2015/09/12 - 2015/09/14
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うさりん♪さん
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「ふるさと割」を駆使すれば、2泊3日、航空券、宿泊、レンタカーまで込みで1人2万円以下?!。という机上の試算を実際試してみたらどうなる…という実践レポートです。目的地は佐賀県、有明海でドロンコ漬けになってきました。洗い流せば体も心もすっきりさっぱり〜♪
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 2.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- レンタカー ANAグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
読者諸氏は当然ご存知のことと思うが、今年春から「ふるさと割」という、国内宿泊・旅行の割引クーポンが出回っている。プレミアムつき商品券方式であったり、旅行予約サイトの割引クーポンであったり、いくつかの形態があるが、だいたい、1回の利用につき、利用金額の最大50%程度、1人あたり宿泊なら10,000円、ツアーなら15,000円程度までの割引メニューが用意されている。今回は、これを使ってお得の限界(?)に挑戦する旅に出ることにした。
選んだターゲットは「佐賀県」。もともと、佐賀空港の利用促進策などでお得ネタが多かった県ではあるが、筆者はそれとは関係なく、たぶん、私的旅行では国内で一番訪問回数が多い県ではなかろうか。理由はただひとつ。「泥んこ遊びしたい」。1年に1回は、有明海の干潟の泥にまみれてさっぱりしたいのである。
まず、旅行前時点で確定している費用明細を以下に示す。
日程は9/12〜14、空路は羽田=福岡往復。
航空・宿泊(ANAじゃらんパック) 30,400
「ふるさと割」佐賀県 (-15,000)
宿泊その2(るるぶトラベル) 10,000
「ふるさと割」武雄市 (-5,000)
レンタカー(じゃらん) 6,000
じゃらん販促クーポン (-500)
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25,900
で、実はこのほか、宿泊は2日間とも、2,000円分の金券バックつき、さらに宿泊その2はポイント20%還元プランなので、後日バックされてくるポイントやマイル等を差し引くと、実質2万円以下となる。LCC、特に佐賀空港に就航している春秋航空を使うとかすれば「ふるさと割」なしでもこのくらいの値段に抑えることはできなくはないと思うが、LCCは本数が多くないとか、週末は料金が高いこととかを考えると、時間に余裕のある人でないとなかなかそうはいかないだろうと思う。
さて、まず東京から福岡への便は、6:25分発の始発便。「ふるさと割」がどうのこうの、と言ったところで、結局1円でも安く上げようとすると、こういう選択しかない。しかし、地元から羽田へのリムジンバスに乗れば間に合う時間帯で、昨年、首都高中央環状線が湾岸線まで開通してからは劇的に早くなった。調布駅から空港第2ターミナルまで、早朝帯で順調だったこともあり、ダイヤでは55分かかる予定のところ、35分で着いてしまった。 -
福岡空港から乗り継ぐレンタカーは、こちらの「ワンズレンタカー」(写真のかなり左奥にある)。中古車再利用の激安レンタカー業態では大手の一角であるが、競争が激しい福岡空港では、シーズンオフなどは定価では価格競争力の魅力が薄れてしまうという状況にあり、新千歳空港あたりでも同様の状況があるが、旅行予約サイトをチェックすると公式サイトより安いオファーが出ていることが多い。今回は1日あたり2,000円が見つかった。楽天スーパーセールも狙っていたのだが、最後予約確定のボタンを押すところまでいって売り切れになってしまった。まあしょうがない。
ところで、レンタカーにつきものの免責補償制度への加入金は、ワンズレンタカーでも1日あたり1,240円で、大手と同等である。免責補償込みのプランもないではないが、今回はそうではない。このへんに激安のカラクリがありそうな気がするが、筆者の場合、コンパクトカーくらいならつける必要はないので激安価格で出発させて頂く。 -
おクルマは、これ。トヨタ・ポルテ(初代)。
筆者は格安レンタカーという業態が世に出てからずっと愛用しているのだが、それから既に6〜7年が経過し、最近では、初期に事業を立ち上げた店の場合、開業時に導入した車両がどんどん老朽化してくるという問題に直面しているような気がする。車歴10年超に当たることが珍しくなくなった。そのくせ、料金はクラス改定とかハイシーズン制の導入とかで年々上がっていて、お得感は減退傾向にある。
しかし、今回に限っては、筆者の感想としてこのクルマは「当たり」。ただ、管理は雑な感じで、フロントガラスはまだしも、リアの油膜なんて取ったことがないんじゃなかろうかという感じで、夜間、雨に降られたりしたら、ワイパーを動かしてもヘッドライトしか見えなかった。 -
そんなこんなで、いよいよ有明海へ。最初に目指したのは、白石町の、新有明漁港のほとりにある場所。ムツゴロウの禁漁区に、写真のように、干潟に降りられるような簡単な人工島があり、ちょっと離れた場所には、トイレと並んで体を洗い流せるシャワー室があり、無料で利用できる。到着時は、まだ潮が干潟を覆っていて、1時間ほど待つ。
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潮が引いたら、こんな感じ。さあ、入るぞ〜
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わーい、気持ちいい〜。
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どばーっ。
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どろどろ〜っ。
干潟の中って、どんなふうなのか、これは、言葉を尽くして説明できるような世界ではなくて、知りたかったら、入ってみてとしか言いようがないのだけれど、映像で伝えきれない部分は、におい。干潟に近づくと、海のにおいがべっとりと濃く漂って、干潟の真っ黒な泥の中に足を踏み入れ、べちょりとかき混ぜると、よどんだ水辺から立ちのぼるような、生ぐさいようなにおいに包まれる。ここは、後述するほかのポイントに比べて、それが特に強く感じられる。
なんだけど、わたし的には、そんなの全然気にならない。そのくらい、泥んこって気持ちいい。 -
ところで、ここの干潟体験スポットは、ガイドブックとか、ネットとかには、まだほとんど情報が出ていない。どんな場所かというと、まずはシャワー室の掲示のとおりである。
無料であるのはよいのだけれど、干潟に入る時にはあったほうがいい田植えタビは自分で用意する必要があったり、泥の中に深くはまり込んで身動きが取れなくなったりした時に救助してくれる人もいないし、そのわりに、やわらかい泥が大人のおへそのあたりまでたまっている場所もあったりして、慣れていないと、けっこう戸惑うだろう。そして、わたし的にいちばん危険度が高いと思ったのは、人工島のまわりにカキのような貝殻がびっしりついていて、うっかり触れるとスパッと切れてしまう。人工島の上はうっすら泥が積もっていて、滑りやすくて、転んでカキ殻の上に落ちたりしたら、それこそ救急車ものである。
漁港は常に人の出入りがあるので、大声で助けを呼べば何とかなるかもしれないけれど、ここに来る際は、なるべく複数で行動することをおすすめする。と言うか、干潟に慣れていない人には、おすすめできない。
また、貝殻は泥の中にもけっこう混ざっていて、それがどこに潜んでいるかは、全くわからない。泥の中では、手足はゆっくり動かすこと、間違っても飛び込んだりしないこと。筆者の場合、それを心がけたつもりでも、2時間ほど入って上がってきたら、出血するほどではなかったけれど、手足が生傷だらけ。なので、救急道具とかは、用意しておくといいと思う。それはほかの場所での干潟体験でも同様であるが。 -
最後の注意点は、干潟からシャワー室までは、100mくらい、道路を歩いていかないとたどりつけない。そこまでは、干潟から上がってきたまま、こんな全身泥まみれの状態で歩いていく必要がある。けっこう度胸がいるのと、干潟に持ち出したものは、必ず泥まみれになるので、着替えとか、タオルとか、汚れたら困るものは車中に置いていくこと、履物は、ビーチサンダルが必須なこと……
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それから、シャワーだけで、全身の泥んこを洗い流すのは、けっこうたいへん。シャワー室も泥だらけになる。体洗い用に、汚れてもいいタオルを1枚持っていくと便利。シャワー室の中を洗い流すのも、タオルを使えば楽である。
と、とにかくここは、注意してほしい点がいっぱい思いつくけれど、それくらいかなあ。あとは、漁港に出入りする人に、ずっとジロジロ見られて感じがして、落ち着かないこととかでしょうか。 -
次に目指したポイントは、鹿島海岸と通称されている場所。堤防にはちょっとした展望台もある。ここは最近、野鳥生息地を保護するための国際条約、ラムサール条約の登録地となり、ちょっとだけ知名度が上がった。しかし、野鳥観察のシーズンは冬なので、夏場は相変わらず訪れる人はほとんどいない。
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干潟への泥土の堆積は進んでいるほうなので、大潮の時でないと、こんなふうに岸壁まで満ち潮にはならない。
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そして干潟。ここはシャワーとか更衣室とか、干潟に入って遊べるような設備がある場所ではないが、正面に水平線まで広がる干潟、まわりを緑の山並みがとり囲み、空と雲は果てしない。国道204号から海に向かって10分ほどのところで、道もわかりやすい(「祝・ラムサール条約」の看板に従ってゆけばよい)。干潟を眺めながら、お弁当とかを持ってのんびりするにはいい場所である。
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そうこうして1日目は終わり、今夜の宿は、武雄温泉。有明海沿岸にはお宿があまりないので、泥んこ巡りの旅では、よく使う町で、定宿もあるのだが、今回は武雄市の「ふるさと割」クーポンがぴったりはまるプランがあって、そこではない宿である。大人1人、10,000円以上の宿泊につき、5,000円引きというプランだが、定価でだいたい5,000〜6,000円くらいといった感じのお部屋なので、何がおトクなのか…と言うと、金券バック2,000円+るるぶトラベルポイント20%(1,851pt)還元なので、タダ同然である。税金が原資の「ふるさと割」をこういうことに使うというのはいかがなものかという気もするが、見つけちゃった以上、しょうがない。
お宿は、温泉場の武雄だが、大浴場はなく、お部屋にも引湯していない。温泉に入りたい人は、共同浴場へ。全くバカンス向けの宿ではなかった。セントラルホテル武雄温泉駅前 宿・ホテル
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一泊したのちは、道の駅鹿島の干潟体験場をめざす。ガタリンピックの会場として、超有名。というか、有明海の干潟体験場と言えば、現状、99%の場合、ここを指すと言っていいのではなかろうか。タビは貸してもらえるし、干潟には常にインストラクターがいて、遊び方とかをレクチャーしてくれるし、何かあったら救助もしてくれ、タビだけでなく、オプションでウェア(水着、Tシャツ)もレンタルしてくれるから、タオルくらいの持ち物で、思い立ったら体験できる。もちろんシャワー室もあるから、後の心配をすることなく全身泥まみれになれる。干潟デビューするなら、経験のある人と一緒とかでない限り、まずはここをめざすしかないと思う。
道の駅 鹿島 道の駅
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干潟体験に欠かせないのは、このタビ。泥の中に潜んでいる、小石や貝殻から足を守ってくれる。ないと、深手を負わないまでも、生傷だらけは避けられない。このレンタルは、鹿島でも、後述する小城でも、体験料に含まれている。
七浦海浜スポーツ公園 公園・植物園
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そうしてささっと着替えたら、いちもくさんに、どぼーんっ。
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どろどろどろ〜っ。
干潟体験で重要なのは、やっぱり天候だと思う。今回は、9月半ばで朝晩はもうだいぶ涼しくなっていたが、きのうも今日も、日差しはぽかぽか、風はそよそよ、干潟は表面のぬるぬるは日差しで温かく、中はひんやり、ねっとりして、いくらでも入っていられる感じ。たぷたぷ、ぽちゃぽちゃの泥んこの中に、疲れたら、体を投げ出して、横になってぼーっとしていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。 -
もう1回、どぼーん。
この日は結局、5時間くらい、こうして過ごす。 -
あー、どろどろ。気持ちよかった〜。
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ふう、としばし余韻に浸る。そりにしても、……なのは、ここの干潟体験、料金が1人700円。オンリーワン度の高い体験なので、高いとは言っていられないが、小学生以上がこの料金なので、親子4人とか、人数がまとまると特に負担感は増す。さらに、ウェアのレンタルは、水着・Tシャツ各300円なので、全部入りだと、干潟に入るのに、1人1,300円かかってしまう。子どもにはソフトクリーム無料券とか、何か用意してくれるとうれしいのですが。
これはあまりお勧めしたくはないのだが、ファミリーとかなら、こんな手も。キャンペーン中なら、じゃらんで予約して、体験予約の割引クーポンを使えば、多少安くできる。 -
それからそれから、道の駅鹿島の魅力は干潟だけではなくて、農産物直売所では、地元で手作りのお弁当や飲み物、デザートなども扱っている。干潟体験シーズンは、九州風のうどんの販売も。お昼はぜひここで。
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交通アクセスについてもちょっと触れたい。ほとんどの場合クルマだと思われるが、歩いて5分ほどのところに長崎本線の「肥前七浦駅」がある。普通列車しか止まらないので、2時間以上列車が来ない時間帯もある。そのため、国道を走る路線バスの方が本数が多いし、夏休みは道の駅の中まで入ってきて止まるので便利なのだが、この駅、一見の価値あり。
肥前七浦駅 駅
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1934年、開通以来の建物だとか。
ここに松●玲奈ちゃんを飾ったら、似合いそう。 -
ついでに、今回の旅では立ち寄れなかったのだが、もうひとつの干潟体験場、小城市の海遊ふれあいパークにも触れておきたい。
道の駅鹿島の干潟体験のイメージからすると、これが同じ干潟?という感じがするかもしれない。遊歩道で囲まれていて、田んぼのような感じ。泥も、岸壁の方は乾いていて固く、泥んこ遊びに向いていそうなのは、真ん中から、遊歩道の方にかけてである。それに、有明海は、大潮と小潮で、満潮位が2m前後異なる。小潮の時は、体験場の干潟まで潮が届かないので、全体が固く、粘土のようになってしまう。
しかし、ここはお勧めできないのかというと、そうでもなくて、貝殻で傷だられになったり、はまりこんで動けなくなったりという心配は少ないので、家族でのんびりとか、そういう用途には向くと思う。利用料が1人300円と安いのもうれしい。鹿島では、水着の上にTシャツを着るよう指導されるのだが、ここは水着だけでもかまわないので、帰りの荷物が楽という点もある。
干潟で泥んこにした着衣は、水着はたいてい、Tシャツも白とかでなければ、持って帰って洗濯機で回せば元通りになるが、泥水でびしょびしょの状態で持って帰るのはけっこう大変で、特にバッグの中で水漏れしたりすると悲惨なことになる。ビニール袋をたくさん用意するとか、家からクルマなら、バケツを持っていくとよいと思う。海遊ふれあいパーク 公園・植物園
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コンディションがはまれば…
海遊ふれあいパーク干潟体験場 ビーチ
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こんなふうに、気持ちい〜い、泥んこ体験が。
ムツゴロウ公園 公園・植物園
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ただ、ここはあまり人気がなく、干潟に入っている人はたいていゼロ人か、1グループくらい、それに、公園の中にあるので、泥んこになるのがはずかしい人にとっては、視線が気になるかもしれない。
受付はこのムツゴロウ型トイレがある駐車場の売店で。お店はいつも開いているし、干潟も先述のとおり小潮の日はずっと姿を現している時もあるが、体験できる時間帯はカレンダーで指定された時間帯のみで、融通はつけてくれない。最近は予約が必要になったらしく、事前に電話で確認してから行くとよいだろう。
あと、どうでもいいけど、写真のトイレのムツゴロウ、この距離でタイル1枚1枚、びっちり解像してやがる。恐るべしキヤノンレンズ。物産販売所ピョンタ お土産屋・直売所・特産品
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交通アクセスについては、佐賀市内からだと非常に近い。有明海沿岸道路という、高速道路のような無料のバイパスが開通し、佐賀駅あたりからでも30分足らずで来られるようになった。今年度中には、干潟体験場のすぐ近くまで延伸されるので、もっと近くなる。インターができるあたりでは、写真のように工事が進んでいた。何だかんだいっても、ここから鹿島までは40分以上はかかり、遠いと言えば遠く、有明海沿岸道路が鹿島バイパスとつながる時期は、今のところはっきりしていない。時間に余裕がない方は、小城の方を検討してみる価値はあるのではないか。
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実kmで言うと、佐賀駅から、15kmくらい。がんばれば、佐賀駅前からレンタサイクルを借りて行ける距離。なお、近い割りに、路線バスはない。
佐賀駅 駅
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最後に、持ち物について。設備の整った干潟体験場に行くなら、プールに行くのと大差くてよい。鹿島へ行くなら、泥んこにしてもいいTシャツの用意だが、ラッシュガードとかがあれば、それがいいと思う。髪の長い人は、スイムキャップがあるとよい。このほか、貝殻とかでできた切り傷のために救急セットと、耳かきがあると、穴の中に入り込んだ泥をかき出すのによい。
…ちょっと横道にそれたが、そんなことで、今回の泥んこ紀行は幕を閉じることとなる。私から言えることは、もしちょっとでも、泥んこ遊び楽しそう…してみたい、っていう気持ちがあれば、それを信じて足を運んでほしいです。 -
それからそれから、最後にもうひとつだけ。干潟で遊んだあとは、どうしても立ち寄りたい場所が。小城市の「アイル」という温泉・プール施設。プールもお風呂も、100%温泉水で、料金が大人500円と安く、プールは25mのほかに流水とジャグジーのがあって、プールサイドにはサウナと水風呂も。お風呂は、屋上に露天風呂があって、佐賀の田園に沈む夕日をここで何度眺めたことだろう。
小城市牛津保健福祉センター「アイル」 温泉
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今ならこんなお食事付きの割引プランも。しかし、買出しした後だったので、パス。
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ところで、筆者の旅は、プランニングとかにあまり余裕を見ず、けっこう無謀なこともするのだが、これまで、ノートラブルで切り抜けてきた。しかし、前回の佐賀の旅では、佐賀に着くまでのどこかでクルマの免許証をなくしてしまい、レンタカーが借りられず、バスと電車の旅になってしまい、それはそれで新しい発見もあったが、宿がクルマ移動前提の場所ばかりだったので、交通費はけっこうな出費になってしまった。
そのため、今回の佐賀探訪では、気を引き締めてかかることを肝に銘じて、ここまで来たのだが、思わぬ…でもないのだが、アクシデントに見舞われてしまった。鹿島の干潟で、目の中にさんざん泥が入ってしまい、片方の目がかすんでよく見えない。明るいうちは何とかなったが、暗いと、光がにじんでけっこう怖い。今夜の宿は、費用、および行ったことがないところ優先で、唐津にとってしまい、アイルからだと、1時間くらいかかる。
利き目のほうは見えているから、何とかなるだろう……と思って車を走らせること1時間。どうにか唐津の町にたどり着くことができた。鏡に映すと、泥が入った方の目は真っ赤、目やにが上下のまぶたにびっしりこびりついていた。
干潟体験で目に泥が入るのは、顔を泥の中にどっぷりつけたりするのは、目を閉じていれば平気なのだけれど、手についた泥をはらったり、ちょっとした泥はねが飛び込んで、やられてしまう。ゴーグルをするのは、泥がつくと何も見えなくなるし、一回泥がつくと、レンズが傷だらけで使い物にならなくなるという問題もあって、なかなかこうすればいい、というのがない問題である。ひどいと、痛くて涙が止まらないとかまでなったこともある。今回は、一晩寝たら収まったから、大したことはなかった。 -
唐津の泊まったホテル。全室お城&お堀りビュー(?)だが、ぱっとしない、安宿然とした、古びた商人宿。今回、「ふるさと割」のプランを検討していた中では、ニューオータニ佐賀とか、唐津シーサイドホテルとか、佐賀の迎賓館クラスの宿でも3万円台前半のオファーがあり、心が動いたが「1円でも安く」という初志を貫徹した結果、こうなった。迎賓館クラスにしてはお得感があるにしても、ここの実質価格(金券バック込み)なら、だいたいプラス5,000円…と考えると気持ちがしぼんだ。プラス2,000円なら迷わなかったが。
城内ホテル 宿・ホテル
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それと、食事は出ないので、買い出しで済ます。佐賀の旅にはわたし的に欠かせないスーパー「モリナガ」で。お弁当298円、味も悪くなく、佐賀ではいつもこればかり食べていて、20回以上来てるのに呼子のイカも井出ちゃんぽんも食べたことがない。
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あと、九州にはやたら多い、ご当地カップ麺。話のタネにと変なのを選ぶ。パンはラン●パックに似てるような気がするけど、これもご当地もの。イケます。いずれ本家から出てもおかしくない。
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そうこうして、初めての唐津の朝。そして、泥んこでない佐賀の旅。筆者は佐賀には20回以上足を運んでいるつもりだが、いつも、泥んこに夢中で、吉野ケ里遺跡も、武雄温泉の楼門も、世界遺産の三重津海軍所も、見たことがない。しかし、時間は半日しかなく、どこへ行こうか、考え抜いた末に、肥前名護屋城へ行くことにした。泥んこめぐりの佐賀の旅で通る道は、真っ平らな干拓地の一本道ばかりなので、ちょっと、ドライブコースを楽しんでいきたいというのも理由のひとつである。
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肥前名護屋城は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の拠点として築かれた城で、リーフレットによると「当時の大阪城に次ぐ規模を誇った」という。城の遺構は石垣しか残っていないが、一目見て、壮大な城であったことは容易に想像がつくほどである。
名護屋城跡 名所・史跡
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最近、古城と言うと「○○のマチュピチュ」というのが売り文句になっているが、ここなんかは「海のマチュピチュ」といったところであろうか。
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天守閣があった場所は、このへん。玄界灘を一望できる絶景の山の頂きにそびえる天守閣は高さ推定25〜30m。それはもう、秀吉の権力、そして権力欲を絵に描いたような、としか言いようがないものである。
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参考までに天守・本丸の図。
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名護屋城から福岡空港までは、唐津の手前まで行けば、あとはバイパス道路と高速道路がずっと続く。写真は途中、唐津の虹の松原が見える休憩所にて。2時間足らずで、けっこう近い。お昼を食べてから出発しても、夕方には東京に着く感じである。実際には、15:50のフライトの、1時間半前にはレンタカーを返し終えることができた。
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離陸した機は、福岡空港から南に向かって飛び立ったようだ。眼下に、鳥栖インターチェンジが見えてそれに気づく。遠くに目をやれば、筑後川の流れの先に、有明海が。
こみあげてくるのは、今日もまた、美しい思い出ばかり。
ありがとう佐賀。
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