2015/05/30 - 2015/05/30
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captainfutureさん
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2015年5月30日(土)
ポイエニレ・イゼイ村2日目。 共産政権下でも、地理的、政治的、経済的にもコルホーズに属さなかったためフォークロア(古く伝わる風習・伝承など)が残ったというこの村を散策。
1L ≒ \30
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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今回の宿泊ルート:
2015年 5/20 成田、カタール、ブカレスト → /22 シク村 → /27 シゲット・マルマツィエイ → /29 ポイエニレ・イゼイ村 → 6/4 オクナ・シュガタク→ /8 クルージュ・ナポカ → /14 ブカレスト、カタール → /15 成田
上記を拠点に、周辺の村を訪問。 ピンク色がマラムレシュ地方。 -
8:00起床。 朝から良くカッコウが鳴いている。 遠くから教会の音や牛や鶏の鳴き声も。
2階の部屋からいったん外に出て、1階食堂へ。 -
上 : 朝食は、サラミ・肉の揚げ物・ミートボールなどの肉製品やチーズの盛り合わせ。 ネギを付け合わせに食べるよう。 他にパンやイチゴジャム、バター、牛乳、各種飲み物。 水は裏の井戸から汲んできた天然水。
下 : 3歳のダーリュース君が水の入ったグラスで乾杯。 ポフタ・ブーナ(召し上がれ)と言ってくれる。 -
今日は土曜日で地理の先生アニーさんも学校が休み。
家畜小屋前ではマリアおばさんとクルミ割り。 -
中では76歳ユアナお婆さんがブタの餌作り中。
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村散策へ、白地図に みやこうせいさん著「羊とモミの木の歌」(1988年)を読み込んで得た情報を書き込んだ地図を手に出発♪
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上 : アニーさんの夫コンスタンチンさんが裏の草刈り場に寄って行けばと言ってくれる。
下 : 途中の家のワンちゃん。 -
10:30、徒歩5分で到着。 向かいはヴァラテク山。
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ここの家の息子コンスタンチンさん。 家から離れているが、ここも敷地の一部のよう。 この地方では家を継ぐのは末子とのこと。
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数学の先生でアニーさんと同じく、この村とシゲットの中学高校を掛け持ち。
今日は土曜なので、家の手伝い。 -
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ゴトゴトと音を立てて通って行った。
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下 : アニーさんが水の差し入れに。 一休み。
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私もちょっとやらせてもらった。
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お礼を言って外へ。 来た道を進んでみる。 隣接した家の子がさっきから見ていて表に出て来てくれた。
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更に上へ。
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ブーナ・ディミニャーツァ(おはようございます)と声を掛けてみると、フランス人でここに住んでいるという。 居間のTVにはフランスからの衛星番組。 お別れにこの村のロゴ入りTシャツを頂いてしまった。
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更に上へ。
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カッコウが良く鳴いている。
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見晴らしのいい場所が現れ、おじさんが干し草掛けの木材を担いで行く。
「ラウダンパ・イエソース」 (神に祈りましょう)
「ブノペチ・アーミン」 (そうしましょう)
ちゃんと返事が返ってきた♪ みや氏著作(以下、みや本)にあったこの地方の村人の挨拶。
ムスリムのアッサラーム・アレイコムに当たるよう。 -
手際よく組み立て、
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あっという間に出来上がり。
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直ぐに刈った草を掛けだした。
皆さんとも「ラウダンパ・イエソース」「ブノペチ・アーミン」の挨拶。 -
お礼を言って元来た道へ。
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おばさんが追い掛けて来てくれて、リンゴを4つ差し出してくれた。
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この道祖神の下で少し休憩。 頂いたリンゴを食べる。
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あんな高い所にも家が。 これ以上は道がぬかるんでいて進めず。
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風も心地良い。
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脇にそれてこの細道を下ってみることに。
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小川を飛び越えると、
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干し草の塚(クライエ)が見えてきた。
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鶏の鳴き声が聞こえてくる。
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干し草置き場(ショプル)。 上下に調節できる屋根。
親子で干し草作り中。 村の「神に祈りましょう。」「そうしましょう。」の挨拶。 -
上 : 通りに出るにはお宅を通り抜けないと行けないよう。 お願いして通らせてもらう。
下 : この地方独特の「生命力、繁栄」のシンボルのよう。 -
ちょっと覗かせてもらう。
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鶏小屋と旧式トイレ
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更にこのお宅も通り抜ける必要が。 声を掛けてみるが、畑仕事で留守のよう。
1953年築の文字が彫られていた。 -
上 : 手の込んだ支柱。 この村もレンガの家が多くなり、伝統的な木造家屋が少なくなった。 木造だとレンガの2倍の費用が掛かるという。
下 : ベンチと奥には動物の皮。 -
通りが見えてきた。
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同じく1953年の文字入り門造り職人の手による門。 今は扉も取り外され、木枠だけが辛うじて残っている感。 小さな扉の上には円形の飾り枠があった様だが、こちらもなぜか外されている。
『柱と梁(はり)はナラ、扉はモミ、柱には生命の樹が彫られている。 門は魔よけの意味を持ち、富の象徴。 木の門の縁のギザギザは狼の歯を表す。 魔力や疫病が門の外で退散する呪い。』(みや「羊と樅の木の歌」1988年) -
1993年にも路地突き当りの良く似た門を撮っていた。 上は下の拡大。 今回訪れた門とは板葺きの形が少し違うよう。
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上 : 通りに出て来た。
下 : 1972年築と刻まれた、ここにも木造門。 声を掛けて入ってみる。 -
上 : 『木の門の縁のギザギザは狼の歯を表す。 魔力や疫病が門の外で退散する呪い。』
下 : 風雨にさらされてか、今では辛うじて「十字架に接吻する鳥」「1972」が見えるのみ。 -
屋根の上にも十字架。
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鶏小屋
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振り返ったところ。
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おお、出て来てくれた。 奥の畑にも案内してくれることに。
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お礼を言って再び通りへ。
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ここにもさっきと同じ独特の彫り物。
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ここも素敵な木造家屋。 庭にいたので声を掛けると、扉を開けてくれた。
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上 : 門を振り返ったところ。
下 : ちょうど井戸の水で、酢漬けキャベツを切り分けるところだったよう。 -
一口食べるかい、と手振り。 だが、酢の余りの強烈な匂いでつい遠慮してしまった。
今思えば味見させてもらえば良かった。 -
木造家屋の中にも案内してくれることに。
上 : 上がりかまち にも鶏。 足下は自家製羊毛の靴下。
下 : 奥からクッキーがたくさん入った たらいを持って来てくれた。 -
上 : おばさん手作りのよう。
下 : 戸を開けていると追い払ったばかりの鶏がまた入って来る。 「プーイ、プーイ」(ひよこ、又はひよっこ)と言って、外に追い出す。 入口のホール(ティンダ)。 -
持って行きなさいと袋に詰め始めてくれる。 そんなに食べ切れないので、その半分だけ有難く頂くことに。
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小麦粉本来の優しい素朴な味。 美味しく頂いた。
下 : みや本にもあった、この地方独特の模様の自家羊毛製ブランケット(チェルガ)。 上には刺繍入り飾り布を付けた宗教画。 壁からは木漏れ日。
黒い服ばかり。 未亡人だと古い人はそうなのだろうか。 -
ランプもある台所には、煮詰めた牛乳。
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『部屋の漆喰壁は普通、派手やかな青い色で塗りつぶされている。 マラムレシュの人間が最も好む色は青だ。 その意味は、静けさ、平和、神のまします天空を象徴し、青い部屋では争いが起こらず、仲睦まじく家族が暮らせるという。』(みや「羊と樅の木の歌」1988年)
ここは「田舎風の部屋」と呼ばれる『ベルサイユ宮殿のように華やかに飾り立てた部屋(カメラ・ツァラネァスカ)』(同)で、持参金代わりにもなる極彩色のタペストリーや飾り布等で覆われていたのであろうが、お嫁に持たせてしまったようだ。 陶製の暖炉。 -
お礼を言って外へ。
表には移動八百屋。 店主に聞かれて日本からと話すと、「フルモース(素晴らしい)」と叫んで、5本の指先をすぼめた口元に寄せて、パンと弾ける仕草。
店主からイチゴを3つ頂いてしまった。 -
さっきのところで買ったイチゴのお裾分け
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挨拶してくれた。
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クルージュにある工業大学の教授宅。 みや本に出て来る村の醸造小屋所有のペトレウシ校長の息子さんだった。 彼が高校生の時以来、何度も みやさんは泊まりに来て、最後は2年前。 実はほんの2週間前にも、この村に滞在していたという。
私の22年前のアルバムを興味深げに、知り合いを見つけてはスマホで撮っている。 ほとんどの人は亡くなっているらしい。
明日のイースターから50日目の祭典ルサーリ(聖霊降臨祭)には輪舞は開かれないと。 みや本にもあった毎週末の伝統的な輪舞(ジョク)は今やイースターやクリスマスの時だけになってしまったという。
落胆する私に、ここでもホリンガを振舞ってくれた。 -
手には大きな自家製チーズ。 この村に5つあるという牧柵(ストゥナ)からの帰りか。
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ここにも伝統的木造家屋
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後で気づいたが、1993年にも撮っていたところだった。
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テラスで編み物中のおばさんに手を振り、中へ入れてもらった。 どうやらあれから、おじさんは亡くなって一人暮らしのよう。
ハート型の彫り物が入ったテラス。 -
テラスにあった かまど。
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リングラ(木製スプーン)も。
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上 : おばさんが案内してくれることに。 入口上には十字架。
下 : 入口のホール(ティンダ)。 このお宅も色々な意味や願いがこもった青色。 階段上の屋根裏には かまどの煙突の吹き出し。 ここでスモークドチーズでも作ったのだろうか。 -
絵皿や宗教画と共に並ぶ、亡くなったご主人の遺影。
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上 : 後ろは、おばさんが編んだ壁掛け。
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上 : ここにも かまど。 いたるところに宗教画。
下 : ルーマニア正教のカレンダー。 ほぼ連日、何らかの宗教日のよう。 -
ここは応接間に当たるさっきのお宅にもあった「田舎風の部屋」らしい。 おばさん手作りの品に囲まれる。
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一隅には家族の写真。
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上 : いくつかの写真を指さして「ミヤ、ミヤ」と言っている。 みやさんに撮ってもらったらしい。 子供は冬の村の衣装。
下 : おばさんに目元がそっくりな娘さん。 アメリカ、と言っていた。
みや本には、今では伝統的な木造家屋には一人暮らしで伏せったままの老人も少なくなく、近所の人が見かねて食事の世話をしているケースもあり、心が痛む、とあった。 -
お礼を言って素敵なお宅を後にする。 おばさんはまた編み物を始めた。
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家畜小屋も当時と同じまま。 ヤギは全く人を恐れず、こっちに向かってくる。
家畜が逃げない様、そっと木戸を開けて後にする。 いつまでもお元気で。 -
17:30、宿へ帰ることに。
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宿前でアニー一家と近所の人が涼んでいたところに、グリゴーレおじさんが帰って来た。
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おじさんと孫のダーリュース君。
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私もフォークを使って干し草移し。
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コンスタンチンさんがホリンガを振舞ってくれた。 今晩は皆でバーベキューのよう。
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裏では80歳近いユアナお婆さんが鶏の世話、アニーは井戸へ天然水を汲みに。
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食堂ではおばさんがママリガ(トウモロコシ料理)作り。 デザート作りはアニー担当。
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他の宿泊客も集まり乾杯(ノ・ローク)!
左端のゲオルゲはこの家の親戚。 この村の観光産業を盛んにしようと色々考えている。 スマホで近隣の輪舞開催日を調べてくれるが、先週日曜日にビシウ・デ・ススであったばかり、当分はこの地方では予定はないらしい。 -
食後は、皆で別のペンションでの伝統音楽の催しへ。
ここでは村の伝統衣装を貸してもらえた。
明日は、プロテスタントとは一週間遅れで開かれるルーマニア正教の聖霊降臨祭(ルサーリ)へ。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 川岸 町子さん 2015/08/15 22:47:22
- あいさつ
- captainfutureさん、おばんでした☆
「ラウダンパ・イエソース」 (神に祈りましょう)
「ブノペチ・アーミン」 (そうしましょう)
ちゃんと返事が返ってきた♪ みや氏著作(以下、みや本)にあったこの地方の村人の挨拶。
ムスリムのアッサラーム・アレイコムに当たるよう。
→わぁ〜、なんだかいいなぁ、ほのぼのするわ(@^▽^@)
今回の壁に飾られた絵皿と、そのまわりにかけられている刺しゅう入りの白い布(?)見事ですね。
旅行記全編に感じられることですが、小物が日本女性にうけそうです。
キッチン用品や、絵皿、布
アンティークのお店のは、ほうろうのボウルですか?
お買いになったパンの袋まで、可愛い(^^♪
刺繍物で、ウズベキを思い出したのですが、お国柄が感じられ、素晴らしいです〜(*^▽^*)
代々受け継がれていくものなので、店頭にはあまり並ばないでしょうけど、魅かれます。
町子
- captainfutureさん からの返信 2015/08/16 12:59:10
- RE: あいさつ
- 町子さん、いつもありがとうございます!
地元の言葉で、しかもその地方だけの挨拶があって、覚えたてでも通じたっていうのが嬉しかったです。
町子さんも行かれた先で、良くコミュニケーションを取られているので、きっと分かって頂けると思います。(^^)
小物、かわいいですよね。
アンティークのお店の方は、グーグル翻訳してみると陶器なんだそうです。
>お買いになったパンの袋まで、可愛い(^^♪
気づいて頂けましたか。 僕もそう思いました。(^^)
伝統工芸品、最近はお嫁さんも、要らないと言って持参しないケースも増えて、売りに出す家も出て来ているようです。
ちょっと寂しいような。。。
>刺繍物で、ウズベキを思い出したのですが、お国柄が感じられ、素晴らしいです〜(*^▽^*)
あの独特なかすり模様も素敵ですよね。 あの土地の風土にぴったり合っていて、僕も大好きです。(^^)
-
- 備前屋ねこさん 2015/08/15 22:22:14
- 木造家屋
- ペンションの部屋、明るくて清潔感あって居心地良さそう。
前の旅行記でも思ったのだけどルーマニアの宿の部屋は値段の割りにコスパが良さそうだなぁと思いました。
それに食事もおいしそう♪
あっ・・・また食欲に走っている自分がいます・・・^^;
市場で売られているイチゴやチェリー、安くて大粒で、あんなの見たら豪快にキロ買いしてたらふく食べてみたくなりそうです。
今回もcaptinfutureさんの民族衣装が出ましたね〜
必ず試して着てみるcaptainfutureさん。
異文化を楽しんでますね。
のどかな村の風景、素敵でした。
手作り感ある木造の素朴な家がメルヘンチックですね。
どこの家の中も伝統的な装飾がされてますね〜
建物自体は西洋風だけど木造の家々が並ぶ通りの写真はどこか日本の田舎を思い出してしまいました。
日本で暮らしていると何でも既製品に頼ってしまいがちになるけど、なんでも自分達の手で作って暮らしてる感じがすばらしいです。
大量の手作りクッキーもおばあちゃん、作るのにさぞや手間がかかってるでしょうね〜
それはそうと掲示板でどなたかも言っておられましたが、22年前の写真のcaptainfutureさんも今のcaptaifutureさんもあまり変わっていない所がスゴイです!
備前屋もそれを密かに感じておりました。
ルーマニア・・・ドラキュラ・・・あぁ〜秘訣がわかりました!(笑)
血吸いねこ
- captainfutureさん からの返信 2015/08/16 13:45:05
- RE: 木造家屋
- 血吸いねこ さん、こんにちは(コワ〜〜イ)、
宿のコスパ、良かったですよ。 ただやはり首都だけは別格のようです。
食事も美味しかったですよ。
もし機会があれば民宿がオススメです。 家庭料理も、これまた日本人の口に合ってますし。
いつも少し痩せて帰ってくるのですが、今回は少し太ってました(決して機内食の食べ過ぎではありません。笑)。
台湾とはまた違った料理がお手頃に食べられます♪
>あんなの見たら豪快にキロ買いしてたらふく食べてみたくなりそうです。
どうして買わなかったのか、今更ながら悔やんでます。orz キロ120円だなんて、日本では夢の様ですもんね。
民族衣装、またまた懲りずに着てしまいました。(笑)
木造の素朴な家、木の芽やハート、スペード模様なんかもあちこちに彫り込まれていて、見ていてホンワカしてきました。 住んでいると、きっと毎日心穏やかに過ごすことができるんだろうな〜。
あ、ねこさんもそう思われましたか!僕もどこか日本の田舎を思い出してしまいました。
クッキー、ホントになんの飾り気も無い素朴な優しい味で、食べていてまたまたホンワカしてしまいました。
もちろん、僕も着実に歳取ってますよ〜(笑)。 ドラキュラにお願いして仲間にして欲しいくらいです(生き血を吸うと若返るのでしたっけ。笑)
P.S. 昨夕、近所の駐車所でいつもタムロしているトラねこに会いに行ってきました。
いつも通り頭と喉元をなでさせてくれて、ネコパワーを補充してきました♪
あ、ここにも素敵なネコさんがいました。灯台下暗しでした〜!! (^O^)/
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