2015/09/19 - 2015/09/27
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aminaさん
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南米は、どうしても時間がないのと、休みが取れる時期にはものすごく高くて行けないものと思っていましたが、どうしても行きたい思いが募っていました。
9月はウユニ塩湖は乾季ですが、真っ白な六角形の模様が広がり、雨季には行けないサボテンが高くそびえるインカワシ島にも行けるということで、シルバーウィークにマチュピチュとウユニに行く事に。ウユニでは少しですが水が溜まっているところがあり、トリック写真を撮ってとても楽しい時間を過ごす事が出来ました。
行くことを考え始めてから、インカ帝国について調べれば調べるほど、本当に素晴らしいことが分かり、インカ帝国の大ファンになりました。
ペルーに関する情報には、インカ帝国、インディオの文明、古代から数百年前まで続いていた歴史を知らなくてはペルーを知ったことにならない、とよく書かれています。
そこで、私がインカ帝国のファンになるに至った、行く前に知ったことを以下に挙げておきます。
【インカ帝国について】
インカ帝国は、紀元前1000年から起こった高度なアンデス文明の集大成であり、エクアドル南部、ペルー、ボリビア、チリまでの広大な帝国で、立派な道で結ばれていた。
スペイン人の記録では、「これまでの人生で見たどの道よりも広く、美しい」とあり、ヨーロッパのものよりすごかったことが分かる。インカ帝国の滅亡と共に、道も消えてしまった。
南米大陸の一番北のエクアドルのキトからチリまで結ばれていた道を、チャスキという飛脚が2kmごとの駅まで走り、情報を3日で伝えていたという驚異的な情報伝達がなされていた。
ユーラシア大陸と違って、他の文明と全く接触しなかったため、鉄や車輪などが無いにも関わらず、巨大な岩を遠くまで、急な斜面の上まで運び、カミソリ一枚通さないほど精密に切った石を積み、非常に耐震性に優れている。今でも様々な建築技術で謎が多い。
スペイン征服者達は、インカの神殿、宮殿、建物をことごとく破壊し、破壊した神殿の瓦礫で教会を建てた。しかもインディオ達に建築労働させた。
けれど、スペイン人統治者は、インカの建築の土台部分だけは耐震性に優れていたため破壊しないよう命じた。
インカ帝国の首都、クスコは、マチュピチュ同様、広大な都市の全体が宗教的な意味を持つピューマの形をしていて、神殿の広場にはエメラルドで造られたアルパカの像が輝き、壁にも金箔が貼られ、金や宝石の精巧な装飾で埋め尽くされ、まばゆいばかりに輝いていたが、スペイン征服者達が全て盗み取り、金の延べ棒にしてスペインに送ってしまった。インカ帝国、メキシコなど、全土でそうしたため、スペインは金で溢れかえった。
インカ帝国の最後の皇帝アタワルパは、スペイン人ピサロに捕えられ、牢獄に入れられてしまった。インディオ達に牢獄いっぱいの金を運んできたら解放する、と言うので、インディオ達は必死で金を集めて運んできたが、牢獄がいっぱいになった時点で、皇帝アタワルパを残酷に扱い、処刑してしまった。
皇帝には太陽神と結びつく絶対的権力があると信じられていたため、皇帝がいなくなてしまったインディオ達は、スペイン人達に全てが破壊され、盗み取られるのをただじっと見ることしか出来なかった・・。
インカ帝国は、文明の集大成であり、広大な土地を初めて一つに統治した国家であり、驚異的な技術で造り上げた遺跡や統治方法がちょうど軌道に乗り、これから、という時にスペインの侵略に遭ってしまった。
スペイン人達は宗教を一番大事にするインカの人々をキリスト教に改宗しなければ残酷に拷問した。神父による鞭打ちの絵もたくさん残っている。少しでも伝統的なものも悪魔の宗教の風習としてやめさせた。神父は無理矢理結婚などもさせた。
スペイン人宣教者の記録によると、スペイン人達は金のありかを言わせるために、老若男女を逆さ吊りにし何日も火あぶりしたり、小屋にぎゅうぎゅうに押し込めて火を付けるなど、400万人を虐殺した。
インディオには耐性のない病気も蔓延し、わずか30年の間に、インディオの人口は4分の1に減少してしまった。
海岸部ではほぼ全滅、高地で生存率が高めとなった。
今でも残る遺跡には、未だにどこから流れているか分からない水が流れている、サイフォンの法則を利用したものや、ペルーや周辺国に残る古代からの遺跡には、広大な範囲を地下道で結んでいるものが多々あったり(クスコも同様)、高度差を利用した作物の実験農場があったり・・本当に知れば知るほど挙げきれない素晴らしい技術があります。
ジャガイモももともとは小さい粒のものだったのを改良したのもインディオ達です。トウモロコシ、トマトも、世界の主要食物ですが、インディオ達が古来から改良した結果です。
ジャガイモは、ヨーロッパの飢饉を救い、日本でも戦中はジャガイモで助かったのだそう。今でも途上国支援では欠かせない食物です。
「インカの末裔たち」という本の著者は、インディオ達が高地の寒波で子ども達が飢えてバタバタと亡くなっている今、世界の人々が恩返しをしようという発想になって良いのではないか、と言っています。(これが書かれたのは1992年ですがそんな時期だったそうです)
この本には、インディオ達がなぜ貧しいのか、とスペイン系のリマの人に聞いた時、「彼らが怠け者だからだ」、と言われたが、とてもそうは思えない。古来からこの地で生きていくためには、常に生産し続けなくてはならないため、それとは正反対、という内容で様々な伝統、技術の説明が書かれています。
暇さえあれば糸を紡ぐ女性達、険しい斜面でもどこにでもある塞き止める石垣や棚田、道・・・私にも見ていればよく分かりました。
インカ帝国には国旗もあり、国章は、「嘘をつかない、盗まない、怠けない」でした。まさに、正反対のことをするスペイン征服者達によって、徹底的に破壊されてしまったのです。
【続く】
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 飛行機
- 航空会社
- ユナイテッド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ここのところずーっと、ユーラシア、北アフリカと西方面ばかり行ってきた私ですが、今回は、アメリカ、ヒューストン経由で、本格的に東の太平洋を渡ります。
アメリカまで行くのは子供の頃、ロスアンゼルスに行って以来なので、ちょっとどきどきでした。
この上空は、ちょうど、日本海溝がある辺りかな、と窓の外を見たところ。この下にはものすごーく深い海があるということになります。
日本を騒がせている地震の震源地もここですね。どうか、これ以上動かないで下さい。
海と空の連動で、雲がこの境目からあるように思いました。 -
ユナイテッド航空でした。機内食は、この行きのが一番少なかったような。でもチキンカレーはとてもおいしかったです。
日も暮れて、この後はしばらく海の上。
お休みなさーい・・。 -
目が覚めて、気が付くと、もうアメリカ大陸に突入です。
朝の日差しを感じる窓を開けてみて、びっくり!
いきなり、すごい絶景です。
本当に神聖そうな湖。 -
グランドキャニオンの方を飛んでいるようです。
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今流行りの、セドナの辺りなのかなー?
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などと思っているうちに・・・
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景色がどんどんすごくなっていきます。
河が、ものすごい浸食して、すごい深い谷底、渓谷になっている・・。 -
中東や北アフリカなど、砂漠地帯は多く行ったけれど、こんなのは初めてです。
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一昔前のグループ、SPEEDの、“All my true love"って歌のグランドキャニオンでのPVを思い出してしまった。インディアンのおばあさんのお手伝いするシーンとかもあって、歌もすごく壮大で、グランドキャニオンといえばどうしてもそれを思い出してしまいます。
”あの空を越えて 産まれゆく 魂よ〜”っていう歌詞です。 -
地平線にまでずーっと続く一本道を多くみかけましたが、グルジア辺りからの上空のシルクロードを通った時以来だな・・。
アメリカ大陸はやっぱり、南北とも、ユーラシアよりも遥かに変化に富んでいますね。 -
こんなものすごい湖が・・。
向こうには、切り立った大陸の絶壁があり、河が幾つもそそいできている。 -
ネイティブアメリカンの神聖な暮らしのある場所。グランドキャニオン。
ものすごいパワーを感じます。
向っている、ペルー、インカ文明を築いた人々も、通った場所なのでしょう。
インディアンスピリットに触れたくなってしまいました。 -
アメリカ大陸の自然はやっぱりすごい。今回、南米の自然の多様さも経験して、本当にそのとりこになる旅でした。
これからはアメリカ大陸方面にもっと行きたくなりました。 -
至る所にある、河が浸食した断崖絶壁の渓谷。
後で調べてみると、何百万年もかけて河が浸食し、こうなったのだそう。
何百億年前の地層に多くの種類の化石がある。恐竜の生まれるもっと前のもの。遥か太古のものまであるのです。この地域には隕石の跡もあります。
これはものすごいパワーを感じて当たり前です。
絶対、グランドキャニオンに行って、ネイティブアメリカンのスピリットに浸りたい、と決意しました。 -
ユナイテッド航空の朝食です。
やっぱり地味めではありますね。 -
ヒューストン郊外にある空港へ。
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ヒューストン郊外、なかなかのどかな場所のようです。
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ヒューストン空港は、南米の玄関口でもあるのか、スペイン語がとてもよく使われていて、明るい雰囲気に感じました。
ペルーまでの飛行機の機内食です。 -
リマには夜に到着。出発前はいつものことながら、治安などで不安。でも、今回は安心でした。ホテルに送迎を頼んだ時のメールの返信で、安心出来るスタッフが迎えに行きます。と書いてありました。実際、落ち着いた感じの人でした。
翌日、クスコに行く便の時間まで、リマを観光したい、と頼んだら、その人が連れて行ってくれることになりました。
メインの観光地が土日だったため道が封鎖されてしまっていて、仕方なく一番の見所でもある教会だけへ行きました。
これは、あの最後の皇帝を殺害し、インディオの文明、神殿を破壊し尽くした支配者、ピサロの建てた教会です。
建物の案内は、先住民系の若い女の人でしたが、この修道院系で生まれ育ったのかしら、と思わせ、少し洗脳じみたものを感じる時がありました。
フィリピンで造られたキリストの十字架像がありそれを指して「これはフィリピンで造られたものだから目が小さい」と説明、もう一方のをこれはヨーロッパ製のだから "Better eyes" とも言ってました。 -
この教会、地下に入ると、骸骨が山ほどあるので、驚きです。カトリック教会は教会に納骨堂があるものですが、ここは全部骨がむき出しに積んであるだけなのです。16世紀、征服者達のものもあり、当時の風景や先住民達との出来事も見て来た時代のものなのかと思うと、本当に不思議な気分になってしまいます。
スペインのムーア人の影響を受けて、イスラム建築の影響を受けた天井や中庭がありました。
でも、もともと先住民の立派な神殿があった場所なのだろうな、と立派な地下室を見て思わせられました。
インカの神殿や都市は地下道でつながっていたり、立派な地下室があったからです。紀元前遥か前から、アンデス文明では地下街のような遺跡があるのです。
(この教会やリマの写真は別のメモリに入っているため後で追加) -
リマは冬の間はずっと曇りなのだそうです。
ドライバーの人が1年中曇りだとも言っていました。
後で思ったのは、アンデス山脈という7000m級の山脈が近くにあるため、海からの雲が塞き止められるから、当然なのではということです。
初めて、南米、ペルーの首都、リマの街並みを見て思ったのは、これまで観て来た世界の途上国の中では、平均的なレベルだな、ということでした。
そして、なぜか中東に似たものをいろいろな生活を見て感じました。 -
クスコに向けて飛んでいると、山々が初めて見えてきました。
こんな山々でも、至る所に道があるのです。
ああ、これがアンデスの人々が造ってきた道なのかな、と思わせられました。
インカ帝国時代はすみずみまで道を張り巡らせていたのです。 -
アンデス山脈が、ついに見えてきました!
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雲の合間から、雪を被った頭を覗かせてくれています。
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遂に、インカ帝国の首都、クスコの町が見えてきました・・!
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なんだか、さすが、インカ帝国の首都・・・!というものを感じさせられます。
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インカ帝国の首都、クスコの町が一望できました。
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クスコの中心。アルマス広場にある神殿。
破壊され、略奪され、修道院になった。
神殿の瓦礫で教会を建て、耐震性の高い、インカの石組だけは残すよう、どの建物も命じられていました。
上の部分、いかにも、インカの神殿の瓦礫で造ったような感じです。 -
今や、土台で残されたインカの石組だけが価値を見出され、展示されています。
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インカの神殿には必ずといっていいほどある、夏至の日だけ太陽が当てはまる窓が、連なっています。
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アルマス広場が臨めます。
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中庭は、スペインのイスラム建築の影響を受けたもの。でも、こんなの、スペインや地中海世界に行けばいくらでもある・・。
こんな殺風景な、どこにでもありそうな修道院にするくらいなら、金、宝石の装飾で溢れた、インカの文明、インカの宗教を知る事が出来る神殿を遺してくれていたら良かったのに。と深く深く思います。
当時、中央には、エメラルドで出来たアルパカ像が光り輝いていたそうです。 -
征服者が描いた当時の絵。
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当時は金、宝石でまばゆいばかりに輝いていたという玉座です。
ピサロ率いるスペイン征服者に破壊されて、盗み取られて、全くその面影もない、という感じです。 -
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金で出来たインカの神聖な彫刻です。なんだか、とっても可愛くて、本当にお気に入りで見とれてしまった。
太陽、月、星は崇拝されていました。他にも、アルパカ、キツネなどなど、全てに意味があるのです。
本当は、このインカ帝国最大の神殿は、金で出来たこうした彫刻や、装飾でいっぱいで、まばゆばかりに輝いていたそうです。
ピサロ率いるスペイン征服者達は、キリスト教でないため、邪教だとし、全て破壊し尽くし、金、宝石で出来たものは全てスペインへ持ち帰ってしまった。
本当に、ここまで何もない状態にされてしまったのか、と驚くほど、ただの石で出来た、イスラム風の中庭のある修道院になってしまった。
こんな殺風景な、どこにでもありそうな修道院にするくらいなら、インカの文明、神殿を遺してくれていたら良かったのに。と深く深く思います。
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