架教会を訪れた。日曜ミサの最中で写真を撮ることが憚られたが、ミサの合間をぬって教会内と、ショパンのレリーフなどを撮影した。例に漏れず、この教会もナチスドイツに蹂躙され、ショパンの心臓も運び去られたそうであるが、幸い元の場所に戻されている。更に、ショパンが15歳の時、ロシア皇帝の前で神童ぶりを披露したという三位一体プロテスタント教会、そしてショパン博物館(オストログスキ宮殿)を訪れた。毎時100人まで、という入場制限があり、予約は常に混み合っている。事前にオンラインで予約を入れておいたので、スムーズに入館し、短時間にワルシャワ時代、その後のウィーン、プラハ、パリ、ロンドンなど各地で活躍した足跡と、各地で作曲された名作の断片を聴くことができた。

残念ながら以上で予定の時間は尽きた。若きショパンも歩いたであろう公園を歩いて、最寄りのワルシャワ・ポヴィシレ駅まで歩いた。素晴らしい晴天で暑くなく寒くなく、一部の樹木は紅葉が始まっており散策には最高のシーズンだ。しかし、行きに車掌に教えてもらった列車は運行されておらず、予定より遅れて真っ赤な空港アクセス列車でフレデリック・ショパン空港に到着、ラウンジでくつろぐ間もなくサンクトペテルブルク行きのポーランド航空の小型ジェット機に乗り込んだ。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
交通
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
鉄道 タクシー 飛行機
旅行の手配内容
個別手配

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  • ボーランド航空の小型ジェット機

    ボーランド航空の小型ジェット機

  • スマートな空港アクセス列車

    スマートな空港アクセス列車

  • ワルシャワ中央駅では否が応でもスターリン建築の文化科学宮殿が目に入る

    ワルシャワ中央駅では否が応でもスターリン建築の文化科学宮殿が目に入る

  • ワルシャワ中央駅も近代的な建物

    ワルシャワ中央駅も近代的な建物

  • ワルシャワ中央駅周辺の近代的な建築群

    ワルシャワ中央駅周辺の近代的な建築群

  • ショパンコンクールの会場 ワルシャワフィルハーモニーホール

    ショパンコンクールの会場 ワルシャワフィルハーモニーホール

  • ショパンコンクール開催中

    ショパンコンクール開催中

  • チケットを求めて並ぶ人々

    チケットを求めて並ぶ人々

  • ショパンコンクールのステージ

    ショパンコンクールのステージ

  • ワルシャワフィルハーモニーホールの全景

    ワルシャワフィルハーモニーホールの全景

  • ステージ上のヤマハ、スタンウェイ、カワイのピアノが選べる

    ステージ上のヤマハ、スタンウェイ、カワイのピアノが選べる

  • 3位に入賞したケイト・リウ

    3位に入賞したケイト・リウ

  • ワルシャワフィルハーモニーホールのロビー

    ワルシャワフィルハーモニーホールのロビー

  • ワルシャワフィルハーモニーホールの内部

    ワルシャワフィルハーモニーホールの内部

  • ショパンの像

    ショパンの像

  • ワルシャワフィルハーモニーホールの内部

    ワルシャワフィルハーモニーホールの内部

  • 日が暮れたフィルハーモニーホールのファサード

    日が暮れたフィルハーモニーホールのファサード

  • ライトアップされた文化科学宮殿

    ライトアップされた文化科学宮殿

  • ローマ法王を讃えるパレード

    ローマ法王を讃えるパレード

  • ポーランド科学アカデミーとコペルニクス像

    ポーランド科学アカデミーとコペルニクス像

  • 地動説を唱えた革命的な科学者コペルニクス

    地動説を唱えた革命的な科学者コペルニクス

  • ショパンの心臓が収められている聖十字架教会

    ショパンの心臓が収められている聖十字架教会

  • 聖十字架教会の前を通過すろパレード

    聖十字架教会の前を通過すろパレード

  • 聖十字架教会の十字架を背負ったキリスト像

    聖十字架教会の十字架を背負ったキリスト像

  • 聖十字架教会のミサ

    聖十字架教会のミサ

  • 聖十字架教会の内部

    聖十字架教会の内部

  • 聖十字架教会にはショパンの心臓が収められている

    聖十字架教会にはショパンの心臓が収められている

  • ショパン15歳の時、ロシア皇帝の前で演奏した三位一体プロテスタント教会

    ショパン15歳の時、ロシア皇帝の前で演奏した三位一体プロテスタント教会

  • ショパン博物館のファサード

    ショパン博物館のファサード

  • ショパン博物館のチケット売り場

    ショパン博物館のチケット売り場

  • ショパン博物館のチケット売り場

    ショパン博物館のチケット売り場

  • ショパン博物館の向かいの建物

    ショパン博物館の向かいの建物

  • ショパン博物館の入り口

    ショパン博物館の入り口

  • ショパン博物館に展示されたピアノ

    ショパン博物館に展示されたピアノ

  • ショパン博物館に展示されたピアノ

    ショパン博物館に展示されたピアノ

  • 至る所でショパンの曲が流れる

    至る所でショパンの曲が流れる

  • ショパン博物館の展示

    ショパン博物館の展示

  • ショパン博物館の展示

    ショパン博物館の展示

  • ショパン博物館の展示

    ショパン博物館の展示

  • ショパン博物館に展示されたピアノ

    ショパン博物館に展示されたピアノ

  • ショパン博物館の模型

    ショパン博物館の模型

  • ショパン博物館の横の公園

    ショパン博物館の横の公園

  • 公園内のモニュメント

    公園内のモニュメント

  • 公園からワルシャワ市街の眺め

    公園からワルシャワ市街の眺め

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この旅行記へのコメント (4)

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  • tadさん 2015/10/24 23:01:25
    お久し振りです!
    ショパン・コンクールをお聞きになったのですね!最終選考にアジア系が多いのは、経済力の反映でもあるのでしょうが、韓国も中国も、どんどん進出していますね。その分、日本勢の比率が下がった様に見えますが、それでも、12名も参加したというのは、まだまだ頑張っているともいえます。それと、確かに日本人は優勝していませんね。。いろいろ議論はあるのでしょうが。。

    今年は、いろいろ事情があり、国内中心でしたが、11月2日からウィーンに出かけます。先ほど、佐渡と辻井のウィーンの演奏とドキュメントのテレビ番組をやっていましたが、昨年の12月以来のウィーンを楽しんできます。

    ハンク

    ハンクさん からの返信 2015/11/03 00:20:14
    RE: お久し振りです!
    tadさん、こんばんは、お久しぶりです。
    今日からウィーンですか?ラットルとベルリンフィルのベートーヴェンチクルスですね。チケットは確保できたのですか?現代最高のコンビが世界一のホールで聴けるとは羨ましい限りです。また旅行記を楽しみにしております。

    ショパン・コンクールを聴きました。小生ピアノ演奏の優劣は分かりませんが、ショパン・コンクールとはこういうものだったのか、という発見がいろいろありました。5年に1度ですから、ラッキーだったと思います。韓国人の男性が優勝というのは、ちょっと悔しい気もしますが、時代の流れなのでしょうね。

    再来週からまたメキシコです。クラシック音楽の国ではありませんが、世界遺産を色々巡ってきたいと思います。もちろん治安のよろしくない国ですので、慎重に行動するつもりです。

    それではまた、お元気で!ハンク

    tad

    tadさん からの返信 2015/11/24 17:34:32
    RE: RE: お久し振りです!
    ウィーンの書き込みを開始しました。早速のいいねをいただき感謝です。

    今回は、少しユニークなところも廻りましたので、忘れないうちにと、そちらを優先しています。音楽関係はもうしばらくおまちください!
  • tadさん 2015/10/24 23:00:57
    お久し振りです!
    ショパン・コンクールをお聞きになったのですね!最終選考にアジア系が多いのは、経済力の反映でもあるのでしょうが、韓国も中国も、どんどん進出していますね。その分、日本勢の比率が下がった様に見えますが、それでも、12名も参加したというのは、まだまだ頑張っているともいえます。それと、確かに日本人は優勝していませんね。。いろいろ議論はあるのでしょうが。。

    今年は、いろいろ事情があり、国内中心でしたが、11月2日からウィーンに出かけます。先ほど、佐渡と辻井のウィーンの演奏とドキュメントのテレビ番組をやっていましたが、昨年の12月以来のウィーンを楽しんできます。

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