芸術の都　シエーナが生んだ絵の具の色は　”バーントシエーナ”

2014/06/25 - 2014/07/15

長くフィレンツェと勢力争いを繰り広げてきたシエーナ、
芸術の面では　シエーナ独特のものを生み出して来ました。
一切余白のない、絵と図柄で埋め尽くされた礼拝堂は
それは見事なものでした。

またシエーナは独特な褐色の街並みで　この色が絵の具の名前の由来になりました。
「シエーナ　茶色」または「バーントシエーナ　焦げ茶」などがその名前。

そして　宿の女主人に　地下のワインセラーのオープンパーティに
来てね、と誘われました〜　　　ああ、また行けるかなイタリアに！！？

エリア シエナ(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

シエーナ大聖堂に付属する「ピッコローミニ図書館」
教皇ピッコローミニの生涯のエピソードを描いたフレスコ画が　
部屋一面を席巻している。

よく見るやわらかなフレスコ画と違い　
くっきりした緻密なデッサンと色彩の鮮やかさが際立っている

壁から天井までびっしりと絵や模様が覆い尽し、一切無地は存在しない。
彼らにとって’無地’を埋め尽くさない限り　
仕事が終わったことにはならないのかも知れない。　　

余白を重んじる日本の芸術の対極にあると言えそうです

さて、これが褐色の古都の風景。
この色が絵の具の名前の由来になっている。

こちらは　市役所「パラッツオ・ピュッブリコ」
現在市役所は美術館や劇場になっているが　　
婚姻届けなどの窓口業務はやっているようだ。　　　　　　　　　　　

翌月出産というカップル、男性のスカーフと胸ポケットのラヴェンダー　
女性とのコーディネートは完璧です！

市役所内の「平和の間」　
よき政府と悪しき政府の効果というテーマが描かれているが、　　
ここでも　ありとあらゆる空間が絵と模様で埋め尽くされている。

「礼拝堂（上）」
「マッパモンド　世界地図の間にある’玉座の聖母’（下）」

ここは「カンポ広場」　上の市役所を中心地として　
全体が　ゆるやかなすり鉢状の　貝殻の形をした広場だ。　

フォンテ・ガイヤ（歓びの泉）

ここでは　年に２回「パリオ　デッレ　コントラーデ」という
裸馬レースが行われる。　
出場チームは　各地区（コントラーデ）の名誉をかけ
聖母マリアの肖像が付いた旗（　パリオ　）と賞金を目指して闘います。　　　　　

ちょうど市役所前にあたる貝殻状の中心地から　
白い線が８本　放射状に伸び、広場を九分割している。　
これは　シエーナの政府を組織した　小市民階級出身の
９人のメンバーを象徴しているそうだ

その中心には　アッシジの聖フランチェスコの一番弟子
”聖ベルナルディーノが１４２７年ここで説教した”
というプレートが埋められている

これが　焦げたシエーナ色、　バーントシエーナ

カンポ広場に降りるのも　カンポ広場から登るのも、　
結構きつい坂道となっている。

ところで今回は　大聖堂の丘の下にある「バティステロ聖堂」の
真向いにある宿に泊まった。　　部屋に案内され　窓を開けると
美しい聖堂のファサードが目に飛び込んできた。

しかし実際　オールドタウンの真っ只中に車で入って来るのは至難の業でした。
帰りは　幾つかの城壁を抜け旧市街を出るまで　
宿の主人が’代行運転’をしてくれた

部屋の窓からの風景

この宿は家族経営で　他にも長期滞在用のアパルトメントを持っている。　
世話好きなマダムは　いろいろ説明したくて仕方ない。　　
私にのしかかる様に話しかけて来るので
思わず一歩後ずさると　その分一歩前に攻めてくる　！　　　　
イタリア人らしいイタリア人だった。

優しい、やさしい気質の一人息子は　翌日が弁護士試験の発表で　
もし合格したら　髭を剃る予定なんだとか・・

ところで　昔この家には　向かいのバティステロ聖堂の司祭が住んでおり　
地下道で行き来していたという。

その名残りの地下道は今や彼らの物だ。　
そして来年　地下道をワインセラーに改修する予定だと言う。

あなたのイタリア語と私の英語はどっこいどっこい（の下手くそ）ね　！　
と笑って　気に入ってくれたマダム

そのワインセラーのオープンパーティーに　絶対呼ぶから来年来てちょうだい、
と誘われた。
（マダム、行けるものなら行きたいですよ、　毎年でも　イタリアに　！！　）