糠平湖・然別湖周辺旅行記(ブログ) 一覧に戻る
“東大雪”の 連なり続く高い峰々の片隅で、ささやかに 水を たたえるのが「日本の秘境100選」のひとつ、東雲湖 ( しののめ )。<br /><br />湿原の中のそれは、湖面標高“北海道一”の然別湖、丸みシルエットの天望山の背後に 身を隠すようにあって、その様子は 別名である、 “東小沼”(東雲湖が通称)と呼ぶに しっくりくる印象。<br /><br />東小沼 と並んで「北海道三大秘湖」の オコタンペ湖、オンネトーは 湖面色の鮮やかさでも知られ、加えて “青い池”(美瑛町)が 知名度を 急上昇させる 近年の北海道 湖沼業界(そんな呼び方しないけど;調味料みたい) にあって、<br /><br />湖面が濃藍の 東小沼は… なんとも地味な存在ではないか…; 水量も少ないその姿だけをみると、神秘性にも やや欠ける… というのが 安直な感想。<br /><br />でも、地図を思い浮かべて 改めて眺めてみると…。正面から望む水面の右手、そう遠くはない距離には 十勝平野があって、畑や牧場、草原が広がる 異世界と 隣り合う。奥地なわけではなく、然別湖と平野の間の わずかな空間に 佇む秘境なのか…。そんなことをイメージしてみると、自然と秘めた空気に 包まれていたのであった。<br /><br />そして、そんな東小沼への道程が またいい。原生林が水際に迫る、然別湖の畔にのびる 森の小径。頭上に響き渡る鳥の声、足元から ささやくように聞こえる波音、シラカバ が描きだす めざましいコントラスト、ほのかに かぐわしい薫風……。じわじわと ミドリに溶け込めていく、4kmほどの そのひと時も 心身に テキメン。<br /><br />業界で その名を轟かす、先に挙げた湖沼は 彩りを有する一方で、東小沼だけの特異性が、そうしたアプローチまでの探勝。直接の連絡車道がないのは 東小沼だけ、まさに“秘湖”なのだ。

“ 北の秘境 ” ・ 萌黄色の原生林を抜けた先にあるのは、濃藍の聖域 【 山上の 然別湖 ~ 東雲湖 (北海道三大秘湖)】

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2015/05/29 - 2015/05/29

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tokotoko

tokotokoさん

“東大雪”の 連なり続く高い峰々の片隅で、ささやかに 水を たたえるのが「日本の秘境100選」のひとつ、東雲湖 ( しののめ )。

湿原の中のそれは、湖面標高“北海道一”の然別湖、丸みシルエットの天望山の背後に 身を隠すようにあって、その様子は 別名である、 “東小沼”(東雲湖が通称)と呼ぶに しっくりくる印象。

東小沼 と並んで「北海道三大秘湖」の オコタンペ湖、オンネトーは 湖面色の鮮やかさでも知られ、加えて “青い池”(美瑛町)が 知名度を 急上昇させる 近年の北海道 湖沼業界(そんな呼び方しないけど;調味料みたい) にあって、

湖面が濃藍の 東小沼は… なんとも地味な存在ではないか…; 水量も少ないその姿だけをみると、神秘性にも やや欠ける… というのが 安直な感想。

でも、地図を思い浮かべて 改めて眺めてみると…。正面から望む水面の右手、そう遠くはない距離には 十勝平野があって、畑や牧場、草原が広がる 異世界と 隣り合う。奥地なわけではなく、然別湖と平野の間の わずかな空間に 佇む秘境なのか…。そんなことをイメージしてみると、自然と秘めた空気に 包まれていたのであった。

そして、そんな東小沼への道程が またいい。原生林が水際に迫る、然別湖の畔にのびる 森の小径。頭上に響き渡る鳥の声、足元から ささやくように聞こえる波音、シラカバ が描きだす めざましいコントラスト、ほのかに かぐわしい薫風……。じわじわと ミドリに溶け込めていく、4kmほどの そのひと時も 心身に テキメン。

業界で その名を轟かす、先に挙げた湖沼は 彩りを有する一方で、東小沼だけの特異性が、そうしたアプローチまでの探勝。直接の連絡車道がないのは 東小沼だけ、まさに“秘湖”なのだ。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
グルメ
5.0
交通
5.0
同行者
一人旅
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 深夜に出立し、5時に占冠駅前 を通過。そのあたりから 霧が たちこめ出し、モヤモヤからの鹿、モヤ キツネ モヤモヤ…… と、やや野性味と危険プンプンな道程が続く;。<br /><br />写真は トマム駅 手前の光景(道道136号)で、この具合だと 「雲海テラス」は 絶景なのではなかろうか。 目的が違う時に限って(雲海戦績2敗1分け;)…と、内心にまでモヤが かかりつつもトマム通過。

    深夜に出立し、5時に占冠駅前 を通過。そのあたりから 霧が たちこめ出し、モヤモヤからの鹿、モヤ キツネ モヤモヤ…… と、やや野性味と危険プンプンな道程が続く;。

    写真は トマム駅 手前の光景(道道136号)で、この具合だと 「雲海テラス」は 絶景なのではなかろうか。 目的が違う時に限って(雲海戦績2敗1分け;)…と、内心にまでモヤが かかりつつもトマム通過。

  • 落合駅 6:24発 ……<br /><br />寝坊防止&集中力維持のため、時刻表に記された それを 移動の目標に設定。<br />ローカル線の 小さな集落(南富良野町)だが、狩勝峠への玄関口。 駅構内の広さに 往時の喧騒が 偲ばれる… そしてオレンジ色の 汽車ならいいのに…

    落合駅 6:24発 ……

    寝坊防止&集中力維持のため、時刻表に記された それを 移動の目標に設定。
    ローカル線の 小さな集落(南富良野町)だが、狩勝峠への玄関口。 駅構内の広さに 往時の喧騒が 偲ばれる… そしてオレンジ色の 汽車ならいいのに…

  • 落合駅には 汽車がくる30分前に到着。休憩がてら 駅を散策〜<br /><br />駅舎の前では、すぐ頭上を 勢いよく飛びまわる小鳥のグループ。<br />眠気ざましには 丁度いい 鳴き声の交響。セグロセキレイでしょうか…。

    落合駅には 汽車がくる30分前に到着。休憩がてら 駅を散策〜

    駅舎の前では、すぐ頭上を 勢いよく飛びまわる小鳥のグループ。
    眠気ざましには 丁度いい 鳴き声の交響。セグロセキレイでしょうか…。

  • 道道85号 ・ 白樺峠<br /><br /><br />落合から狩勝峠を越えて1時間ほど、再び十勝平野の 玄関口。<br /><br />「扇ヶ原展望台」からは、 うっすらと雲海の絶佳。

    道道85号 ・ 白樺峠


    落合から狩勝峠を越えて1時間ほど、再び十勝平野の 玄関口。

    「扇ヶ原展望台」からは、 うっすらと雲海の絶佳。

  • 然別湖 ・ ネイチャーセンター<br /><br /><br />7時半過ぎ、ようやく山上の然別湖畔に到着。すぅー 空気がおいしい。昨年、遊覧船に乗ってから感興が尽きない このエリア。1年前と同様、嬉しい晴天&暑くなりそうな日和。<br /><br />写真中央の ネイチャーセンターにて、いくつかの疑問を解消。東小沼(東雲湖)のことや、登山道、そして クマさん情報も もれなく。

    然別湖 ・ ネイチャーセンター


    7時半過ぎ、ようやく山上の然別湖畔に到着。すぅー 空気がおいしい。昨年、遊覧船に乗ってから感興が尽きない このエリア。1年前と同様、嬉しい晴天&暑くなりそうな日和。

    写真中央の ネイチャーセンターにて、いくつかの疑問を解消。東小沼(東雲湖)のことや、登山道、そして クマさん情報も もれなく。

  • クマさんに関しては さして問題はない という。ふぅー ただ<br />まったく いない、というわけではないため、たまに大きな声でも発してくださいな、とのこと。<br /><br />写真のトウマベツ川を 渡った先に、東雲湖への登山口。

    クマさんに関しては さして問題はない という。ふぅー ただ
    まったく いない、というわけではないため、たまに大きな声でも発してくださいな、とのこと。

    写真のトウマベツ川を 渡った先に、東雲湖への登山口。

  • 写真の この場にも駐車スペースはあるが、先のネイチャーセンター裏の駐車場に停めて、15分ほど歩いて 登山口へ。左手は然別湖。<br /><br />地図が記された大看板のすぐ左側、斜面の上へと さっそく のぼる小道から、天然林の中へ。

    写真の この場にも駐車スペースはあるが、先のネイチャーセンター裏の駐車場に停めて、15分ほど歩いて 登山口へ。左手は然別湖。

    地図が記された大看板のすぐ左側、斜面の上へと さっそく のぼる小道から、天然林の中へ。

  • 登山口 → 東雲湖<br /><br /><br />木立の中に、クネクネ道が のびる。 人ひとり分の幅、ときには 木の根を踏みしめて。まずは 急峻な山腹から、左手に 然別湖を見下ろしつつ ずんずん進む。

    登山口 → 東雲湖


    木立の中に、クネクネ道が のびる。 人ひとり分の幅、ときには 木の根を踏みしめて。まずは 急峻な山腹から、左手に 然別湖を見下ろしつつ ずんずん進む。

  • 然別湖畔 ・ 1の湾<br /><br /><br />登山口から15分弱で、さっそく ビューポイント。ふぅー 休憩には最適。<br />湖で唯一のビーチからは、南ペトウトル山(▲1,348)の壮観。

    然別湖畔 ・ 1の湾


    登山口から15分弱で、さっそく ビューポイント。ふぅー 休憩には最適。
    湖で唯一のビーチからは、南ペトウトル山(▲1,348)の壮観。

  • ビーチから先は、然別湖がより 近づいた。視界の左手に映る水面、木々がブラインドに。

    ビーチから先は、然別湖がより 近づいた。視界の左手に映る水面、木々がブラインドに。

  • 然別湖は 周囲12km、北海道では最も湖面標高が高く(810m)、まさに山上の湖。<br /><br />そのため原生林が すぐ水際まで迫る。 そんななかに、息吹を はたと感じる一角。なんとも 森のゲートのような…

    然別湖は 周囲12km、北海道では最も湖面標高が高く(810m)、まさに山上の湖。

    そのため原生林が すぐ水際まで迫る。 そんななかに、息吹を はたと感じる一角。なんとも 森のゲートのような…

  • 急峻な山肌に ひろがるは、エゾマツやトドマツ、ダケカンバ、シラカバといった “針広混交樹林”。

    急峻な山肌に ひろがるは、エゾマツやトドマツ、ダケカンバ、シラカバといった “針広混交樹林”。

  • 登山口 → 天望山 分岐<br /><br /><br />登山口から約30分、道が 最も然別湖に接近する区間に。湖岸に ぶつかる波音は やさしく、ささやかなBGMが 心地いい。

    登山口 → 天望山 分岐


    登山口から約30分、道が 最も然別湖に接近する区間に。湖岸に ぶつかる波音は やさしく、ささやかなBGMが 心地いい。

  • おーーい〜

    おーーい〜

  • 然別湖 ・ うぐいす湾<br /><br /><br />クーーマさ〜ん

    然別湖 ・ うぐいす湾


    クーーマさ〜ん

  • 然別湖 ・ うぐいす湾<br /><br /><br />ここに いーるよ〜〜

    然別湖 ・ うぐいす湾


    ここに いーるよ〜〜

  • 然別湖 ・ うぐいす湾<br /><br /><br />ぅぅんっ!<br /><br />…と、咳払いまで 必要以上に大音量で発し;、<br />森の住人との肉薄を回避すべく、持ち前のチキンを発揮、フル発動・・;

    然別湖 ・ うぐいす湾


    ぅぅんっ!

    …と、咳払いまで 必要以上に大音量で発し;、
    森の住人との肉薄を回避すべく、持ち前のチキンを発揮、フル発動・・;

  • 天望山 山頂への分岐点 直前、男性ひとりと すれ違い。東雲湖は あと1時間かかるとのこと。<br /><br />結局、人との遭遇は全行程で この一度きりであった;…。 一心に悦楽できるが、やはり心細い;

    天望山 山頂への分岐点 直前、男性ひとりと すれ違い。東雲湖は あと1時間かかるとのこと。

    結局、人との遭遇は全行程で この一度きりであった;…。 一心に悦楽できるが、やはり心細い;

  • 然別湖 ・ うぐいす湾<br /><br /><br />登山口から約45分、写真を撮るなどして ゆっくりな歩調で ようやく、天望山 山頂への分岐点を通過。 風に撫でられた湖面は きらめいていて。

    然別湖 ・ うぐいす湾


    登山口から約45分、写真を撮るなどして ゆっくりな歩調で ようやく、天望山 山頂への分岐点を通過。 風に撫でられた湖面は きらめいていて。

  • 然別湖 ・ うぐいす湾<br /><br /><br />登山口から歩くこと50分、然別湖に浮かぶ唯一の島、弁天島が ちょうど正面に望めた。

    然別湖 ・ うぐいす湾


    登山口から歩くこと50分、然別湖に浮かぶ唯一の島、弁天島が ちょうど正面に望めた。

  • うぐいす湾の入口付近まで進むと、左手には 温泉街を遠望。<br /><br />あの場所から、湖岸をクネクネして歩いてきたのか。気温も上がり、これは汗をかく わけだ〜(帯広市はこの日、28℃まで上がったそうな;)

    うぐいす湾の入口付近まで進むと、左手には 温泉街を遠望。

    あの場所から、湖岸をクネクネして歩いてきたのか。気温も上がり、これは汗をかく わけだ〜(帯広市はこの日、28℃まで上がったそうな;)

  • 天望山 分岐 → 東雲湖<br /><br /><br />天望山への分岐を過ぎたあたりから、なんだか道の状況に変化。秘境に踏み入れるこちらの 行く手を阻むように、木の幹や枝が 道にまで もたれかかる箇所が増えてきた;。通せんぼ…;<br /><br />それでも、踏み跡は しっかりしているから、まごつくことはない。

    天望山 分岐 → 東雲湖


    天望山への分岐を過ぎたあたりから、なんだか道の状況に変化。秘境に踏み入れるこちらの 行く手を阻むように、木の幹や枝が 道にまで もたれかかる箇所が増えてきた;。通せんぼ…;

    それでも、踏み跡は しっかりしているから、まごつくことはない。

  • ここにきて “通せんぼ”が展開する一方で、道端には 目を惹く 純白。<br /><br />ツバメオモト?が、ゆらゆらと 可憐に足元を照らし、ふと頭上では キュキュキュキュと、鳥たちが勢いよく 翔抜けた。<br /><br />……生物の無知っぷりを 痛感;

    ここにきて “通せんぼ”が展開する一方で、道端には 目を惹く 純白。

    ツバメオモト?が、ゆらゆらと 可憐に足元を照らし、ふと頭上では キュキュキュキュと、鳥たちが勢いよく 翔抜けた。

    ……生物の無知っぷりを 痛感;

  • 膨らんだり へこんだり、複雑な湖岸線は 9つもの湾をつくる。<br /><br />その奥まった 湖東、「音更湾」に入る。歩きはじめて1時間超、木漏れ日の強さから 疲労も出はじめた頃に、高揚する嬉しい光景。<br /><br />かなたに、純白と浅縹の まだらが一際の  “ウペペサンケ山”(▲1,848)。

    膨らんだり へこんだり、複雑な湖岸線は 9つもの湾をつくる。

    その奥まった 湖東、「音更湾」に入る。歩きはじめて1時間超、木漏れ日の強さから 疲労も出はじめた頃に、高揚する嬉しい光景。

    かなたに、純白と浅縹の まだらが一際の “ウペペサンケ山”(▲1,848)。

  • 湖東の果てに踏み入る頃には、<br />風が強まり 波は ざぶざぶと 轟きはじめ、<br />森は 苔むした深みの様相を帯びてきた。<br /><br />ゴレツミズゴケなどの希少なコケ類が群落を形成する、然別湖周辺の風穴地帯と東雲湖は、「日本の貴重なコケの森」に認定されたという(日本蘇苔類学会・2014年)。<br />

    湖東の果てに踏み入る頃には、
    風が強まり 波は ざぶざぶと 轟きはじめ、
    森は 苔むした深みの様相を帯びてきた。

    ゴレツミズゴケなどの希少なコケ類が群落を形成する、然別湖周辺の風穴地帯と東雲湖は、「日本の貴重なコケの森」に認定されたという(日本蘇苔類学会・2014年)。

  • 然別湖 音更湾 → 東雲湖<br /><br /><br />登山口から 約90分、然別湖から離れて より森のさなかへ。<br />徐々に上り、ここまでくると、東雲湖へは残り1キロ。<br />空へと のびる木立を仰ぎ見ると、ダケカンバの こぶが ボコボコと息吹いていて。

    然別湖 音更湾 → 東雲湖


    登山口から 約90分、然別湖から離れて より森のさなかへ。
    徐々に上り、ここまでくると、東雲湖へは残り1キロ。
    空へと のびる木立を仰ぎ見ると、ダケカンバの こぶが ボコボコと息吹いていて。

  • 湖畔を離れて 少し進むと、斜面に岩塊(溶岩の破片)が出現しはじめ、風穴地帯に入った模様。

    湖畔を離れて 少し進むと、斜面に岩塊(溶岩の破片)が出現しはじめ、風穴地帯に入った模様。

  • そんなゴツゴツ・ボコボコ斜面の 思わぬところに、鮮やかな エゾムラサキツツジ。<br /><br />大地のエナジーと やさしく咲く姿との 取合せに、なんとも ほのぼの。

    そんなゴツゴツ・ボコボコ斜面の 思わぬところに、鮮やかな エゾムラサキツツジ。

    大地のエナジーと やさしく咲く姿との 取合せに、なんとも ほのぼの。

  • さらに風景は一転。空が突然開けて、ガレ場が 斜面に広がる。<br /><br />そして左手の 木立の隙間からは、水面が 見えはじめた。

    さらに風景は一転。空が突然開けて、ガレ場が 斜面に広がる。

    そして左手の 木立の隙間からは、水面が 見えはじめた。

  • ガレ場を少し 進んだ頃に、ふいに 「ピチッ!」と 甲高い鳴き声が 一度だけ響いた…。<br /><br />ここを住み処とする、“ナキウサギ”が、不審者;の侵入を仲間に知らせる合図、だったのかもしれない…; その「ピチッ!」は、その後 もう一度聞いた。<br /><br />徐々に見えてきた水面、ナキウサギと遭遇するチャンスのガレ場、の左右を慌ただしく見廻しながら進むと ようやく、「東雲湖」の看板に到着。

    ガレ場を少し 進んだ頃に、ふいに 「ピチッ!」と 甲高い鳴き声が 一度だけ響いた…。

    ここを住み処とする、“ナキウサギ”が、不審者;の侵入を仲間に知らせる合図、だったのかもしれない…; その「ピチッ!」は、その後 もう一度聞いた。

    徐々に見えてきた水面、ナキウサギと遭遇するチャンスのガレ場、の左右を慌ただしく見廻しながら進むと ようやく、「東雲湖」の看板に到着。

  • 東雲湖(東小沼)<br /><br /><br />登山口からトコトコ歩くこと、1時間50分。写真を撮ったり、探りさぐりの往路だったこともあるが、思ったより時間が かかった;。<br /><br />そして思ったより、展望地と湖との間には、視界を遮る 木々が…;

    東雲湖(東小沼)


    登山口からトコトコ歩くこと、1時間50分。写真を撮ったり、探りさぐりの往路だったこともあるが、思ったより時間が かかった;。

    そして思ったより、展望地と湖との間には、視界を遮る 木々が…;

  • かつての噴火口といわれる 東雲湖の標高は 810m、然別湖と かわらない。昔は然別湖と 繋がっていた…との推測なのだそう。周囲0.8km、水深は2mと ささやかに、そして山間に 安らかに清い水を横たえている。<br /><br />水際まで迫る笹の原と湖面の、妙妙たる調和。<br /><br />繋がっていた… とのとおり、枯れた植物が湖底に堆積し続け、陸化現象の末には 消えてしまう…とも言われているという。失われゆく美観、まさに美人薄命…

    かつての噴火口といわれる 東雲湖の標高は 810m、然別湖と かわらない。昔は然別湖と 繋がっていた…との推測なのだそう。周囲0.8km、水深は2mと ささやかに、そして山間に 安らかに清い水を横たえている。

    水際まで迫る笹の原と湖面の、妙妙たる調和。

    繋がっていた… とのとおり、枯れた植物が湖底に堆積し続け、陸化現象の末には 消えてしまう…とも言われているという。失われゆく美観、まさに美人薄命…

  • 展望台(といっても、看板があるのみ)の裏手には、急斜面の ガレ場が 広がり、こちらも壮観。<br /><br />散在する岩々と植物が、天然の庭園の観を呈していて。

    展望台(といっても、看板があるのみ)の裏手には、急斜面の ガレ場が 広がり、こちらも壮観。

    散在する岩々と植物が、天然の庭園の観を呈していて。

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 東雲湖 (東小沼)

    東雲湖 (東小沼)

  • 汗かき 時間をかけやってきた訪問者を焦らすかのように、“東雲湖”看板から湖岸へは、やや距離がある。なおかつ、足の踏み場に最適な岩場は すぐに途切れ、たちまち隈笹に覆われる;<br /><br />胸、いや首くらいの背丈がある それらを掻き分け 斜面を下りていくが、水が流れた跡のような溝が横切っていて、突然の段差(笹で見えない足元)にも注意が必要と、思っていた以上の厳しさ・・; <br /><br />ただ、湖岸へのアプローチは 原則禁止というわけではない。危険という認識はある一方で、自然保護の観点から、湖岸への道整備には至っていない。湖を より見渡せる(見下ろせる)、展望スポットの設置を検討している、のだそう。

    汗かき 時間をかけやってきた訪問者を焦らすかのように、“東雲湖”看板から湖岸へは、やや距離がある。なおかつ、足の踏み場に最適な岩場は すぐに途切れ、たちまち隈笹に覆われる;

    胸、いや首くらいの背丈がある それらを掻き分け 斜面を下りていくが、水が流れた跡のような溝が横切っていて、突然の段差(笹で見えない足元)にも注意が必要と、思っていた以上の厳しさ・・;

    ただ、湖岸へのアプローチは 原則禁止というわけではない。危険という認識はある一方で、自然保護の観点から、湖岸への道整備には至っていない。湖を より見渡せる(見下ろせる)、展望スポットの設置を検討している、のだそう。

  • やっとこさ 湖岸に辿り着いたものの、足元が安定しない・虫の肉薄(虫除けスプレー効かず;)を受けたりで、落ち着けない・・;(踏み跡が しっかりとしたルートが 他にあったのだろうか…)。ということで、湖岸から秘湖を味わい尽くすことは できず…。<br /><br />それでも、水面に浮かぶ浮草の島を 間近に眺め、湖底の堆積物を確認していると、この景観が未来永劫ではないことを、 ひしと感じさせた。<br /><br />そうして、静寂の湖岸に佇んだのも束の間、その後が さらに青息吐息;;<br />今度は、隈笹の斜面を上らねばならない…。背丈以上の壁となって、波のように 立ちはだかるのであった;。四苦八苦、焦り 心拍数をも上がって、なんとか脱出。ふぅ;ー

    やっとこさ 湖岸に辿り着いたものの、足元が安定しない・虫の肉薄(虫除けスプレー効かず;)を受けたりで、落ち着けない・・;(踏み跡が しっかりとしたルートが 他にあったのだろうか…)。ということで、湖岸から秘湖を味わい尽くすことは できず…。

    それでも、水面に浮かぶ浮草の島を 間近に眺め、湖底の堆積物を確認していると、この景観が未来永劫ではないことを、 ひしと感じさせた。

    そうして、静寂の湖岸に佇んだのも束の間、その後が さらに青息吐息;;
    今度は、隈笹の斜面を上らねばならない…。背丈以上の壁となって、波のように 立ちはだかるのであった;。四苦八苦、焦り 心拍数をも上がって、なんとか脱出。ふぅ;ー

  • 気を取り直して;、東雲湖の風景を望見する。森の中から突如、別世界が広がるのだから、秘境の名に ふさわしい。<br /><br />濃藍の秘湖もさることながら、対岸の景色も ことさら印象深い。 若芽色の草肌一面に 針葉樹の濃緑、さらには 明るい広葉樹を載せて 織り成される、そのコントラスト。眼のさめるように 鮮やかで、しばらく見惚れていた。

    気を取り直して;、東雲湖の風景を望見する。森の中から突如、別世界が広がるのだから、秘境の名に ふさわしい。

    濃藍の秘湖もさることながら、対岸の景色も ことさら印象深い。 若芽色の草肌一面に 針葉樹の濃緑、さらには 明るい広葉樹を載せて 織り成される、そのコントラスト。眼のさめるように 鮮やかで、しばらく見惚れていた。

  • 東雲湖では 40分ほど休息し、去り難い風景を後に。<br />

    東雲湖では 40分ほど休息し、去り難い風景を後に。

  • 東雲湖 → 天望山 分岐<br /><br /><br />往路と同じ道を戻る途中、行き では気づかなかった光景。新緑のセカイに 意外や残雪、これも風穴でしょうか。

    東雲湖 → 天望山 分岐


    往路と同じ道を戻る途中、行き では気づかなかった光景。新緑のセカイに 意外や残雪、これも風穴でしょうか。

  • 然別湖畔 ・ うぐいす湾<br /><br /><br />お昼が近づき、湖面は柔らかな陽光に照らされ、<br />木々もあざやかに 新しい枝葉を伸ばしていて。<br /><br />澄んだ透明から翡翠色へ、色付く水面に 目を奪われる。<br />見惚れ過ぎて、うっかり足を滑らさないにように 注意しつつ・・;

    然別湖畔 ・ うぐいす湾


    お昼が近づき、湖面は柔らかな陽光に照らされ、
    木々もあざやかに 新しい枝葉を伸ばしていて。

    澄んだ透明から翡翠色へ、色付く水面に 目を奪われる。
    見惚れ過ぎて、うっかり足を滑らさないにように 注意しつつ・・;

  • 然別湖畔 ・ 1の湾<br /><br /><br />東雲湖から約1時間、再びビーチへ。森の中から 抜け出ると、まばゆい晴天。<br />丁度いい丸太に 腰を落ち着かせ、風に吹かれて深呼吸。<br /><br />秘境・秘湖といいながら、(確認した限り)行程で電波が途切れることは なかった、という不思議。十勝平野が すぐそばだからなのかな…

    然別湖畔 ・ 1の湾


    東雲湖から約1時間、再びビーチへ。森の中から 抜け出ると、まばゆい晴天。
    丁度いい丸太に 腰を落ち着かせ、風に吹かれて深呼吸。

    秘境・秘湖といいながら、(確認した限り)行程で電波が途切れることは なかった、という不思議。十勝平野が すぐそばだからなのかな…

  • 然別湖畔 ・ 1の湾

    然別湖畔 ・ 1の湾

  • 登山口を出て、道道85号より。<br /><br />11時に東雲湖を折り返し、登山口に12時40分 着。途中、ビーチで15分ほど休息したから、立ち止まることが少なかった復路は 90分ほどの所要に。<br /><br />そびえる天望山(▲1,174、通称・くちびる山)の左手、あの山麓の奥地まで足を運んだのだから、歩ききった充足感は ひとしお。

    登山口を出て、道道85号より。

    11時に東雲湖を折り返し、登山口に12時40分 着。途中、ビーチで15分ほど休息したから、立ち止まることが少なかった復路は 90分ほどの所要に。

    そびえる天望山(▲1,174、通称・くちびる山)の左手、あの山麓の奥地まで足を運んだのだから、歩ききった充足感は ひとしお。

  • 道道85号 ・ 幌鹿峠(然別湖 → 糠平湖)<br /><br /><br />然別湖で休息した後は、東大雪の さらに奥地へと 幌鹿峠越え。<br />中腹のスキー場 斜面から、人造湖・糠平湖を遠望。昨年同様、今年も 貯水量が少ない様子。

    道道85号 ・ 幌鹿峠(然別湖 → 糠平湖)


    然別湖で休息した後は、東大雪の さらに奥地へと 幌鹿峠越え。
    中腹のスキー場 斜面から、人造湖・糠平湖を遠望。昨年同様、今年も 貯水量が少ない様子。

  • 幌鹿峠からは、山頂の かけらも のぞいていて。それは、然別湖畔の か細い山道で、ひとり心細い私の テンションを上げさせてくれた “ウペペサンケ山”。 遠望していた雄姿が、ここまで近くに。

    幌鹿峠からは、山頂の かけらも のぞいていて。それは、然別湖畔の か細い山道で、ひとり心細い私の テンションを上げさせてくれた “ウペペサンケ山”。 遠望していた雄姿が、ここまで近くに。

  • 十勝三股<br /><br /><br />幌鹿峠から、糠平湖を かすめて 原生林の中の直線を爽快に走ること40分、またまた秘境の 十勝三股に 到達。 秘境ハシゴ旅の 1日。午後も天気は崩れず、石狩連峰を見渡せる 至福の ひととき。<br /><br />もう6月でも 残雪の山並み、それでも暖冬だったゆえ、例年では6月下旬に見られる残雪具合なのだそう。

    十勝三股


    幌鹿峠から、糠平湖を かすめて 原生林の中の直線を爽快に走ること40分、またまた秘境の 十勝三股に 到達。 秘境ハシゴ旅の 1日。午後も天気は崩れず、石狩連峰を見渡せる 至福の ひととき。

    もう6月でも 残雪の山並み、それでも暖冬だったゆえ、例年では6月下旬に見られる残雪具合なのだそう。

  • 十勝三股 ・ 三股山荘<br /><br /><br />遅めの昼食に、カレーライス☆<br />たまねぎ、にんじん、きのこを じっくり煮こんだ、豚ひき肉入りの美味。<br /><br />帯広でインデアン(カレー専門店)が 待ちうけるのだが、ついついチョイス。

    十勝三股 ・ 三股山荘


    遅めの昼食に、カレーライス☆
    たまねぎ、にんじん、きのこを じっくり煮こんだ、豚ひき肉入りの美味。

    帯広でインデアン(カレー専門店)が 待ちうけるのだが、ついついチョイス。

  • 三股山荘<br /><br /><br />食後に アイスコーヒー。この環境、水から美味しい。<br />店内には、十勝三股(かつては、国立公園内の“木材の町”)の在りし日の写真ファイルや、上士幌町に関する文献等もあって 拝見。<br /><br />ついつい見入ってしまう; 長居、失礼しました…;

    三股山荘


    食後に アイスコーヒー。この環境、水から美味しい。
    店内には、十勝三股(かつては、国立公園内の“木材の町”)の在りし日の写真ファイルや、上士幌町に関する文献等もあって 拝見。

    ついつい見入ってしまう; 長居、失礼しました…;

    三股山荘 グルメ・レストラン

  • 度々 登場の“ウペペサンケ山”を、十勝三股より。然別湖 側から見るより、まだまだ広い 残雪模様。<br /><br />十勝三股で ゆったりした後は、山深い湯の里・「ぬかびら源泉郷」で温泉を堪能。“中村屋”の露天風呂では、エゾシカと目が合い(5頭もの鹿さん軍団、夕食中だった模様・・;)、上士幌町の市街にある“金亀亭”では 愉しい夕飯。<br /><br />と、真の目的地は帯広市なのに、この道草よう…; でも自然の息吹と野性味に触れ、撮った写真の枚数が物語るように 充実の1日となった。そして余韻を噛みしめる間もなく、寝床につくなり まぶたの裏側へ…… 嗚呼 体力低下まっしぐら;

    度々 登場の“ウペペサンケ山”を、十勝三股より。然別湖 側から見るより、まだまだ広い 残雪模様。

    十勝三股で ゆったりした後は、山深い湯の里・「ぬかびら源泉郷」で温泉を堪能。“中村屋”の露天風呂では、エゾシカと目が合い(5頭もの鹿さん軍団、夕食中だった模様・・;)、上士幌町の市街にある“金亀亭”では 愉しい夕飯。

    と、真の目的地は帯広市なのに、この道草よう…; でも自然の息吹と野性味に触れ、撮った写真の枚数が物語るように 充実の1日となった。そして余韻を噛みしめる間もなく、寝床につくなり まぶたの裏側へ…… 嗚呼 体力低下まっしぐら;

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この旅行記へのコメント (3)

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  • 旅人隊長さん 2015/06/25 09:44:08
    懐かしき東雲湖
    took tookさん
    はじめまして 旅人隊長と申します。

    took tookさんの北海道三大秘湖というタイトルに惹かれてお邪魔しました。
    took tookさんは然別湖からトレッキングされたんですね。
    私が東雲湖に行ったのは、もう30年程前ですが、当時は遊覧船で対岸の船着場で下船して行けたのですが、数年前然別湖に行った折、ネイチャーセンターで聞いたら、もう随分前に遊覧船では行けなくなったとのことで、東雲湖再訪を諦めました。
    took tookさんの旅行記で、思いもよらず東雲湖の今を拝見できて嬉しくなり、ついメッセージを書かせて頂きました。
    30年経っても変わらないものがあることにホッとしてます。
    これからも少しづつtook tookさんの旅行記拝見させて頂きます。
    旅人隊長

    tokotoko

    tokotokoさん からの返信 2015/06/27 17:59:26
    RE: 変わらないもの
    旅人隊長さん こんばんは、はじめまして。

    拙い記事をご覧くださり、またコメントまで寄せて頂き恐縮です。誠にありがとうございます。

    どうやら10年ほど前に、最寄桟橋は廃止されたとのこと…。昨年それを知り 肩を落としましたが、ナキウサギたちが平穏に暮らす、秘境が保たれているようです。

    陸化の進行が危惧されていますが、30年前に訪ねられた旅人隊長さんの、“変わらないもの…”というコメントに、こちらも なんだかホッと安堵したところです。(ちょうど25年ほど前の 写真がありますが、浮草の島など、現在の様子と比べて 大きな変化はないように見えます。実際には どうなのでしょうかね…)

    こちらこそ、旅人隊長さんのページにお邪魔させて頂きます。旅で行ってみたい場所は尽きないものですが、なんだかんだ一番行きたいのは、“昔の日本”です。ですので旅人隊長さんの、古い写真をデータ化された記事で 叶えられれば幸いです。勝手ながら 楽しみにしています☆ tokotoko
  • 旅人隊長さん 2015/06/25 09:43:50
    懐かしき東雲湖
    took tookさん
    はじめまして 旅人隊長と申します。

    took tookさんの北海道三大秘湖というタイトルに惹かれてお邪魔しました。
    took tookさんは然別湖からトレッキングされたんですね。
    私が東雲湖に行ったのは、もう30年程前ですが、当時は遊覧船で対岸の船着場で下船して行けたのですが、数年前然別湖に行った折、ネイチャーセンターで聞いたら、もう随分前に遊覧船では行けなくなったとのことで、東雲湖再訪を諦めました。
    took tookさんの旅行記で、思いもよらず東雲湖の今を拝見できて嬉しくなり、ついメッセージを書かせて頂きました。
    30年経っても変わらないものがあることにホッとしてます。
    これからも少しづつtook tookさんの旅行記拝見させて頂きます。
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